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イー・ガーディアンのニュース
■要約
イー・ガーディアン<6050>は、SNSやソーシャルゲームの運営者向けに監視や顧客サポートなどのサービスを提供する総合ネットセキュリティ企業である。1998年にコンテンツプロバイダとして誕生し、インターネット業界の創成期に様々な新事業を手掛けるなかで2005年に掲示板投稿監視事業に一本化し、イー・ガーディアン株式会社に商号変更した。2010年に東証マザーズに上場してからは、ネット監視事業のイーオペ(株)※1、人材派遣業の(株)パワーブレイン※2、デバッグ事業※3のトラネル(株)、(株)アイティエス、セキュリティ事業のHASHコンサルティング(株)※4をグループ化し、E-Guardian Philippines Inc.を設立するなど事業領域を拡大し、“総合ネットセキュリティ企業”としての基盤を確立した。現在は関係会社5社、国内外14都市に20拠点を持ち、1,382名の従業員(うち臨時従業員数1,041名)を抱える企業グループとなっている。2016年9月に東証1部に昇格した。
※1 イーオペは現在のイー・ガーディアン東北(株)。
※2 パワーブレインは同社により吸収合併。
※3 デバッグ(debug)とは、コンピュータプログラムに潜む欠陥を探し出して取り除くこと。
※4 HASHコンサルティングは現在のEGセキュアソリューションズ(株)。
1. 事業概要
売上高の主力はソーシャルサポート業務とゲームサポート業務であり、アド・プロセス業務を加えると全社売上高の約9割(88.8%)を占める。
ソーシャルサポート業務は、投稿掲示板やEC、SNSなどを対象に監視・カスタマーサポート、運用、分析といった多種多様な業務を代行する。厳選された人材による監視サービス(有人監視)が基本であるが、その効率を上げるために専門特化した監視ツール(システム監視)も併用される。独自開発されたAIシステムにより低コストかつ高品質なサービス提供をするうえで武器になっている。従来は監視系の業務が主体だったが、現在はカスタマーサービスの代行や金融系サービスの本人認証サービスなどのカスタマーサポート系業務にシフトしている。
ゲームサポート業務は、オンラインゲームを運営するクライアントに対し、問い合わせ対応を始めとする運営をサポートするとともに、デバッグ等の周辺業務もトラネルを中心に展開する。ゲームをリリースする前に行うデバッグ作業からリリース後の問い合わせ対応までをワンストップで提供できる体制を整え、他社との差別化を狙う。海外のゲーム会社の日本進出などグローバルな業務が増える傾向にある。アド・プロセス業務は、広告審査業務を始め、広告枠管理、入稿管理、広告ライティング等の業務を提供する。広告関連の業務は、過去労働集約的な面が強かったが、同社独自のAIシステムやRPA(Robotic Process Automation)を活用し生産性が向上している。
2. 業績動向
2019年9月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比9.9%増の3,216百万円、営業利益が同10.6%増の576百万円、経常利益が同12.5%増の600百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同8.2%増の394百万円と堅調に増収増益となった。
2019年9月期通期の連結業績予想は、売上高が前期比15.2%増の6,801百万円、営業利益が同11.5%増の1,159百万円、経常利益が同12.4%増の1,179百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同10.6%増の814百万円と引き続き2ケタの増収増益を計画しており、期初から変更はない。ソーシャルサポート事業においてはeコマースやFinTechの進展が追い風になっている。ゲーム業界は国内ゲーム市場が踊り場を迎え、成長が鈍化する傾向にあるなかで海外のゲーム市場及び海外ゲーム会社は勢いがあり、同社のゲームセグメントでの成長を後押しする存在だ。通期の売上高計画に対する第2四半期進捗率は47.3%(前期実績は49.6%、前々期実績は47.7%)と例年並みである。営業利益に関しては第2四半期進捗率が49.7%(前期実績は50.1%、前々期実績は47.5%)と順調。同社はこれまで下期業績が上期業績を上回ってきたため、国内ゲーム市場が若干弱含みではあるが、大きな波乱がなければ、期初計画の達成は間違いないだろう。
3. 成長戦略
同社では、2019年9月期の計画達成及び将来の成長に向けて、課題と施策を明確にしている。直近の課題としては、事業の柱であるゲームサポート業務の顧客である国内ゲーム会社向けの売上げが不透明な点である。直近は海外ゲーム会社向けの売上高で補い、ゲームサポート業務の売上高は伸びているものの、今後はヒットタイトルの登場などがなければ市場縮小もあり得る。同社では、4つの施策が考案・開発され、既に着手されている。
■Key Points
・“We Guard All”を経営理念に、ネットセキュリティをワンストップで提供する
・ゲーム関連、監視・カスタマーサポート関連、広告関連が3本柱
・人とシステムによる低コスト・高品質なサービスが強み
・2019年9月期通期も増収増益予想。eコマースやFinTechの進展が成長ドライバー。国内ゲーム市場の先行きに不透明感もある
・リアルタイムAI動画監視システムを開発。フィリピン子会社を拠点に海外市場展開を加速
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<SF>
イー・ガーディアン<6050>は、SNSやソーシャルゲームの運営者向けに監視や顧客サポートなどのサービスを提供する総合ネットセキュリティ企業である。1998年にコンテンツプロバイダとして誕生し、インターネット業界の創成期に様々な新事業を手掛けるなかで2005年に掲示板投稿監視事業に一本化し、イー・ガーディアン株式会社に商号変更した。2010年に東証マザーズに上場してからは、ネット監視事業のイーオペ(株)※1、人材派遣業の(株)パワーブレイン※2、デバッグ事業※3のトラネル(株)、(株)アイティエス、セキュリティ事業のHASHコンサルティング(株)※4をグループ化し、E-Guardian Philippines Inc.を設立するなど事業領域を拡大し、“総合ネットセキュリティ企業”としての基盤を確立した。現在は関係会社5社、国内外14都市に20拠点を持ち、1,382名の従業員(うち臨時従業員数1,041名)を抱える企業グループとなっている。2016年9月に東証1部に昇格した。
※1 イーオペは現在のイー・ガーディアン東北(株)。
※2 パワーブレインは同社により吸収合併。
※3 デバッグ(debug)とは、コンピュータプログラムに潜む欠陥を探し出して取り除くこと。
※4 HASHコンサルティングは現在のEGセキュアソリューションズ(株)。
1. 事業概要
売上高の主力はソーシャルサポート業務とゲームサポート業務であり、アド・プロセス業務を加えると全社売上高の約9割(88.8%)を占める。
ソーシャルサポート業務は、投稿掲示板やEC、SNSなどを対象に監視・カスタマーサポート、運用、分析といった多種多様な業務を代行する。厳選された人材による監視サービス(有人監視)が基本であるが、その効率を上げるために専門特化した監視ツール(システム監視)も併用される。独自開発されたAIシステムにより低コストかつ高品質なサービス提供をするうえで武器になっている。従来は監視系の業務が主体だったが、現在はカスタマーサービスの代行や金融系サービスの本人認証サービスなどのカスタマーサポート系業務にシフトしている。
ゲームサポート業務は、オンラインゲームを運営するクライアントに対し、問い合わせ対応を始めとする運営をサポートするとともに、デバッグ等の周辺業務もトラネルを中心に展開する。ゲームをリリースする前に行うデバッグ作業からリリース後の問い合わせ対応までをワンストップで提供できる体制を整え、他社との差別化を狙う。海外のゲーム会社の日本進出などグローバルな業務が増える傾向にある。アド・プロセス業務は、広告審査業務を始め、広告枠管理、入稿管理、広告ライティング等の業務を提供する。広告関連の業務は、過去労働集約的な面が強かったが、同社独自のAIシステムやRPA(Robotic Process Automation)を活用し生産性が向上している。
2. 業績動向
2019年9月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比9.9%増の3,216百万円、営業利益が同10.6%増の576百万円、経常利益が同12.5%増の600百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同8.2%増の394百万円と堅調に増収増益となった。
2019年9月期通期の連結業績予想は、売上高が前期比15.2%増の6,801百万円、営業利益が同11.5%増の1,159百万円、経常利益が同12.4%増の1,179百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同10.6%増の814百万円と引き続き2ケタの増収増益を計画しており、期初から変更はない。ソーシャルサポート事業においてはeコマースやFinTechの進展が追い風になっている。ゲーム業界は国内ゲーム市場が踊り場を迎え、成長が鈍化する傾向にあるなかで海外のゲーム市場及び海外ゲーム会社は勢いがあり、同社のゲームセグメントでの成長を後押しする存在だ。通期の売上高計画に対する第2四半期進捗率は47.3%(前期実績は49.6%、前々期実績は47.7%)と例年並みである。営業利益に関しては第2四半期進捗率が49.7%(前期実績は50.1%、前々期実績は47.5%)と順調。同社はこれまで下期業績が上期業績を上回ってきたため、国内ゲーム市場が若干弱含みではあるが、大きな波乱がなければ、期初計画の達成は間違いないだろう。
3. 成長戦略
同社では、2019年9月期の計画達成及び将来の成長に向けて、課題と施策を明確にしている。直近の課題としては、事業の柱であるゲームサポート業務の顧客である国内ゲーム会社向けの売上げが不透明な点である。直近は海外ゲーム会社向けの売上高で補い、ゲームサポート業務の売上高は伸びているものの、今後はヒットタイトルの登場などがなければ市場縮小もあり得る。同社では、4つの施策が考案・開発され、既に着手されている。
■Key Points
・“We Guard All”を経営理念に、ネットセキュリティをワンストップで提供する
・ゲーム関連、監視・カスタマーサポート関連、広告関連が3本柱
・人とシステムによる低コスト・高品質なサービスが強み
・2019年9月期通期も増収増益予想。eコマースやFinTechの進展が成長ドライバー。国内ゲーム市場の先行きに不透明感もある
・リアルタイムAI動画監視システムを開発。フィリピン子会社を拠点に海外市場展開を加速
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<SF>
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