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コニシのニュース
■今後の見通し
1. 2019年3月期の業績見通し
コニシ<4956>の2019年3月期の業績は、売上高135,000百万円(前期比5.1%増)、営業利益7,650百万円(同5.7%増)、経常利益7,760百万円(同5.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,920百万円(同6.5%増)が予想されている。売上高で5期連続増収、営業利益で3期連続増益(過去最高)を目指す。またセグメント別では、すべてのセグメントで増収増益となる見込みだ。
2. 設備投資額と減価償却費
2019年3月期の設備投資額は、後述する新中期経営計画に基づき4,382百万円(前期は1,747百万円)と大幅増が予定されている。主な内容は、自動コンテナ倉庫(滋賀)、自動ラック危険物倉庫(栃木)、サンライズ栃木物流倉庫、壁装用接着剤製造設備の新設、KLV(ベトナム)の生産能力増強、新基幹システムの導入などとなっている。
減価償却費は1,685百万円(前期は1,839百万円)の見込みで、減少が見込まれる。
■中長期の成長戦略
1. 新中期経営計画を発表
コニシ<4956>は2018年3月期を最終年度とする「中期経営計画2018」を発表していたが、その目標は2018年3月期に売上高136,000百万円(2015年3月期比17.5%増)、経常利益7,400百万円(2015年3月期比35.4%増)、経常利益率5.4%(2015年3月期実績4.7%)、ROE8.0%(2015年3月期実績6.7%)であった。売上高、経常利益はやや未達であったが、経常利益率、ROEの目標は達成した。
前回の中期経営計画が終了したのを受けて、同社では今回新たに「新中期経営計画2021」を発表した。定量的目標は、最終年度である2021年3月期に売上高1,500億円(2018年3月期比16.7%増)、営業利益86億円(同18.8%増)、営業利益率5.7%(同5.6%)、ROE9.0%(同8.6%)となっている。コニシグループ各社との連携を強化し、売上高、営業利益ともに過去最高を目指す計画だ。さらに今回は、この期間で設備投資150億円(上限)、M&A150億円(上限)の枠を設定している。
2. セグメント別目標
(1) ボンド
関係会社との連携を深めボンドグループ全体で拡販を図り、売上高は55,000百万円(2018年3月期比14.4%増)、営業利益5,300百万円(同16.2%増)を目指す。重要施策として以下の3つを遂行する。
a) 関係会社との連携強化
「サンライズ」、「ウォールボンド工業」と販売・開発面での連携を強化する。具体的にはコニシルートでの販売を強化し、インテリア・リフォーム分野へ拡販を図る。
b) 産業資材分野の強化
紙関連・パネル用途の更なる拡販、電子材料向け製品の育成を図る。これらを次の柱となる製品に育成する。
c) M&Aによる事業拡大
相乗効果が高いと判断される企業への積極的なM&Aを実施する。
(2) 土木建設
社会インフラ・ストック市場の補修・改修工事関連の取り込みを強化して、売上高33,000百万円(同20.7%増)、営業利益2,400百万円(同22.5%増)を目指す。重要施策として以下の3つを遂行する。
a) 関係会社間の連携強化
「コニシ」と「ボンドエンジニアリング」との協業で、新製品・新工法を開発する。また角丸建設の土木分野(現在30%程度)への参入を推進するため、「ボンドエンジニアリング」との連携を強化する。
b) シーリング材のシェア拡大
比較的他社のシェアが高い「新築分野」を強化するため、「開発グループ」を設置し、新築分野の開拓を強化する。これにより、シーリング材でのトップシェアを目指す。
c) M&Aによる事業拡大
土木建設工事や土木建設材料などに関連する企業への積極的なM&Aを実施する。
(3) 化成品
構造改革の推進を強化し、売上高62,000百万円(同17.1%増)、営業利益900百万円(同35.8%増)を目指す。重要施策としては以下の2つを遂行する。
a) 材料科学研究所へテーマ創出
前期に「基礎研究所」を廃止し、新たに「材料科学研究所」を設立した。この研究所では、化成品部門からのテーマを受けて接着剤にとらわれない開発を推進する。また大学との共同研究を行い、高付加価値製品の開発を目指す。
b) 新規商材、新規顧客の開拓を強化
成長分野(自動車、電子電機)への深耕開拓を進める一方で、新規商材(害虫忌避商材など)の拡販を強化する。
3. 主要な投資案件
(1) 製造設備増強(約2,500百万円)
a) コニシレミンドベトナム:製造釜の増設(生産能力200t→400t/月)。これにより東南アジアエリアの販売を強化
b) ウォールボンド工業:「壁装用接着剤」製造設備の新設(滋賀)。西日本エリアの生産拠点にする
c) サンライズ:栃木工場(シーリング材)新設。東日本エリアの生産拠点にする
(2) 関東営業拠点の再構築(約2,000百万円)
浦和工場跡地に浦和事業所(仮称)を新設、東京本社から大部分を移転する予定。(2019年秋頃完成予定)
(3) 物流機能の充実(約1,800百万円)
自動コンテナ倉庫の建設(滋賀)、自動ラック危険物倉庫の建設(栃木)、サンライズ栃木物流倉庫の建設などを予定している。
(4) 製品運送の自社配送化(約300百万円)
KB LINE(ボンド物流連結子会社)を活用して、物流センター間の配送、グループ各社の製品配送を開始する。これによって今後ボンド製品の自社配送化を推進する。
(5) 新基幹システムの導入(約700百万円)
販売・生産・物流間システムの効率化と顧客サービスの向上を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<TN>
1. 2019年3月期の業績見通し
コニシ<4956>の2019年3月期の業績は、売上高135,000百万円(前期比5.1%増)、営業利益7,650百万円(同5.7%増)、経常利益7,760百万円(同5.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,920百万円(同6.5%増)が予想されている。売上高で5期連続増収、営業利益で3期連続増益(過去最高)を目指す。またセグメント別では、すべてのセグメントで増収増益となる見込みだ。
2. 設備投資額と減価償却費
2019年3月期の設備投資額は、後述する新中期経営計画に基づき4,382百万円(前期は1,747百万円)と大幅増が予定されている。主な内容は、自動コンテナ倉庫(滋賀)、自動ラック危険物倉庫(栃木)、サンライズ栃木物流倉庫、壁装用接着剤製造設備の新設、KLV(ベトナム)の生産能力増強、新基幹システムの導入などとなっている。
減価償却費は1,685百万円(前期は1,839百万円)の見込みで、減少が見込まれる。
■中長期の成長戦略
1. 新中期経営計画を発表
コニシ<4956>は2018年3月期を最終年度とする「中期経営計画2018」を発表していたが、その目標は2018年3月期に売上高136,000百万円(2015年3月期比17.5%増)、経常利益7,400百万円(2015年3月期比35.4%増)、経常利益率5.4%(2015年3月期実績4.7%)、ROE8.0%(2015年3月期実績6.7%)であった。売上高、経常利益はやや未達であったが、経常利益率、ROEの目標は達成した。
前回の中期経営計画が終了したのを受けて、同社では今回新たに「新中期経営計画2021」を発表した。定量的目標は、最終年度である2021年3月期に売上高1,500億円(2018年3月期比16.7%増)、営業利益86億円(同18.8%増)、営業利益率5.7%(同5.6%)、ROE9.0%(同8.6%)となっている。コニシグループ各社との連携を強化し、売上高、営業利益ともに過去最高を目指す計画だ。さらに今回は、この期間で設備投資150億円(上限)、M&A150億円(上限)の枠を設定している。
2. セグメント別目標
(1) ボンド
関係会社との連携を深めボンドグループ全体で拡販を図り、売上高は55,000百万円(2018年3月期比14.4%増)、営業利益5,300百万円(同16.2%増)を目指す。重要施策として以下の3つを遂行する。
a) 関係会社との連携強化
「サンライズ」、「ウォールボンド工業」と販売・開発面での連携を強化する。具体的にはコニシルートでの販売を強化し、インテリア・リフォーム分野へ拡販を図る。
b) 産業資材分野の強化
紙関連・パネル用途の更なる拡販、電子材料向け製品の育成を図る。これらを次の柱となる製品に育成する。
c) M&Aによる事業拡大
相乗効果が高いと判断される企業への積極的なM&Aを実施する。
(2) 土木建設
社会インフラ・ストック市場の補修・改修工事関連の取り込みを強化して、売上高33,000百万円(同20.7%増)、営業利益2,400百万円(同22.5%増)を目指す。重要施策として以下の3つを遂行する。
a) 関係会社間の連携強化
「コニシ」と「ボンドエンジニアリング」との協業で、新製品・新工法を開発する。また角丸建設の土木分野(現在30%程度)への参入を推進するため、「ボンドエンジニアリング」との連携を強化する。
b) シーリング材のシェア拡大
比較的他社のシェアが高い「新築分野」を強化するため、「開発グループ」を設置し、新築分野の開拓を強化する。これにより、シーリング材でのトップシェアを目指す。
c) M&Aによる事業拡大
土木建設工事や土木建設材料などに関連する企業への積極的なM&Aを実施する。
(3) 化成品
構造改革の推進を強化し、売上高62,000百万円(同17.1%増)、営業利益900百万円(同35.8%増)を目指す。重要施策としては以下の2つを遂行する。
a) 材料科学研究所へテーマ創出
前期に「基礎研究所」を廃止し、新たに「材料科学研究所」を設立した。この研究所では、化成品部門からのテーマを受けて接着剤にとらわれない開発を推進する。また大学との共同研究を行い、高付加価値製品の開発を目指す。
b) 新規商材、新規顧客の開拓を強化
成長分野(自動車、電子電機)への深耕開拓を進める一方で、新規商材(害虫忌避商材など)の拡販を強化する。
3. 主要な投資案件
(1) 製造設備増強(約2,500百万円)
a) コニシレミンドベトナム:製造釜の増設(生産能力200t→400t/月)。これにより東南アジアエリアの販売を強化
b) ウォールボンド工業:「壁装用接着剤」製造設備の新設(滋賀)。西日本エリアの生産拠点にする
c) サンライズ:栃木工場(シーリング材)新設。東日本エリアの生産拠点にする
(2) 関東営業拠点の再構築(約2,000百万円)
浦和工場跡地に浦和事業所(仮称)を新設、東京本社から大部分を移転する予定。(2019年秋頃完成予定)
(3) 物流機能の充実(約1,800百万円)
自動コンテナ倉庫の建設(滋賀)、自動ラック危険物倉庫の建設(栃木)、サンライズ栃木物流倉庫の建設などを予定している。
(4) 製品運送の自社配送化(約300百万円)
KB LINE(ボンド物流連結子会社)を活用して、物流センター間の配送、グループ各社の製品配送を開始する。これによって今後ボンド製品の自社配送化を推進する。
(5) 新基幹システムの導入(約700百万円)
販売・生産・物流間システムの効率化と顧客サービスの向上を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<TN>
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