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【QAあり】tripla、営業収益は前年比+41.7%の大幅増 M&Aのシナジーを発揮し、新たに3サービスを日本で提供開始

投稿:2024/06/20 19:00

2024年10月期2Q決算説明資料

高橋和久氏:tripla株式会社の代表取締役CEOの高橋です。2024年10月期第2四半期が終了しましたので、本日は決算説明を行います。よろしくお願いします。

まず、本日のアジェンダです。財務ハイライト、会社概要、サービス概要、2024年10月期第2四半期の決算概要、最後に経営戦略についてご説明します。

財務ハイライト

財務ハイライトからご説明します。1つ目は、営業収益で予算を達成し、前年比プラス41.7パーセントとなりました。特に「tripla Book」が前年比プラス53.9パーセントと、好調に推移しています。

2つ目は、営業利益が予算比で5,300万円の増加となり、プラスで着地しています。特に費用が減額できたことに加え、第1四半期は当期純利益がM&A関連の費用により赤字となっていましたが、一転黒字となりました。

3つ目は、M&Aのシナジーを発揮し、新しいサービスを開始できました。「tripla Page」はSurehigh社から購入したサービス、「tripla Analytics」は自社で開発したサービス、「tripla Link」はBookandLink社とSurehigh社を買収して展開したサービスです。この3つのサービスを日本で開始できました。

2024年10月期2Q 業績概要(連結)

2024年10月期第2四半期における連結の業績概要です。注目すべきは、営業利益約220万円の予算に対し、費用削減などの効果により、約5,500万円で着地したことです。予算に対して約5,300万円のプラスです。

また、通期計画における営業収益約18億4,100万円に対して、現在は約7億6,500万円で推移しています。

2024年10月期2Q結果 (連結)

連結の営業収益です。連結では、BookandLink社の3,800万円が取り込まれて、7億6,500万円で上期を終えました。

連結の営業利益については、通期で2億3,800万円を予定していますが、上期終了時点では5,500万円と予算を超過して着地しました。

2024年10月期2Q結果 (営業収益・単体)

単体の営業収益です。スライド右側のグラフをご覧ください。通期は16億2,800万円を予定しており、上期終了時点では7億2,600万円で着地しました。「tripla Book」が好調で、5億円を超える5億1,000万円で着地しています。

2024年10月期2Q結果 (営業利益・単体)

単体の営業利益です。第2四半期累計で8,800万円となりました。第2四半期単体で見ると、6,200万円となっており、前期の4,100万円から1.5倍程度に伸びています。

今期の第1四半期は、ご存知のとおりM&A関連の費用が一時的に発生したため、前期の5,400万円から2,500万円と、やや減益となりました。

第2四半期の営業費用は、単体で6億3,700万円となりました。

2024年10月期2Q結果 (BookandLink社)

BookandLink社に関しては、第2四半期より損益計算書の連結を開始しています。第2四半期の営業収益は3,800万円となりました。通期計画1億100万円に対して、のれんを加味しても、今のところ予定どおりに推移しています。

契約施設数は、2023年10月末時点で2,598施設でしたが、第2四半期末時点では210施設増加の2,808施設で運用しています。

2024年10月期2Q 業績概要(連結・内訳)

連結の業績概要の内訳です。単体、BookandLink社、その他、実績(連結)を示しています。その他で営業費用約2,500万円を計上していますが、こちらはM&A関連費用などによるものです。

2024年10月期2Q 業績概要(単体)

単体の業績概要の内訳です。営業利益は約8,800万円で着地しました。営業収益は前年比プラス34.6パーセント、年度計画に対する進捗率は44.6パーセントです。当社の第4四半期は8月・9月・10月と旅行需要が集中する時期ですので、第4四半期に営業収益が集中することから、年度計画に対する進捗率44.6パーセントは例年どおりの推移となります。

2024年10月期における一時費用の計上について

今回、計画を大幅に上回る営業利益を計上できたのは、上期の一時費用4,000万円を削減できたためです。削減の内訳として、まずオフィスの移転を予定し実行しましたが、1,600万円程度かかる計画が、オフィスの什器などを旧オフィスから使い回すことで400万円にとどめることができました。さらにM&A関連の費用も抑えることができ、合計4,000万円のコスト削減となった結果、営業利益が増加しました。

P/L連結時期

M&Aを実施した会社の損益計算書の連結時期についてです。BookandLink社は第2四半期から連結していますが、Surehigh社とEndurance社は5月からの連結となります。

会社概要

会社の概要です。従業員数は2024年4月末時点で、単体で87名、Surehigh社、BookandLink社、Endurance社を合計した連結で149名まで増加しています。拠点は、日本、台湾、韓国の他に、シンガポール、インドネシア、タイの6拠点で運営しています。

数値でみるtripla

従業員数は149名です。外国人比率が非常に高くなっており、日本人は24パーセント、外国人が76パーセントという構成で運営しています。

M&Aで買収した会社からのサービスの数も増えており、現在11サービスを取り扱っています。

ミッション・ビジョン・コアバリュー

ミッション・ビジョン・コアバリューです。「イノベーションで顧客を感動させる」をミッションとして、「常に最高の顧客体験を提供する」ことをビジョンに掲げています。7つのコアバリューを従業員全員で共有しながら、ビジネスを日々遂行しています。

経営陣の紹介

経営陣の紹介です。前回プレスリリースを出していますが、今回からBookandLink社で社長を務めているPhilippe Raunet氏が執行役員として参画しています。海外のパートナーシップを中心に業務を執行していきます。

宿泊予約チャネルとtriplaのサービス利用者

サービス概要についてご説明します。当社の「tripla Book」を中心とするサービスは、オンライン・トラベル・エージェンシー(OTA:旅行予約サイト)という役割で展開しており、特に宿泊施設の公式サイト経由での予約をしっかりと獲得していく宿泊予約エンジンとなっています。

その他に、複数施設をまとめて掲載している予約サイトを展開するOTAや、旅行代理店、電話販売もありますが、これらのチャネルと差別化しながら事業を行っています。

triplaのサービス展開と開発の進捗状況

前回までのスライドには、サービスが出来上がっていない緑色の部分がありましたが、今回からは基本的にすべて提供中のサービスを記載しています。

具体的には「tripla Page」はSurehigh社から購入したサービス、「tripla Link」「tripla Analytics」は自社で開発したサービスで、さまざまなサービスを網羅しています。

triplaが提供するサービス

各サービスについて主な展開国を示しています。

tripla Book サービス概要

各サービスの概要をご説明します。「tripla Book」は、宿泊施設の公式サイトに搭載できる予約システムを提供しています。

主な特徴としては、3ステップで簡単に予約ができ、5言語に対応しています。また、会員獲得機能、ポイント/クーポン機能など、eコマースとして必要な基本的な機能も付いています。

さらに、他社のサイトにおける販売価格に比べて、公式サイトが必ず最適な価格になるように、自動的にベストレートを示せるベストレート機能があります。

tripla Bot サービス概要 (1/2)

「tripla Bot」についてです。自社開発したAIの自然言語処理エンジンを搭載しており、95パーセント超の回答精度で、お客さまに多言語で回答します。また、Webhook機能を介して、外部のオペレーターやデータベースと連携することも可能です。

tripla Bot サービス概要 (2/2)

最近は「LINE」の公式アカウントを使うホテルが増えてきていますが、その中に当社のチャットボットサービスを搭載することができます。「LINE」上で、お客さまからの質問にAIが回答することも可能です。

tripla Guide サービス概要

「tripla Bot」の付帯サービスとして、ホテルの中の館内案内などのペーパーレス化を進めるサービスの「tripla Guide」を第2四半期にローンチしました。

例えば「Wi-Fiのパスワードは何だろう」「スパの予約はここからできるのかな」「プールの営業時間は何時までだろう」など、館内案内に関わるすべてを「tripla Guide」の中で回答できるペーパーレス化に対応したサービスです。triplaが提供していますので、日本語だけではなく、多言語で対応できています。

tripla Connect サービス概要 (1/2)

「tripla Connect」は、「tripla Book」と連携して利用するサービスです。CDPを活用し、ファーストパーティ・クッキーデータをベースにお客さまをセグメントに分け、そのセグメントごとに、お客さまに対して特別なプランやメール、広告を配信したり、バナーを掲載したりできます。

tripla Connect サービス概要 (2/2)

具体的には、過去の宿泊回数や利用金額、会員ランク、性別、誕生日などのセグメントから、それぞれのお客さまにパーソナライズされた販促アクションを行うことで、より高い予約コンバージョンを実現します。

多くのホテルにご利用いただいており、「tripla Connect」のメールマガジンは、闇雲にメールを送るよりも高い予約コンバージョンを実現できると好評いただいています。

tripla Boost サービス概要

「tripla Boost」のサービス概要です。アフターコロナとなり、再度、広告出稿を行っていくホテルが増えています。しかしながら、新型コロナウイルスの影響で、これまで広告運用していた人員がホテルにいなくなってしまっているケースがあります。

そこで、当社がホテルに代わってメタサーチやリスティング広告、ディスプレイ広告などに出稿します。こちらも利用するホテルが増えてきており、当社のノウハウをもとに広告の運用代行を実施しています。

tripla Pay サービス概要

「tripla Pay」のサービス概要です。こちらは、メールリンク決済を中心に実際に現地でお客さまがクレジットカードでの請求を行えるサービスで、ペイメントサービスを簡単に導入できます。

ただし、現在は機能が非常に限定的です。今後の事業戦略の中で、ペイメントサービスの事業をより拡大していきます。

tripla Analytics サービス概要 (1/2)

「tripla Analytics」のサービス概要です。こちらは、いわゆるレベニューマネジメントを実現するための帳票を見ることができるサービスです。

tripla Analytics サービス概要 (2/2) ‒ ダッシュボード例

具体的な特徴を挙げると、公式サイトの値段だけではなく、例えば、「じゃらんnet」「楽天トラベル」「Booking.com」「Agoda」など、他のOTAで販売されている価格をすべて取得することができます。

スライドのグラフのように、自社と「Agoda」の販売価格が一目で比較できます。実際にホテルの担当者が目で追っていくと時間が非常にかかってしまうところを自動化しています。

現在は自社データだけですが、もう少し経つと競合データも取得できるようになります。いくつかベンチマーキングしているホテルがありますが、そのホテルの「じゃらんnet」での販売データや「Agoda」での販売価格なども比較できる帳票を出すことができます。

tripla Success サービス概要

「tripla Success」のサービス概要です。現在ホテルは深刻な人員不足で、特に足元では、eコマースの領域に関して、人のリソースを割くことがかなり困難です。

「tripla Success」では、OTA・写真登録、設定などの業務を一手に引き受けることができます。

tripla Link サービス概要

2024年5月末より、日本で「tripla Link」のサービス展開を開始しました。こちらは、国内ではサイトコントローラー、海外ではチャネルマネージャーと言われているサービスです。

公式サイトだけではなく、複数のOTAサイトを連携し、空室在庫や料金などを一元管理し、ダブルブッキングを防ぎます。

競合としては、「TEMAIRAZU」「TL-リンカーン」「ねっぱん!」「らく通」などが同様のサービスを提供しています。

tripla Page サービス概要

「tripla Page」のサービス概要です。こちらは、ノーコードでホームページを提供できるサービスです。「tripla Book」とシームレスにつなげることができますので、宿泊業界に特化したデザインや、操作性を提供しながら、誰でも簡単に作成・即時更新が可能となっています。

主要サービスのプライシングモデル

主要サービスのプライシングモデルです。今回、「tripla Link」のプライシングモデルをアップデートしました。

「tripla Link」は、固定プラス従量というプライシングモデルで、基本的には固定料金でいただきますが、海外OTAから送客する際に、一部従量課金が発生する場合もあります。

tripla conference 開催

今回「tripla Link」をリリースするにあたり、5月29日にヒルトン東京お台場にて、初の「tripla conference」を開催しました。

既存のお客さまをお招きし、みなさまにサービス概要、機能の使い方をご説明しました。また、懇親会には100名程度の方が参加され、「ぜひ来年も実施してほしい」と好評をいただきました。

四半期ごとの営業収益の偏重

2024年10月期第2四半期の決算概要についてご説明します。まず、「tripla Book」の従量収益は1億8,800万円と、大幅に増加しています。前年同期の1億300万円から8,500万円の増加と大きく伸びています。

営業収益-セグメント別(日本・tripla Book)

導入施設数は2,658施設と、順調に積み上がっています。GMV(取扱高)も289億円に到達しています。

Book従量収益の収益構造とtake rate

take rateに関してです。 Net GMVに対するtake rateは、1パーセントを超過しています。宿泊従量課金、決済従量課金ともに好調です。

宿泊従量課金に関しては、たくさん泊まっていただいたうちの3パーセントを課金いただいています。決済従量課金に関しては、多通貨決済のソリューションも導入しているため、そのあたりで決済料金が少し上乗せされています。この2つを合わせて、take rateが1パーセントを超過しています。

[参考] 下期偏重型の収益モデル

参考までに、triplaは下期偏重型の収益モデルですので、第4四半期に向かって積み上がるサブスクリプションモデルであり、8月を含む第4四半期に従量収益が増加する傾向にあります。

Book従量収益の季節性について

「tripla Book」の従量収益の季節性についてです。第2四半期の従量収益は1億8,800万円となりました。一方で、宿泊者数に関しては約1億5,300万人と、前四半期比でやや伸びている状況ですが、これに対して、当社の従量収益は大きく伸びています。

特に、ADR(1部屋あたりの宿泊単価)が非常に伸びていることが大きなポイントです。

営業収益-セグメント別(日本・tripla Bot)

「tripla Bot」は、導入施設数が前期末から44施設増加し、1,710施設となりました。直近では、従量収益がやや落ちていますが、こちらはAI限定のサービスを多く使っていただいたことによるもので、導入施設数に関しては順調に積み上げができていると考えています。

「tripla Guide」のサービスもオプションとして提供することで、クロスセル、アップセルをさらに強化していきます。

四半期ごとの営業費用の推移(単体)

四半期ごとの営業費用の推移です。従業員数は87名で推移しています。第1四半期、第2四半期と、「その他」としてM&Aなどの費用が一時的に増えていますが、第3四半期以降はやや減少する予定です。

triplaが実現する新たな宿泊業界の世界

経営戦略についてご説明します。triplaが実現する新たな宿泊業界の世界ということで、公式サイト経由の売上を最大化することで集客手数料を削減し、ホテルの代わりにブランディング確立のために自社広告へ再投下してリピート顧客を作っていきます。

公式サイトであればお客様の見える化が実現できる

公式サイトであれば、氏名、電話番号、メールアドレスなどの顧客情報が取得できますので、これらを利用して販促アクションを行っていただきます。

一方で、OTA経由の予約の場合は、主に名前や電話番号しか取得できません。この得られる情報量の差を利用して、公式サイトの予約の強化がサポートできるプラットフォームを目指しています。

triplaの経営戦略

お客さまの見える化を実現するための経営戦略として、当社ではサービスの重層化と海外展開の加速の2点に注力し、事業を行っています。

適応型戦略としては、「tripla Success」や「tripla Link」など、さまざまなサービスを提供していきます。形成型戦略としては、これまで取り組んでこなかったサービスをM&Aで獲得したり、もしくは新規に事業を立ち上げたりして、ゼロから事業を作っていきます。

このような戦略をミックスさせながら、営業収益の基盤をより強固にしていきます。

公式サイト経由売上の最大化の方法

公式サイト経由売上の最大化については、最終的にファンの形成を目指しています。「tripla Boost」を使って見込み客を獲得、新規の顧客を獲得した後、リピート顧客を作っていくという段階を踏んで、ライフタイムバリューを高めていきます。

新規顧客を最大化させる方法

実際に認知から始まり、興味関心、比較検討、行動において、適切なサービスを提供し、一気通貫でホテルをサポートしていきます。

[参考] 旅行業界におけるネット広告需要

参考までに、旅行業界におけるネット広告需要についてご説明します。「tripla Boost」をなぜ始めたのかというと、アフターコロナになって、「もう一度広告を打とう」という需要が非常に広まっている背景があったためです。このようなところも含めて、タイムリーにサービス展開を行っていくことが重要だと思っています。

お客様の会員化を促進

お客さまの会員化を促進するために、さまざまなところで会員登録方法に関する情報を提供しています。

リピート顧客の最大化を実現する

さらにリピート化を最大化するために、データドリブンな施策が実行できるかたちになっており、「tripla Connect」では、セグメントごとにお客さまにメールを送ったり、広告を配信したりすることができます。

自社予約最大化のためのキー・サクセス・ファクター (KSF)

自社予約、公式サイト予約の最大化のためのキー・サクセス・ファクターは、公式サイトの認知を高めるための施策およびプライシングです。

最適価格での設定や公式サイトでの販売、リピーターの創出に関して、triplaが公式サイトをサポートし、ホテルにさまざまなサービスを提供します。

以上が、第2四半期の決算説明となります。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答:「tripla Link」の競合他社との差別化について

「『tripla Link』についてです。『TEMAIRAZU』と競合すると思いますが、差別化要因等はあるのでしょうか?」というご質問です。

結論からいうと、差別化要因はあります。日本に来ているインバウンドの多くは台湾人で、全体の約2割を占めています。「tripla Link」は、買収したSurehigh社のチャネルマネージャーを主軸にしており、Surehigh社は台湾の主要ローカルOTAとすべてつながっています。

具体名を挙げると、「Lion Travel」「ezTravel」「KKday」「Klook」「Asia Yo」といった、台湾ならではのさまざまなOTAとつながっています。例えば、「Lion Travel」では、日本のホテルに年間で数十万人の予約が入っています。

さらに台湾人の集客を行っていきたいホテルに関しては、「tripla Link」を活用することによって、インバウンドの集客を実現できます。これらが「tripla Link」の強みとなっています。

BookandLink社に関しても、「tiket.com」や「Traveloka」といった東南アジアで非常に大きなOTAとも連携できています。同様に、日本のホテルでは、「『Traveloka』から直接の予約を取りたい」「『tiket.com』から直接の予約が取りたい」といった場合に、「tripla Link」を介して予約を取ることができます。このようなところも大きな競合優位性になると考えています。

逆に、他社と比較した「tripla Link」の弱みは、日本国内のOTAとの連携数が少ないことです。

他社は、多くの日本国内のOTAとの連携ができていますが、「tripla」の場合、「楽天トラベル」と「じゃらんnet」のみとの連携で、6月に「一休.com」と連携ができるかたちになっています。これ以外のOTAとはまだつながっていません。

「Expedia」「Booking.com」「Agoda」など、国外大手のOTAとの連携はできますが、日本国内のOTAとは、非常に限定的になっており、国内のチャネルマネージャーと比べての弱みになっています。このようなところを今後埋めていき、海外の強みを活かしながら戦っていきたいと思います。

質疑応答:take rateの改善要因と継続性について

「第2四半期のtake rateの改善要因と継続性について教えてください」というご質問です。

1つ目の要因は、実際に宿泊従量の金額が上がってきていることです。アフターコロナの直後は、ホテルの人材不足で、稼働率が上がってきませんでした。現在も稼働率はコロナ禍前に比べると低いのですが、昨年と比べると上がってきています。

2つ目の要因は、決済従量における多通貨決済の導入です。具体的には、これまで日本円で決済していたところ、アメリカ人に対しては米ドルで、台湾人に対しては台湾ドルで決済ができます。

これまでは、クレジットカードのイシュアーが通貨に対するコンバージョンの利益を得ていましたが、当社が多通貨決済を導入することで、為替コンバージョンのリスクを負うことによって、その利益を得られるという改善がありました。この2つの足し算によりtake rateが改善しています。

多通貨決済に関しては、今後も同じようなかたちでソリューションを提供していきますので、継続していくことになります。

加えて、決済の仕入れ先を工夫することによって、仕入れ料金などを下げることができますので、継続に加え、さらなる改善を目指していきます。

なお、今回の決算短信から、英語版をご用意しています。後日、英語版の決算短信および説明資料をご提供する予定です。

質疑応答:多通貨決済の利用率について

「多通貨決済の利用率はどのくらいでしょうか? また、どの程度まで上がる余地がありますでしょうか?」というご質問です。

現在、全体の決済量に対して約3分の1が多通貨決済、3分の2が日本円での決済です。

多通貨決済はVISA、Masterのみで、JCB、アメックス、ダイナースは多通貨決済が実現できていません。比率としては、VISA、Masterが77パーセントで、JCB、アメックス、ダイナースが23パーセントですので、VISA、Masterのみで見ると、多通貨決済の比率は約半分という状況です。

したがって、JCB、アメックス、ダイナースを除いて、VISAとMasterのみの利用者を見ると、半分が日本人以外の方になっています。

利用率については、当然ながら円安になれば上がると思いますし、円高になれば、外国の方は減っていきますので下がると思います。

質疑応答:take rate改善に対する稼働率改善と多通貨決済の貢献度について

「take rateの改善要因として、稼働率改善と多通貨決済の貢献のどちらが大きいですか?」というご質問です。

4月に多通貨決済自体を導入していますので、2月・3月・4月で見ると4月は大きかったのですが、2月・3月はゼロです。そのため第3四半期以降、5月・6月・7月になるとすべて効いてきます。

このように第2四半期には一部のみしか効いていませんが、第3四半期以降により強く効いてくるかたちになります。

今回のtake rateの改善要因は稼働率改善等による宿泊従量の割合が多いのですが、今後は多通貨決済が多くなると思います。

配信元: ログミーファイナンス
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