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アトラグループのニュース
*15:42JST アトラG Research Memo(2):ほねつぎチェーン展開をはじめ、鍼灸接骨院経営を総合的に支援(1)
■会社概要
1. 会社概要
アトラグループ<6029>は「世界中の人を健康にしたい」という企業理念の下、柔道整復師、はり師・きゅう師を主要顧客として鍼灸接骨院経営を支援するサービスを総合的に提供している。柔道整復師、はり師・きゅう師とは、大学や養成施設等に入学し、解剖学、生理学、一般臨床学などを学んだうえで国家試験に合格した者だけが得ることができる施術資格である。同社の事業セグメントは、鍼灸接骨院支援事業と玩具販売事業の2つに大別されている。鍼灸接骨院支援事業においては、同社ブランドである「ほねつぎ」のチェーン展開を中心に、付随する鍼灸接骨院支援サービスを提供している。鍼灸接骨院経営で必要となる機材の販売や療養費の請求を代行するサービスなどが該当する。玩具販売事業は、子会社のペリカンが担っており、西日本を中心に玩具販売の実店舗を31店舗(2023年12月時点)展開している。一見、鍼灸接骨院支援事業と玩具販売事業の間には関連はないように見えるが、鍼灸接骨院支援事業で培った実店舗の経営指導ノウハウを活用し、既存店舗の生産性の向上と販売の拡大に取り組んでいる。
2. 事業内容
鍼灸接骨院経営を総合的に支援している同社の事業は、大きく鍼灸接骨院支援事業と玩具販売事業の2つに分けることができる。
(1) 鍼灸接骨院支援事業
鍼灸接骨院支援事業では、鍼灸接骨院のブランドである「ほねつぎ」と同社が独自開発した鍼灸接骨院内管理システムである「A-COMS」を中心に、顧客の経営を総合的に支援するサービスを提供している。
a) ほねつぎチェーン
同社は日本全国で165院(2023年12月末時点)の鍼灸接骨院を「ほねつぎ」のブランド名でチェーン展開している。同事業においては、鍼灸接骨院業界未経験の顧客が新規参入した場合でも成功できるように充実したサポート体制を構築し、新規参入フランチャイジーの拡大を図っている。同時に、既存のフランチャイジーに対しては、複数店舗の開設を推進している。同社独自の研修メニューでは、開設時に顧客が柔道整復師を雇用した後、柔道整復師に対して自費施術などの研修を同社が約1ヶ月間行う体制を取っている。開院した後も定期的にスーパーバイザーが経営の指導を行うほか、自費施術に関する研修も実施している。これにより、技術や知識に関するアップデートを定期的に行い、常に最新の施術を利用者に提供することが可能となる。開設前から開設後に至るまで継続した支援を行うことによって、業界未経験者でも成功できる仕組みを構築している。
「ほねつぎ」の加盟院に対しては、同社が独自開発した鍼灸接骨院経営支援システムである「A-COMS」を通じて、「アトラ請求サービス」「HONEY-STYLE」「アトラアカデミー」「アトラストア」のすべてのサービスを提供している。そのほか、ほねつぎの加盟院以外の顧客の要望に合わせてサービス単体や組み合わせでの提供も行い、顧客のニーズに柔軟に対応している。なお、収益構造としては、加盟時のイニシャル加盟金、ロイヤリティ収入、システム利用料などから構成されており、イニシャル加盟金は原則固定型であり、異業種から新規参入する場合は加盟金200万円、ロイヤリティが月額10万円、既に同業種を営んでいるところが加盟する場合(リニューアル型)は加盟金50万円、ロイヤリティが月額7万円となっている。なお、2022年12月期の新規入会件数は8件、2023年12月期の新規入会件数は10件であり、2年間とも全件がリニューアル型で、異業種からの参入はゼロだった。異業種参入型の場合、イニシャル加盟金がやや高額なことや開業当初は集客が難しく運転資金が不足がちになる可能性があり、加盟金とロイヤリティのバランスの見直し、売上高に連動したロイヤリティにするなど料金メニューを多様化させることでより新規参入が進む可能性がありそうだ。
b) 機材、消耗品販売
同社は、ほねつぎチェーンの加盟院とそれ以外の鍼灸接骨院を顧客として、自費施術で必要となる販売を実施している。具体的には、新規加盟院や既存加盟院が鍼灸接骨院を開設する際やアトラアカデミー(柔道整復師、はり師・きゅう師を対象に有益な情報の提供やセミナーの開催を行うポータルサイト)でセミナーを受講した新規顧客に対して機材を販売している。販売した後も機材の使用方法や自費施術に関して研修を実施し、顧客満足度の向上を図っている。また、自費施術で使用する機材の発掘や開発にも積極的に取り組んでおり、フランチャイジーと患者にとって訴求力のある機材の販売・開発に注力している。自費施術用の機材としてインナーマッスルとアウターマッスルを同時に鍛えることができる「複合高周波EMS」、手技や大型機材ではアプローチするのが難しい繊細な部分の骨に対応できる「M.I インパクト」、悪玉活性酸素を除去する水素吸入器「Co.UP」は同社のオリジナル商品だ。
消耗品の販売では、鍼灸接骨院向けECサイトである「アトラストア」を通じてテーピング・包帯から掃除洗濯用品に至るまで豊富な商品を販売しており、各種キャンペーンやポイント制度を活用した販促活動を積極的に実施している。また、PB商品の開発や新商品の発掘にも注力し、鍼灸接骨院にとって訴求力のあるECサイトを構築している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
<SO>
1. 会社概要
アトラグループ<6029>は「世界中の人を健康にしたい」という企業理念の下、柔道整復師、はり師・きゅう師を主要顧客として鍼灸接骨院経営を支援するサービスを総合的に提供している。柔道整復師、はり師・きゅう師とは、大学や養成施設等に入学し、解剖学、生理学、一般臨床学などを学んだうえで国家試験に合格した者だけが得ることができる施術資格である。同社の事業セグメントは、鍼灸接骨院支援事業と玩具販売事業の2つに大別されている。鍼灸接骨院支援事業においては、同社ブランドである「ほねつぎ」のチェーン展開を中心に、付随する鍼灸接骨院支援サービスを提供している。鍼灸接骨院経営で必要となる機材の販売や療養費の請求を代行するサービスなどが該当する。玩具販売事業は、子会社のペリカンが担っており、西日本を中心に玩具販売の実店舗を31店舗(2023年12月時点)展開している。一見、鍼灸接骨院支援事業と玩具販売事業の間には関連はないように見えるが、鍼灸接骨院支援事業で培った実店舗の経営指導ノウハウを活用し、既存店舗の生産性の向上と販売の拡大に取り組んでいる。
2. 事業内容
鍼灸接骨院経営を総合的に支援している同社の事業は、大きく鍼灸接骨院支援事業と玩具販売事業の2つに分けることができる。
(1) 鍼灸接骨院支援事業
鍼灸接骨院支援事業では、鍼灸接骨院のブランドである「ほねつぎ」と同社が独自開発した鍼灸接骨院内管理システムである「A-COMS」を中心に、顧客の経営を総合的に支援するサービスを提供している。
a) ほねつぎチェーン
同社は日本全国で165院(2023年12月末時点)の鍼灸接骨院を「ほねつぎ」のブランド名でチェーン展開している。同事業においては、鍼灸接骨院業界未経験の顧客が新規参入した場合でも成功できるように充実したサポート体制を構築し、新規参入フランチャイジーの拡大を図っている。同時に、既存のフランチャイジーに対しては、複数店舗の開設を推進している。同社独自の研修メニューでは、開設時に顧客が柔道整復師を雇用した後、柔道整復師に対して自費施術などの研修を同社が約1ヶ月間行う体制を取っている。開院した後も定期的にスーパーバイザーが経営の指導を行うほか、自費施術に関する研修も実施している。これにより、技術や知識に関するアップデートを定期的に行い、常に最新の施術を利用者に提供することが可能となる。開設前から開設後に至るまで継続した支援を行うことによって、業界未経験者でも成功できる仕組みを構築している。
「ほねつぎ」の加盟院に対しては、同社が独自開発した鍼灸接骨院経営支援システムである「A-COMS」を通じて、「アトラ請求サービス」「HONEY-STYLE」「アトラアカデミー」「アトラストア」のすべてのサービスを提供している。そのほか、ほねつぎの加盟院以外の顧客の要望に合わせてサービス単体や組み合わせでの提供も行い、顧客のニーズに柔軟に対応している。なお、収益構造としては、加盟時のイニシャル加盟金、ロイヤリティ収入、システム利用料などから構成されており、イニシャル加盟金は原則固定型であり、異業種から新規参入する場合は加盟金200万円、ロイヤリティが月額10万円、既に同業種を営んでいるところが加盟する場合(リニューアル型)は加盟金50万円、ロイヤリティが月額7万円となっている。なお、2022年12月期の新規入会件数は8件、2023年12月期の新規入会件数は10件であり、2年間とも全件がリニューアル型で、異業種からの参入はゼロだった。異業種参入型の場合、イニシャル加盟金がやや高額なことや開業当初は集客が難しく運転資金が不足がちになる可能性があり、加盟金とロイヤリティのバランスの見直し、売上高に連動したロイヤリティにするなど料金メニューを多様化させることでより新規参入が進む可能性がありそうだ。
b) 機材、消耗品販売
同社は、ほねつぎチェーンの加盟院とそれ以外の鍼灸接骨院を顧客として、自費施術で必要となる販売を実施している。具体的には、新規加盟院や既存加盟院が鍼灸接骨院を開設する際やアトラアカデミー(柔道整復師、はり師・きゅう師を対象に有益な情報の提供やセミナーの開催を行うポータルサイト)でセミナーを受講した新規顧客に対して機材を販売している。販売した後も機材の使用方法や自費施術に関して研修を実施し、顧客満足度の向上を図っている。また、自費施術で使用する機材の発掘や開発にも積極的に取り組んでおり、フランチャイジーと患者にとって訴求力のある機材の販売・開発に注力している。自費施術用の機材としてインナーマッスルとアウターマッスルを同時に鍛えることができる「複合高周波EMS」、手技や大型機材ではアプローチするのが難しい繊細な部分の骨に対応できる「M.I インパクト」、悪玉活性酸素を除去する水素吸入器「Co.UP」は同社のオリジナル商品だ。
消耗品の販売では、鍼灸接骨院向けECサイトである「アトラストア」を通じてテーピング・包帯から掃除洗濯用品に至るまで豊富な商品を販売しており、各種キャンペーンやポイント制度を活用した販促活動を積極的に実施している。また、PB商品の開発や新商品の発掘にも注力し、鍼灸接骨院にとって訴求力のあるECサイトを構築している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
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