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冨士ダイスのニュース
■業績動向
1. 2022年3月期業績概要
冨士ダイス<6167>の2022年3月期業績は売上高16,874百万円(前期比18.4%増)、営業利益1,113百万円(同1,017百万円増)、経常利益1,202百万円(同4.0倍)、親会社株主に帰属する当期純利益790百万円(同68.7%増)とコロナ禍の影響からの自動車産業の回復、世界的な製造業の稼働率向上などで収益が大幅に回復した。2021年8月10日、2022年2月10日の2度の増額修正予想に対してもさらに上振れ、2022年2月10日予想に対し、売上高で94百万円、営業利益で163百万円上回った。なお、コロナ禍前の2020年3月期との比較では売上高は3.2%減収ながら営業利益は27.2%増を確保しており、全社での製造原価率0.5ポイント改善など、コスト削減効果が寄与している。
2. 2022年3月期はコロナ禍の影響から持ち直し収益が大幅改善
製品別売上高動向では全製品で2ケタの増収を達成した。超硬製工具類では冷間フォーミングロール、押出金型、棒鋼・線材用ダイスが堅調、工作機械向け異型ダイス、刃物工具なども堅調で10.7%増となった。超硬製金型類は半導体関連需要の拡大が寄与、自動車部品用金型も堅調に推移、特に車載リチウムイオン2次電池用金型が伸長、全体で17.0%増の伸びとなった。その他の超硬製品では半導体関連の需要拡大で関連する金型素材販売が好調、また自動車の電動化に伴いモーターコア金型素材の販売、海外向けリチウムイオン2次電池用金型素材販売も増加、22.7%増となった。超硬以外の製品では引抜鋼管及び放電加工用銅タングステン電極、KF2製混錬工具などが堅調で24.4%増となった。
営業利益の増減要因では、増収効果で2,627百万円の増益要因に対し、材料費高604百万円、人件費増523百万円、固定費増194百万円などの減益要因等があった。経常利益では為替差損益で63百万円のプラス効果が加わったものの雇用調整助成金179百万円がなくなり、営業利益に対し増益幅は多少縮小した。
なお四半期推移では第4四半期は前年同期比7.7%増収ながら、売上総利益が7.0%減、販管費が27.3%増となり、営業利益が95.5%減の13百万円まで落ち込んでいる。材料費高に加え、半導体不足による自動車生産の減産、さらには人件費増が重なったもので、2022年3月期としては収益回復ながら、2023年3月期への収益不透明要素を含んだ四半期だったと言える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)
<SI>
1. 2022年3月期業績概要
冨士ダイス<6167>の2022年3月期業績は売上高16,874百万円(前期比18.4%増)、営業利益1,113百万円(同1,017百万円増)、経常利益1,202百万円(同4.0倍)、親会社株主に帰属する当期純利益790百万円(同68.7%増)とコロナ禍の影響からの自動車産業の回復、世界的な製造業の稼働率向上などで収益が大幅に回復した。2021年8月10日、2022年2月10日の2度の増額修正予想に対してもさらに上振れ、2022年2月10日予想に対し、売上高で94百万円、営業利益で163百万円上回った。なお、コロナ禍前の2020年3月期との比較では売上高は3.2%減収ながら営業利益は27.2%増を確保しており、全社での製造原価率0.5ポイント改善など、コスト削減効果が寄与している。
2. 2022年3月期はコロナ禍の影響から持ち直し収益が大幅改善
製品別売上高動向では全製品で2ケタの増収を達成した。超硬製工具類では冷間フォーミングロール、押出金型、棒鋼・線材用ダイスが堅調、工作機械向け異型ダイス、刃物工具なども堅調で10.7%増となった。超硬製金型類は半導体関連需要の拡大が寄与、自動車部品用金型も堅調に推移、特に車載リチウムイオン2次電池用金型が伸長、全体で17.0%増の伸びとなった。その他の超硬製品では半導体関連の需要拡大で関連する金型素材販売が好調、また自動車の電動化に伴いモーターコア金型素材の販売、海外向けリチウムイオン2次電池用金型素材販売も増加、22.7%増となった。超硬以外の製品では引抜鋼管及び放電加工用銅タングステン電極、KF2製混錬工具などが堅調で24.4%増となった。
営業利益の増減要因では、増収効果で2,627百万円の増益要因に対し、材料費高604百万円、人件費増523百万円、固定費増194百万円などの減益要因等があった。経常利益では為替差損益で63百万円のプラス効果が加わったものの雇用調整助成金179百万円がなくなり、営業利益に対し増益幅は多少縮小した。
なお四半期推移では第4四半期は前年同期比7.7%増収ながら、売上総利益が7.0%減、販管費が27.3%増となり、営業利益が95.5%減の13百万円まで落ち込んでいる。材料費高に加え、半導体不足による自動車生産の減産、さらには人件費増が重なったもので、2022年3月期としては収益回復ながら、2023年3月期への収益不透明要素を含んだ四半期だったと言える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)
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