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タクマのニュース
*12:02JST タクマ Research Memo(2):EPCからO&Mまでプラント全体にわたってソリューションを提供(1)
■会社概要
1. 会社概要
タクマ<6013>は、温暖化対策などの環境問題を解決するため、また循環型社会の実現のため、「環境」と「エネルギー」を主要テーマに燃焼技術をコアとして、廃棄物処理、水処理など環境・エネルギーの分野で様々な技術を生み出し、プラントエンジニアリング事業を展開している。同社の納入するプラントは、地域のごみ処理を支えるほか、電力や熱を供給する重要なインフラとして数年かけて建設した後、20年、30年の継続的なアフターサービスを行う。そのなかで蓄積される技術やノウハウを次のEPCやアフターサービスに生かしていくことで、強みをさらに強化している。
主力である一般廃棄物処理プラントの国内の納入実績は約370件で、国内第1位である。その他にボイラー3,200基以上(うち、バイオマスプラント630基以上)、産業廃棄物処理プラント120施設以上、下水汚泥焼却炉約20施設、ユニフロサンドフィルタ2,800台以上(国内第1位)などの納入実績がある。
2. 沿革
同社は、1912年に開発した「タクマ式汽罐」により明治・大正における日本十大発明家として1930年に表彰された創業者・田熊常吉が、ボイラーの製造販売を目的として1938年6月に設立した企業である。その後は、創業の精神である「汽罐報国(ボイラーを通じて社会に貢献する)」の理念を継承し、燃焼技術をコアに事業展開し、1949年に東京証券取引所(以下、東証)及び大阪証券取引所に上場した。1958年にごみ焼却処理プラントや水処理プラント等の環境設備部門にも進出し、1963年に日本初の連続式ごみ焼却プラントを大阪市に納入した。2019年には遠隔監視・運転支援拠点「Solution Lab」を開設し、アフターサービスにも注力している。2022年4月、東証の市場区分の見直しに伴い、市場第1部からプライム市場へ移行した。
3. 事業内容
同社の事業内容は、環境・エネルギー(国内)事業、環境・エネルギー(海外)事業、民生熱エネルギー事業、設備・システム事業の4つの事業セグメントに大別される。2023年3月期の事業セグメント別の売上高の割合は、主力事業である環境・エネルギー(国内)事業が81%を占め、他3つの事業セグメントは民生熱エネルギー12%、設備・システム6%、環境・エネルギー(海外)事業1%の順に続く。
環境・エネルギー(国内)事業81%のうち、各製品・サービスの割合は、一般廃棄物処理プラントのEPCが20%、アフターサービスが29%と約6割を占め、エネルギープラント24%、水処理プラント・その他8%が続いている。前期と比べ、全社売上高における環境・エネルギー(国内)事業の割合は変わらないが、主力の一般廃棄物処理プラントのEPC及びアフターサービスの割合が減少し、エネルギープラント、水処理プラント・その他の割合がやや増加している。EPC案件構成の変化により年度によって変動がある(各事業の受注済みプラントEPC案件のうち、現地工事の進捗に伴い売上を大きく計上する案件が年度によって異なるため、各事業の売上規模は年度によって変動がある)。
(1) 事業セグメント
a) 環境・エネルギー(国内)事業
環境・エネルギー(国内)事業は、さらに一般廃棄物処理プラント(EPC)、一般廃棄物処理プラント(アフターサービス)、エネルギープラント、水処理プラントの4つに区分しており、主力はコアとなる燃焼技術を用いた一般廃棄物処理プラントのEPC事業及びアフターサービスである。
自治体向け一般廃棄物処理プラントの建設(EPC)から、メンテナンス、基幹改良・延命化工事、運転管理、運営(O&M※)まで、プラントのライフサイクル全体にわたってソリューションを提供している。同社は、1963年に日本初となる連続式ごみ焼却プラントを納入して以来、これまで国内最多となる約370件の一般廃棄物処理プラントを納入している。半世紀以上にわたって改良・改善を重ね蓄積してきた技術・ノウハウをもとに、それぞれの地域のニーズに応じた製品・サービスを提供するとともに、AIやIoTなど最新技術を取り入れ、提供する価値のさらなる向上に取り組んでいる。
※Operation and Maintenanceの略。 施設や設備の完工後に保守操業を行うこと。
b) 環境・エネルギー(海外)事業
1950年代から同社は東南アジア(特にタイ)にボイラーを多く納入し、現在は現地法人を置くタイ、台湾を中心に、バイオマス発電プラント、廃棄物発電プラントの建設とメンテナンスのサービスを提供している。タイのさとうきびを圧搾した際に発生する繊維質の搾りかすであるバガスを燃料としたタイのバイオマス発電プラントは、引き続き一定の需要が見込まれるが、インド、中国メーカーとの厳しい競争環境が継続している。一方、タイ国政府はバイオマス発電を推進していく方針を掲げており、バガス以外のバイオマスを含めた需要の拡大が期待される。
同社は、国内のEPC事業における一般廃棄物処理プラント等の将来的な内需の縮小を見据え、アジア新興国を中心に現地法人(台湾・タイ)を拠点として廃棄物発電・バイオマス発電プラントの新設・更新事業、アフターサービス事業を拡大し、同社の柱の1つとして成長させる方針である。市場環境は、東南アジア圏では人口増加や都市化に伴う廃棄物発電の潜在的な需要は旺盛であり、タイでは再生可能エネルギー発電の導入を推進する政策も追い風となり製糖工場向けをはじめバイオマス発電のニーズは根強い状況にある。これらを踏まえ、廃棄物発電プラントはタイ・台湾を中心に今後の需要を取り込むべく、現地企業とのパートナーシップ等受注に向けた体制整備を進めるほか、バイオマス発電プラントはコストダウンや納期短縮を図るとともに、タイ現地法人を通じたメンテナンスサービスの充実等により付加価値の向上・競合との差別化を図り、継続的な受注を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)
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1. 会社概要
タクマ<6013>は、温暖化対策などの環境問題を解決するため、また循環型社会の実現のため、「環境」と「エネルギー」を主要テーマに燃焼技術をコアとして、廃棄物処理、水処理など環境・エネルギーの分野で様々な技術を生み出し、プラントエンジニアリング事業を展開している。同社の納入するプラントは、地域のごみ処理を支えるほか、電力や熱を供給する重要なインフラとして数年かけて建設した後、20年、30年の継続的なアフターサービスを行う。そのなかで蓄積される技術やノウハウを次のEPCやアフターサービスに生かしていくことで、強みをさらに強化している。
主力である一般廃棄物処理プラントの国内の納入実績は約370件で、国内第1位である。その他にボイラー3,200基以上(うち、バイオマスプラント630基以上)、産業廃棄物処理プラント120施設以上、下水汚泥焼却炉約20施設、ユニフロサンドフィルタ2,800台以上(国内第1位)などの納入実績がある。
2. 沿革
同社は、1912年に開発した「タクマ式汽罐」により明治・大正における日本十大発明家として1930年に表彰された創業者・田熊常吉が、ボイラーの製造販売を目的として1938年6月に設立した企業である。その後は、創業の精神である「汽罐報国(ボイラーを通じて社会に貢献する)」の理念を継承し、燃焼技術をコアに事業展開し、1949年に東京証券取引所(以下、東証)及び大阪証券取引所に上場した。1958年にごみ焼却処理プラントや水処理プラント等の環境設備部門にも進出し、1963年に日本初の連続式ごみ焼却プラントを大阪市に納入した。2019年には遠隔監視・運転支援拠点「Solution Lab」を開設し、アフターサービスにも注力している。2022年4月、東証の市場区分の見直しに伴い、市場第1部からプライム市場へ移行した。
3. 事業内容
同社の事業内容は、環境・エネルギー(国内)事業、環境・エネルギー(海外)事業、民生熱エネルギー事業、設備・システム事業の4つの事業セグメントに大別される。2023年3月期の事業セグメント別の売上高の割合は、主力事業である環境・エネルギー(国内)事業が81%を占め、他3つの事業セグメントは民生熱エネルギー12%、設備・システム6%、環境・エネルギー(海外)事業1%の順に続く。
環境・エネルギー(国内)事業81%のうち、各製品・サービスの割合は、一般廃棄物処理プラントのEPCが20%、アフターサービスが29%と約6割を占め、エネルギープラント24%、水処理プラント・その他8%が続いている。前期と比べ、全社売上高における環境・エネルギー(国内)事業の割合は変わらないが、主力の一般廃棄物処理プラントのEPC及びアフターサービスの割合が減少し、エネルギープラント、水処理プラント・その他の割合がやや増加している。EPC案件構成の変化により年度によって変動がある(各事業の受注済みプラントEPC案件のうち、現地工事の進捗に伴い売上を大きく計上する案件が年度によって異なるため、各事業の売上規模は年度によって変動がある)。
(1) 事業セグメント
a) 環境・エネルギー(国内)事業
環境・エネルギー(国内)事業は、さらに一般廃棄物処理プラント(EPC)、一般廃棄物処理プラント(アフターサービス)、エネルギープラント、水処理プラントの4つに区分しており、主力はコアとなる燃焼技術を用いた一般廃棄物処理プラントのEPC事業及びアフターサービスである。
自治体向け一般廃棄物処理プラントの建設(EPC)から、メンテナンス、基幹改良・延命化工事、運転管理、運営(O&M※)まで、プラントのライフサイクル全体にわたってソリューションを提供している。同社は、1963年に日本初となる連続式ごみ焼却プラントを納入して以来、これまで国内最多となる約370件の一般廃棄物処理プラントを納入している。半世紀以上にわたって改良・改善を重ね蓄積してきた技術・ノウハウをもとに、それぞれの地域のニーズに応じた製品・サービスを提供するとともに、AIやIoTなど最新技術を取り入れ、提供する価値のさらなる向上に取り組んでいる。
※Operation and Maintenanceの略。 施設や設備の完工後に保守操業を行うこと。
b) 環境・エネルギー(海外)事業
1950年代から同社は東南アジア(特にタイ)にボイラーを多く納入し、現在は現地法人を置くタイ、台湾を中心に、バイオマス発電プラント、廃棄物発電プラントの建設とメンテナンスのサービスを提供している。タイのさとうきびを圧搾した際に発生する繊維質の搾りかすであるバガスを燃料としたタイのバイオマス発電プラントは、引き続き一定の需要が見込まれるが、インド、中国メーカーとの厳しい競争環境が継続している。一方、タイ国政府はバイオマス発電を推進していく方針を掲げており、バガス以外のバイオマスを含めた需要の拡大が期待される。
同社は、国内のEPC事業における一般廃棄物処理プラント等の将来的な内需の縮小を見据え、アジア新興国を中心に現地法人(台湾・タイ)を拠点として廃棄物発電・バイオマス発電プラントの新設・更新事業、アフターサービス事業を拡大し、同社の柱の1つとして成長させる方針である。市場環境は、東南アジア圏では人口増加や都市化に伴う廃棄物発電の潜在的な需要は旺盛であり、タイでは再生可能エネルギー発電の導入を推進する政策も追い風となり製糖工場向けをはじめバイオマス発電のニーズは根強い状況にある。これらを踏まえ、廃棄物発電プラントはタイ・台湾を中心に今後の需要を取り込むべく、現地企業とのパートナーシップ等受注に向けた体制整備を進めるほか、バイオマス発電プラントはコストダウンや納期短縮を図るとともに、タイ現地法人を通じたメンテナンスサービスの充実等により付加価値の向上・競合との差別化を図り、継続的な受注を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)
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