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プール方式を用いた「新型コロナウイルス全自動多検体検査法」開発へ 北里研究所、東洋紡、椿本チエイン 共同研究契約を締結

配信元:PR TIMES
投稿:2021/02/02 15:19
株式会社椿本チエイン(本社・大阪市北区、社長:大原 靖)は、学校法人北里研究所(所在地:東京都港区、理事長:小林 弘祐、以下北里研究所)、東洋紡株式会社(本社・大阪市北区、社長:楢原誠慈氏)と共同で、「多検体検査を可能にする次世代型オートメーション技術を利用した画期的な新型コロナウイルス検査法の確立」に関する共同研究契約を2021年1月29日に締結しました。 この研究テーマは、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が支援する「COVID-19関連研究公募」において、「早期・大量の感染症検査の実現に向けた実証研究支援」の1つとして採択されたものです。北里研究所、東洋紡、椿本チエインの3者のコア技術を融合し、プール法*1を採用した、全自動の多検体検査システムの早期確立を目指します。


1.共同開発の経緯
世界的規模で新型コロナウイルスの第三波の流行に襲われている中、大量の検体検査と処理時間の短縮を両立する検査法の開発は、この感染状況の実態を把握し適切な医療を提供する上でも喫緊の課題となっています。
こうした社会課題の解決に向けて、北里研究所が展開するCOVID-19対策北里プロジェクトの実施体制とその取り組み、東洋紡のDNAポリメラーゼをベースとした研究用試薬技術、当社の自動化技術を組み合わせ、独創的かつ画期的な検査システム構築を目指しています。2021年3月末までに実証実験を完了、2021年6月の実用化を目指します。
2.本研究のポイント
プール法は、鼻咽頭ぬぐい液・唾液など、複数人分の検体をまとめて検査する多検体検査手法の1つで、一人ひとりの検体を検査する方式に比べて、検査時間や費用削減が期待されます。一方で従来のプール法を活用した検査では、多検体をまとめて一度に処理しようとすると、感染者の検体が健常者の検体で希釈されてしまい、検出感度が低下するなどの課題がありました。
本研究では、検査の信頼性・安全性向上、検体採取から結果判定までの時間短縮により、大量の検体検査に対応できる次世代型の「全自動多検体検査法」を確立。高精度・大量のPCR検査実現と、検査員の感染リスクからの解放を目指し、以下の技術課題に取り組みます。 
1.プール法による多検体検査(13,000件/日)の実現とミスのない検体のID管理システムの運用
2.最新のDNAポリメラーゼ技術をベースに、煩雑なRNA精製作業を必要としない検査方式の確立
3.無人化かつ夜間でも稼働可能な全自動検査システム(自動化ミニラボラトリー)の実用化
4.新型コロナウイルス以外の感染症検査にも応用可能


椿本チエインが担当する自動化装置「自動化ミニラボラトリー」の概要と特長当社は、北里研究所、東洋紡の検査技術を最大限発揮していただくための、無人化かつ夜間でも稼働可能な高効率な全自動検査システムの実用化と検体のID管理システムを担当します。
(1) 「自動化ミニラボラトリー」の概要
自動化ミニラボラトリーイメージ図
受け入れ分注ユニット、濃縮ユニット、前処理・PCRユニットの3つのユニットで構成。この3つをロボットで連動させ、検体受け入れ(ID情報付与)から分注、前処理、PCR自動検査まで、全自動化を図ります。


(2)「自動化ミニラボラトリー」の特長
当社が創薬、DNA研究機関向けの冷凍自動保管庫で培った、1.検体容器のピッキング、蓋の自動開閉などのロボット技術、2.ピッキングロボットと分注装置の連動自動化技術、3.試薬のほかDNAや血液などのリキッドハンドリング技術、4.検体容器のID自動読み取り技術などの技術力を生かし、下記技術課題の実用化を図ります。
1. 1回あたりの検査数増大と検体のID管理システムの構築
プール法に対応する384フォーマット*2の分注装置開発とターゲット(陽性者)を特定するためのデータ管理システムを構築。様々な形状の検体容器にも対応可能です。
2. 最適なパラメータ設定と検体のコンタミリスク*3の回避
各分注処理や吸引量など最適なパラメータを自動装置に組み込み、さらにコンタミリスク軽減と正確な分注を実現します。
3. 鼻咽喉ぬぐい液、唾液など複数の検体にも対応可能
鼻咽喉ぬぐい液や唾液など、異なる検体、かつ粘度が高い検体を正確に自動分注します。
研究の今後の展開について
 今後、医療現場での大量かつ迅速な検査体制の構築のみならず、空港等での入国時の検体検査や大規模な国際スポーツイベント等での検査体制構築への活用も視野に、本研究を進めてまいります。

*1 プール法 : 鼻咽頭ぬぐい液・唾液などの検体の一部を数人分混ぜてまとめて検査する、多検体検査手法の一つ。本研究では、1システムで1日13,000検体以上、プール数を増やすことで検査数増大が可能
*2 384フォーマット : コロナウイルスでのPCR検査用に検体を分注する検査容器は、96個の窪み(96検体分)を設けた96フォーマットが一般的であるが、同一プレートサイズに384個の窪みを設けることにより、同一時間で96検体の4倍の384検体の検査ができるようにしたもの
*3 コンタミ   : コンタミネーション(contamination)」の略で、検体等が混入すること

【参考】
・本件に関する北里研究所のプレスリリース https://www.kitasato.ac.jp/jp/news/20210202-01.html
・本件に関する東洋紡のプレスリリースhttps://www.toyobo.co.jp/news/2021/release_1071.html

本研究は(AMED)令和2年度ウイルス等感染症対策技術開発事業(実証・改良研究)で支援を受けています。
課題名:多検体検査を可能にする次世代型オートメーション技術を利用した画期的な新型コロナウイルス検査法の確立

●本件についてのお問合せ先 経営企画室 広報課 E-mail : pr-sec@gr.tsubakimoto.co.jp
TEL 06-6441-0054 FAX 06-6441-0203 〒530-0005 大阪市北区中之島3-3-3 中之島三井ビルディング
配信元: PR TIMES
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