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property technologiesのニュース
*14:34JST propetec Research Memo(4):テクノロジーを活用する不動産事業の拡大を続け、全国展開
■property technologies<5527>の中古住宅再生事業
1. 事業内容
同社グループ会社のホームネットが手掛ける中古マンションの「買い取り再販」事業である。「買い取り再販」とは、まず業者が所有者(売り主)から中古マンションを買い取り、その後、購入した中古物件にリフォームやリノベーションを施したうえで再度販売することである。つまり、業者が中古住宅を「リノベーション済み物件」として価値を上乗せし、売り出すビジネスモデルだ。この事業の主な顧客はホームネットが仲介会社を経由して獲得してきた顧客である。プラスアルファとしてエンド顧客向けの「KAITRY」でさらに売上げを積み立てる構造となっている。
2. 強み・特徴
同グループは、取引においてスピーディかつ戦略的な方策をとっている。具体的には、1人の営業マンが物件の仕入れから販売決済まで、すべてを一人で行えるスキームづくりを行ってきた。さらにこのスキームは不動産業界での経験がない人を短期間で即戦力に育てる仕組みである。このスキーム実現するためにはKPIの設定とテクノロジーが大きな役割を担っている。具体的には、同グループは年間2万件以上の物件査定を行っているが、2万件の情報をすべて社内のデータに取り込み、蓄積された情報は同社のビッグデータとして活用している。このデータは実際に価格査定・取引が行われた生データであるため、実用性が高い。実績価格、価格の変動幅、価格の傾向などが、実際にビジネスで使われた価格がベースとなっているからである。これらのデータをテクノロジーを用いて集約することで、このエリアでこのマンションが査定にかかったらいくらで購入するという判断が、論理的かつスピーディに行われる。ここに2020年から取り組んでいるAI査定が加わる。これまで仲介会社が顧客と取引するために活用してきた市場調査、近隣物件調査、査定価格算出をテクノロジーで代用している。通常、買取業者が案件の情報を受け取ってから査定が完了するまでは5日間ほどかかる。同グループの場合は、マンション名を入力すると、そのサイトでは査定時間約5秒で同社がマンションを購入できる金額が出せる仕組みを構築している。この仕組みを用いることで、経験がない営業マンでも指標となる価格がまず見えてくる。加えて、過去についた価格データとAI査定で出した価格を照らし合わせ、適正価格を導き出していく。経験がない営業マンでもおおよそ30分ぐらいで仲介会社に金額の回答ができるため、スピーディかつ戦略的に商談ができる仕組みが作られている。
この仕組みは仲介会社の立場からは大変重宝される。仲介会社は査定された物件価格の情報をいち早く取り扱うことで、他社よりも先に商談ができる可能性が上がるためだ。加えて、同社のようなレスポンススピードで価格情報が得られることは、取り扱い物件数が多くなることになり、必然的に同社と仲介会社が行う商談成立の可能性が上がってくる。
同グループの事業規模の拡大ペースを同業他社と比較した場合も、事業拡大スピードは群を抜いている。2022年7月発表の「リフォーム産業新聞」ランキングによれば、他の上位企業が前年度比で軒並み販売戸数を減らすなかで、同社はマンション販売戸数を869件と前年度から201件増加させ30%伸長させている。仕入れは、各社取り扱い件数を伸ばしているが、同社は1,030件を取り扱い前年度から345件増加させ、50%の伸長を示してる。この増減率は同業他社と比較した場合でも2桁以上の伸長率である。同社には他社にない仕組みがあるためだが、営業マン1人当たりが契約・面談する件数が業界でもトップの水準にあることが、ランキングから窺える。2023年11月期も同社の取り扱う販売・仕入件数は増加の見込みである。
同社グループの強みと特徴は他にもある。仲介会社の拠点数と仲介会社に勤めている営業の人員数の多さである。営業マン17,241人が同社のシステムに登録されている。この登録者情報を基に仲介会社とコミュニケーションを密に取ることで、物件情報の質と量を確保している。その物件から、どこの仲介会社の誰がどのような提案をして、販売に至ったかというプロセスも可視化できるようになっている。つまり、データの品質が高いことと、他社と積み重ねた関係性がベースとなるため、すぐに模倣できる仕組みではない。この仕組みは徹底されており競合他社が真似できない部分となっている。
また、地方のマーケットへの進出も積極的にしている。創業者の会社員時代の経験が生かされており、地方出店に対するノウハウが同社にはある。同社の売上高の7割は地方での売上げで占められており、 業績の安定化という側面においてリスクヘッジの一因となっている。加えて、これらの取り組みは地方創生にもつながっている。現地採用による雇用創出、地元工務店への施工依頼、でき上がった物件は地元の顧客へ販売し、経済が循環するサイクルである。地元の金融機関と協力しながら地元経済を活性化させる取り組みとなっている。同社はそれぞれの地元で仕入を行う借り入れを金融機関から行っている。この結果、取引を行う地方の金融機関は76行という数に上る。安定的な資金調達を図れており、ここも同業他社にはない同社の特徴である。
3. 実績例
(執筆:フィスコ客員アナリスト 石灰達夫)
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1. 事業内容
同社グループ会社のホームネットが手掛ける中古マンションの「買い取り再販」事業である。「買い取り再販」とは、まず業者が所有者(売り主)から中古マンションを買い取り、その後、購入した中古物件にリフォームやリノベーションを施したうえで再度販売することである。つまり、業者が中古住宅を「リノベーション済み物件」として価値を上乗せし、売り出すビジネスモデルだ。この事業の主な顧客はホームネットが仲介会社を経由して獲得してきた顧客である。プラスアルファとしてエンド顧客向けの「KAITRY」でさらに売上げを積み立てる構造となっている。
2. 強み・特徴
同グループは、取引においてスピーディかつ戦略的な方策をとっている。具体的には、1人の営業マンが物件の仕入れから販売決済まで、すべてを一人で行えるスキームづくりを行ってきた。さらにこのスキームは不動産業界での経験がない人を短期間で即戦力に育てる仕組みである。このスキーム実現するためにはKPIの設定とテクノロジーが大きな役割を担っている。具体的には、同グループは年間2万件以上の物件査定を行っているが、2万件の情報をすべて社内のデータに取り込み、蓄積された情報は同社のビッグデータとして活用している。このデータは実際に価格査定・取引が行われた生データであるため、実用性が高い。実績価格、価格の変動幅、価格の傾向などが、実際にビジネスで使われた価格がベースとなっているからである。これらのデータをテクノロジーを用いて集約することで、このエリアでこのマンションが査定にかかったらいくらで購入するという判断が、論理的かつスピーディに行われる。ここに2020年から取り組んでいるAI査定が加わる。これまで仲介会社が顧客と取引するために活用してきた市場調査、近隣物件調査、査定価格算出をテクノロジーで代用している。通常、買取業者が案件の情報を受け取ってから査定が完了するまでは5日間ほどかかる。同グループの場合は、マンション名を入力すると、そのサイトでは査定時間約5秒で同社がマンションを購入できる金額が出せる仕組みを構築している。この仕組みを用いることで、経験がない営業マンでも指標となる価格がまず見えてくる。加えて、過去についた価格データとAI査定で出した価格を照らし合わせ、適正価格を導き出していく。経験がない営業マンでもおおよそ30分ぐらいで仲介会社に金額の回答ができるため、スピーディかつ戦略的に商談ができる仕組みが作られている。
この仕組みは仲介会社の立場からは大変重宝される。仲介会社は査定された物件価格の情報をいち早く取り扱うことで、他社よりも先に商談ができる可能性が上がるためだ。加えて、同社のようなレスポンススピードで価格情報が得られることは、取り扱い物件数が多くなることになり、必然的に同社と仲介会社が行う商談成立の可能性が上がってくる。
同グループの事業規模の拡大ペースを同業他社と比較した場合も、事業拡大スピードは群を抜いている。2022年7月発表の「リフォーム産業新聞」ランキングによれば、他の上位企業が前年度比で軒並み販売戸数を減らすなかで、同社はマンション販売戸数を869件と前年度から201件増加させ30%伸長させている。仕入れは、各社取り扱い件数を伸ばしているが、同社は1,030件を取り扱い前年度から345件増加させ、50%の伸長を示してる。この増減率は同業他社と比較した場合でも2桁以上の伸長率である。同社には他社にない仕組みがあるためだが、営業マン1人当たりが契約・面談する件数が業界でもトップの水準にあることが、ランキングから窺える。2023年11月期も同社の取り扱う販売・仕入件数は増加の見込みである。
同社グループの強みと特徴は他にもある。仲介会社の拠点数と仲介会社に勤めている営業の人員数の多さである。営業マン17,241人が同社のシステムに登録されている。この登録者情報を基に仲介会社とコミュニケーションを密に取ることで、物件情報の質と量を確保している。その物件から、どこの仲介会社の誰がどのような提案をして、販売に至ったかというプロセスも可視化できるようになっている。つまり、データの品質が高いことと、他社と積み重ねた関係性がベースとなるため、すぐに模倣できる仕組みではない。この仕組みは徹底されており競合他社が真似できない部分となっている。
また、地方のマーケットへの進出も積極的にしている。創業者の会社員時代の経験が生かされており、地方出店に対するノウハウが同社にはある。同社の売上高の7割は地方での売上げで占められており、 業績の安定化という側面においてリスクヘッジの一因となっている。加えて、これらの取り組みは地方創生にもつながっている。現地採用による雇用創出、地元工務店への施工依頼、でき上がった物件は地元の顧客へ販売し、経済が循環するサイクルである。地元の金融機関と協力しながら地元経済を活性化させる取り組みとなっている。同社はそれぞれの地元で仕入を行う借り入れを金融機関から行っている。この結果、取引を行う地方の金融機関は76行という数に上る。安定的な資金調達を図れており、ここも同業他社にはない同社の特徴である。
3. 実績例
(執筆:フィスコ客員アナリスト 石灰達夫)
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