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GMOメディアのニュース
■業績動向
1. 2018年12月期の業績概要
GMOメディア<6180>の2018年12月期の売上高は前期比3.5%増の4,533百万円と2期ぶりの増収に転じたものの、営業利益は同23.8%減の282百万円、経常利益は同23.5%減の281百万円、当期純利益は同21.7%減の197百万円となり、いずれも2期連続で減益となった。また、会社計画に対してもすべての項目で下回って着地した。原価率の低いソーシャルメディア広告収入の減収が続いたほか、「コエテコ」や「プリ小説」など新規サービスの開発投資を積極的に実施したことが減益要因となっている。また、計画比でもソーシャルメディア広告の落ち込みが未達要因になった。
売上総利益率はソーシャルメディアの広告収入の減少により、前期の35.1%から31.9%に低下し、売上総利益は前期比5.8%減の1,445百万円となった。販管費は人件費や経費の抑制に取り組んだことで前期比横ばい水準にとどまったものの、結果、営業利益率は前期の8.5%から6.2%と2.3ポイント低下し、同23.8%減となった。
2. 事業セグメント別動向
(1) メディア事業
メディア事業の売上高は前期比6.2%減の3,061百万円、営業利益は同35.7%減の191百万円となった。売上高のうちECメディアは前期比4%減、ソーシャルメディアは同13%減となった。ECメディアは、2017年4月に一部のアドネットワーク事業者がレギュレーション変更を実施した影響で、広告単価が下落したことが減収要因となった。同要因による売上高の減少額は3億円弱になったと見られ、これがなければ増収に転じていたことになる。なお、広告単価の下落については相対的に高価格水準だったクレジットカード会社の下落が主因となっている。
デバイス別の売上高を四半期ベースで見ると、2017年12月期第4四半期からスマートフォンとPCの比率が逆転しており、ここ数年のスマートフォン会員獲得に向けた取り組みの成果が出てきたものと考えられる。直近第4四半期について見ると、PC経由での売上高は前年同期比で減少トレンドが続いているものの、スマートフォン経由の売上高は前年同期比、前四半期比ともに増収に転じており、回復の兆しが見え始めている。
主力サービスである「ポイントタウン」の訪問者数は、スマートフォンのアプリダウンロード数が前期末の142万件から169万件に拡大したこともあり、順調に推移した。また、提携パートナーメディアの拡大戦略についても第2四半期に「goo」を運営するNTTレゾナント(株)と提携するなど着実に進んでいる。ポイントメディアの売上についてはこうした戦略が奏効し、提携パートナーメディアの売上も含めると2018年12月期第4四半期は前年同期比、前四半期比で増加に転じている。
ゲームプラットフォーム「ゲソてん(HTML5)」については、2018年4月にスマートフォン版のサービスを開始したほか、自社オリジナルタイトルの投入(「激突!最強プロ野球ドリームバトル」、2018年6月)、外部連携パートナーへの提供を積極的に展開(2018年12月末で提携メディア数は19)したこともあって、2018年12月期のゲーム課金収入が前期比20%増と順調に拡大した。金額的にはまだ小さいものの、2018年12月期第4四半期も前年同期比で17%増と2ケタ増ペースを維持しており、今後の成長が期待できる状況となっている。
一方、ソーシャルメディアの広告収入については、Instagramやtwitterなど大手SNSの普及により競争が激化するなかで、「プリキャン」等を中心にサービス訪問者数が減少し苦戦を強いられた。売上高は2014年12月期の1,449百万円をピークに2018年12月期は約7億円まで減少している。同社は収益改善の取り組みを進めており、2018年11月にはランキングのキュレーションサイト「ランキングシェア」のサービスを終了している。
なお、新規サービスとなるプログラミング教育の情報メディア「コエテコ」については、教室の掲載数が2018年12月末で約5,800教室と業界最多規模となり、教室への送客テストも2018年8月より試験的に有償で開始した。まだ、ビジネスモデルの構築中であり先行投資期間と位置付けている。
(2) その他メディア支援事業
その他メディア支援事業の売上高は前期比32.5%増の1,471百万円、営業利益は同23.6%増の91百万円と2期ぶりの増収増益となった。2018年12月期は広告クライアントや提携媒体数の増加に加えて、期の前半に比較的規模の大きいスポット案件を受注したことが増収増益要因となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SF>
1. 2018年12月期の業績概要
GMOメディア<6180>の2018年12月期の売上高は前期比3.5%増の4,533百万円と2期ぶりの増収に転じたものの、営業利益は同23.8%減の282百万円、経常利益は同23.5%減の281百万円、当期純利益は同21.7%減の197百万円となり、いずれも2期連続で減益となった。また、会社計画に対してもすべての項目で下回って着地した。原価率の低いソーシャルメディア広告収入の減収が続いたほか、「コエテコ」や「プリ小説」など新規サービスの開発投資を積極的に実施したことが減益要因となっている。また、計画比でもソーシャルメディア広告の落ち込みが未達要因になった。
売上総利益率はソーシャルメディアの広告収入の減少により、前期の35.1%から31.9%に低下し、売上総利益は前期比5.8%減の1,445百万円となった。販管費は人件費や経費の抑制に取り組んだことで前期比横ばい水準にとどまったものの、結果、営業利益率は前期の8.5%から6.2%と2.3ポイント低下し、同23.8%減となった。
2. 事業セグメント別動向
(1) メディア事業
メディア事業の売上高は前期比6.2%減の3,061百万円、営業利益は同35.7%減の191百万円となった。売上高のうちECメディアは前期比4%減、ソーシャルメディアは同13%減となった。ECメディアは、2017年4月に一部のアドネットワーク事業者がレギュレーション変更を実施した影響で、広告単価が下落したことが減収要因となった。同要因による売上高の減少額は3億円弱になったと見られ、これがなければ増収に転じていたことになる。なお、広告単価の下落については相対的に高価格水準だったクレジットカード会社の下落が主因となっている。
デバイス別の売上高を四半期ベースで見ると、2017年12月期第4四半期からスマートフォンとPCの比率が逆転しており、ここ数年のスマートフォン会員獲得に向けた取り組みの成果が出てきたものと考えられる。直近第4四半期について見ると、PC経由での売上高は前年同期比で減少トレンドが続いているものの、スマートフォン経由の売上高は前年同期比、前四半期比ともに増収に転じており、回復の兆しが見え始めている。
主力サービスである「ポイントタウン」の訪問者数は、スマートフォンのアプリダウンロード数が前期末の142万件から169万件に拡大したこともあり、順調に推移した。また、提携パートナーメディアの拡大戦略についても第2四半期に「goo」を運営するNTTレゾナント(株)と提携するなど着実に進んでいる。ポイントメディアの売上についてはこうした戦略が奏効し、提携パートナーメディアの売上も含めると2018年12月期第4四半期は前年同期比、前四半期比で増加に転じている。
ゲームプラットフォーム「ゲソてん(HTML5)」については、2018年4月にスマートフォン版のサービスを開始したほか、自社オリジナルタイトルの投入(「激突!最強プロ野球ドリームバトル」、2018年6月)、外部連携パートナーへの提供を積極的に展開(2018年12月末で提携メディア数は19)したこともあって、2018年12月期のゲーム課金収入が前期比20%増と順調に拡大した。金額的にはまだ小さいものの、2018年12月期第4四半期も前年同期比で17%増と2ケタ増ペースを維持しており、今後の成長が期待できる状況となっている。
一方、ソーシャルメディアの広告収入については、Instagramやtwitterなど大手SNSの普及により競争が激化するなかで、「プリキャン」等を中心にサービス訪問者数が減少し苦戦を強いられた。売上高は2014年12月期の1,449百万円をピークに2018年12月期は約7億円まで減少している。同社は収益改善の取り組みを進めており、2018年11月にはランキングのキュレーションサイト「ランキングシェア」のサービスを終了している。
なお、新規サービスとなるプログラミング教育の情報メディア「コエテコ」については、教室の掲載数が2018年12月末で約5,800教室と業界最多規模となり、教室への送客テストも2018年8月より試験的に有償で開始した。まだ、ビジネスモデルの構築中であり先行投資期間と位置付けている。
(2) その他メディア支援事業
その他メディア支援事業の売上高は前期比32.5%増の1,471百万円、営業利益は同23.6%増の91百万円と2期ぶりの増収増益となった。2018年12月期は広告クライアントや提携媒体数の増加に加えて、期の前半に比較的規模の大きいスポット案件を受注したことが増収増益要因となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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