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精工技研のニュース
*13:49JST 精工技研 Research Memo(9):2024年3月期は運営効率向上と危機管理能力強化に具体的措置を実施(1)
■中期経営計画
(4) 経営基盤の強化
精工技研<6834>は経営基盤の強化の施策として、サステナビリティ戦略を打ち出した。事業活動(商品・サービス)と企業活動(制度・取り組み)を通じて、持続可能な社会の実現を目指す世界目標「SDGs」の達成に貢献していく。新中期経営計画では、1) 多様な人材がいきいきと働ける環境整備、2) クラウド化、ペーパーレス化、DX対応、3) 脱炭素、資源循環型社会構築への貢献を軸に経営基盤の強化に取り組み、企業価値向上につなげる考えである。そしてグループ全体のサステナビリティ活動の進捗管理や推進強化のために、社長直轄の「サステナビリティ推進室」を2022年5月に新設した。今後達成状況を取締役会やステークホルダーに報告していく。
(a) 「働きがいも 経済成長も」(SDGs目標8)
多様な人材がいきいきと働ける環境整備を推進している。具体的な取り組みは、1) ダイバーシティとグローバル化の推進、2) 継続的成長を実現する人事制度の構築、3) DX・ペーパーレス化・クラウド化の推進などがある。主な成果として2019年3月期に働き方改革「メリハリワーク」を導入し、社員の能力向上・業務効率化に取り組み、2020年3月期には有給休暇を1時間単位で取得できる制度を導入した。新中期経営計画でも定年・再雇用制度や出産育児支援制度の見直し、グローバル人材などの採用強化、評価/報酬/教育・育成/異動などの制度の見直し、生産管理や財務会計システムなどのクラウド化の推進、電子決裁化の推進、製造工程の自動化推進など、労働環境の整備に努めていく。
(b) 「産業と技術革新の基盤をつくろう」(SDGs目標9)
同社はこれまで、光ディスク成形用金型の製造によりCDやDVDなどの記録メディアの普及に貢献してきたことに加え、光コネクタ研磨機の開発によりインターネットの普及にも大きく貢献してきた。今後もさらに、1) より快適なインターネット環境の構築、2) EVの普及や自動運転の進化を促す車載用部品の開発、3) 人々の健康や暮らしを支える医療・バイオ分野におけるデバイスの開発、など、同社の事業や製品・サービスを通じて時代が求める商品やサービスを市場に提供し、社会の進歩発展を支えていく。
(c) 「つくる責任 つかう責任」(SDGs目標12)
3R(リデュース、リユース、リサイクル)を推進し、資源循環型社会の構築への貢献を目指す。今後の具体的な取り組みとして、1) リサイクル樹脂の活用により廃棄物を削減、2) 環境に配慮した製品の開発・設計、3) 環境負荷となる有害化学物質の削減と管理の徹底、4) 環境関連法の規制の遵守、を挙げている。量産成形時に樹脂材料の使用量を削減することができる「ホットランナー金型」などを積極的に活用していく。
(d) 「気候変動に具体的な対策を」(SDGs目標13)
2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、2027年3月期には同社の温室効果ガス排出量を2021年3月期比で17%削減することを目指している。そのために、1) 省エネルギー・紙削減等の活動を推進、2) 環境負荷の少ない製品・サービスを優先的に購入、3) 経年設備を省電力設備へ更新、4) 自家発電、蓄電設備の活用を検討、5) 再生可能エネルギーの活用を検討、6) BCP※訓練の実施により実効性を向上、7) パンデミックを想定したBCPの再構築、8) クラウド化の推進により有事の際の事業継続を強化、などを挙げている。
※Business Continuity Plan(事業継続計画)。組織や企業が災害や緊急事態などの予期せぬ状態に備えて、事業継続を確保するための計画や手順を策定するプロセスのこと。
なお同社は2023年3月期に、環境省主導による「COOL CHOICE賛同企業」及び千葉県松戸市の「まつど脱炭素社会推進事業所」へ登録した。カーボンニュートラルの実現に向けて積極的に取り組む姿勢を表明している。
2024年3月期の進捗状況を見ると、サステナビリティ推進室を中心に温室効果ガスの排出削減に取り組んだほか、ペーパーレス化、クラウドの活用を通じて企業の運営効率向上と危機管理能力の強化を図るための具体的な措置を実施した。
まず、カーボンニュートラルに向けた取り組みとして、2027年3月期までに温室効果ガス自社排出量を2021年3月期比で17%削減する目標を掲げている。これを達成するために、グループ全体での節電対策を強化し、省エネ設備への切り替えを推進している。さらに、再生可能エネルギーの導入に向けた検証も進めており、環境負荷の低減に向けた取り組みを積極的に行っている。次に、人的資本投資と健康経営の推進に関しても、同社は先進的な取り組みを展開している。2022年10月に「健康企業宣言」を行い、健康経営活動を本格的にスタートさせた。この取り組みの一環として、ウォーキングイベントの開催や健康器具の設置、健康に関する情報提供など、社員の健康増進を支援する多様な活動を実施している。これにより、社員の健康意識が高まり、企業全体の生産性とモチベーションの向上が期待される。さらに、経済産業省と日本健康会議が顕彰する「健康経営優良法人認定制度」において、社員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人として評価され、「健康経営優良法人2024(中小規模法人部門)」に認定されるなど、企業文化の強化が進んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)
<HH>
(4) 経営基盤の強化
精工技研<6834>は経営基盤の強化の施策として、サステナビリティ戦略を打ち出した。事業活動(商品・サービス)と企業活動(制度・取り組み)を通じて、持続可能な社会の実現を目指す世界目標「SDGs」の達成に貢献していく。新中期経営計画では、1) 多様な人材がいきいきと働ける環境整備、2) クラウド化、ペーパーレス化、DX対応、3) 脱炭素、資源循環型社会構築への貢献を軸に経営基盤の強化に取り組み、企業価値向上につなげる考えである。そしてグループ全体のサステナビリティ活動の進捗管理や推進強化のために、社長直轄の「サステナビリティ推進室」を2022年5月に新設した。今後達成状況を取締役会やステークホルダーに報告していく。
(a) 「働きがいも 経済成長も」(SDGs目標8)
多様な人材がいきいきと働ける環境整備を推進している。具体的な取り組みは、1) ダイバーシティとグローバル化の推進、2) 継続的成長を実現する人事制度の構築、3) DX・ペーパーレス化・クラウド化の推進などがある。主な成果として2019年3月期に働き方改革「メリハリワーク」を導入し、社員の能力向上・業務効率化に取り組み、2020年3月期には有給休暇を1時間単位で取得できる制度を導入した。新中期経営計画でも定年・再雇用制度や出産育児支援制度の見直し、グローバル人材などの採用強化、評価/報酬/教育・育成/異動などの制度の見直し、生産管理や財務会計システムなどのクラウド化の推進、電子決裁化の推進、製造工程の自動化推進など、労働環境の整備に努めていく。
(b) 「産業と技術革新の基盤をつくろう」(SDGs目標9)
同社はこれまで、光ディスク成形用金型の製造によりCDやDVDなどの記録メディアの普及に貢献してきたことに加え、光コネクタ研磨機の開発によりインターネットの普及にも大きく貢献してきた。今後もさらに、1) より快適なインターネット環境の構築、2) EVの普及や自動運転の進化を促す車載用部品の開発、3) 人々の健康や暮らしを支える医療・バイオ分野におけるデバイスの開発、など、同社の事業や製品・サービスを通じて時代が求める商品やサービスを市場に提供し、社会の進歩発展を支えていく。
(c) 「つくる責任 つかう責任」(SDGs目標12)
3R(リデュース、リユース、リサイクル)を推進し、資源循環型社会の構築への貢献を目指す。今後の具体的な取り組みとして、1) リサイクル樹脂の活用により廃棄物を削減、2) 環境に配慮した製品の開発・設計、3) 環境負荷となる有害化学物質の削減と管理の徹底、4) 環境関連法の規制の遵守、を挙げている。量産成形時に樹脂材料の使用量を削減することができる「ホットランナー金型」などを積極的に活用していく。
(d) 「気候変動に具体的な対策を」(SDGs目標13)
2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、2027年3月期には同社の温室効果ガス排出量を2021年3月期比で17%削減することを目指している。そのために、1) 省エネルギー・紙削減等の活動を推進、2) 環境負荷の少ない製品・サービスを優先的に購入、3) 経年設備を省電力設備へ更新、4) 自家発電、蓄電設備の活用を検討、5) 再生可能エネルギーの活用を検討、6) BCP※訓練の実施により実効性を向上、7) パンデミックを想定したBCPの再構築、8) クラウド化の推進により有事の際の事業継続を強化、などを挙げている。
※Business Continuity Plan(事業継続計画)。組織や企業が災害や緊急事態などの予期せぬ状態に備えて、事業継続を確保するための計画や手順を策定するプロセスのこと。
なお同社は2023年3月期に、環境省主導による「COOL CHOICE賛同企業」及び千葉県松戸市の「まつど脱炭素社会推進事業所」へ登録した。カーボンニュートラルの実現に向けて積極的に取り組む姿勢を表明している。
2024年3月期の進捗状況を見ると、サステナビリティ推進室を中心に温室効果ガスの排出削減に取り組んだほか、ペーパーレス化、クラウドの活用を通じて企業の運営効率向上と危機管理能力の強化を図るための具体的な措置を実施した。
まず、カーボンニュートラルに向けた取り組みとして、2027年3月期までに温室効果ガス自社排出量を2021年3月期比で17%削減する目標を掲げている。これを達成するために、グループ全体での節電対策を強化し、省エネ設備への切り替えを推進している。さらに、再生可能エネルギーの導入に向けた検証も進めており、環境負荷の低減に向けた取り組みを積極的に行っている。次に、人的資本投資と健康経営の推進に関しても、同社は先進的な取り組みを展開している。2022年10月に「健康企業宣言」を行い、健康経営活動を本格的にスタートさせた。この取り組みの一環として、ウォーキングイベントの開催や健康器具の設置、健康に関する情報提供など、社員の健康増進を支援する多様な活動を実施している。これにより、社員の健康意識が高まり、企業全体の生産性とモチベーションの向上が期待される。さらに、経済産業省と日本健康会議が顕彰する「健康経営優良法人認定制度」において、社員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人として評価され、「健康経営優良法人2024(中小規模法人部門)」に認定されるなど、企業文化の強化が進んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)
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