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*15:31JST キャリアリンク Research Memo(1):地方自治体向けBPOサービスの拡大で2025年3月期から成長軌道に復帰
■要約
キャリアリンク<6070>グループは、BPO(Business Process Outsourcing)関連を中心とした事務系人材サービス事業を主軸とする総合人材サービス会社。大量動員・早期立ち上げが必要とされるプロジェクトの運用ノウハウに強みを持っており、自治体向けや大手BPO事業者経由の案件を数多く手掛けている。
1. 2024年3月期第2四半期累計業績の概要
2024年3月期第2四半期累計(2023年4月~9月)の連結業績は、売上高が前年同期比1.0%増の22,235百万円、営業利益が同56.8%減の1,136百万円となり、期初会社計画(売上高25,500百万円、営業利益2,195百万円)を大きく下回る結果となった。売上高は、マイナンバー交付施策案件や法改正対応関連案件などで計画に対して発注規模が想定を下回る若しくは業務開始が見込めなくなるなど市場環境が大きく変化したことが減額要因となった。また、利益面でも公共分野の一部案件がプロポーザル競争入札方式から一般競争入札方式に変わったことで、失注や当初想定よりも受注単価が低下し、収益性が低下する要因となった。
2. 2024年3月期の業績見通し
2024年3月期通期の業績についても第2四半期までの状況等を勘案し、売上高が前期比9.2%減の47,705百万円、営業利益が同58.3%減の3,175百万円と、期初計画(売上高62,365百万円、営業利益7,010百万円)から下方修正した。公共分野では従来、プロポーザル競争入札方式に重点を置いた「ハンドメイド型」を中心にサービス提供してきたが、一般競争入札にも対応するべく、業務品質を維持しながら効率化を追求した「スタンダード型」のサービスに対応していく。さらに複合的で難易度の高い課題に対応する「総合ソリューション型」サービスの提案により新規受注の獲得に注力していくことで、下期以降の収益回復を目指す。2023年8月以降は公共案件の落札率が改善しているほか、2023年10~11月に地方の中核都市に新たに9箇所の拠点を開設し、営業活動を強化した効果も出始めており、四半期ベースでは第2四半期を底にして上向きに転じるものと弊社では予想している。
3. 中期経営計画
2024年3月期の業績計画を修正したことにより3ヶ年の中期業績計画も併せて修正し、最終年度となる2026年3月期の目標として売上高63,025百万円、営業利益4,485百万円を新たに設定した。2024年3月期の計画を起点とした2025年3月期以降の2年間の平均成長率は、売上高で14.9%、営業利益で18.9%となる。営業利益の水準は過去最高を記録した2023年3月期の7,609百万円には及ばないものの、引き続き自治体向けBPO案件を開拓していくことで、2025年3月期以降は2ケタの増収増益を目指す方針だ。マイナンバー関連業務については申請・登録業務の他に、今後は利活用分野での需要拡大が見込まれている。また、子育て政策の拡充に伴う各種給付金関連や社会保険関連、法改正関連案件などBPOの活用が想定される案件は多岐にわたっており、こうした案件を今後も地方自治体または大手BPO事業者などを通じて受注していくことで業績目標を達成していく考えだ。
4. 株主還元策
同社は配当政策として、内部留保の確保と経営成績などを総合的に判断し、適正で安定した配当の継続を基本方針としており、2024年3月期の1株当たり配当金は前期比10.0円増配となる120.0円(配当性向67.1%)を予定している。また、中期計画期間においても、ベースラインの利益確保が見込めることから、120.0円を維持する方針を明らかにしている。さらに、株主優待制度も導入しており、毎年9月末に株主に対して保有株式数や継続保有期間に応じてQUOカードを贈呈している。
■ Key Points
・地方自治体BPO案件の受注環境が急変し、2024年3月期第2四半期累計業績は増収減益に
・市場環境変化への対応策を構築、2024年3月期下期から収益も上向く見通し
・地方自治体BPO案件の拡大により、2025年3月期以降は2ケタの増収増益を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SO>
キャリアリンク<6070>グループは、BPO(Business Process Outsourcing)関連を中心とした事務系人材サービス事業を主軸とする総合人材サービス会社。大量動員・早期立ち上げが必要とされるプロジェクトの運用ノウハウに強みを持っており、自治体向けや大手BPO事業者経由の案件を数多く手掛けている。
1. 2024年3月期第2四半期累計業績の概要
2024年3月期第2四半期累計(2023年4月~9月)の連結業績は、売上高が前年同期比1.0%増の22,235百万円、営業利益が同56.8%減の1,136百万円となり、期初会社計画(売上高25,500百万円、営業利益2,195百万円)を大きく下回る結果となった。売上高は、マイナンバー交付施策案件や法改正対応関連案件などで計画に対して発注規模が想定を下回る若しくは業務開始が見込めなくなるなど市場環境が大きく変化したことが減額要因となった。また、利益面でも公共分野の一部案件がプロポーザル競争入札方式から一般競争入札方式に変わったことで、失注や当初想定よりも受注単価が低下し、収益性が低下する要因となった。
2. 2024年3月期の業績見通し
2024年3月期通期の業績についても第2四半期までの状況等を勘案し、売上高が前期比9.2%減の47,705百万円、営業利益が同58.3%減の3,175百万円と、期初計画(売上高62,365百万円、営業利益7,010百万円)から下方修正した。公共分野では従来、プロポーザル競争入札方式に重点を置いた「ハンドメイド型」を中心にサービス提供してきたが、一般競争入札にも対応するべく、業務品質を維持しながら効率化を追求した「スタンダード型」のサービスに対応していく。さらに複合的で難易度の高い課題に対応する「総合ソリューション型」サービスの提案により新規受注の獲得に注力していくことで、下期以降の収益回復を目指す。2023年8月以降は公共案件の落札率が改善しているほか、2023年10~11月に地方の中核都市に新たに9箇所の拠点を開設し、営業活動を強化した効果も出始めており、四半期ベースでは第2四半期を底にして上向きに転じるものと弊社では予想している。
3. 中期経営計画
2024年3月期の業績計画を修正したことにより3ヶ年の中期業績計画も併せて修正し、最終年度となる2026年3月期の目標として売上高63,025百万円、営業利益4,485百万円を新たに設定した。2024年3月期の計画を起点とした2025年3月期以降の2年間の平均成長率は、売上高で14.9%、営業利益で18.9%となる。営業利益の水準は過去最高を記録した2023年3月期の7,609百万円には及ばないものの、引き続き自治体向けBPO案件を開拓していくことで、2025年3月期以降は2ケタの増収増益を目指す方針だ。マイナンバー関連業務については申請・登録業務の他に、今後は利活用分野での需要拡大が見込まれている。また、子育て政策の拡充に伴う各種給付金関連や社会保険関連、法改正関連案件などBPOの活用が想定される案件は多岐にわたっており、こうした案件を今後も地方自治体または大手BPO事業者などを通じて受注していくことで業績目標を達成していく考えだ。
4. 株主還元策
同社は配当政策として、内部留保の確保と経営成績などを総合的に判断し、適正で安定した配当の継続を基本方針としており、2024年3月期の1株当たり配当金は前期比10.0円増配となる120.0円(配当性向67.1%)を予定している。また、中期計画期間においても、ベースラインの利益確保が見込めることから、120.0円を維持する方針を明らかにしている。さらに、株主優待制度も導入しており、毎年9月末に株主に対して保有株式数や継続保有期間に応じてQUOカードを贈呈している。
■ Key Points
・地方自治体BPO案件の受注環境が急変し、2024年3月期第2四半期累計業績は増収減益に
・市場環境変化への対応策を構築、2024年3月期下期から収益も上向く見通し
・地方自治体BPO案件の拡大により、2025年3月期以降は2ケタの増収増益を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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