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コニシのニュース
■業績動向
1. 2018年3月期の業績概要
(1) 損益状況
コニシ<4956>の2018年3月期の業績は、売上高128,492百万円(前期比5.9%増)、営業利益7,238百万円(同5.9%増)、経常利益7,331百万円(同6.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,619百万円(同5.3%増)となった。売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも過去最高となった。また経常利益、同利益率、ROEは中期経営計画の目標を上回った。セグメント別ではすべてのセグメントで増収となり、ボンドセグメントだけが微減益となったが、原材料費の上昇による部分が大きく、結果としては好調な決算だったと言える。
営業利益の増減要因を見ると、マイナス要因としては販管費の増加602百万円、製品価格の下落185百万円、原材料価格の高騰250百万円等があったが、プラス要因としては、工場経費の減少69百万円、売上増加による利益増1,369百万円があり、結果として前期比で402百万円の増加となった。販管費の増加分のセグメント別内訳では、土木建設部門が602百万円の増加となったが、この内約半分(300百万円強)が角丸建設買収に関連したもの(取得費用やのれん代)となっている。
(2) 財務状況
2018年3月期の財務状況は、流動資産は前期末比で10,964百万円増加し76,062百万円となった。主に現金・預金の増加7,390百万円、売上債権の増加1,629百万円、たな卸資産の増加384百万円による。固定資産は前期末比で1,056百万円増加し27,970百万円となったが、主に設備廃棄等による有形固定資産の減少387百万円、M&Aに伴うのれんの増加による無形固定資産の増加670百万円、投資その他の資産の増加772百万円による。その結果、資産合計は104,033百万円(前期末比11,021百万円増)となった。
負債合計は、45,116百万円(同7,028百万円増)となったが、主に仕入債務の増加4,568百万円、1年内返済予定の長期借入金を含む短期借入金の増加644百万円、長期借入金の増加962百万円等による。また、純資産合計は、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加3,704百万円等から58,916百万円(同3,992百万円増)となった。
(3) キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは8,962百万円の収入であったが、主な収入は税金等調整前当期純利益の計上7,283百万円、減価償却費1,839百万円、仕入債務の増加4,545百万円、たな卸資産の増加280百万円、主な支出は売上債権の増加2,007百万円による。投資活動によるキャッシュ・フローは1,734百万円の支出であったが、主に有形固定資産の取得による支出1,476百万円、角丸建設の株式取得による支出2,828百万円等による。財務活動によるキャッシュ・フローは7百万円の収入であったが、主な収入は借入金の増加1,605百万円、主な支出は自己株式の取得624百万円、配当金の支払い915百万円による。
以上から2018年3月期の現金及び現金同等物は7,252百万円増加し、期末残高は18,293百万円となった。
主力のボンド事業は住関連用や産業資材用を中心に堅調な推移
2. 2018年3月期のセグメント別状況
(1) ボンド事業
セグメント売上高は48,086百万円(前期比2.5%増)、同営業利益は4,559百万円(同1.6%減)となった。販売数量増があったものの原材料価格の高騰があり営業利益はわずかだが減益となった。業界別の売上高及び状況は以下のようであった。なお2018年3月期から、コニシ本体の土木建設用接着剤は土木建設事業に組み換えられている。
a) コニシ 一般家庭用:売上高6,396百万円(同0.5%減)
CVS向けや「100均」向けが競争の激化もあり前年並みにとどまった。また、これまで増収をけん引してきた手芸や裁縫に使われる「ボンド 裁ほう上手」の伸びも一巡したことから売上高は前期比で微減となった。
b) コニシ 住宅関連用:売上高21,869百万円(同3.1%増)
住宅着工減の影響を受けたが、タイル用、床施工用接着剤などの新規採用が貢献し増収を確保した。
c) コニシ 産業資材用:売上高6,824百万円(同4.9%増)
主な製品は、紙管・製袋用途向け水性エマルジョン形接着剤、パネル用途向けウレタン系接着剤、自動車関連産業向け離型剤、産業用ホットメルト系接着剤などだが、特に以前から拡販に注力してきた紙関連、パネル用、電子材料用などが好調に推移して増収となった。
d) ウォールボンド工業(旧矢沢化学工業):売上高2,607百万円(同1.8%増)
主要製品は壁紙用接着剤であることから、100%が住宅関連である。既存製品に加えてコニシ本体向けのOEM製品が好調に推移したことから増収を達成した。
e) サンライズ:売上高8,490百万円(同2.4%増)
ここでも売上高の大部分を占める住宅関連がやや不振(特に下半期)であったが、コニシルートでの販売増、自動車シール材が好調であったことなどから増収となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<TN>
1. 2018年3月期の業績概要
(1) 損益状況
コニシ<4956>の2018年3月期の業績は、売上高128,492百万円(前期比5.9%増)、営業利益7,238百万円(同5.9%増)、経常利益7,331百万円(同6.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,619百万円(同5.3%増)となった。売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも過去最高となった。また経常利益、同利益率、ROEは中期経営計画の目標を上回った。セグメント別ではすべてのセグメントで増収となり、ボンドセグメントだけが微減益となったが、原材料費の上昇による部分が大きく、結果としては好調な決算だったと言える。
営業利益の増減要因を見ると、マイナス要因としては販管費の増加602百万円、製品価格の下落185百万円、原材料価格の高騰250百万円等があったが、プラス要因としては、工場経費の減少69百万円、売上増加による利益増1,369百万円があり、結果として前期比で402百万円の増加となった。販管費の増加分のセグメント別内訳では、土木建設部門が602百万円の増加となったが、この内約半分(300百万円強)が角丸建設買収に関連したもの(取得費用やのれん代)となっている。
(2) 財務状況
2018年3月期の財務状況は、流動資産は前期末比で10,964百万円増加し76,062百万円となった。主に現金・預金の増加7,390百万円、売上債権の増加1,629百万円、たな卸資産の増加384百万円による。固定資産は前期末比で1,056百万円増加し27,970百万円となったが、主に設備廃棄等による有形固定資産の減少387百万円、M&Aに伴うのれんの増加による無形固定資産の増加670百万円、投資その他の資産の増加772百万円による。その結果、資産合計は104,033百万円(前期末比11,021百万円増)となった。
負債合計は、45,116百万円(同7,028百万円増)となったが、主に仕入債務の増加4,568百万円、1年内返済予定の長期借入金を含む短期借入金の増加644百万円、長期借入金の増加962百万円等による。また、純資産合計は、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加3,704百万円等から58,916百万円(同3,992百万円増)となった。
(3) キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは8,962百万円の収入であったが、主な収入は税金等調整前当期純利益の計上7,283百万円、減価償却費1,839百万円、仕入債務の増加4,545百万円、たな卸資産の増加280百万円、主な支出は売上債権の増加2,007百万円による。投資活動によるキャッシュ・フローは1,734百万円の支出であったが、主に有形固定資産の取得による支出1,476百万円、角丸建設の株式取得による支出2,828百万円等による。財務活動によるキャッシュ・フローは7百万円の収入であったが、主な収入は借入金の増加1,605百万円、主な支出は自己株式の取得624百万円、配当金の支払い915百万円による。
以上から2018年3月期の現金及び現金同等物は7,252百万円増加し、期末残高は18,293百万円となった。
主力のボンド事業は住関連用や産業資材用を中心に堅調な推移
2. 2018年3月期のセグメント別状況
(1) ボンド事業
セグメント売上高は48,086百万円(前期比2.5%増)、同営業利益は4,559百万円(同1.6%減)となった。販売数量増があったものの原材料価格の高騰があり営業利益はわずかだが減益となった。業界別の売上高及び状況は以下のようであった。なお2018年3月期から、コニシ本体の土木建設用接着剤は土木建設事業に組み換えられている。
a) コニシ 一般家庭用:売上高6,396百万円(同0.5%減)
CVS向けや「100均」向けが競争の激化もあり前年並みにとどまった。また、これまで増収をけん引してきた手芸や裁縫に使われる「ボンド 裁ほう上手」の伸びも一巡したことから売上高は前期比で微減となった。
b) コニシ 住宅関連用:売上高21,869百万円(同3.1%増)
住宅着工減の影響を受けたが、タイル用、床施工用接着剤などの新規採用が貢献し増収を確保した。
c) コニシ 産業資材用:売上高6,824百万円(同4.9%増)
主な製品は、紙管・製袋用途向け水性エマルジョン形接着剤、パネル用途向けウレタン系接着剤、自動車関連産業向け離型剤、産業用ホットメルト系接着剤などだが、特に以前から拡販に注力してきた紙関連、パネル用、電子材料用などが好調に推移して増収となった。
d) ウォールボンド工業(旧矢沢化学工業):売上高2,607百万円(同1.8%増)
主要製品は壁紙用接着剤であることから、100%が住宅関連である。既存製品に加えてコニシ本体向けのOEM製品が好調に推移したことから増収を達成した。
e) サンライズ:売上高8,490百万円(同2.4%増)
ここでも売上高の大部分を占める住宅関連がやや不振(特に下半期)であったが、コニシルートでの販売増、自動車シール材が好調であったことなどから増収となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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