958円
イーエムシステムズのニュース
■要約
4. 中長期の成長戦略・トピック
新型コロナウイルスはEMシステムズ<4820>の事業に様々な影響をもたらしている。当社では、現時点(2020年5月末)で、総合的には同社業績へのインパクトは軽微であると見込んでいる。顧客業界の変化に関しては、調剤薬局で来局数の減少と処方の長期化による処方箋枚数の減少が発生している。クリニックでは、一部の診療科目で受診を控える動きがあるのに加え、新規開業の延期が発生しており、結果としてシステム投資も延期される。介護/福祉施設においては、主に通所介護や短期入所生活介護施設において臨時休業が増加した。しかし、総じて言えば、同社の顧客業界はコロナ禍において必要不可欠な業種であり、一部で休業や利用者減などの影響はあったものの、他の業種との相対的な比較ではマイナスの影響は小さかったと言えるだろう。むしろ、経営圧迫要因が増えたために、業務効率化の重要性は増しているとも考えられる。
顧客接点においても新型コロナウイルスは様々な影響を及ぼしている。同社の取引先の大部分が休業要請対象外であるものの、対面による営業活動が顧客サイドからの要望により断られるケースが増加している。また、従来有力なマーケティング活動であった学会・展示/商談会が延期されており、対面による各製品のPR機会が減少している。一方で、同社はWebや電話を活用した営業活動を以前から準備してきた。マーケティングにおいても、「MAPsシリーズ」のリリースと並行して、Web上での顧客向け体験企画・マーケティング活動「オンラインデモンストレーション」や顧客向けにシステムの構成や比較・検討用ツール「MAPs ダイレクト」などを準備してきており、非対面手法での補完が十分できる体制にある。そもそも「MAPsシリーズ」の設計思想は、顧客にセルフで選定してもらい、導入・設定してもらうというものであり、時流は追い風である。新型コロナウイルスの影響で、営業手法の見直しが加速化されるという面も見出すことができる。
5. 株主還元策
同社は株主に対する利益還元を経営上の重要課題の1つとして考えている。将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、時局に即応した配当を還元していくこと、そして株主への機動的な利益還元を可能とするため、毎事業年度において中間配当と期末配当の年2回、剰余金の配当を行うことを基本方針としている。具体的には、ROE(自己資本当期純利益率)を重視しつつ配当性向30%を目標とする。2020年3月期の配当金は、中間配当4円(株式分割修正後)、期末配当が6円、合計10円(0.5円の増配)となった。配当性向は50.7%である。2020年3月期は「完全ストック型・完全クラウド化」に向けた構造改革の最中であり、利益水準が一時的に落ちるが配当金を維持し、安定した株主還元を行った。なお、2020年12月期の配当金は、中間配当4円、期末配当6円、合計10円を予定している。
■Key Points
・医科・調剤・介護/福祉システム間で三位一体の情報連携可能なシステムを提供するオンリーワン企業
・現金及び預金は87億円と余裕あり。無借金経営に近く極めて高い財務の安全性
・2020年12月期は決算期変更により9ヶ月間。「MAPsシリーズ(医科・調剤)」の本格展開により完全ストック型ビジネスへの切り替え加速
・ 新型コロナウイルスの同社業績への影響は軽微な見込み。次世代戦略サービス「MAPsシリーズ(医科、調剤)」の本格展開が始まり、2020年12月期中に介護/福祉版がそろう計画
・2020年3月期は配当金年間10円(0.5円増配、株式分割後換算)。構造改革の最中も安定配当を維持
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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4. 中長期の成長戦略・トピック
新型コロナウイルスはEMシステムズ<4820>の事業に様々な影響をもたらしている。当社では、現時点(2020年5月末)で、総合的には同社業績へのインパクトは軽微であると見込んでいる。顧客業界の変化に関しては、調剤薬局で来局数の減少と処方の長期化による処方箋枚数の減少が発生している。クリニックでは、一部の診療科目で受診を控える動きがあるのに加え、新規開業の延期が発生しており、結果としてシステム投資も延期される。介護/福祉施設においては、主に通所介護や短期入所生活介護施設において臨時休業が増加した。しかし、総じて言えば、同社の顧客業界はコロナ禍において必要不可欠な業種であり、一部で休業や利用者減などの影響はあったものの、他の業種との相対的な比較ではマイナスの影響は小さかったと言えるだろう。むしろ、経営圧迫要因が増えたために、業務効率化の重要性は増しているとも考えられる。
顧客接点においても新型コロナウイルスは様々な影響を及ぼしている。同社の取引先の大部分が休業要請対象外であるものの、対面による営業活動が顧客サイドからの要望により断られるケースが増加している。また、従来有力なマーケティング活動であった学会・展示/商談会が延期されており、対面による各製品のPR機会が減少している。一方で、同社はWebや電話を活用した営業活動を以前から準備してきた。マーケティングにおいても、「MAPsシリーズ」のリリースと並行して、Web上での顧客向け体験企画・マーケティング活動「オンラインデモンストレーション」や顧客向けにシステムの構成や比較・検討用ツール「MAPs ダイレクト」などを準備してきており、非対面手法での補完が十分できる体制にある。そもそも「MAPsシリーズ」の設計思想は、顧客にセルフで選定してもらい、導入・設定してもらうというものであり、時流は追い風である。新型コロナウイルスの影響で、営業手法の見直しが加速化されるという面も見出すことができる。
5. 株主還元策
同社は株主に対する利益還元を経営上の重要課題の1つとして考えている。将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、時局に即応した配当を還元していくこと、そして株主への機動的な利益還元を可能とするため、毎事業年度において中間配当と期末配当の年2回、剰余金の配当を行うことを基本方針としている。具体的には、ROE(自己資本当期純利益率)を重視しつつ配当性向30%を目標とする。2020年3月期の配当金は、中間配当4円(株式分割修正後)、期末配当が6円、合計10円(0.5円の増配)となった。配当性向は50.7%である。2020年3月期は「完全ストック型・完全クラウド化」に向けた構造改革の最中であり、利益水準が一時的に落ちるが配当金を維持し、安定した株主還元を行った。なお、2020年12月期の配当金は、中間配当4円、期末配当6円、合計10円を予定している。
■Key Points
・医科・調剤・介護/福祉システム間で三位一体の情報連携可能なシステムを提供するオンリーワン企業
・現金及び預金は87億円と余裕あり。無借金経営に近く極めて高い財務の安全性
・2020年12月期は決算期変更により9ヶ月間。「MAPsシリーズ(医科・調剤)」の本格展開により完全ストック型ビジネスへの切り替え加速
・ 新型コロナウイルスの同社業績への影響は軽微な見込み。次世代戦略サービス「MAPsシリーズ(医科、調剤)」の本格展開が始まり、2020年12月期中に介護/福祉版がそろう計画
・2020年3月期は配当金年間10円(0.5円増配、株式分割後換算)。構造改革の最中も安定配当を維持
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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