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エノモトのニュース
■要約
1. 高機能のカスタマイズ品や微細な精密プレス金型技術に特長
エノモト<6928>は大手電子部品メーカーで、リードフレームやコネクタ用部品など精密部品を製造販売している。顧客のニーズに応じてカスタマイズされた高機能品・微細加工の精密プレス金型技術に特長があり、生産体制は日本、中国、フィリピンの3極体制となっている。顧客は半導体パッケージやコネクタなどの電子部品メーカーが中心で、製品は自動車、スマートフォン、ウェアラブル端末などの内部で使われている。2022年3月期第2四半期の製品群別売上高構成比は、IC・トランジスタ用リードフレーム34.0%、オプト用リードフレーム13.8%、コネクタ用部品49.3%、その他2.9%で、用途別量産品の売上高構成比は、車載30.3%、スマートフォン30.6%、ウェアラブル端末2.4%、民生・産機・その他向け36.7%だった。
2. 一貫生産体制や複合加工技術、3極体制などに強み
同社の強みは、一貫生産体制と機動力にある。一貫生産体制は、金属と樹脂の複合加工(インサート成形)技術と高品質・大量生産の技術に支えられている。同社の複合加工技術は、超精密な金属打ち抜き部品と樹脂成形を一体化して製造する、極めて厳しい寸法精度が要求される技術である。また、億単位で大量生産する技術は、高精度金型の製作技術や最適なタイミングでのメンテナンスによって裏付けられている。機動力の源泉は、3極の生産体制と独立系としてのポジションにある。同社の海外工場では国内工場と同水準の一貫生産体制を構築しており、国内と同品質の製品を製造することができる。また、独立系であるため、様々な顧客が求める諸々の製品や技術、ロットに柔軟に対応することができる。
3. 上期の好調を受け2022年3月期業績見通しを上方修正
2022年3月期第2四半期の業績は、売上高13,714百万円(前年同期比31.1%増)、営業利益1,151百万円(同156.9%増)となった。スマートフォンの好調持続に加え、車載と民生・産機向けも新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)からの回復傾向が強まり、さらに工場稼働率の向上や製造工程の自動化・効率化もあって大幅増益を達成した。同社は2022年3月期の業績見通しを、売上高26,500百万円(前期比15.2%増)、営業利益1,900百万円(同21.5%増)と見込んでいる。期初の見通しに対して、売上高で3,500百万円、営業利益で250百万円の上方修正になっている。ただし、下期に関して、同社は半導体不足による自動車の生産調整などを懸念しているが、足元で自動車生産が回復方向にあるなど一部にポジティブな見方もあり、さらなる上振れの可能性も出てきたと言える。
4. 中期経営計画の目玉である津軽工場増築と燃料電池部品開発は着実に進捗
同社は、長期の「ビジョン2030」へ向けた1stSTEPとなる中期経営計画を策定している。成長戦略と収益力強化、新規事業開発を軸に、2024年3月期に売上高250億円、営業利益20億円を達成する計画となっている。その目玉となるのが津軽工場の増築と燃料電池部品の開発である。津軽工場の増築は、収益拡大やスマートファクトリー化のために短中期的にも長期的にも欠かせない投資だが、足元では当初計画どおり2021年11月末に竣工、年明けの2022年1月の稼働に向けて着実に動いている。燃料電池部品については、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の採択プロジェクトに指定されたほか、電動アシスト自転車による実証実験が行われた。いずれも脱炭素社会の実現に向けた世界の動きと連動しており、同社の中長期成長に期待したい。
■Key Points
・一貫生産・複合加工・3極体制・独立系が強みの電子部品メーカー
・スマートフォンや自動車向けなど需要が好調なことを受け、2022年3月期業績を上方修正
・津軽工場の増築投資や燃料電池部品の開発など中期経営計画の目玉戦略は順調に進捗
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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1. 高機能のカスタマイズ品や微細な精密プレス金型技術に特長
エノモト<6928>は大手電子部品メーカーで、リードフレームやコネクタ用部品など精密部品を製造販売している。顧客のニーズに応じてカスタマイズされた高機能品・微細加工の精密プレス金型技術に特長があり、生産体制は日本、中国、フィリピンの3極体制となっている。顧客は半導体パッケージやコネクタなどの電子部品メーカーが中心で、製品は自動車、スマートフォン、ウェアラブル端末などの内部で使われている。2022年3月期第2四半期の製品群別売上高構成比は、IC・トランジスタ用リードフレーム34.0%、オプト用リードフレーム13.8%、コネクタ用部品49.3%、その他2.9%で、用途別量産品の売上高構成比は、車載30.3%、スマートフォン30.6%、ウェアラブル端末2.4%、民生・産機・その他向け36.7%だった。
2. 一貫生産体制や複合加工技術、3極体制などに強み
同社の強みは、一貫生産体制と機動力にある。一貫生産体制は、金属と樹脂の複合加工(インサート成形)技術と高品質・大量生産の技術に支えられている。同社の複合加工技術は、超精密な金属打ち抜き部品と樹脂成形を一体化して製造する、極めて厳しい寸法精度が要求される技術である。また、億単位で大量生産する技術は、高精度金型の製作技術や最適なタイミングでのメンテナンスによって裏付けられている。機動力の源泉は、3極の生産体制と独立系としてのポジションにある。同社の海外工場では国内工場と同水準の一貫生産体制を構築しており、国内と同品質の製品を製造することができる。また、独立系であるため、様々な顧客が求める諸々の製品や技術、ロットに柔軟に対応することができる。
3. 上期の好調を受け2022年3月期業績見通しを上方修正
2022年3月期第2四半期の業績は、売上高13,714百万円(前年同期比31.1%増)、営業利益1,151百万円(同156.9%増)となった。スマートフォンの好調持続に加え、車載と民生・産機向けも新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)からの回復傾向が強まり、さらに工場稼働率の向上や製造工程の自動化・効率化もあって大幅増益を達成した。同社は2022年3月期の業績見通しを、売上高26,500百万円(前期比15.2%増)、営業利益1,900百万円(同21.5%増)と見込んでいる。期初の見通しに対して、売上高で3,500百万円、営業利益で250百万円の上方修正になっている。ただし、下期に関して、同社は半導体不足による自動車の生産調整などを懸念しているが、足元で自動車生産が回復方向にあるなど一部にポジティブな見方もあり、さらなる上振れの可能性も出てきたと言える。
4. 中期経営計画の目玉である津軽工場増築と燃料電池部品開発は着実に進捗
同社は、長期の「ビジョン2030」へ向けた1stSTEPとなる中期経営計画を策定している。成長戦略と収益力強化、新規事業開発を軸に、2024年3月期に売上高250億円、営業利益20億円を達成する計画となっている。その目玉となるのが津軽工場の増築と燃料電池部品の開発である。津軽工場の増築は、収益拡大やスマートファクトリー化のために短中期的にも長期的にも欠かせない投資だが、足元では当初計画どおり2021年11月末に竣工、年明けの2022年1月の稼働に向けて着実に動いている。燃料電池部品については、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の採択プロジェクトに指定されたほか、電動アシスト自転車による実証実験が行われた。いずれも脱炭素社会の実現に向けた世界の動きと連動しており、同社の中長期成長に期待したい。
■Key Points
・一貫生産・複合加工・3極体制・独立系が強みの電子部品メーカー
・スマートフォンや自動車向けなど需要が好調なことを受け、2022年3月期業績を上方修正
・津軽工場の増築投資や燃料電池部品の開発など中期経営計画の目玉戦略は順調に進捗
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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