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ライオンのニュース
■会社概要
1. 事業内容
トライステージ<2178>の事業は「ダイレクトマーケティング支援事業」「DM事業」「海外事業」「通販事業」「その他事業」の5つの事業セグメントで構成されている。2019年2月期第2四半期累計の売上構成比で見ると、「ダイレクトマーケティング支援事業」が59.3%を占めており、次いで「DM事業」が33.8%で、これら2事業で全体の9割超を占めている。一方、セグメント利益の構成比で見ると、「ダイレクトマーケティング支援事業」で利益の大半を占めており、「海外事業」や「通販事業」に関してはまだ先行投資段階で赤字事業となっている。なお、グループ連結子会社は2018年8月末で7社(国内4社、海外3社)、持分法適用関連会社1社の構成となっている。
(1) ダイレクトマーケティング支援事業
ダイレクトマーケティング支援事業は、同社で展開するテレビ事業と子会社のアドフレックスで展開するWeb事業が含まれる。テレビ事業は通販事業者に対して主にテレビ通販番組枠やCM枠の提供、販売戦略のプランニング、番組の制作、商品の受注(コールセンターの斡旋)、放送後の効果分析や物流・決済、顧客管理に至るまで、ダイレクトマーケティング(通信販売)で必要なあらゆるサービスをワンストップで提供している。
テレビ通販の放送枠に占める同社のシェアは2割強とトップを維持しており、媒体別売上構成比で見ると地上波で約6割、BS放送で約3割、その他(CATV、CS)で約1割となっている。また、同事業における継続的な顧客数は120社程度で、このうち上位5社で売上高の5割近くを占めている。なかでも主要顧客は(株)インフォマーシャルデザイン((株)富山常備薬グループ)、キューサイ(株)の2社で、合わせてテレビ事業の3割強の売上構成比を占めている。また、顧客の業種別売上構成比で見ると、健康食品が5割、美容(化粧品)が2割、生活雑貨・その他業種が3割となっている。ここ最近は会員誘導型企業(スポーツジムなど)や不動産投資、通信教育サービスなど新規業種・顧客の開拓にも注力している。同社は大手顧客の売上高を維持しつつ、それ以下の既存顧客の育成と新規顧客の開拓に取り組むことで安定的に売上げを拡大していく戦略を推進している。
一方、Web事業ではダイレクトマーケティングを行う企業に対してインターネット広告サービスやマーケティング支援サービスを展開しており、主要顧客はライオン<4912>が挙げられる。
(2) DM事業
DM事業は、2012年11月に子会社化したメールカスタマーセンター(株)(以下、MCC)の事業となる。顧客企業が発送するパンフレットやカタログなど軽量物を封入したダイレクトメールの発送代行サービスを主に行っている。顧客企業数は子会社化当時の約500社から2018年2月期末は700社弱まで拡大している。日本郵便(株)(日本郵政<6178>)の「ゆうメール」やヤマト運輸(株)(ヤマトホールディングス<9064>)の「クロネコDM便」を利用し、大口割引適用を受けることによって顧客企業の発送コスト削減を実現している。東京本社のほか、札幌、新潟、名古屋、大阪、福岡の6拠点で営業展開している。
発送代行業務は参入企業も多く付加価値が低いため、顧客との直接取引比率の向上(現在は大半が代理店経由)や、上流工程である企画、DM制作、印刷、発送物の封入作業などに事業領域を拡大していくことで、収益力の向上を目指している。なお、ダイレクトメール発送代行の業界では(株)アド・ダイセン、DMSと並びトップシェアになっている。
(3) 海外事業
海外事業には、同社の海外事業と2017年2月期第3四半期に子会社化したシンガポールのJML Singapore Pte. Ltd.(以下、JML)、同第4四半期に子会社化したインドネシアのPT. Merdis International(以下、Merdis)、2018年2月期第2四半期にタイで新設したTri-Stage Merchandising (Thailand) Co., Ltd.(以下、TSM)の事業が含まれる。
JMLはシンガポールで主に健康器具や雑貨のテレビ通販事業を展開しているほか、ASEAN最大手のスーパーマーケットやドラッグストア等へのリテール卸、EC事業なども行っている。販売国としてはシンガポールのほか2012年に香港、2015年にマレーシアに進出している。また、Merdisはインドネシアのテレビショッピングチャンネル向けに、主に韓国の美容・雑貨商品の輸入販売を行っている。TSMはタイ国内でテレビ通販市場を含むリテール市場の動向分析を行いながら、日本製商品のマーチャンダイジングとセールス・マーケティング、ロジスティック業務を行う目的で設立された。商品の提供先はタイで最大のテレビ通販事業会社であり、同社の持分法適用関連会社でもあるTV Directとなり、日本製商品だけでなくMerdisを通じて韓国製商品の卸販売も行っている。
(4) 通販事業
2017年3月より子会社の(株)日本ヘルスケアアドバイザーズ(以下、NHA)で、一般用漢方製剤等の通信販売事業を開始している。取扱商品は、頻尿や更年期障害等の改善が期待される日本製にこだわった漢方薬やサプリメントなどで、薬剤師等の有資格者がコールセンターのオペレーターとしてカウンセリングを実施しながら販売しているのが特徴となっている。新聞広告やラジオ広告のほか、現在はテレビを使った広告展開も行っている。
同事業を開始した目的は、ダイレクトマーケティングの中でもリテンション領域(既存顧客への販売)での顧客提案力を強化することにある。健康食品やサプリメント等を手掛ける通販企業にとって最も重要な課題は、新規獲得した顧客をいかにリピート顧客として継続していくことができるかという点にあり、そのためにはリテンション領域でのマーケティング戦略が重要となる。同社は実際に自社グループで通販事業を行い、顧客データベースの管理・構築や顧客ニーズの吸収、リピート率の向上施策等のノウハウを蓄積することで、将来的にダイレクトマーケティング支援事業における提案力を向上し、顧客数と売上高の拡大を目指している。
(5) その他事業
その他事業としては、2016年3月に子会社化した(株)日本百貨店の事業が含まれる。日本百貨店では日本各地の特産品や名産品、雑貨等を取り扱う店舗「日本百貨店」を東京都、神奈川県に合わせて7店舗出店しているほか、2016年7月にオンラインストア「日本百貨店おんらいん」もオープンしている。また、2017年からは香港のデパートに工芸品等の卸売を開始したほか、沖縄県最大級の流通企業であるリウボウグループと業務提携し、同グループの店舗を通じて日本百貨店の商品の販売を開始している。さらに、2018年5月には東京・丸の内に同社にとって初の飲食事業となる「日本百貨店さかば」をオープンしている。同店舗は香川県丸亀市と静岡県西伊豆町の2つの自治体との広域連携事業で、新たな試みとして注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<MH>
1. 事業内容
トライステージ<2178>の事業は「ダイレクトマーケティング支援事業」「DM事業」「海外事業」「通販事業」「その他事業」の5つの事業セグメントで構成されている。2019年2月期第2四半期累計の売上構成比で見ると、「ダイレクトマーケティング支援事業」が59.3%を占めており、次いで「DM事業」が33.8%で、これら2事業で全体の9割超を占めている。一方、セグメント利益の構成比で見ると、「ダイレクトマーケティング支援事業」で利益の大半を占めており、「海外事業」や「通販事業」に関してはまだ先行投資段階で赤字事業となっている。なお、グループ連結子会社は2018年8月末で7社(国内4社、海外3社)、持分法適用関連会社1社の構成となっている。
(1) ダイレクトマーケティング支援事業
ダイレクトマーケティング支援事業は、同社で展開するテレビ事業と子会社のアドフレックスで展開するWeb事業が含まれる。テレビ事業は通販事業者に対して主にテレビ通販番組枠やCM枠の提供、販売戦略のプランニング、番組の制作、商品の受注(コールセンターの斡旋)、放送後の効果分析や物流・決済、顧客管理に至るまで、ダイレクトマーケティング(通信販売)で必要なあらゆるサービスをワンストップで提供している。
テレビ通販の放送枠に占める同社のシェアは2割強とトップを維持しており、媒体別売上構成比で見ると地上波で約6割、BS放送で約3割、その他(CATV、CS)で約1割となっている。また、同事業における継続的な顧客数は120社程度で、このうち上位5社で売上高の5割近くを占めている。なかでも主要顧客は(株)インフォマーシャルデザイン((株)富山常備薬グループ)、キューサイ(株)の2社で、合わせてテレビ事業の3割強の売上構成比を占めている。また、顧客の業種別売上構成比で見ると、健康食品が5割、美容(化粧品)が2割、生活雑貨・その他業種が3割となっている。ここ最近は会員誘導型企業(スポーツジムなど)や不動産投資、通信教育サービスなど新規業種・顧客の開拓にも注力している。同社は大手顧客の売上高を維持しつつ、それ以下の既存顧客の育成と新規顧客の開拓に取り組むことで安定的に売上げを拡大していく戦略を推進している。
一方、Web事業ではダイレクトマーケティングを行う企業に対してインターネット広告サービスやマーケティング支援サービスを展開しており、主要顧客はライオン<4912>が挙げられる。
(2) DM事業
DM事業は、2012年11月に子会社化したメールカスタマーセンター(株)(以下、MCC)の事業となる。顧客企業が発送するパンフレットやカタログなど軽量物を封入したダイレクトメールの発送代行サービスを主に行っている。顧客企業数は子会社化当時の約500社から2018年2月期末は700社弱まで拡大している。日本郵便(株)(日本郵政<6178>)の「ゆうメール」やヤマト運輸(株)(ヤマトホールディングス<9064>)の「クロネコDM便」を利用し、大口割引適用を受けることによって顧客企業の発送コスト削減を実現している。東京本社のほか、札幌、新潟、名古屋、大阪、福岡の6拠点で営業展開している。
発送代行業務は参入企業も多く付加価値が低いため、顧客との直接取引比率の向上(現在は大半が代理店経由)や、上流工程である企画、DM制作、印刷、発送物の封入作業などに事業領域を拡大していくことで、収益力の向上を目指している。なお、ダイレクトメール発送代行の業界では(株)アド・ダイセン、DMSと並びトップシェアになっている。
(3) 海外事業
海外事業には、同社の海外事業と2017年2月期第3四半期に子会社化したシンガポールのJML Singapore Pte. Ltd.(以下、JML)、同第4四半期に子会社化したインドネシアのPT. Merdis International(以下、Merdis)、2018年2月期第2四半期にタイで新設したTri-Stage Merchandising (Thailand) Co., Ltd.(以下、TSM)の事業が含まれる。
JMLはシンガポールで主に健康器具や雑貨のテレビ通販事業を展開しているほか、ASEAN最大手のスーパーマーケットやドラッグストア等へのリテール卸、EC事業なども行っている。販売国としてはシンガポールのほか2012年に香港、2015年にマレーシアに進出している。また、Merdisはインドネシアのテレビショッピングチャンネル向けに、主に韓国の美容・雑貨商品の輸入販売を行っている。TSMはタイ国内でテレビ通販市場を含むリテール市場の動向分析を行いながら、日本製商品のマーチャンダイジングとセールス・マーケティング、ロジスティック業務を行う目的で設立された。商品の提供先はタイで最大のテレビ通販事業会社であり、同社の持分法適用関連会社でもあるTV Directとなり、日本製商品だけでなくMerdisを通じて韓国製商品の卸販売も行っている。
(4) 通販事業
2017年3月より子会社の(株)日本ヘルスケアアドバイザーズ(以下、NHA)で、一般用漢方製剤等の通信販売事業を開始している。取扱商品は、頻尿や更年期障害等の改善が期待される日本製にこだわった漢方薬やサプリメントなどで、薬剤師等の有資格者がコールセンターのオペレーターとしてカウンセリングを実施しながら販売しているのが特徴となっている。新聞広告やラジオ広告のほか、現在はテレビを使った広告展開も行っている。
同事業を開始した目的は、ダイレクトマーケティングの中でもリテンション領域(既存顧客への販売)での顧客提案力を強化することにある。健康食品やサプリメント等を手掛ける通販企業にとって最も重要な課題は、新規獲得した顧客をいかにリピート顧客として継続していくことができるかという点にあり、そのためにはリテンション領域でのマーケティング戦略が重要となる。同社は実際に自社グループで通販事業を行い、顧客データベースの管理・構築や顧客ニーズの吸収、リピート率の向上施策等のノウハウを蓄積することで、将来的にダイレクトマーケティング支援事業における提案力を向上し、顧客数と売上高の拡大を目指している。
(5) その他事業
その他事業としては、2016年3月に子会社化した(株)日本百貨店の事業が含まれる。日本百貨店では日本各地の特産品や名産品、雑貨等を取り扱う店舗「日本百貨店」を東京都、神奈川県に合わせて7店舗出店しているほか、2016年7月にオンラインストア「日本百貨店おんらいん」もオープンしている。また、2017年からは香港のデパートに工芸品等の卸売を開始したほか、沖縄県最大級の流通企業であるリウボウグループと業務提携し、同グループの店舗を通じて日本百貨店の商品の販売を開始している。さらに、2018年5月には東京・丸の内に同社にとって初の飲食事業となる「日本百貨店さかば」をオープンしている。同店舗は香川県丸亀市と静岡県西伊豆町の2つの自治体との広域連携事業で、新たな試みとして注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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