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ネットマーケティングのニュース
■会社概要
1.会社沿革
ネットマーケティング<6175>は、ベンチャーキャピタル在籍時に投資先企業においてアフィリエイト広告事業を立ち上げた経験を持つ現代表取締役社長兼CEOの宮本邦久(みやもとくにひさ)氏によって、キャンペーン型のアフィリエイト企画を提供するWeb広告の代理店として2004年7月に設立された。その後、2007年2月に、現在のアフィリエイト業界のエージェントへ事業モデルを転換し、業容を着実に拡大してきた。2012年2月より、現在のもう1つの事業の柱であり、成長ドライバーとなっているメディア事業として、恋活・婚活マッチングサービス「Omiai」を開始した。2017年3月、東京証券取引所JASDAQスタンダード市場への上場を果たし、2018年5月、東京証券取引所市場第2部に市場変更された。
2. 事業概要
同社は、メディア事業、広告事業の2つを報告セグメントとしている。
(1) メディア事業
メディア事業では、恋活・婚活マッチングサービス「Omiai」を2012年2月にサービス開始したが、大手企業の参入により2015年から国内オンライン恋活・婚活マッチングサービス市場の成長が加速しており、市場規模は2023年に2018年比で約2.3倍の852億円へ拡大すると予想されている。オンラインマッチングサービス市場は、恋活・婚活に加え、よりライトなマッチングを提供するデーティングから成り、米国で「Match.com」や「Tinder」などのサービスを運営し、NASDAQ市場に上場しているMatch Group Inc.の売上高は1,330百万USドル(2017年12月期。1USドル110円換算で約1,463億円)となっている。国内ではMatch Group子会社の(株)エウレカが運営する、公表会員数800万人超(2018年8月時点)の「Pairs」、サイバーエージェント<4751>グループが運営する、公表会員数400万人超(2018年10月時点)の「タップル誕生」に次いで、Omiaiは恋活サービス市場における最大手の1つとなっており、2018年11月末で370万人の累計会員数を抱えている。
各サービス間における競争は、サービス内容自体での差別化余地はさほど大きくないものの、新規利用ユーザーが増加し続けている成長中の市場であり、ユーザーをいかにより多く獲得するかのマーケティング次第となっている。Omiaiは、メッセージ交換前に18歳以上であることの年齢確認を厳格に行い、また不正ユーザーの排除や、プライバシーの保護を図ることにより、安心・安全に利用できるサービスとして運営している。同サービスの売上げは、マッチングした相手とのメッセージ交換が可能な有料会員からの月額利用料に加え、アプローチ回数を増やすために購入されるポイントや、マッチング率を高める付加機能となるプレミアムパックによる課金収入から成っている。月額利用料は、クレジットカード決済の場合3,980円、AppleID決済・GooglePlay決済の場合4,800円(いずれも税込、1ヶ月プランの場合)。2018年6月期におけるメディア事業の売上高を有料会員数の期中平均で割ると、有料会員1人当たりの月額売上は約5,600円と試算される。Omiaiは従来、Facebookユーザーのみを対象として運営されていたが、国内のFacebookユーザーは全インターネットユーザーの3割に満たないことから、2018年4月25日からFacebookユーザー以外も利用できるように変更され、対象ユーザーを全インターネットユーザーへ大幅に拡大した。これにより、Facebook経由での新規獲得会員の比率は低下傾向にあり、プロモーション投資におけるFacebook広告の比率も大幅に低下してきている。
また、デーティング市場への参入として、2018年6月28日にデーティングサービス「QooN」のAndroid版を、同7月26日にiOS版をリリースした。デーティングは恋活・婚活に限定されないカジュアルなマッチングサービスで、世界最大のデーティングサービスであるTinderは会員数が5,000万人以上と言われており、ユーザーと成り得る対象者が多いことから、国内においても恋活・婚活よりさらに大きな市場になると見込まれる。従来のマッチングサービスでは検索やメッセージ交換の時間・手間を必要としているが、QooNでは、相手へのアプローチの際に初回のデート先として飲食店を一緒に提案することのできる「Qdish」(キューディッシュ)や、急に時間が空いてしまったときなどに当日出会える相手を探すための「Qtoday」(キュートゥデイ)といった独自の機能を備え、検索なしにマッチングさせる「スピードマッチング」を実現することを特徴としている。Omiaiと比べてより若年層を主たるターゲット層としていることから、月額利用料は3,800円(税込、1ヶ月プランの場合)とOmiaiより若干低めに設定されている。
同社は政府主催の「婚活・街コン推進サミット」や、一般社団法人の「結婚・婚活応援プロジェクト」、同業者による「Japan Dating Summit」へ参加しており、安心・安全なサービスの提供を通じて、婚姻率を上昇させることで、少子化という社会問題の解決に貢献していくことを社会的意義として掲げている。2018年8月には、岡山県及び同県への移住支援団体である「岡山盛り上げよう会」と共同で、岡山の暮らしの魅力と味覚を体験するイベント「岡山Omiai婚活Party」を東京で開催しており、今後、同様のイベントを他の地方自治体とも連携して実施していく方針である。
2018年6月期においてメディア事業が全売上高に占める比率は28.0%であるが、高収益な成長ドライバーとして注力しており、中期経営計画によれば、2021年6月期には47%へ高まる計画となっている。同社は、OmiaiとQooNの2ブランドで、マッチングサービス市場における国内No.1企業となることを目指している。
(2) 広告事業
広告事業においては、アフィリエイト広告に強みを持つエージェントとして、広告展開の戦略立案から運用支援までを一貫して提供している。アフィリエイト広告は、個人・法人が運営するWebサイト等に掲載され、広告の閲覧・申込・購入等が発生した場合に、広告掲載者(アフィリエイター)に対して報酬が支払われる成果報酬型のインターネット広告である。アフィリエイト広告は、成果報酬型であり広告主にとって費用対効果が高いことや、個人運営のWebサイトでも広告収入が得られることから根強い需要があり、インターネット広告としては比較的歴史が長いが、インターネット広告市場の成長とともに堅調に成長を続けている。大手エージェントにおいては多数の広告サービスの1つとして取り扱われているに過ぎないが、同社はアフィリエイト広告に注力していることで、アフィリエイト広告売上で代理店業界2位となっており(同社調査)、ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダー)のファンコミュニケーションズ<2461>、インタースペース<2122>、アドウェイズ<2489>等と同社は代理店契約を結んでいる。
2018年6月期の上位販売先は、(株)EPARK、(株)電通デジタル、(株)リクルートキャリアとなっており、上位3社で広告事業売上高の6割超を占めている。同社が独自に開発した広告効果計測ツール「ALLADiN」は、ワンタグシステムによる複数ASP横断での一元管理、成果情報のリアルタイム管理、ASPとの連携によるASP傘下のメディアのデータ分析、複数ブラウザ・端末横断での効果測定や高精度での成果カウントを可能としており、アフィリエイト広告におけるエージェントとしての強みを支えている。
2018年6月期第4四半期からは、アフィリエイト広告に次ぐ第2の柱として、インターネット広告市場の中でも成長率の高いFacebook・Twitter・LINE・Instagram等の「SNS広告」の取扱いを開始した。
2018年6月期において広告事業が全売上高に占める比率は72.0%であり、安定成長の収益基盤と位置付け今後も収益の拡大を見込んでいるが、メディア事業の高成長に伴い、中期経営計画では、2021年6月期に53%へ低下する計画となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 廣田重徳)
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1.会社沿革
ネットマーケティング<6175>は、ベンチャーキャピタル在籍時に投資先企業においてアフィリエイト広告事業を立ち上げた経験を持つ現代表取締役社長兼CEOの宮本邦久(みやもとくにひさ)氏によって、キャンペーン型のアフィリエイト企画を提供するWeb広告の代理店として2004年7月に設立された。その後、2007年2月に、現在のアフィリエイト業界のエージェントへ事業モデルを転換し、業容を着実に拡大してきた。2012年2月より、現在のもう1つの事業の柱であり、成長ドライバーとなっているメディア事業として、恋活・婚活マッチングサービス「Omiai」を開始した。2017年3月、東京証券取引所JASDAQスタンダード市場への上場を果たし、2018年5月、東京証券取引所市場第2部に市場変更された。
2. 事業概要
同社は、メディア事業、広告事業の2つを報告セグメントとしている。
(1) メディア事業
メディア事業では、恋活・婚活マッチングサービス「Omiai」を2012年2月にサービス開始したが、大手企業の参入により2015年から国内オンライン恋活・婚活マッチングサービス市場の成長が加速しており、市場規模は2023年に2018年比で約2.3倍の852億円へ拡大すると予想されている。オンラインマッチングサービス市場は、恋活・婚活に加え、よりライトなマッチングを提供するデーティングから成り、米国で「Match.com」や「Tinder」などのサービスを運営し、NASDAQ市場に上場しているMatch Group Inc.の売上高は1,330百万USドル(2017年12月期。1USドル110円換算で約1,463億円)となっている。国内ではMatch Group子会社の(株)エウレカが運営する、公表会員数800万人超(2018年8月時点)の「Pairs」、サイバーエージェント<4751>グループが運営する、公表会員数400万人超(2018年10月時点)の「タップル誕生」に次いで、Omiaiは恋活サービス市場における最大手の1つとなっており、2018年11月末で370万人の累計会員数を抱えている。
各サービス間における競争は、サービス内容自体での差別化余地はさほど大きくないものの、新規利用ユーザーが増加し続けている成長中の市場であり、ユーザーをいかにより多く獲得するかのマーケティング次第となっている。Omiaiは、メッセージ交換前に18歳以上であることの年齢確認を厳格に行い、また不正ユーザーの排除や、プライバシーの保護を図ることにより、安心・安全に利用できるサービスとして運営している。同サービスの売上げは、マッチングした相手とのメッセージ交換が可能な有料会員からの月額利用料に加え、アプローチ回数を増やすために購入されるポイントや、マッチング率を高める付加機能となるプレミアムパックによる課金収入から成っている。月額利用料は、クレジットカード決済の場合3,980円、AppleID決済・GooglePlay決済の場合4,800円(いずれも税込、1ヶ月プランの場合)。2018年6月期におけるメディア事業の売上高を有料会員数の期中平均で割ると、有料会員1人当たりの月額売上は約5,600円と試算される。Omiaiは従来、Facebookユーザーのみを対象として運営されていたが、国内のFacebookユーザーは全インターネットユーザーの3割に満たないことから、2018年4月25日からFacebookユーザー以外も利用できるように変更され、対象ユーザーを全インターネットユーザーへ大幅に拡大した。これにより、Facebook経由での新規獲得会員の比率は低下傾向にあり、プロモーション投資におけるFacebook広告の比率も大幅に低下してきている。
また、デーティング市場への参入として、2018年6月28日にデーティングサービス「QooN」のAndroid版を、同7月26日にiOS版をリリースした。デーティングは恋活・婚活に限定されないカジュアルなマッチングサービスで、世界最大のデーティングサービスであるTinderは会員数が5,000万人以上と言われており、ユーザーと成り得る対象者が多いことから、国内においても恋活・婚活よりさらに大きな市場になると見込まれる。従来のマッチングサービスでは検索やメッセージ交換の時間・手間を必要としているが、QooNでは、相手へのアプローチの際に初回のデート先として飲食店を一緒に提案することのできる「Qdish」(キューディッシュ)や、急に時間が空いてしまったときなどに当日出会える相手を探すための「Qtoday」(キュートゥデイ)といった独自の機能を備え、検索なしにマッチングさせる「スピードマッチング」を実現することを特徴としている。Omiaiと比べてより若年層を主たるターゲット層としていることから、月額利用料は3,800円(税込、1ヶ月プランの場合)とOmiaiより若干低めに設定されている。
同社は政府主催の「婚活・街コン推進サミット」や、一般社団法人の「結婚・婚活応援プロジェクト」、同業者による「Japan Dating Summit」へ参加しており、安心・安全なサービスの提供を通じて、婚姻率を上昇させることで、少子化という社会問題の解決に貢献していくことを社会的意義として掲げている。2018年8月には、岡山県及び同県への移住支援団体である「岡山盛り上げよう会」と共同で、岡山の暮らしの魅力と味覚を体験するイベント「岡山Omiai婚活Party」を東京で開催しており、今後、同様のイベントを他の地方自治体とも連携して実施していく方針である。
2018年6月期においてメディア事業が全売上高に占める比率は28.0%であるが、高収益な成長ドライバーとして注力しており、中期経営計画によれば、2021年6月期には47%へ高まる計画となっている。同社は、OmiaiとQooNの2ブランドで、マッチングサービス市場における国内No.1企業となることを目指している。
(2) 広告事業
広告事業においては、アフィリエイト広告に強みを持つエージェントとして、広告展開の戦略立案から運用支援までを一貫して提供している。アフィリエイト広告は、個人・法人が運営するWebサイト等に掲載され、広告の閲覧・申込・購入等が発生した場合に、広告掲載者(アフィリエイター)に対して報酬が支払われる成果報酬型のインターネット広告である。アフィリエイト広告は、成果報酬型であり広告主にとって費用対効果が高いことや、個人運営のWebサイトでも広告収入が得られることから根強い需要があり、インターネット広告としては比較的歴史が長いが、インターネット広告市場の成長とともに堅調に成長を続けている。大手エージェントにおいては多数の広告サービスの1つとして取り扱われているに過ぎないが、同社はアフィリエイト広告に注力していることで、アフィリエイト広告売上で代理店業界2位となっており(同社調査)、ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダー)のファンコミュニケーションズ<2461>、インタースペース<2122>、アドウェイズ<2489>等と同社は代理店契約を結んでいる。
2018年6月期の上位販売先は、(株)EPARK、(株)電通デジタル、(株)リクルートキャリアとなっており、上位3社で広告事業売上高の6割超を占めている。同社が独自に開発した広告効果計測ツール「ALLADiN」は、ワンタグシステムによる複数ASP横断での一元管理、成果情報のリアルタイム管理、ASPとの連携によるASP傘下のメディアのデータ分析、複数ブラウザ・端末横断での効果測定や高精度での成果カウントを可能としており、アフィリエイト広告におけるエージェントとしての強みを支えている。
2018年6月期第4四半期からは、アフィリエイト広告に次ぐ第2の柱として、インターネット広告市場の中でも成長率の高いFacebook・Twitter・LINE・Instagram等の「SNS広告」の取扱いを開始した。
2018年6月期において広告事業が全売上高に占める比率は72.0%であり、安定成長の収益基盤と位置付け今後も収益の拡大を見込んでいるが、メディア事業の高成長に伴い、中期経営計画では、2021年6月期に53%へ低下する計画となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 廣田重徳)
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