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―人手不足のなか重要性アップ、特定技能取得者の「無期限」就労検討も追い風―
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため2020年2月から原則として停止されていた外国人の新規入国が、11月8日から大幅に緩和された。外国人の入国に関しては、国内の感染がやや落ち着いた20年10月にビジネス関係者や留学生、技能実習生など中長期滞在者の入国制限がいったん緩和されたが、感染拡大「第3波」の到来で21年1月以降は再び入国を原則として停止していた。
これまで入国を認められていたのは、在留資格を持つ外国人の再入国などに限られていたが、緩和を受けて今後はビジネス目的や留学生、技能実習生などの新規入国が認められることになる。技能実習生の入国が制限されたことで、人手不足に陥った企業も多くあるなか、制限緩和で外国人労働者関連への関心が高まりそうだ。
●技能実習生は10年間で36倍へ
日本において、外国人労働者の重要性は年々増している。国内の外国人労働者数は20年10月末時点で約172万人(厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況)となり、07年に届け出が義務化されて以降、過去最多を更新した。就業者全体から見ると2~3%に過ぎないが、10年10月末時点の約65万人に比べて10年間で2.7倍に急拡大した。
外国人労働者のなかで、目立って伸び率が大きいのが技能実習生だ。10年には1万1026人だったが、20年には40万2356人と36倍に急拡大した。ただ、出入国在留管理庁によると、19年は18万8872人の技能実習生が新規に入国したが、20年は新型コロナウイルス感染症の影響で前年比55.6%減の8万3826人となり、21年は8月時点で2万3407人にとどまっている。
10月時点で、出入国在留管理庁から在留資格の事前認定を受けながら、来日できていない外国人は約37万人に上るといわれている。うち技能実習生の正確な数字は不明だが、入国制限が緩和されれば、徐々に入国するとみられており、外国人労働者を取り巻く環境は活性化が見込まれている。
●「無期限」就労への方針転換も検討
こうした事業環境の好転に加えて、11月18日付の日本経済新聞朝刊で「出入国在留管理庁が人手不足の深刻な業種14分野で定めている外国人の在留資格『特定技能』について、2022年度にも事実上、在留期限をなくす方向で調整していることが17日、入管関係者への取材で分かった」と報じられたことも好材料として期待できる。
現在、定期的な審査を受ければ事実上の永住が可能で家族の帯同が認められる「特定技能2号」は建設と造船・舶用工業の2分野に限られているが、記事によるとこれに農業や漁業、外食業、宿泊など11分野を加え、計13分野にするほか、更に長期就労制度がある「介護」を含め、22年度にも事実上、在留期限をなくす方向で調整しているという。
当然ながら、こうした方針転換に関しては政府与党内でも異論が多く、結論が出るまでに紆余曲折を経る可能性がある。ただ、実現すれば外国人受け入れの転換点となり、関連する企業にとってこれまで以上に大きなビジネスチャンスとなる可能性があろう。
●技能実習生の支援を行う企業に注目
入国制限が緩和されたとはいえ、実際に技能実習生を中心に外国人労働者の入国が進むのは1、2ヵ月先といわれ、関連銘柄の収益への寄与は少し先のことになる。ただ、外国人労働者や技能実習生の支援を行う企業は、制限緩和による寄与が今後、徐々に収益に表れてくるとみられ、関連銘柄に注目したい。
UTグループ <2146> は、製造業派遣・請負の大手。技能実習生の受け入れには、日本の企業(実習実施機関)が直接受け入れる「企業単独型」と、日本の監理団体(受け入れ機関)が現地の送り出し機関を通して受け入れ、団体の会員である企業(実習実施機関)で実習を実施する「団体監理型」があるが、同社子会社UTエイムでは実習実施機関の業務を代行することで、日本で働く外国人のサポートや、受け入れ企業のサポートを行っている。UTでは、旺盛な需要に対応するための人材関連費用が膨らむとして、11月5日に22年3月期の連結業績予想を営業利益で80億円から60億円(前期比16.2%減)へ下方修正したが、先行投資回収期に入る23年3月期は大幅増益が期待できる。
nms ホールディングス <2162> [JQ]は、製造業向け人材サービスや製造受託などを展開。注目は17年に設立した外国人技能実習生向け研修事業会社「日本技能教育機構」(JATEO)で、技能実習生に対する教育・研修や帰国後の支援を行う一方、実習生受け入れ企業に対して総務・人事・労務・福利厚生などに関する業務支援を手掛けている。nmsの上期(4-9月)連結決算は、部材不足などによるEMS事業などの収益悪化で、営業損益が期初予想の1億7000万円の黒字から2億3700万円の赤字(前年同期1億3900万円の黒字)に下振れて着地したが、全事業で需要自体は堅調であり、中期的な収益見通しには明るさが感じられる。
ヒト・コミュニケーションズ・ホールディングス <4433> は、光回線や携帯電話、家電などの営業アウトソーシングが主力だが、空港ビジネスや多言語コールセンターなどに日本在住の留学生を派遣している。21年8月期はインバウンドやツーリズム分野が不振だった一方、デジタル事業分野の主力事業であるEC運用受託事業が好調だったほか、アウトソーシング事業でも政府・地方公共団体などから新型コロナワクチン接種関連案件を獲得したことが寄与し、連結営業利益47億8700万円(前の期比52.0%増)と大幅増益で着地。22年8月期は販売・営業・サービス分野の事業環境が期中に改善すると予想し営業利益50億円(前期比4.4%増)を見込む。
ウィルグループ <6089> は、カテゴリー特化型の人材サービス(人材派遣、業務請負、人材紹介)を国内外で展開。19年4月には外国人労働者サポートサービス「エンポート」をスタートさせているほか、外国人雇用企業向けには、労務管理クラウドサービス「ビザマネ」なども提供している。11月9日に発表した上期(4-9月)連結決算は、海外WORK事業が牽引役となり、営業利益26億8500万円(前年同期比20.9%増)と期初予想を上回り大幅増益で着地。これを受けて22年3月期通期予想を営業利益で40億5000万円から45億円(前期比11.7%増)へ上方修正した。
このほかにも、海外の優秀なITエンジニアを自社で採用し、国内企業に派遣する「Global IT Talentサービス」を手掛けるほか、介護技能実習生の受け入れや教育サービスを手掛けるヒューマンホールディングス <2415> [JQ]、社宅契約・管理や生活管理などのノウハウを持たない顧客メーカーに代わり、外国人技能実習生の管理補助業務の受託を行う分野で大手のアウトソーシング <2427> 、子会社が外国人留学生に特化したアルバイトサイトを運営するツナググループ・ホールディングス <6551> なども関連銘柄として関心が高い。
株探ニュース
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