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ジオマテックのニュース
■事業内容
ジオマテック<6907>のビジネスは、1953年に創業して創業65年となるが、それ以来、一環して真空成膜技術にこだわり続け、様々な薄膜加工製品を世に送り出し、発展してきた。生産の形態は、受託加工が全体の97%とほとんどを占め、そのうち、ユーザーからの材料支給は70%。言わば、高品質な技術をユーザーに提供する格好となっている。“薄膜一本”の業態ということで、決算書においてはセグメントの項目を置いていない。現在、加工品目の構成比は、FPDがおよそ3分の2を占め、残りが光学・その他となっている。
提供している薄膜機能としては、透明電導膜、金属膜など電気を通すもの、金属反射膜、光学多層膜、反射防止膜、赤外線カット膜、遮光膜といった光をコントロールするもの、透明ヒーター、デフロスターなど発熱するもの、そのほか、撥水・親水膜、温度計測膜、加飾膜など多種多様だ。主力の液晶関連では、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム、デジカメ、カーナビなど帯電防止膜、タッチパネル用導電膜など幅広く活用されている。また、他の分野においても、自動車を始め幅広い分野で同社の技術は欠かせない。
スマートフォンなど液晶関連製品の急速な普及で、業績を飛躍させた同社であったが、スマートフォン需要が拡大しつつも成熟していることに加え、OLEDが本格採用されるにつれて、最近では収益を取り巻く環境は楽観視できなくなっている。そこで、FPD関連以外の分野にも注力している状況だ。
例えば、多くの部品で構成される自動車は、カーナビゲーション以外でも、ガラスの熱線反射や曇り止め、ヘッドランプの着雪防止、バックミラーの視認性向上、スマートミラー、内外装の装飾──等々、同社の技術が応用できるパーツが多いことから、将来的にも期待が大きくなっている。さらに、半導体、建材、医療など今後も薄膜の応用できる分野を広げていく方針だ。
これまでは液晶関連が売上構成において群を抜く存在だったが、液晶関連製品がなくなることはないながらも、成熟したため大きな伸びしろは期待できない。そのため、新たな戦略分野の育成に努めている。また、顧客の生産が海外にシフトしており、それに対応するため、同社も中国に重きを置き出した状況だ。
新たな戦略製品とひと言で言っても、そこに製品を供給できるようなモンスター製品が簡単に世に登場するものではない。当面のスタンスとしては、利益率が高い高付加価値製品や試作品に力を注ぎ、利益を積み重ねる考えだ。なかでも、試作品は利益率が高い一方、将来的に量産化すれば、大きな収益源になる。直近では不振の中国でも試作品の受託が広がりつつあり、そう遠くない日に巻き返しが期待できそうだ。
今まではクリスタルサイクルで業績動向に影響が生じていたが、その時々の風に左右されない安定した収益構造を構築し、体質改善を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野 文也)
<TN>
ジオマテック<6907>のビジネスは、1953年に創業して創業65年となるが、それ以来、一環して真空成膜技術にこだわり続け、様々な薄膜加工製品を世に送り出し、発展してきた。生産の形態は、受託加工が全体の97%とほとんどを占め、そのうち、ユーザーからの材料支給は70%。言わば、高品質な技術をユーザーに提供する格好となっている。“薄膜一本”の業態ということで、決算書においてはセグメントの項目を置いていない。現在、加工品目の構成比は、FPDがおよそ3分の2を占め、残りが光学・その他となっている。
提供している薄膜機能としては、透明電導膜、金属膜など電気を通すもの、金属反射膜、光学多層膜、反射防止膜、赤外線カット膜、遮光膜といった光をコントロールするもの、透明ヒーター、デフロスターなど発熱するもの、そのほか、撥水・親水膜、温度計測膜、加飾膜など多種多様だ。主力の液晶関連では、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム、デジカメ、カーナビなど帯電防止膜、タッチパネル用導電膜など幅広く活用されている。また、他の分野においても、自動車を始め幅広い分野で同社の技術は欠かせない。
スマートフォンなど液晶関連製品の急速な普及で、業績を飛躍させた同社であったが、スマートフォン需要が拡大しつつも成熟していることに加え、OLEDが本格採用されるにつれて、最近では収益を取り巻く環境は楽観視できなくなっている。そこで、FPD関連以外の分野にも注力している状況だ。
例えば、多くの部品で構成される自動車は、カーナビゲーション以外でも、ガラスの熱線反射や曇り止め、ヘッドランプの着雪防止、バックミラーの視認性向上、スマートミラー、内外装の装飾──等々、同社の技術が応用できるパーツが多いことから、将来的にも期待が大きくなっている。さらに、半導体、建材、医療など今後も薄膜の応用できる分野を広げていく方針だ。
これまでは液晶関連が売上構成において群を抜く存在だったが、液晶関連製品がなくなることはないながらも、成熟したため大きな伸びしろは期待できない。そのため、新たな戦略分野の育成に努めている。また、顧客の生産が海外にシフトしており、それに対応するため、同社も中国に重きを置き出した状況だ。
新たな戦略製品とひと言で言っても、そこに製品を供給できるようなモンスター製品が簡単に世に登場するものではない。当面のスタンスとしては、利益率が高い高付加価値製品や試作品に力を注ぎ、利益を積み重ねる考えだ。なかでも、試作品は利益率が高い一方、将来的に量産化すれば、大きな収益源になる。直近では不振の中国でも試作品の受託が広がりつつあり、そう遠くない日に巻き返しが期待できそうだ。
今まではクリスタルサイクルで業績動向に影響が生じていたが、その時々の風に左右されない安定した収益構造を構築し、体質改善を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野 文也)
<TN>
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