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ワコムのニュース
*12:37JST ワコム Research Memo(7):「Wacom Chapter 4」での成長加速に向けた事業構造改革を推進
■ワコム<6727>の中期経営方針「Wacom Chapter 3」アップデートの改編
3. 「Wacom Chapter 3」アップデートの取り組みと進捗
(1) ブランド製品事業
1) 商品ポートフォリオの刷新と粗利改善
i) 新しい付加価値提供(エントリーからプロまで)、ii) 粗利改善の価格政策、iii) VE(Value Engineering)による原価構造改善に取り組んでいる。i) については、新しい付加価値提供する商品ポートフォリオを順次導入中であり、上期には3モデルの新製品を導入済みである。ii) についても、価格政策の実施により粗利率を前年同期比で1ポイントアップさせることができた(エントリーユーザー向け既存モデルの在庫マネジメント優先による値下げ影響がプロ向けモデルの値上げ効果を減殺した結果のネット数値)。iii) については、現在進行中である。
2) 集中領域での事業構造
i) クリエイティブ領域への集中、ii) 新創作ワークフロー対応(仮想化/遠隔化)、iii) ソリューション型付加価値提供体制への変革に取り組んでいる。i) については、フロリダ州職業訓練校への導入や、(株)KENAZとの連携によるWebtoon※作家育成のための教育プログラムを展開している。ii) については、ソリューションβ版を市場導入し、商用化に向けて推進している。iii) についても、ソリューション型価値提供を地域ごとに検討中である。
※縦スクロール(縦読み)のフルカラーマンガのこと。
3) 販路マネジメント強化
i) B2Bチャネル強化(ソリューション型価値提供に向けたダイレクト顧客開拓)、ii) e-storeチャネル強化(体験提供型サービス等を通じたユーザータッチポイントの最大化)に取り組んでいる。i) については、ペンシルバニア州オンライン学校への納入や病院でのワークフローサポート、オンライン銀行サービスのサポートなどで成果を上げることができた。上期におけるB2B比率は目標30%程度に近づきつつあるようだ(前年通期は25%程度)。ii) については、継続的な使用体験(チュートリアル、カスタマイズ、アクセサリー等)を提供する「Wacom Adventureサービス」の導入を開始し、e-store専用バージョンやサービスによる導線確保を図っている。上期におけるe-store比率は12%程度(前年通期は10%程度)に改善した。
(2) テクノロジーソリューション事業
1) 顧客と用途拡大
i) 業界での事実上標準化の推進や、ii) 用途拡大に向けた独自ハードウェア(本体/ペン/サービス)の開発展開に取り組んでいる。i) については、フォルダブル(折り畳みディスプレイ)対応やユニバーサルペン導入などに注力している。ii) については、独自のハードウェア開発展開の企画検討が進行中である。
2) 一般教育分野での事業開拓
i) 一般教育向けのソリューション展開、ii) ハードウェアだけでないサービス展開に取り組んでいる。i) については、一般教育向けの次世代ソリューションを開発中であり、ii) についても、商用導入した教育向けサービスのアップデート版を企画・開発中である。
(3) 全社
1) 在庫マネジメント改善
i) 2022年12月末在庫残高(約300億円)からの3分の1在庫削減(2024年3月末の目標200億円)、ii) 新規調達の絞り込み、iii) 発注モニタリング強化に取り組んでいる。i) については、2023年9月末時点の在庫を206億円(簿価)に削減することができた。ただ、その削減には在庫評価減によるものも含まれるため、キャッシュ・フロー改善に繋がる実質的な削減としては約45億円に留まっており、残り55億円(評価減を除く)の削減を図ることで100億円の現金創出を目指す。ii) 及びiii) については、既存商品の発注はほぼなしの状態となっており、引き続き発注モニタリングの強化にも取り組んでいく。
2) 資本政策/株主還元
i) 将来技術への投資と資本政策、ii) 自己株式取得に取り組んでいる。i) については、2024年3月期の研究開発予算として80億円(上期実績は36億円)を見込んでいる。ii) については、「Wacom Chapter 3」期間(2025年3月末までの4年間)における総額上限200億円の取得方針に沿って、2023年9月末時点で累計60億円の自己株式を取得済みである。そして、2024年3月期は2024年3月末までにさらに上限65億円の自己株式を取得することを今回の決算開示とともに決議した。
3) デジタルインクサービスの立ち上げと投資
i) 新コア価値となる3分野(AI、XR、セキュリティ)での事業立ち上げと、ii) 技術開発投資と回収に取り組んでいる。特にi) については、AI(教育分野で商用化開始)、XR(2023年11月に最終PoC品発表)、セキュリティ(Wacom Yuifyβ版の市場導入中)の3分野に加え、リモート(リモートソリューションβ版の市場導入中)でもプロジェクトが進捗している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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3. 「Wacom Chapter 3」アップデートの取り組みと進捗
(1) ブランド製品事業
1) 商品ポートフォリオの刷新と粗利改善
i) 新しい付加価値提供(エントリーからプロまで)、ii) 粗利改善の価格政策、iii) VE(Value Engineering)による原価構造改善に取り組んでいる。i) については、新しい付加価値提供する商品ポートフォリオを順次導入中であり、上期には3モデルの新製品を導入済みである。ii) についても、価格政策の実施により粗利率を前年同期比で1ポイントアップさせることができた(エントリーユーザー向け既存モデルの在庫マネジメント優先による値下げ影響がプロ向けモデルの値上げ効果を減殺した結果のネット数値)。iii) については、現在進行中である。
2) 集中領域での事業構造
i) クリエイティブ領域への集中、ii) 新創作ワークフロー対応(仮想化/遠隔化)、iii) ソリューション型付加価値提供体制への変革に取り組んでいる。i) については、フロリダ州職業訓練校への導入や、(株)KENAZとの連携によるWebtoon※作家育成のための教育プログラムを展開している。ii) については、ソリューションβ版を市場導入し、商用化に向けて推進している。iii) についても、ソリューション型価値提供を地域ごとに検討中である。
※縦スクロール(縦読み)のフルカラーマンガのこと。
3) 販路マネジメント強化
i) B2Bチャネル強化(ソリューション型価値提供に向けたダイレクト顧客開拓)、ii) e-storeチャネル強化(体験提供型サービス等を通じたユーザータッチポイントの最大化)に取り組んでいる。i) については、ペンシルバニア州オンライン学校への納入や病院でのワークフローサポート、オンライン銀行サービスのサポートなどで成果を上げることができた。上期におけるB2B比率は目標30%程度に近づきつつあるようだ(前年通期は25%程度)。ii) については、継続的な使用体験(チュートリアル、カスタマイズ、アクセサリー等)を提供する「Wacom Adventureサービス」の導入を開始し、e-store専用バージョンやサービスによる導線確保を図っている。上期におけるe-store比率は12%程度(前年通期は10%程度)に改善した。
(2) テクノロジーソリューション事業
1) 顧客と用途拡大
i) 業界での事実上標準化の推進や、ii) 用途拡大に向けた独自ハードウェア(本体/ペン/サービス)の開発展開に取り組んでいる。i) については、フォルダブル(折り畳みディスプレイ)対応やユニバーサルペン導入などに注力している。ii) については、独自のハードウェア開発展開の企画検討が進行中である。
2) 一般教育分野での事業開拓
i) 一般教育向けのソリューション展開、ii) ハードウェアだけでないサービス展開に取り組んでいる。i) については、一般教育向けの次世代ソリューションを開発中であり、ii) についても、商用導入した教育向けサービスのアップデート版を企画・開発中である。
(3) 全社
1) 在庫マネジメント改善
i) 2022年12月末在庫残高(約300億円)からの3分の1在庫削減(2024年3月末の目標200億円)、ii) 新規調達の絞り込み、iii) 発注モニタリング強化に取り組んでいる。i) については、2023年9月末時点の在庫を206億円(簿価)に削減することができた。ただ、その削減には在庫評価減によるものも含まれるため、キャッシュ・フロー改善に繋がる実質的な削減としては約45億円に留まっており、残り55億円(評価減を除く)の削減を図ることで100億円の現金創出を目指す。ii) 及びiii) については、既存商品の発注はほぼなしの状態となっており、引き続き発注モニタリングの強化にも取り組んでいく。
2) 資本政策/株主還元
i) 将来技術への投資と資本政策、ii) 自己株式取得に取り組んでいる。i) については、2024年3月期の研究開発予算として80億円(上期実績は36億円)を見込んでいる。ii) については、「Wacom Chapter 3」期間(2025年3月末までの4年間)における総額上限200億円の取得方針に沿って、2023年9月末時点で累計60億円の自己株式を取得済みである。そして、2024年3月期は2024年3月末までにさらに上限65億円の自己株式を取得することを今回の決算開示とともに決議した。
3) デジタルインクサービスの立ち上げと投資
i) 新コア価値となる3分野(AI、XR、セキュリティ)での事業立ち上げと、ii) 技術開発投資と回収に取り組んでいる。特にi) については、AI(教育分野で商用化開始)、XR(2023年11月に最終PoC品発表)、セキュリティ(Wacom Yuifyβ版の市場導入中)の3分野に加え、リモート(リモートソリューションβ版の市場導入中)でもプロジェクトが進捗している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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