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フォースタートアップス、マクロ環境悪化も柔軟な戦略転換で増収増益、売上・営業利益はともに過去最高

投稿:2022/11/25 20:00

Agenda

志水雄一郎氏:みなさま、本日はお時間をいただきましてありがとうございます。フォースタートアップス代表の志水でございます。2023年3月期第2四半期の決算説明会を開催します。本日のアジェンダはスライドに記載の3つです。

【全社】 2023年3月期 上期(2022.4-9) 業績

2023年3月期上期は、大変すばらしい実績をあげられたのではないかと考えています。売上高は前年同期比31.3パーセント増、営業利益は前年同期比21.3パーセント増、経常利益は前年同期比22パーセント増、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比24.9パーセント増と、全指標において増収増益を達成しました。

マクロ環境として、未上場企業の資金調達の状況や上場会社の株価の動向が当社のビジネス環境に影響を及ぼしますが、それらを力強く整理したことにより、この実績を叩き出せたのだと考えています。

【全社】 2023年3月期 第2四半期(2022.7-9) ハイライト

第2四半期のハイライトをご紹介します。売上高は前年同期比28パーセント増の7億2,800万円、営業利益は前年同期比11.3パーセント増、全社受注高は前年同期比30.5パーセント増です。

全社受注高は、当社のビジネスモデルにおいて第3四半期の売上高に繋がっていくため、 2023年3月期第3四半期も期待できると考えています。また、社員数は前期末より27名の増員となり、非常によい実績をあげられた四半期でした。

当社におけるマクロ環境悪化の業績に与える影響

よくご質問のある項目についてお話しします。資金調達市場は前年対比で若干下がってきており、株式市場においても株価の調整が大きくなされたと考えています。これらの環境変化は、当然ながらスタートアップの採用環境や事業環境に影響しています。そのような中で、当社はしっかりと状況を見据えて戦略戦術を整理し、どこにフォーカスして業績を伸ばしていくのかということにしっかりと取り組んできた四半期だったと考えています。

戦略の1つとして、BtoB SaaSの領域を中心としたインサイドセールスやカスタマーサクセスの募集など、前年比で大きく採用人数が下がった部分に関しては、少しサポートを弱めました。一方で、CxO採用や、エンジニアという各企業が高いコストをかけてでも取りたい領域、さらに、BtoB SaaSの企業群において、エンタープライズセールスにより売上高を大きくしていくような分野の支援にフォーカスすることにより、決定の紹介単価を向上してきました。

当社の現時点の社員数は150名規模であり、まだそれほど大きくありません。さらに、スタートアップ市場において当社が取り組めている割合は全体の2割程度ではないかと捉えています。

この状況下においてもエクイティで数十億円の調達をする会社やデットで数百億円を調達する会社などの情報もマーケットには多分に出ています。

ベンチャーキャピタルについても依然として資金力をお持ちのファンドも多く、そのようなファンドと懇意にすることによって、次にどこに資金が投入されていくのかをしっかりとお話しして当社の営業フォーカスを調整していきます。

その結果、注力顧客が変わりますので、そのような注力顧客に対する採用支援サービスを徹底的に行うことで、採用支援サービスの受注高・売上高が増えています。紹介件数は微減ですが、紹介単価と採用支援サービスが向上したことが今回の好業績に繋がっています。

【全社】サービス別売上高の推移

全社業績の指標の1つであるサービス別売上高の推移です。 2023年3月期第2四半期は過去最高の売上高を記録しています。

【全社】営業利益の推移

営業利益の推移です。こちらも過去最高の記録を残しています。

【全社】受注高の推移

受注高の推移です。こちらも過去最高の受注高となっています。

【タレントエージェンシー】売上高の推移

基幹事業であるタレントエージェンシーにフォーカスしてお話しします。まず、タレントエージェンシーの売上高の推移ですが、第2四半期は過去最高の売上高を記録しました。内訳としては、採用支援サービスが過去最高の実績を残し、四半期で1億3,800万円となりました。一方、成功報酬型の人材紹介サービスは前四半期に対して微減となっています。

【タレントエージェンシー】人材紹介取引数と単価の推移

人材紹介サービスの詳細をご説明します。人材紹介の取引件数は前四半期に対して減少傾向でしたが、1名当たりの紹介単価は過去最高の360万1,000円を叩き出しています。なぜこのようなバランスになっているのかについて、次のページでご説明します。

【タレントエージェンシー】決定年収比率の推移

決定年収比率の推移です。年収800万円以上の方をミドル・ハイレイヤー層と呼んでいますが、第2四半期はここが全体の半分を占める状況にまで拡大してきました。逆に、かつては年収600万円以下のサポートが30パーセントから40パーセントのシェアを握っていましたが、2023年度においては2割前後まで減少しています。

そのことにより、高年収帯を支援することが、1名あたりの採用単価・紹介単価の向上に繋がりました。その結果、当社の基幹事業であるタレントエージェンシーは、マクロ環境の影響を受けながらも、過去最高の売上高を示しています。

【オープンイノベーション】売上高の推移

第2の事業として挙げているオープンイノベーションについてご説明します。この第2四半期は、第2四半期の実績として過去最高となりました。理由としては、スタートアップデータベースのデータベース課金、さらにスタートアップ政策支援「Public Affairs」のビジネスが順調に推移したためです。

そして、今まで第4四半期に売上が立っていたイベントに関しては、今年は12月に開催する予定ですので、次の四半期でこの数字が反映されます。

【全社】人材確保目標に対する進捗状況

前年度に懸念していた自社の人材採用については、この半期で27名増員させることができました。さらに、9月末時点の入社予定ベースで35名の増員が決まっていますので、中途採用・新卒採用はオントラックに進捗していると考えていただければと思います。

【全社】業績予想(変更なし)

2023年3月期の業績予想です。売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに、良いペースで進捗しています。特に利益ベースの部分は6割から7割の進捗率となっており、高い水準で進捗していると考えています。

そのため、本来であれば第2四半期にでも上方修正が入るのではないかと、みなさまも期待していたかと思います。

しかし、GAFAMなどのグローバルのテックジャイアントがリストラ活動を始めたこと、さらにそこにひも付く株価の調整、あるいは資金調達市場の変動などのさまざまな状況がありました。それらを鑑みた結果、第2四半期において進捗率が良いことをベースにこのタイミングで上方修正するのは時期尚早ではないかと考え、しっかりと現状を見据えた上で、今期の業績の着地をみなさまに共有していきたいと思っています。そのようなことから、第2四半期が進捗した現時点においては、業績予想の変更はなしとしています。

スタートアップ企業を取り巻くマクロ環境

資金調達市場が変動しているとお伝えしましたが、特に2022年7月から9月は前年同期比マイナス36.6パーセントという資金調達結果となりました。なお、通期で見ると、マイナス31.5パーセントです。

上半期で見ると、前年度はデットや子会社への出資などが非常に大きく反映されていましたので、単純にエクイティ調達においては大きく影響はなかったと考えていました。ただし、この7月から9月にかけては、エクイティ調達に関して、国内的にも世界的にも影響が出始めた四半期だったのではないかと捉えています。

政府によるスタートアップ支援政策の状況

しかし、世界情勢とは異なるトレンドが日本に生まれる可能性が出ています。それが国策であるスタートアップ支援です。

2月に岸田総理が発表した「スタートアップ創出元年」に基づき、この夏には、4つの骨太の成長戦略のうち1つが、スタートアップ支援にフォーカスされました。さらに、本国会においては、補正予算でスタートアップ支援に1兆円規模の予算が組まれるという話が進んでいます。

また、12月には「スタートアップ5か年計画」が発表され、その内容は先に経団連から発表されている「スタートアップ躍進ビジョン」が色濃く反映されていると言われています。内容としては、5年後に日本のベンチャー投資を10倍、そしてユニコーン企業の数も10倍、デカコーン企業をさらに2社創出することが記載されています。

12月に発表される内容も、おそらくこれと同様のものだと考えられています。これらの動きが、私たちの「Public Affairs」やタレントエージェンシー事業の成長の下支えをする可能性が大きく出てきました。

【全社】中長期の考え方

そのような国策としてのスタートアップ支援を背景に、前期からスタートした「ハイブリッドキャピタル」を中長期の考え方として掲げています。人とお金を集中投資する仕組みを作り、スタートアップを支えるためのさまざまな事業を生み出すことで、総合スタートアップ支援会社としてしっかり成長していくことを目指します。

そして、スタートアップ支援会社として最大の従業員数を誇る私たちが、成長産業支援事業者として、国策であるスタートアップ支援のイニシアチブをしっかり取っていくことを力強く目指していきたいと考えています。

【全社】中長期 財務目標

さらに、中長期の考え方として、3ヶ年で売上高50億円、CAGR30パーセントの成長を果たすことを目指して、事業を継続していきます。

for Startups

日本から世界で勝てるスタートアップを生み出すためには、それを支える巨大なスタートアップ支援産業が必要不可欠です。スタートアップが力強く伸びる環境を作るというイニシアチブを私たちが持ち、その役回りを果たしていくというビジョンをぶらさず、変わることなく邁進していきたいと考えています。

配信元: ログミーファイナンス
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