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天昇電気工業のニュース
■要約
天昇電気工業<6776>は、1936年(昭和11年)に創業した歴史のある合成樹脂(プラスチック)成形品メーカーである。その間に培われた技術力は高く、顧客との信頼関係も厚い。製品の向け先は幅広い業種に及んでいるが、現在は自動車向けの比率が高い(約60%)。今後は、内需向けの製品を拡充する方針である。長い間、業績低迷に苦しんだが2017年3月期に9年ぶりに復配(年間3円)した。その後も業績は堅調に推移し古豪復活の感があり、今後の動向が注目される。
1. 2020年3月期の連結業績:上半期は好調だったが下半期に減速し通期では10.0%の営業増益
2020年3月期の連結業績は、売上高18,351百万円(前期比4.1%増)、営業利益1,044百万円(同10.0%増)、経常利益1,022百万円(同4.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益700百万円(同18.9%増)となった。営業増益ではあるが、減価償却費の減少(253百万円)によるところが大きく、償却前営業利益は7.0%の減益となった。主たる向け先である自動車メーカーの生産・販売が下半期に入ってからスローダウンしたことが主要因となった。一方で海外事業の改善は順調に進んでおり、金額は少ないが米国事業、中国事業ともに増益に寄与した。また貸借対照表(財務体質)の改善もさらに進んでいる。この決算期においては、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ)の影響は軽微であった。
2. 2021年3月期の業績見通し:先行き不透明で予想は見送り
コロナの影響により先行きが不透明であること、主要顧客である大手自動車メーカーが生産予測等を発表していないことなどから、2021年3月期の業績予想は見送られた。今後、合理的な予想が可能となった段階で発表される予定だ。配当についても、現時点では年間配当は未定となっている。
3. 年間3円配当は定着したが、増配余地も。今後の収益動向と配当政策は要注目
同社は2016年3月期までの9年間無配を続けていたが、2017年3月期には大幅増益を達成、収益基盤も安定してきたことから、年間3円の復配を実施した。経営陣は、「復配したとはいえ、決して高い水準ではない。しかし、今後は設備投資も検討する必要があることから、増配については慎重に考えたい」と述べているが、フリーキャッシュ・フローは十分な水準にあり増配の余地はありそうだ。本来であれば、今期にも増配の可能性があったが、コロナの影響で現時点では配当は未定となっている。今後、コロナ収束後の業績動向、設備投資計画や配当水準には大いに注目する必要がある。
■Key Points
・プラスチック製品の老舗メーカー。技術力は高く顧客からの信頼は厚い
・2020年3月期は増益ながら償却負担減による。2021年3月期の予想は未定
・今後は内需向け製品の拡充で収益基盤の安定化を図る。配当動向にも要注目
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<EY>
天昇電気工業<6776>は、1936年(昭和11年)に創業した歴史のある合成樹脂(プラスチック)成形品メーカーである。その間に培われた技術力は高く、顧客との信頼関係も厚い。製品の向け先は幅広い業種に及んでいるが、現在は自動車向けの比率が高い(約60%)。今後は、内需向けの製品を拡充する方針である。長い間、業績低迷に苦しんだが2017年3月期に9年ぶりに復配(年間3円)した。その後も業績は堅調に推移し古豪復活の感があり、今後の動向が注目される。
1. 2020年3月期の連結業績:上半期は好調だったが下半期に減速し通期では10.0%の営業増益
2020年3月期の連結業績は、売上高18,351百万円(前期比4.1%増)、営業利益1,044百万円(同10.0%増)、経常利益1,022百万円(同4.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益700百万円(同18.9%増)となった。営業増益ではあるが、減価償却費の減少(253百万円)によるところが大きく、償却前営業利益は7.0%の減益となった。主たる向け先である自動車メーカーの生産・販売が下半期に入ってからスローダウンしたことが主要因となった。一方で海外事業の改善は順調に進んでおり、金額は少ないが米国事業、中国事業ともに増益に寄与した。また貸借対照表(財務体質)の改善もさらに進んでいる。この決算期においては、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ)の影響は軽微であった。
2. 2021年3月期の業績見通し:先行き不透明で予想は見送り
コロナの影響により先行きが不透明であること、主要顧客である大手自動車メーカーが生産予測等を発表していないことなどから、2021年3月期の業績予想は見送られた。今後、合理的な予想が可能となった段階で発表される予定だ。配当についても、現時点では年間配当は未定となっている。
3. 年間3円配当は定着したが、増配余地も。今後の収益動向と配当政策は要注目
同社は2016年3月期までの9年間無配を続けていたが、2017年3月期には大幅増益を達成、収益基盤も安定してきたことから、年間3円の復配を実施した。経営陣は、「復配したとはいえ、決して高い水準ではない。しかし、今後は設備投資も検討する必要があることから、増配については慎重に考えたい」と述べているが、フリーキャッシュ・フローは十分な水準にあり増配の余地はありそうだ。本来であれば、今期にも増配の可能性があったが、コロナの影響で現時点では配当は未定となっている。今後、コロナ収束後の業績動向、設備投資計画や配当水準には大いに注目する必要がある。
■Key Points
・プラスチック製品の老舗メーカー。技術力は高く顧客からの信頼は厚い
・2020年3月期は増益ながら償却負担減による。2021年3月期の予想は未定
・今後は内需向け製品の拡充で収益基盤の安定化を図る。配当動向にも要注目
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<EY>
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