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【IRアナリストレポート】レシップホールディングス(7213)

著者:鈴木 行生
投稿:2020/12/01 10:46

~バスのAFC(運賃システム)、TMS(運行管理システム)で先進~

【ポイント】
・新型コロナウイルスの影響が国内はもちろん、海外(米国、スウェーデン、シンガポール、タイ)のビジネスも直撃した。需要の落ち込みや先送りの影響もあり、今期の業績は3Qまで厳しいものとなろう。しかし、期末集中の納期によって、営業黒字は確保しよう。来2022年3月期はコロナショックの影響も多少やわらぎ、回復色を強めよう。

・前期は、首都圏バス用ICカードシステムの更新需要を取り込んで、過去のピーク利益を12年ぶりに更新した。今期は更新需要の一巡に、コロナの影響が加わった。一方で、中期的には、バス機能の高度化に向けて新しい需要の拡大が見込める。先行投資を続けてきた海外ビジネスも数年かけて収支均衡に向けて前進するものと期待される。

・MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)の一翼を担う当社の路線バス運行支援システム「LIVU」(ライブ:LECIP Intelligent Vehicle Unit)は、いくつかのバス会社で採用が始まっている。「LIVU」は、新しいプラットフォームとして業界の先陣を切っており評価は高い。これから需要に結びついてこよう。

・欧州で開発を進めてきたキャッシュレス運賃収受器LV-700はEMSレベル2の認証を得て、これから欧州の公共バスや路面電車で実用化に進もう。日本、アジア、米国でも、利用の機会が出てこよう。また、日本で開発した乗車券購入アプリ「QUICK RIDE」は、キャッシュレス化支援が高く評価され、今年度のIT賞(社会課題解決領域)を受賞した。

・当社は、AFC(自動運賃収受システム)+TMS(運行管理システム)+SLP(表示・照明・電源)を事業のコアとする。バスのAFC(いわゆる運賃箱)では国内シェア6割を有する。当面の課題は、1)TMSを事業の柱に育てること、2) 3つの事業要素から新しい戦略システム商品を開発することにあるが、前進しつつある。

・次期中期3ヵ年計画は、来期からスタートする。これまでの路線を走りながら、次のステージを目指すことになろう。売上高200億円、営業利益10億円以上を安定的に計上することが基本となろう。カギを握るLIVUのプラットフォーム化が進展してくれば、株式市場での評価は大きく高まってくるので、今後の展開に注目したい。

目 次
1.特色 情報処理(非接触ICカード利用)、電力変換(電源)、 光(LED)が得意
2.強み バスの運賃収受システムで国内シェア6割を有するトップメーカー
3.中期経営計画 次の中期計画でもMaaSと海外市場開拓を推進へ
4.当面の業績 新型コロナの影響も加わり大幅減益ながら、来期は回復へ
5.企業評価 内外での新規受注案件の仕上がりに注目

レシップホールディングス <7213>
企業レーティング B
株価
(2020年11月30日)
543円
時価総額 77億円
(14.18百万株)
PBR 1.52倍
ROE 6.6%
PER 23.1倍
配当利回り 0.9%
総資産 13695百万円
純資産 4555百万円
自己資本比率 33.3%
BPS 357.5円
(百万円、円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 EPS 配当
2010.3 13585 29 64 41 3.3 7.5
2011.3 12551 121 154 46 3.7 6.25
2012.3 13059 493 514 132 10.4 7.5
2013.3 13480 477 526 292 23.4 7.5
2014.3 14157 151 164 -98 -9.1 8.5
2015.3 20215 603 779 227 20.8 8.5
2016.3 16203 -571 -649 -1378 -125.3 7.5
2017.3 16985 483 354 50 4.6 7.5
2018.3 15749 -235 -248 -454 -40.9 7.5
2019.3 21538 1021 1030 438 38.8 8.5
2020.3 26051 1854 1830 891 74.4 8.5
2021.3(予) 16500 50 50 -170 -13.3 5.0
2022.3(予) 19000 700 700 300 23.5 5.0

(2020.9ベース)

(注)ROE、PER、配当利回りは来期予想ベース。2005年11月1:10、2014年4月1:2の株式分割を実施。それ以前のEPS、配当は修正ベース。
 
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
http://www.belletk.com/reshiltupuHD202012.pdf
 

日本ベル投資研究所の過去レポートはこちらから

配信元: みんかぶ株式コラム
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