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【QAあり】アシロ、営業利益が非常に好調に推移し業績予想を上方修正 Q&Aコーナーでは多数の質問に回答
24年10月期3Q マネジメントメッセージ
中山博登氏(以下、中山):株式会社アシロ代表取締役社長の中山です。本日は第3四半期決算説明会をご覧いただき、誠にありがとうございます。
決算説明資料はそれぞれご参照ください。Q&Aを中心とした説明会にしたいと思っており、発表では補足して説明する内容以外は基本的に割愛します。よろしくお願いします。
マネジメントメッセージはスライドのとおりです。
24年10月期 3Q(24年5月-24年7月)決算サマリー
中山:決算サマリーとしては、業績が非常に好調に推移しました。本日、上方修正を出したとおり、営業利益が非常に順調に推移しております。来期は中期経営計画の最終年度であり、予算を以前から出していますが、期首から以前ほどの営業利益を出す体制へ急に戻すことが、組織的にもけっこう難しい可能性もあると思い、下期から準備を始めようと、投資を抑制しつつ、より筋肉質なコスト体制など、来期に向けたいろいろな体制作りを進めていかなくてはならないと考えていました。
もう少し時間かかるだろうと思っていましたが、想定以上にメンバーが迅速に対応し、かなり早い段階で利益体質が戻ってきたため、大きな利益が出始めています。上方修正しても十分問題ない体制になってきています。来期に向け、非常に順調に進んでいるところです。
24年10月期 3Q累計(23年11月-24年7月)事業別サマリー
中山:事業ごとのサマリーです。全体としては先ほどお伝えしたとおりです。リーガルメディア事業では、メンバーの第1四半期、第2四半期にわたるテストマーケティングを踏まえ、新商品の高単価商材などの好調な商品が、数字に大きく貢献しています。
また、リーガルメディア事業部の一つひとつの積み重ねがあり、そこまで大きくない数字に見えますが、毎日粛々と、懸命にお客さまと信頼関係を築いています。高単価商材以外のところも、着実に積み上がった結果です。
全体として良い循環ができており、非常に順調だといっても過言ではないと思っています。リーガルメディア事業においては、ここで満足することなく、追加で新規商材開発を進めています。
派生メディア事業も、YoYで大きく成長しています。引き続き事業の中心となっている転職支援会社を紹介するサイト「キャリズム」が好調です。
派生メディア事業部では、各メンバーが「『キャリズム』を超える事業を作る」と意気込んでいます。「キャリズム」を超えていくようなサービスを早々にお見せしたいですし、そのために日々メンバーが立ち上げに尽力し続けています。より早い段階でみなさまにお披露目できればいいと強く思っています。
HR事業は、今期の通期では赤字ですが、赤字幅を徐々に縮小しています。人材紹介については、単月で見ると黒字となる月もあります。来期は通期での黒字を目指し、達成できるようにしたいと考えています。HRのメンバーも十分に業績に貢献してくれていますが、赤字ではなくしっかり黒字化し、さらに貢献したいと意気込んでいます。
もう1つのHR事業である人材派遣も、稼働している派遣社員数を毎月少しずつ積み上げてきています。できる限り早い段階で単月の黒字化を目指していくため、メンバーが日々尽力しているところです。HR事業全体では、来期は通期で黒字化を十分狙えるのではないかと思っています。
保険事業は、既存商品よりも新規商材の開発を進めています。来期に数字をしっかりと出すため、新しいメンバーの加入や既存メンバーの配置転換を実施し、新規商材開発および仕込みにおいて精力的に活動しています。コミットメントが非常に強いメンバーが「来期はやるんだ」と、日々尽力しています。
全事業において大いにご期待いただきたいと思っています。来期に向けて準備を整えつつ、みなさまのご期待をさらに超えるものとなるよう、残り1ヶ月半をがんばっていきたいです。
四半期決算(BS/CF)
中山:B/Sでは、減損のリスクについて懸念される方がまれにいらっしゃるため、のれんの状況のみご説明します。第2四半期から第3四半期にかけてのれんの増減はありませんが、前期第4四半期から今期第1四半期、第2四半期にかけて、のれんの減損損失を計上しました。のれんはまだ11億3,900万円計上されていますが、こちらは旧アシロから新アシロへの引き継ぎの際に発生したのれんです。
既存事業の大きな総崩れ、例えば事業全体で半分ぐらいの規模になるような大きな営業状況の変化などが起きない限り、減損される種のものではありません。基本的にはもう減損しきった状況で、のれんの減損損失が発生することはないとご理解いただき、ご安心いただければと思います。
以上、決算資料の深掘りとして、組織の状況や、メンバーがどのような思いで尽力しているかをご説明しました。
加えて、8月前半に日経平均全体が大きく下落するタイミングがありました。いろいろな世界情勢を含め、「年末にかけてこのようなことがまた起こるのではないか」という声もあります。投資していただいていると、そのようなタイミングは長い期間で見れば必ず訪れると思います。
アシロという会社が戦っているマーケットは、弁護士業界をメインとしています。弁護士業界では、例えばリーマン・ショック、東日本大震災、新型コロナウイルス感染症の流行のような、世界、国内を含めた非常に大きな出来事があったタイミングでも、統計的に年間の法律相談が減った年はありません。
つまり、マーケットとしてはそれぐらい底堅いです。そのため、アメリカ大統領が誰になったとしても、おそらく日本の法律相談数は減りません。アシロが受けるマーケットの影響はごく軽微で、非常に強いマーケットで戦っているのです。
マーケット全体のことはわかりかねますが、個別としては非常に底堅く、安心して投資いただけるマーケットで事業をしています。
質疑応答:保険事業の新商品について
荒井沙織氏(以下、荒井):「前回の決算説明会でお話ししていた、保険事業の新商品の進捗状況を教えてください」というご質問です。
中山:商品はおおよそ仕上がってきています。今は、どのような戦略で売っていくかという、本当に細かいところに関して最後の詰めを行っています。
許認可ビジネスのため、管理管轄官庁などと調整して商品をローンチしていくのですが、来期中には新商品をお披露目できるかと思っています。お披露目するだけではなく、「これは期待できるぞ」というような事業の立ち上がりをご期待いただければと思っています。
質疑応答:リーガルメディア事業の高価格帯商材について
荒井:「前々回の決算説明会でお話ししていた、リーガルメディア事業の高価格帯商材の進捗状況を教えてください」というご質問です。
中山:今四半期には少し業績にのってきていますが、高価格帯商材の販売が非常に好調です。引き続き好調を維持したいと思っています。それに満足することなく深掘りし、もう少し違うニーズを拾い、さらに高価格帯商材を開発できないかと、現場のメンバーが必死に尽力しています。新たな商材を開発できるようにがんばっていきたいです。
質疑応答:リーガルメディア事業の引き合いについて
荒井:「市場について、リーガルメディア事業の引き合いは加速しているのでしょうか?」とのご質問です。安定的だというお話はいただいていますが、いかがでしょうか?
中山:引き合いが強くなっていることは別にないと感じています。それよりは、業界内で長年我々が粛々と取り組んできたことが浸透していき、より安定的に、安心して取引いただける状況が築けているのではないかと思います。
広いようで狭く、狭いようで広いのが法律業界で、我々の商品に関する「やはり、良いよね」という口コミも「ダメだよね」という口コミも一気に広がります。この商材を作ってから十数年が経ちますが、安定的に安心してご利用いただいていますし、「安心して使えるよね」と思っていただけているのではないかと自負しています。
荒井:法律業界における口コミの広がり方は、はじめはゆっくりなのですか?
中山:どのような業界でもそうだと思いますが、最初は疑心暗鬼で、「大丈夫なの?」と多くの方が思われる中、まずは非常に好奇心旺盛な方々がサービスを利用してくださいます。そして次の層へとステップアップし、慎重な方々や「あまりそのようなものは使っていなかったんだよね」という方たちまで広がっていくという流れです。
荒井:アシロは今、どの段階にあるのでしょうか?
中山:より先行的な方から、「これまではあまりネット広告などをしたことがなかった」「独立したばかりだが、所属していた頃から御社の商品を知っていて、独立したから使ってみたいと思っている」というお声も多くいただくようになっています。
そのため、比較的、これまで個人としてはあまり使ったことがなかった方々に使っていただける段階まできているのではないかと思っています。
質疑応答:リーガルメディア事業の掲載枠数と顧客数について
荒井:「リーガルメディア事業の掲載枠数と顧客数が大幅に伸びていますが、詳細を教えてください」というご質問です。
中山:本当に、日々粛々と増やし続けることしかありません。前期の下期ぐらいから組織的になかなかうまくいっていない部分がアジャストされ、今期の頭から非常に良いリズムが続き、販売が好調です。それが実ってきているところが一番大きいです。
プロダクトとしての競争優位性で、「何が強いのですか?」「何が好調なのですか?」とよく聞かれますが、いろいろな人間が働く会社のため、そこで働いている人間が非常に働きやすいことや、より高いモチベーションで働いていることも業績に大きな変化をもたらします。
前四半期は働いている人間のモチベーションが決して低かったわけではありません。よりモチベーションが高くなり、働き、販売する意欲がより強くなるのが一番の影響だと思っています。
質疑応答:派生メディア事業の「キャリズム」について
荒井:「派生メディア事業の『キャリズム』について、同種のサイトとの違いや強みについて教えてください」というご質問です。
中山:手前味噌で恐縮ですが、弊社のメンバーが非常に優秀なことが一番大きな要因です。弊社には、優秀な社員が大変多く働いています。また、社員の持株会の加入比率は6割程度で、株主としても本日の決算発表会を見ていると思います。
株主としてだけではなく、従業員としても、他の投資家の期待を絶対に越えていくんだという強い思いで取り組んでいる優秀なメンバーが、細かいアジャストでチューニングして、他者との競争優位性を作り続けていることが、成長の源泉となっています。
プロダクトとして、競争優位性がはっきりしている部分もありますが、それ以上に非常に優秀なメンバーたちが強いコミットメントで毎日取り組み続けていることが一番大きな競争優位性になっていると思います。
質疑応答:派生メディア事業の伸びと今後の成長性について
荒井:「派生メディア事業の売上の大きな伸びの要因と、今後の成長持続性について詳しく教えてほしいです」というご質問です。
中山:毎年150パーセント前後伸びていますが、弊社としては派生メディア事業が伸びているという感覚があまりありません。粛々とやるべきことを、やるべき者がやりきっているという点が大きな要因だと思います。
前回から、派生メディアとリーガルメディアに分かれていたものを、メディア事業本部というかたちで統一しました。メディア事業本部の者は非常に強いアニマルスピリットを持っています。「この規模で、このようなレベルで終わりたくない」という意気込みで、成長を続けていくことを考えています。
マーケット全体で見れば、弊社の規模は非常に小さいです。しかし、持続可能性という点では、まだマーケットは残っています。弊社のメンバーであれば、マーケット全体に対する影響力を十分に期待できると思います。
質疑応答:保険事業の新商品の企画について
荒井:「保険事業の新商品の企画は順調でしょうか?」というご質問です。
中山:こちらのメンバーも、投資家として現在、この説明会を見ていると思います。保険事業に関するご質問を多数いただいており、非常に期待値が高まっていると思います。その期待に応えたいという思いで、メンバーが尽力しています。
商品の詳細については、ご説明しきれないのですが、順調でないことはありません。働いているメンバーは、「期待に応えるんだ」「アシロの既存事業を抜いていくんだ」という思いを持っています。やりきるという強い意志を持ったメンバーが集まっているため、強くご期待いただきたいと思います。
荒井:保険事業は6月から新代表が就任していますが、どのような方ですか?
中山:けっこうお酒に強いです。
荒井:見た目で判断して恐縮ですが、強そうです。
中山:私の母方の実家が酒屋のため、お酒は飲めるほうですが、保険子会社の新代表は私がついていけないぐらい強いです。
荒井:それでは、とことん語り合えますね。
中山:途中で私が潰れてしまいます。そして、非常に仲間思いでメンバーからも慕われています。細かいことを詰めていくというより、明るくポジティブで、チーム全体を前進させる力が強い方です。
それを支えるメンバーは、細かく物事を管理できる者もいれば、代表の山田の豪快さにさらに勢いをつけるような者もいます。いろいろなタイプの人がついていきたいと思える人柄だと思っています。
荒井:リーダーシップが非常にある方ですか?
中山:そのとおりです。いろいろな人々から支えたい、一緒に仕事をしたいと思ってもらえるようなタイプだと思います。私も6月から一緒に仕事をしていますが、もっと前から仕事をしていたのではないかと思うほど、非常に働きやすいと感じています。
荒井:そのようなチームの土壌があると、新商品も良いものが生まれてきそうですね。
中山:まさしくそうです。良い商品を作ることは大事ですが、どれだけ良い商品でも、外から見るとプロダクトが良いから売れているとしか見えないと思います。しかし、その裏で一人ひとりのメンバーが懸命に一個一個を積み上げることで、世の中に広まっていくと思います。
決してプロダクトだけが良いから、商品が広まっていくのではありません。他社のことですが、「PayPay」にはみなさまも驚いたのではないでしょうか。
荒井:驚きました。
中山:片田舎でも「PayPay」のQR決済があります。私はそれを見るたびに、ここまで売りに来ている者がいるのだと感動します。「PayPay」自体は非常に良いプロダクトだと思いますが、それをコミットメントを持って売り切っているから普及しているのだと思います。世の中全体がそうだと思いますが、一人ひとりの強い意志のようなもので非常に便利になっていることを忘れてはいけないと思います。
質疑応答:リーガルメディア事業の成長について
荒井:「リーガルメディア事業が回復したようで安心しました。しかし、前回、社内事情でへこんだというお話がありましたが、直近の成長角度は一定の持続性が期待できる状況なのでしょうか? それとも今までの反動もあり、たまたま今期ができすぎたという面があるのでしょうか?」というご質問です。
中山:みなさまはプロの投資家だと思いますが、株価もそうであるように浮き沈みがあり、アベレージをとることでリターンが決まっていく面があると思います。我々としても、年次平均20パーセント前後を指標にして、20パーセントを切らないように成長させていこうと思っています。来期以降もこの水準を守っていきたいと思います。
あまり浮かれることなく、逆にへこみ過ぎることもなく、粛々と取り組むことが大事だと思っています。
荒井:これまでにへこんだ分を取り戻し切ったのではなく、過程の1つと捉えてよいということですか?
中山:そのとおりです。悪いことは忘れるタイプで、そこまでへこんだ記憶はありませんが、良いことも悪いことも全部忘れて、さらに良いことを生み出す準備をしていきます。
荒井:常に前進ですね。
質疑応答:アシロパーカーやTシャツについて
荒井:「社長が着用しているアシロパーカーやTシャツがかっこいいと思い、セミナーを見ています。株主でも入手できるようになりますか?」というご質問です。
中山:副業でもいいので、少しでもアシロで働いたら、おそらくお渡しできると思います。ぜひアシロで一緒に働きましょう。
質疑応答:新しい中期経営計画について
荒井:「来期が中期経営計画の最終年度です。来期のどこかのタイミングで新しい中期経営計画を出すと思いますが、その時の先行投資の考え方を教えてほしいです。今回の中期計画同様、1年から2年の先行投資を実施し、売上成長を加速させていくイメージですか?」というご質問です。
中山:今回の中期経営計画は2022年末に出したため、2025年が最終年度です。今回学んだことは、あまり資金を使いすぎることで、使うためのコストがかかってしまうということです。2025年以降は、R&Dのようなかたちで新商品の開発や投資はするかもしれませんが、営業利益の大半を使って投資していくことにはならないと思います。
2025年10月期は、中期経営計画最終年度で大事な年です。しかし、最終年度のことだけを考えていてもいけないため、2028年10月期頃を見据えて、「どのような規模に持っていくのか」「このような期待に応えていくんだ」というものを考えはじめています。その輪郭がある程度くっきりして、蓋然性も上がってくれば、投資家のみなさまにも共有していいのではないかと思っています。
質疑応答:来期の営業利益率について
荒井:「営業利益率が14パーセントまで戻ってきていますが、来期は1年で、営業利益率はどのくらいになりそうですか?」というご質問です。
中山:自然体であれば、営業利益率は20パーセントを出せます。売上の予算に対して、営業利益率20パーセントを見込み、その中から配当を決めるため、それを続けている限りは維持できると思っています。
一方で、人材派遣ビジネスのように利益率が低いビジネスの売上規模が上がると、営業利益率は下がる可能性があります。しかし、弊社内での派遣事業の売上比率はそこまで大きくなっていないため、来期は営業利益率20パーセントを十分確保できると思います。
また、20パーセントではなく、より高い水準で営業利益を出して、投資家のみなさまが喜ぶ顔を見たいと思っているメンバーが非常に多いと思っています。何パーセントまで出せるかは言及しきれませんが、20パーセント以上を十分狙っていけると思います。
質疑応答:四季報の売上予想について
荒井:「四季報が今期の売上について46億円超の予想を出していますが、上回る自信はありますか?」というご質問です。
中山:我々は、上場してから予算を1回も下回ったことがない、非常に堅実に運営している会社です。その理由の1つは、そもそも事業自体が堅い一方で、予算はある程度コンサバに出し、期待に応えていくという志向性が強いからです。
十分に達成できる数字を出しているため、市況が出している数字を超えていく可能性も、ご期待いただけると思います。
質疑応答:「ベンナビ」の海外展開について
荒井:「『ベンナビ』の海外展開について考えていますか?」というご質問です。
中山:可能性の1つとしては十分あり得ると思います。しかし、司法の業界はマーケットの環境が各国で異なっているため、非常に難易度が高いです。まだ国内でいろいろな事業を伸ばせるのであれば、わざわざ難易度が高い領域に取り組む必要はないと思います。今のところは、国内で取り組めることをやりきった上で、海外に展開すればよいと思っています。
質疑応答:3四半期連続の減損について
荒井:「3四半期連続で減損に至った原因はどこにあったと考えていますか? この結果を今後どのように活かしていきたいでしょうか?」というご質問です。
この質問者の方は投資歴20年以上で、このような状況をなかなか見たことがなく驚いたのだと思います。今回の減損について、失敗と見ていないかもしれませんが、今後についても教えてください。
中山:投資歴20年の中ではじめてということで、大変申し訳ありませんでした。当然、失敗ではありますが、それを失敗だけで終わらせないと考えています。
今後、我々が行うM&Aの考え方に、M&Aの規模や業種といった「このようなものをしてはいけない」「このようなことは見たほうが良い」「このようなものも見て進めたほうがいい」という、見るべき視点を明確にさせてくれた点は、非常に教訓になったと思います。
ただし、単純に減損だけを見ると、非常に大きな失敗だったと思います。しっかり反省して、次回以降に活かしていきたいと思っています。
質疑応答:営業利益超過分の対応について
荒井:「中期経営計画最終年度の営業利益は11億円とのことですが、2024年10月期第2四半期および第3四半期の投資減損額を除いた営業利益は2.8億円程度で、単純に2.8億円掛ける4で11億円を超える計算となります。
来期の営業利益が11億円を超過した場合は、超過分を投資してさらなる成長を目指すのか、あるいは利益創出期のため、超過分も含めて営業利益として計上するのでしょうか?」というご質問です。
中山:今、弊社のメンバーたちは、「うちの事業部が今の予算を超過させて、11億円以上の利益を出すんだ」と意気込んでいるのではないかと思います。
もし利益が超過した場合は、来期に向けて調整もあるかと思いますし、確定したことではありませんが、私個人としては「何パーセント出て、どのくらいの利益が出る」ということをしっかりお見せしなければいけない年だと思っています。
したがって、できる限り投資を抑制し、出し得る限りの利益を出す年にしたいと思っています。
質疑応答:投資効果について
荒井:「今期は投資額を見直しているとのことですが、投資額に対する費用対効果について、現状ではどのようにお考えですか? また、投資の効果としては、リーガルメディア、派生メディア、HRのどの領域に対して特に効果があったと感じていますか?」というご質問です。
中山:全事業、M&Aを含めて投資してきたわけですが、結果として、再来期以降に成長が継続されていることが投資対効果だと思います。具体的な効果を説明しきれない部分もあるかと思いますが、「あの3年があったから継続的に成長できている」ということを投資家さまに示すことが、我々のあるべき姿だと思っています。
「売上と利益は伸びていないが、このような費用対効果があった」ということのほうが、私としては言い訳がましいと考えており、数字だけしっかり見ていただければうれしいです。
質疑応答:派生メディア事業の閑散期について
荒井:「派生メディア事業について、第3四半期、第4四半期が閑散期とのことですが、その理由を教えてください」というご質問です。
中山:年度替わりで転職される方が多いことが一番の要因です。3月頃に転職を考える方が多くなっているためです。
質疑応答:HR事業の新規登録者数について
荒井:「HR事業の新規登録者数が減ってきていることが気になります。対応リソースを踏まえた適正化とのことですが、現状のリソースでは、新規登録者数は何人程度が適正と考えていますか?」というご質問です。
中山:何人が適正かは細かくお答えしきれない部分がありますが、登録者に関しては充足している状況です。これまで、広告を投資的に非常に多く出稿するとどのようなことが起こるか検証してきたのですが、今、広告を打たずとも弊社のサービスに登録する方が増えています。
HR事業に関しては、いかにお金をかけず、転職を希望する方に弊社のサービスを認知いただき、登録して転職いただけるかが、利益創出する点で非常に重要です。お金をかければいくらでも登録者数は増やせますが、お金をかけずに登録者をしっかり増やせており、来期は通期で黒字化を目指せるような状況になっています。
この決算発表の終了後、私の大好きな「Yahoo!掲示板」に、私の発言に対して「そうではなく、こういうことなのでは?」というようなネガティブな発言が出てくると思います。しかし、HR事業は大変好調のため、ご心配いただく必要はありません。
質疑応答:掲示板で参考になったコメントについて
荒井:「その後も掲示板をチェックされていますか? 参考になったコメントはあるのでしょうか?」というご質問です。
中山:私のプレゼンの仕方が誤解を招いている時もありますが、「そのように受け取られているのだな」と受け止め、もう少しきちんと伝わるようにご説明しなければいけないと思ったことが一番の学びです。
プレゼンを短くしてこのQ&Aをさせていただいています。「不安な点があれば全部質問してほしい。そうすればその不安は払拭できる」と思っています。掲示板に書いても不安を払拭することはできません。私に聞いていただくのが一番正確です。もしくは、弊社に問い合わせいただければご回答できます。
掲示板内でどれだけ不安を共有し合ってもなかなか拭えないと思いますので、ご質問いただけたらうれしいです。
荒井:中山社長からいつも「Yahoo!掲示板」というワードが出てくるため、私もチェックするようにしたのですが、本日はなかなか良いコメントが付いていたのではないでしょうか?
中山:私はけっこうあまのじゃくで、「今日は良いコメントしか付いていないだろうな」という時はあまり見ません。
荒井:自分に厳しいですね。
中山:反対に、「今日はやばいぞ」という時は見ます。
荒井:あまり褒められるのがお好きではないのですか?
中山:めちゃくちゃ好きです。めちゃくちゃ好きなのですが、それを見たら少し安心して止まってしまう可能性があるため、良い時に見るのはあまり良くないのです。悪い時は、事業の良くない点などにも焦点が当たり、非常に良いです。
浮き足立たないように、あまり良いコメントばかりにフォーカスしないのは、私としてはけっこう重要だと思っています。
荒井:おごりの心を持たないように心がけているのですね。
中山:おっしゃるとおりです。
荒井:少し時間が空いたら、ぜひ本日の「Yahoo!掲示板」のコメントも読んでください。
中山:このように強気に「見ない」と言っていますが、本日はベッドの中で布団をかぶって真っ暗にして、「しめしめ」と見ていると思います。
荒井:良い夢が見られるかもしれませんね。
質疑応答:来期以降の野望と課題について
荒井:「来期の中期経営計画最終年度は大事だと思いますが、それ以降の野望を聞かせてください」また、「来期以降、利益拡大フェーズの想定ですが、その面で今、課題となっていることを教えてください」というご質問です。
中山:本当にご期待いただきたいと思っています。アシロは、AI関連でもなければ、半導体関連でもありません。そのため、マーケット全体ではそれほど期待値は高くないかもしれませんが、その期待値を大きく超えていきたいと思っています。
AIや流行りの領域にいなくても、「するべきことを続けていればこれだけの成長率を継続できる」という銘柄になっていきたいと思っています。私個人としては、この規模で満足しているわけではありません。ぼんやりと見ている状態ですが、まったくこのような規模ではないところを野望として持っています。
それに対しての課題は採用です。野望を一緒にかなえたいと思ってくれる優秀なメンバーが集まってくれることだと思っています。投資家さまから見ても、転職者から見ても、非常に地味な会社かもしれませんが、中ではアグレッシブにさまざまな施策や新しい試みなどを行っています。
表面的に派手には見えないかもしれませんが、非常に魅力的な会社になっていけると思っているため、採用については、今の段階で課題として抱えているものの、十分に克服していけると考えています。
質疑応答:広告費と登録者の獲得について
荒井:「HR事業が順調とのことで、安心しました。一方で、広告費をかけずに登録者を獲得できる環境になったとのことですが、その要因をお聞かせください」というご質問です。
中山:弊社がHRに参入した時、Webマーケティングにおいて十分な競争優位性が築けるのではないかと考え、事業を開始しています。
当初は、求人を獲得する、転職希望者とお話しして転職支援をさせていただくという点に関しては、競合他社に力負けする部分もありました。そこも徐々に追いついてきており、マーケティングに関しては圧倒的に我々のほうが強いと思っています。
数年事業を行った結果、Webのマーケティングで競争優位性を徐々に発揮し、実を結び始めていることが一番大きな要因です。
質疑応答:日焼けについて
荒井:「日焼けしましたか?」というご質問です。
中山:今年は白いほうです。
荒井:私は社長にお会いした時に、「焼けていらっしゃるな」と思いました。
中山:私の人生史上、一番黒かったのは、上場初日の東証のインタビューの時です。あの時は白目と歯しか見えないくらい黒く日焼けしていました。それに比べれば非常に白くなったのではないかと思います。
荒井:晴れの舞台に向けて、焼いて臨んだのですか?
中山:純粋に、屋外にいる時間が長過ぎたのでしょう。たまたまです。日焼け止めなどを塗れば白さも維持できると思いますが、日焼け止めも塗らず、これだけの日差しの中を歩き回れば普通に黒くなっていくと思ってください。自然体で生きている状況です。
荒井:柔らかめのご質問も入ってくるあたりが、中山社長のお人柄の表れだと感じます。
質疑応答:業績と株価への心意気について
荒井:社長の知人とお知り合いの方から「社長について『イケイケな男だ』と言っていました。プライベート同様に、業績も株価もイケイケでお願いします」とのコメントです。
中山:業績に関しては、我々ができることをするしかありません。株価に関しては、ご覧いただいている投資家さまのご支援というわけではないのですが、握力を強くしていただいて、全員で辛抱して握り続ければ「イケイケ」になっていくのではないかと思います。
我々としては、「握っていても良いのだ」と思っていただけるように、ご期待に応えられるように一個一個、粛々と進めていきます。投資家のみなさまにも、全体で株価を構成していけるようにお願いできればと思っています。
質疑応答:金融領域への進出について
荒井:「『ビッコレFX』がサービス終了となるようですが、金融領域への進出は、まだ構想にあるのでしょうか?」というご質問です。
中山:あります。プラスアルファで、リベンジではないのですが、メンバーは「金融領域、絶対見ていろよ」と、粛々と開発しているのではないかと思います。「キャリズム」を超える事業を作り出せるようにがんばっています。金融領域もまだ諦めていないため、ご期待いただきたいです。
中山氏からのご挨拶
中山:本日はお忙しい中、弊社の決算発表会をご覧いただき、誠にありがとうございました。マーケット、株価、市場についてお話ししました。マーケット全体が大きく揺れやすく、さまざまなことが起こる時ですが、アシロとしては、約束した中期経営計画を達成するべく、全社員が必死にコミットメントを高めて動いています。
来期の中期経営計画の達成だけでなく、さらにアッパーサイドのご期待に沿えるように尽力していきます。引き続きアシロにご期待いただけたらと思っています。
当日に寄せられたその他の質問と回答
当日に寄せられた質問について、時間の関係で取り上げることができなかったものを、後日企業に回答いただきましたのでご紹介します。
<質問1>
質問:中計最終年度の営業利益は11億と記載があります。今年度の2Q及び3Qの営業利益は2.8億程度となっており、単純に2.8億×4で11億を越えてくる計算となります。来年度営業利益が11億を超過した場合は、超過分を投資し更なる成長を目指していくのか。または、利益創出期のため、超過分も含めて営業利益として計上するのか伺いたいです。
回答:現時点では確定的なものはございません。各事業の季節的変動の状況や新規事業含めた今後の成長戦略、財務健全性や株主還元方針等を総合的に勘案して決定してまいります。
<質問2>
質問:機関投資家向け説明会は今回のログミーさん以外で実施されるのでしょうか?
回答:現状は特に機関投資家、個人投資家で分けておらず、ログミー様のオンライン説明会のみ実施しております。
<質問3>
質問:説明資料に機関や個人から質問されるようなことを想定した前提質疑応答のような形で記載されたほうが良いのではないかと思います。
回答:貴重なご意見をいただきありがとうございます。今後の資料作成の参考にさせていただきます。
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