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天昇電 Research Memo(1):長い間に蓄積された技術力と顧客からの信頼が強み

配信元:フィスコ
投稿:2021/07/09 16:01
■要約

天昇電気工業<6776>は、1936年(昭和11年)に創業した歴史のある合成樹脂(プラスチック)成形品メーカーである。その間に培われた技術力は高く、顧客との信頼関係も厚い。製品の向け先は幅広い業種に及んでいるが、現在は自動車向けの比率が高い(約60%)。今後は、内需向けの製品を拡充する方針である。長い間、業績低迷に苦しんだが2017年3月期に9年ぶりに復配(年間3円)するまで業績が向上した。その後も業績は堅調に推移したが、2021年3月期は新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響で大幅減益となった。

1. 2021年3月期(実績):上期はコロナ禍で大幅営業減益も、下期は回復し通期営業利益を確保
2021年3月期の連結業績は、売上高15,557百万円(前期比15.2%減)、営業利益291百万円(同72.1%減)、経常利益298百万円(同70.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益158百万円(同77.3%減)となった。主たる向け先である自動車メーカーの生産・販売がコロナ禍の影響を受け上期に大きく落ち込んだ。下期に入ってから回復に向かったが、上期の落ち込みを十分には取り戻せず通期では大幅減益となった。

2. 2022年3月期:先行き不透明により予想は見送り
依然としてコロナ禍の影響により先行きが不透明であり、主要顧客である大手自動車メーカーの生産予測等が明白でないことから2022年3月期の業績予想は見送られた。同社は、合理的な予想が可能となった段階で発表するとしている。

3. 年間3円配当は定着したが、2022年3月期の配当は未定
同社は2016年3月期までの9年間無配を続けていたが、2017年3月期には大幅増益を達成、収益基盤も安定してきたことから、年間3円の復配を実施した。同社は「復配したとはいえ、決して高い水準ではない。一方、設備投資も積極的に行っているため、増配については慎重に考えたい」と弊社に述べた。ここ数年のフリーキャッシュ・フローは十分な水準にあり増配の余地はあったため、本来であれば2022年3月期には増配の可能性があったと弊社は見ている。しかし現時点では2022年3月期の配当はコロナ禍の影響により未定としている。

■Key Points
・プラスチック製品の老舗メーカー。技術力が高く顧客からの信頼は厚い
・2021年3月期はコロナ禍の影響で大幅減益。2022年3月期の予想は未定
・今後は内需向け製品の拡充で収益基盤の安定化を図る

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)


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配信元: フィスコ
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