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Ridge-iのニュース
―主力大型株から中小型株へのトリクルダウン開始、この成長ダイナミズムを見逃すな―
日経平均株価は今年に入って眠りから覚めたように上げ足を強め、1989年の年末につけた史上最高値3万8915円との距離を着実に縮めている。今は海外投資家の大口買いに見合う大型株への物色が本流を形成しているが、遅かれ早かれグロース市場に上場している中小型株の一群にも資金が回る公算が大きくなった。足もとで既にそのトリクルダウン(プライム市場で回転の利いた資金がグロース市場に滴り落ちる現象)の兆候は見られており、ここは早めに有望株に照準を合わせておきたい。
●34年ぶり高値圏を先導する日本買いの潮流
東京株式市場は強気相場が全開、日経平均の上昇トレンドに弾みがついている。週末9日にはフシ目の3万7000円大台ラインをついに突破、取引終盤にかけて伸び悩んだものの、1月11日に3万5000円台を回復してから、わずか1カ月で大台を2つ替えるという怒涛の進軍である。約34年ぶりの高値圏で躊躇なくアクセルを踏み込むような相場つきだが、「企業のファンダメンタルズを考慮すると現状でバブルという形容は当たらない」(国内証券ストラテジスト)という声が強い。
買い主体として圧倒的な存在感を示すのが海外投資家である。海外投資家は1月に日本株を現物で2兆円強の大幅な買い越しに転じている。米国株市場ではNYダウとS&P500指数が史上最高値圏で頑強な動きを続け、やや遅れていたナスダック総合株価指数も、ここに来て両指数に急速にキャッチアップする展開をみせ最高値を射程圏に捉えている。米国ではFRBの金融引き締めの影響が不動産市況などに顕在化しているが、その他の景気指標は総じて堅調、バロメーターに異常は見られず、経済のソフトランディングに対する期待感が投資家のセンチメントを強気に傾けている。
●異次元緩和環境で海外マネーの注目の的に
米国株市場だけではない、欧州株市場でもドイツ株(独DAX)が最高値圏で売り物をこなし強調展開を維持。フランス株(仏CAC40)も1月末に最高値圏に浮上したばかりだ。更にアジアに目を向ければ、中国・上海株市場が政府の市場支援策が功を奏し底入れの動きを明示、このほか最高値近辺に位置するインド株や、年初から一貫して上昇波動を描くベトナム株など、株式市場はリスクオンの坩堝(るつぼ)と化している。
そして日本株は、世界で唯一のマイナス金利政策を継続し、ここまで世界がインフレ局面にあえぐ中で特異なポジションにあった。前代未聞の異次元緩和政策によって、株式市場の相対的な割安感が浮き彫りとなっていることから、海外マネーが大挙して東京市場に上陸してくるのは、自然な流れといってもよい。だが、これはまだ初動の段階に過ぎないという見方が支配的である。日本株買いはこれから佳境入りとなる可能性が高い。
●主力大型株だけでは終わらない東京市場
ただ、日経平均の過激ともいえる上昇パフォーマンスを見ても分かる通り、投資マネーの流入が主力大型株に偏っているという現実がある。中小型株への攻勢は限定的なものにとどまっている。実際、相場の強弱を測る指標である騰落レシオ(25日移動平均)に目を向けると、日経平均ベースでは131%(8日取引終了時点)と過熱領域に足を踏み入れているが、東証グロース市場の騰落レシオは90%に過ぎず、むしろマインドが冷やされた状態にある。これは、海外投資家の大口資金がプライム市場の大型株に目標を定めているからにほかならない。また、今年に入ってから新NISA導入の影響もあって、ここまでの経緯ではバリュー株がグロース株に対して優位性を発揮している状況にある。「TOPIXバリュー指数」が最高値圏を走っているのに対し、「TOPIXグロース指数」の方はバリュー指数に対してかなり後れた位置にある。
しかし、これらはあくまでバックミラーに映った景色に過ぎない。前方にはこれまでとは違った風景が見えてきた。市場では「足もとで、成長株に位置付けられる明らかに出遅れていた銘柄群にホットマネーが流入し始めた」(国内証券ストラテジスト)という指摘がある。市場で言えば、プライム市場で回転を利かした資金の一部がこぼれ落ち、新たな投資対象として東証グロース市場に矛先を向けているという構図がいよいよ現実味を帯びてきた。
●既に向けられているグロース市場への熱視線
これは個別株の動向に如実に表れている。例えば直近IPOに強い銘柄が目立つ。代表的なところでは昨年10月下旬に新規上場した売れるネット広告社 <9235> [東証G]、今週7日に上場したSOLIZE <5871> [東証S]、8日に上場したVeritas In Silico <130A> [東証G]。このほか、W TOKYO <9159> [東証G]やRidge-i <5572> [東証G]、ジャパンワランティサポート <7386> [東証G]などが、この日はストップ高のオンパレードとなった。
グロース上場銘柄は足もとの業績というよりは、近未来の収益成長に期待した買いが入りやすく、ひとたび動き出せば値幅制限いっぱいに買われるようなケースも珍しくない。これは時価総額を考えれば分かりやすい。例えば時価総額50兆円台のトヨタ自動車 <7203> [東証P]が仮に10%株価水準を切り上げる際には、5兆円分の新しい資金が流れ込む必要がある。一方、時価総額100億円の企業であればわずか10億円分の新たなポジティブ評価によって、株価は10%切り上がる。これらの積み重ねでテンバガー株が輩出されるのがグロース市場に上場する銘柄の特権でもある。
今回は、グロース市場の銘柄群の中からビジネスモデルに成長性を有する、将来の変身株候補を7銘柄リストアップした。
●収益成長トレンド加速で株価変貌期待の7銘柄
【プラスゼロはAEI実装で収益変貌局面へ】
pluszero <5132> [東証G]は人工知能(AI)技術を活用したソリューションの開発・提供・運用などを手掛ける。人間同様に本質的な言葉の意味を理解するAIという概念を「AEI」と命名し、この研究と実装に経営資源を注いでいる。顧客企業の経営課題発見からサービスシステムの保守・運用に至るまでワンストップで提供できるのが強みで、案件獲得が進んでいる。仮想人材派遣サービスの安定的な運用とともに、コールセンターや 生成AIを用いた設計効率化のソリューション分野で業容拡大を図り、24年10月期は売上高が前期比32%増の11億8000万円、営業利益が同28%増の2億800万円予想といずれも過去最高更新が続く見通し。中期経営目標では26年10月期に売上高27億6600万円(うちAEI関連売上高11億6500万円)、営業利益13億8400万円を掲げる。成長力に富んでおり、株価は昨年3月6日につけた上場後の高値水準である1万円大台を目指す動きが想定される。
【ナレルGはプロ人材のスキル提供で成長本番】
ナレルグループ <9163> [東証G]は建設業界向け施工管理技術者などの人材派遣事業を主力に、IT技術者(システムインテグレーター)の派遣を手掛けている。建設業界は慢性的な人手不足に悩まされているが、とりわけプロ人材の枯渇が深刻化しており、これに対応した同社の商機が高まっている。単に人材を派遣するのではなく、育成した人材のスキルを提供することを第一義に掲げていることが最大のポイント。ITエンジニアも同様で、クオリティーに見合う形で単価も上昇傾向にあり、好調な業績を後押ししている。業績は2ケタ増収増益基調を継続中で、24年10月期は売上高が前期比21%増の218億3000万円、営業利益は同12%増の27億7000万円を予想している。前期に年95円の初配当を行ったが、今期はそこから15円増配となる110円を計画。配当利回りは3.2%前後に達する。株価は昨年11月中旬以降一貫した上昇波動を形成、最高値圏を突き進む展開にある。
【GMOメディは過去最高益続き上値追い再開】
GMOメディア <6180> [東証G]はネットメディアを複数サイト運営し、広告収入や課金による収益を主力としており、広告単価の上昇などが寄与して業績は好調を極めている。Web・アプリによるサービスを提供するメディア事業が牽引し、23年12月期はトップラインの2ケタ増収を受けて利益も急拡大、営業利益段階で前の期比72%増の5億3300万円と大幅な伸びを達成するとともに過去最高を更新した。続く24年12月期も営業利益は前期比22%増の6億5000万円予想と、伸び率こそ鈍化するものの2割超の増益で連続最高益を見込む。株価は好決算発表を好感していったんは3650円の昨年来高値を形成したが、その後に目先筋の大口の売りで値を消す展開となった。だが、実態面から3000円台前半は明らかに評価不足といってよい。株価4000円台までは過去の滞留出来高が希薄な真空ゾーンで上値が軽い。仕切り直しの買いで再び上昇に転じる可能性は高い。
【メタリアルはAI事業軌道に乗り急成長期へ】
メタリアル <6182> [東証G]はAIを活用した自動翻訳サービスやソフトの提供を行うが、医薬、法務、財務といった専門分野におけるAI翻訳サービスへの需要は旺盛で、業績は足もと急成長期に突入している。「Chat(チャット)GPT」などを活用した生成AI分野にも抜かりなく注力、着実に商機を捉えている。企業の重要情報の開示については英文開示の義務化が検討されており、ビジネスチャンスは一段と膨らみそうだ。24年2月期はAI事業の寄与で収益性が高まり、営業利益見通しを上方修正し7億3700万円(前期比43%増)を見込んでいる。25年2月期以降も2ケタ以上の成長トレンドが期待できそうだ。株価は昨年6月下旬に2279円まで急伸をみせた後、ほぼ“往って来い”の状態となったが、実態を考慮すると再浮上の機が近いとみられる。時価は大勢トレンドでも底値圏にあり上値余地は大きいといえる。滞留出来高の多い1400円どころを上抜き、2000円台を視野に入れる大出直り相場に期待。
【トリプラは人流活性化とアジア圏戦略に期待】
tripla <5136> [東証G]はホテルや旅館などの宿泊施設向けクラウド型予約システムを展開、多言語対応のAIチャットボットシステムなども提供している。脱コロナを経て人流活性化が進んでいるほか、インバウンド消費の復活で旅行需要は盛り上がっており、つれて同社の収益機会も増勢の一途だ。業容拡大にも余念がなく、アジア圏でM&Aを駆使して海外戦略に向けた布石を入念に打っている。1月下旬には、宿泊施設向け予約エンジンの開発・販売を手掛けるシンガポール企業の全株式を買い取り子会社化することを発表した。足もとの業績も好調で、トップラインは高水準の伸びで過去最高更新が続いている。損益も22年10月期に黒字転換し、23年10月期営業利益は前の期比2.1倍の1億7700万円と大幅増益を達成、また24年10月期は連結決算移行で単純比較はできないものの、2億3800万円予想と3割以上の伸びが予想されている。株価は上値指向が鮮明で2000円台後半を目指す動きに。
【ニフティLSは業績増額、4ケタ台替え視野】
ニフティライフスタイル <4262> [東証G]は不動産の比較検索サイト「ニフティ不動産」の運営を主力とし、大手ポータルサイトの情報を一括して検索できるサービスや自社で編集した独自情報などで優位性を持つ。また、温泉情報の総合サービス「ニフティ温泉」や求人情報の検索サイト「ニフティ求人」なども運営している。足もとでは利益面の回復色が鮮明で、23年4~12月期は前年同期比64%営業増益を達成、24年3月期通期の同利益は期初見通しを増額修正し、前期比42%増の8億1000万円を見込んでいる。なお、通期売上高は同17%増の35億400万円予想で過去最高更新が続く見通しだ。無借金経営で投資指標面から10倍強のPERは割安感が強い。業績予想増額を受けて、株価は2月1日に商いを膨らませ急動意をみせた。その後は900円近辺でのもみ合いに転じているが、ここは買い場と判断される。約1年3カ月ぶりの4ケタ大台乗せから更なる高みを目指す。
【テクノロジーはM&A奏功し飛躍の時迎える】
テクノロジーズ <5248> [東証G]は遊技機向けにゲームやアニメなどの映像ソフト開発を展開するほか、AIを活用した企業業務システム・アプリケーションの開発も手掛けている。AIソリューション分野は総売り上げの35%程度を占める。また、M&Aにより再生可能エネルギーのソリューションビジネスにも本格参入している。買収効果の発現で業績は24年1月期売上高が前の期比6.2倍の66億6300万円、営業利益は同4.4倍の7億3700万円と変貌を果たす見込み。業績変化率の高さには目を見張るが、25年1月期は再生エネルギー事業の貢献が本格化し、売上高は一気に100億円大台をにらむ可能性があり、営業利益も2ケタ成長が有力視される。株価は貸株調達に伴う空売りなどの影響で値動きの荒い場面はみられるものの、25日移動平均線をサポートラインとする上昇トレンドを維持。早晩、高値圏もみ合いを離脱して未踏の5000円台に歩を進める公算が大きい。
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