837円
ワコムのニュース
■これまでの業績推移
ワコム<6727>の過去の売上高推移を見ると、2017年3月期に大きく落ち込んだのは、円高や製品サイクルの移行、サムスン電子製品のリコール等の影響が重なったことが理由である。ただ、その後は「テクノロジーソリューション事業」の伸びとともに回復し、2019年3月期には過去最高の売上高を達成した。ただ、「ブランド製品事業」については減収傾向にあり、「ブランド製品事業」のマイナスを「テクノロジーソリューション事業」のプラスでカバーする構造が続いている。
なお、「ブランド製品事業」が減収傾向をたどっているのは、これまで主力であった「ペンタブレット製品」において、中低価格帯での競争激化に対して「ディスプレイ製品」への戦略的な需要シフトで十分には埋め合わせることができないなど、市場環境の変化への対応に時間を要していることが主因である。その一方で、「ディスプレイ製品」はエントリーモデルが新たな市場を開拓しながら順調に軌道に乗ってきており、売上高の中身(構成比)が変化していることに注意が必要である。
一方、「テクノロジーソリューション事業」におけるここ数年の伸びは、タブレット・ノートPC向けペン・センサーシステムの市場拡大に加え、スマートフォン向け(特に、サムスン電子のGalaxy Noteシリーズ向け)も機能強化の効果により、好調に推移していることが理由である。
利益面では、営業赤字となった2017年3月期を除くと、積極的な研究開発や新製品開発の影響により営業利益率は4%台で推移してきた。ただ、2020年3月期は研究開発投資の水準を維持しながらも、販管費の最適化等により利益率の改善を図っている。
財務面では、減損損失の計上により大幅な最終損失となった2017年3月期の自己資本比率は一旦低下したが、その後は内部留保の積み増しにより改善してきており、当面の目標である60%に近づいてきた。また、資本効率を示すROEも直近2期においては15%前後の水準で推移しており、同社の財務内容はバランスの良い状態にあると評価できる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<EY>
ワコム<6727>の過去の売上高推移を見ると、2017年3月期に大きく落ち込んだのは、円高や製品サイクルの移行、サムスン電子製品のリコール等の影響が重なったことが理由である。ただ、その後は「テクノロジーソリューション事業」の伸びとともに回復し、2019年3月期には過去最高の売上高を達成した。ただ、「ブランド製品事業」については減収傾向にあり、「ブランド製品事業」のマイナスを「テクノロジーソリューション事業」のプラスでカバーする構造が続いている。
なお、「ブランド製品事業」が減収傾向をたどっているのは、これまで主力であった「ペンタブレット製品」において、中低価格帯での競争激化に対して「ディスプレイ製品」への戦略的な需要シフトで十分には埋め合わせることができないなど、市場環境の変化への対応に時間を要していることが主因である。その一方で、「ディスプレイ製品」はエントリーモデルが新たな市場を開拓しながら順調に軌道に乗ってきており、売上高の中身(構成比)が変化していることに注意が必要である。
一方、「テクノロジーソリューション事業」におけるここ数年の伸びは、タブレット・ノートPC向けペン・センサーシステムの市場拡大に加え、スマートフォン向け(特に、サムスン電子のGalaxy Noteシリーズ向け)も機能強化の効果により、好調に推移していることが理由である。
利益面では、営業赤字となった2017年3月期を除くと、積極的な研究開発や新製品開発の影響により営業利益率は4%台で推移してきた。ただ、2020年3月期は研究開発投資の水準を維持しながらも、販管費の最適化等により利益率の改善を図っている。
財務面では、減損損失の計上により大幅な最終損失となった2017年3月期の自己資本比率は一旦低下したが、その後は内部留保の積み増しにより改善してきており、当面の目標である60%に近づいてきた。また、資本効率を示すROEも直近2期においては15%前後の水準で推移しており、同社の財務内容はバランスの良い状態にあると評価できる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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