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エランのニュース
■事業概要
4. 「WIN-WIN-WIN」の関係を構築
CSセットは、サービスを利用する入院患者・入所者とその家族だけではなく、病院・介護老人保健施設等、リネンサプライ業者等にとっても大きなメリットがあり、エラン<6099>を中心に「WIN-WIN-WIN」の関係を構築した共存共栄型のビジネスモデルである。
サービスを利用する入院患者・入所者とその家族にとっては、入院・入所の際に身の回り品を準備しなくても「手ぶらで入院・入所」でき、さらに退院・退所の際にも「手ぶらで退院・退所」できる。
短期間の入院・入所の場合には、必要な身の回り品を新たに買いそろえるよりも経済的メリットがあり、衣類・タオル類等の日々の交換・洗濯や日常生活用品の補充といった作業・手間を省くことができるというメリットもある。家族にとっては日常生活用品の補充を主目的としたお見舞い訪問ではなく本来のお見舞いや看病に専念できる。入院患者・入所者にとっては家族に日常生活用品を準備・補充させているという気兼ねがなくなるという心理的メリットもある。
利用者の多くは高齢者であるが、若年層にもメリットは大きい。共働き世帯や単身世帯においては、入院生活時の日常生活用品の準備や補充を頼める家族がいないケースも多いが、1人でも安心である。このように「手ぶらで入院・退院、入所・退所」を実現させるCSセットへの評価は高い。
病院・介護老人保健施設等においては慢性的な看護師・介護士等の不足状況が続いているが、CSセットを導入することで、入院患者・入所者の入院生活時の日常生活用品まわりの作業(物品の不足等が生じた場合の家族への連絡や、個人が持ち込んだ衣類・タオル類の交換・洗濯・消毒にかかる作業等)を省いて、本来の看護・介護業務に専念することが可能になる。このため看護師・介護士等の業務効率化や労働環境改善につながるメリットがある。また、入院患者・入所者が独自で入院生活時の日常生活用品を持ち込む場合との比較において、使用後交換待ちの衣類・タオル類がベッド周りで保管されることもなくなり、院内感染対策・衛生管理徹底というメリットにもつながっている。
さらに、保険適用外のサービスに関して、病院・介護老人保健施設等が自ら患者・入所者に利用料金を請求する場合、厚生労働省からの行政指導に従った厳格な対応が必要となるが、CSセットは行政指導に適合した形態で提供しているため行政指導リスクを低減できる。そして、同社からの業務委託手数料が保険適用外の収入となるため、新たな保険外収益の増加や収益機会の創出につながるというメリットがある。
なお、病院・介護老人保健施設等におけるCSセット導入ニーズとしては、大都市圏では収入・収益機会の増加、中都市圏では看護師・介護士等の労働環境改善、地方都市圏では入院患者・入所者へのサービス向上といった要望が強いようだ。
リネンサプライ業者等は、病院・介護老人保健施設等と契約して、医療保険・介護保険の対象となる寝具類(布団、包布、シーツ、枕、枕カバー)の納入や洗濯業務を受託している。CSセット導入によって、これまでリネンサプライ業者等が扱っていなかった衣類・タオル類の洗濯業務や、日常生活用品の販売といった新たな収益機会を得るメリットがある。
また同社は自らがリネンサプライ業に参入することを考えておらず、CSセットの提案に当たっては、対象となる病院・介護老人保健施設等と既に契約・取引している各地域のリネンサプライ業者等に、リネン品の洗濯業務を委託することを基本方針としている。リネンサプライ業者にとっての脅威は、自社が寝具類の供給・洗濯などを行っている病院等に他の同業者が関与することであり、同社のこの基本方針によって、リネンサプライ業者等の多くは同社との連携にメリットを感じている。
5. 全国をカバーする営業拠点網
2019年12月期末のグループ営業拠点は20ヶ所(長野県松本市の松本本社、当時子会社であったエルタスクを含む)となった。2019年12月期には静岡支店及び函館営業所を開設した。2020年12月期には沖縄支店を開設予定である。これによって全国をカバーする営業拠点網(7エリア・21ヶ所)の構築が完了する。今後は契約施設数の増加に合わせて拠点を開設し、きめ細かい営業活動を展開する方針だ。
6. 新サービス開発を推進
入院セットの付加価値向上や同業他社との差別化に向けた取り組みとして、新サービスの開発を推進している。
2018年2月には(株)イントラスト<7191>と医療費用保障分野で業務提携し、新サービスのCSセットRを共同開発した。CSセットとイントラストの連帯保証人代行サービスを組み合わせた入院費用保証サービス付入院セットである。病院に入院する際には入院費用に関する連帯保証人を求められるのが通常で、独身世帯の増加などで連帯保証人の用意に苦労する患者も多いが、CSセットRを利用すればイントラストが連帯保証人を代行するため、入院患者の入院準備にかかる手間と心理的負担を軽減することが可能になる。また病院においても、事務職員の入院手続時の労力軽減や入院費の未回収リスクの低減が図れるメリットがある。
2018年11月には(株)日本総険と業務提携して新サービスのCSセットLC(ロスコントロール)入院保証を共同開発した。CSセット利用患者に起因する損害事故を補償(備品破損、職員・入院患者への怪我などの補償)するサービスが自動付帯された入院セットである。2020年12月期からは、CSセットLC入院保証及びCSセットRを標準化し、全国展開して普及拡大を推進する。さらに新サービスの開発も加速させる方針だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<EY>
4. 「WIN-WIN-WIN」の関係を構築
CSセットは、サービスを利用する入院患者・入所者とその家族だけではなく、病院・介護老人保健施設等、リネンサプライ業者等にとっても大きなメリットがあり、エラン<6099>を中心に「WIN-WIN-WIN」の関係を構築した共存共栄型のビジネスモデルである。
サービスを利用する入院患者・入所者とその家族にとっては、入院・入所の際に身の回り品を準備しなくても「手ぶらで入院・入所」でき、さらに退院・退所の際にも「手ぶらで退院・退所」できる。
短期間の入院・入所の場合には、必要な身の回り品を新たに買いそろえるよりも経済的メリットがあり、衣類・タオル類等の日々の交換・洗濯や日常生活用品の補充といった作業・手間を省くことができるというメリットもある。家族にとっては日常生活用品の補充を主目的としたお見舞い訪問ではなく本来のお見舞いや看病に専念できる。入院患者・入所者にとっては家族に日常生活用品を準備・補充させているという気兼ねがなくなるという心理的メリットもある。
利用者の多くは高齢者であるが、若年層にもメリットは大きい。共働き世帯や単身世帯においては、入院生活時の日常生活用品の準備や補充を頼める家族がいないケースも多いが、1人でも安心である。このように「手ぶらで入院・退院、入所・退所」を実現させるCSセットへの評価は高い。
病院・介護老人保健施設等においては慢性的な看護師・介護士等の不足状況が続いているが、CSセットを導入することで、入院患者・入所者の入院生活時の日常生活用品まわりの作業(物品の不足等が生じた場合の家族への連絡や、個人が持ち込んだ衣類・タオル類の交換・洗濯・消毒にかかる作業等)を省いて、本来の看護・介護業務に専念することが可能になる。このため看護師・介護士等の業務効率化や労働環境改善につながるメリットがある。また、入院患者・入所者が独自で入院生活時の日常生活用品を持ち込む場合との比較において、使用後交換待ちの衣類・タオル類がベッド周りで保管されることもなくなり、院内感染対策・衛生管理徹底というメリットにもつながっている。
さらに、保険適用外のサービスに関して、病院・介護老人保健施設等が自ら患者・入所者に利用料金を請求する場合、厚生労働省からの行政指導に従った厳格な対応が必要となるが、CSセットは行政指導に適合した形態で提供しているため行政指導リスクを低減できる。そして、同社からの業務委託手数料が保険適用外の収入となるため、新たな保険外収益の増加や収益機会の創出につながるというメリットがある。
なお、病院・介護老人保健施設等におけるCSセット導入ニーズとしては、大都市圏では収入・収益機会の増加、中都市圏では看護師・介護士等の労働環境改善、地方都市圏では入院患者・入所者へのサービス向上といった要望が強いようだ。
リネンサプライ業者等は、病院・介護老人保健施設等と契約して、医療保険・介護保険の対象となる寝具類(布団、包布、シーツ、枕、枕カバー)の納入や洗濯業務を受託している。CSセット導入によって、これまでリネンサプライ業者等が扱っていなかった衣類・タオル類の洗濯業務や、日常生活用品の販売といった新たな収益機会を得るメリットがある。
また同社は自らがリネンサプライ業に参入することを考えておらず、CSセットの提案に当たっては、対象となる病院・介護老人保健施設等と既に契約・取引している各地域のリネンサプライ業者等に、リネン品の洗濯業務を委託することを基本方針としている。リネンサプライ業者にとっての脅威は、自社が寝具類の供給・洗濯などを行っている病院等に他の同業者が関与することであり、同社のこの基本方針によって、リネンサプライ業者等の多くは同社との連携にメリットを感じている。
5. 全国をカバーする営業拠点網
2019年12月期末のグループ営業拠点は20ヶ所(長野県松本市の松本本社、当時子会社であったエルタスクを含む)となった。2019年12月期には静岡支店及び函館営業所を開設した。2020年12月期には沖縄支店を開設予定である。これによって全国をカバーする営業拠点網(7エリア・21ヶ所)の構築が完了する。今後は契約施設数の増加に合わせて拠点を開設し、きめ細かい営業活動を展開する方針だ。
6. 新サービス開発を推進
入院セットの付加価値向上や同業他社との差別化に向けた取り組みとして、新サービスの開発を推進している。
2018年2月には(株)イントラスト<7191>と医療費用保障分野で業務提携し、新サービスのCSセットRを共同開発した。CSセットとイントラストの連帯保証人代行サービスを組み合わせた入院費用保証サービス付入院セットである。病院に入院する際には入院費用に関する連帯保証人を求められるのが通常で、独身世帯の増加などで連帯保証人の用意に苦労する患者も多いが、CSセットRを利用すればイントラストが連帯保証人を代行するため、入院患者の入院準備にかかる手間と心理的負担を軽減することが可能になる。また病院においても、事務職員の入院手続時の労力軽減や入院費の未回収リスクの低減が図れるメリットがある。
2018年11月には(株)日本総険と業務提携して新サービスのCSセットLC(ロスコントロール)入院保証を共同開発した。CSセット利用患者に起因する損害事故を補償(備品破損、職員・入院患者への怪我などの補償)するサービスが自動付帯された入院セットである。2020年12月期からは、CSセットLC入院保証及びCSセットRを標準化し、全国展開して普及拡大を推進する。さらに新サービスの開発も加速させる方針だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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