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―工場建設絡みの需要拡大、再生エネ関連の工事需要の高まりも追い風に―
22日の日経平均株価は前日比291円高と続伸したものの、相場はなお“夏場の波乱局面”といえる調整相場にある。米国の金融引き締め長期化や中国の不動産問題といった外部環境の不透明さが要因だ。そんななか、見直されているのが内需系の好業績銘柄だ。高配当利回りや最高益企業などに対する再評価機運は強い。市場では、バリュエーション面からも割安な「電力・通信」設備投資関連株に対する一段の評価余地が指摘されている。
●国内設備投資には回復機運が膨らむ
国内での設備投資回復期待が膨らんでいる。財務省と内閣府が6月に発表した法人企業景気予測調査によると、2023年度の設備投資額(ソフトウェア投資額を含む、土地購入額を除く)の見通しは前年度比11.2%増と高水準の伸びが見込まれている。製造業は同21.8%増の予想で非製造業の同6.6%増を大きく上回る。なかでも電気機械器具製造業は同60.9%増と大幅増の見込みだ。
自動車関連企業による電気自動車(EV)向け設備投資などが伸びているほか、半導体なども含んだ工場建設などに絡む需要が膨らんでいるとみられており、「国内回帰」も追い風となっている様子だ。
●電力工事や通信工事関連はバリュー株として再評価余地
こうしたなか、電力工事や通信工事関連企業の業績は堅調に推移している。例えば電力工事大手の関電工 <1942> [東証P]や九電工 <1959> [東証P]、電設工事の住友電設 <1949> [東証P]といった企業の業績は最高益もしくは最高益近辺の業績が予想されている。
また、通信工事大手の業績も底堅くコムシスホールディングス <1721> [東証P]やエクシオグループ <1951> [東証P]、ミライト・ワン <1417> [東証P]などの今期業績は増益が予想されている。通信工事はモバイル系などには伸び悩みもみられる様子だが、データセンター工事などが底堅く推移しているようだ。大手電線会社では、自動車業界向けワイヤーハーネスが回復しているほか、データセンター向け通信ケーブルや海底ケーブルなどの成長が期待されている。
特に、再生可能エネルギーの風力発電や太陽光発電などで生まれた電力を都市部まで送るには、日本の送電網は弱い。再生可能エネの大量導入に対応した次世代電力ネットワークの構築が求められており、今後、送電インフラ関連の設備投資拡大が見込まれていることは、大きな期待材料となっている。
電力・通信工事関連企業には、株主還元に前向きな企業は少なくなく、配当利回りなどから再評価余地の大きいバリュー株として見直し余地が膨らんでいる。その割安さを評価して上昇基調を強める銘柄も少なくない。そこで以下では、投資妙味が膨らむ注目5銘柄を取り上げてみた。
●エクシオGやフジクラ、関電工などに投資妙味
◎エクシオグループ <1951> [東証P]~電気通信工事大手。24年3月期の連結営業利益は前期比4.4%増の340億円と増益予想。今期は連結DOE(株主資本配当率)で4.0%をメドとしており、配当は前期比18円増の120円に増配。配当利回りは4.1%前後と高水準。「物言う株主」の英シルチェスター・インターナショナル・インベスターズも大株主に登場している。
◎SWCC <5805> [東証P]~電線中堅で旧昭和電線ホールディングスが4月に社名変更。24年3月期の連結経常利益は前期比2.0%増の106億円と最高益見通し。電力向け電線などに強みを持つ。電力接続部品「SICONEX」は電力インフラの強靱化ニーズにも乗り採用を拡大している。連結PBR0.8倍台で配当利回りは4.0%台。
◎フジクラ <5803> [東証P]~電線大手で高密度光ケーブルなどの成長に期待。24年3月期の連結純利益は前期比0.3%増の410億円と最高益更新の予想。今期配当性向は30%(従来20%)に引き上げ、前期比15円増の45円に増配。連結PER7倍台で配当利回りは4%前後。
◎関電工 <1942> [東証P]~電気工事大手で東電系。製造業の工場建設などが追い風で電気工事が好調。今期連結営業利益は前期比9.9%増の360億円と4期ぶりに最高益を更新する見込み。連結PBRは0.8倍台で一段の見直し余地。
◎泉州電業 <9824> [東証P]~電線専門商社。電力用ケーブルや機器用・通信用電線などが堅調。半導体製造装置向けの電線販売などが伸び業績は最高益基調。株価も上場来高値水準に買われている。
株探ニュース
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