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新興市場見通し:上値抑え要因あるが「仕込み」の好機?IPOは一挙7社

配信元:フィスコ
投稿:2021/09/25 14:18
今週の新興市場では、マザーズ指数が2週連続の下落となったものの、下落率は小幅にとどまった。9月21日、22日と中国恒大集団の債務問題や米金融政策への警戒感から国内外の株式相場が軟調で、新興株も売りが先行する展開となった。ただ、マザーズ指数は1120pt前後に位置していた25日移動平均線水準で下げ渋り、引き続き押し目買い需要の根強さを感じさせた。祝日明けの24日には外部環境への不安が和らぎ、マザーズ指数は日経平均以上に大きく値を戻した。なお、週間の騰落率は、日経平均が-0.8%であったのに対して、マザーズ指数は-0.1%、日経ジャスダック平均は+0.1%だった。

個別では、メルカリ<4385>が週間で2.0%高、フリー<4478>が同3.9%高となったが、JMDC<4483>が同2.6%安となるなどマザーズ時価総額上位はまちまち。売買代金上位ではHENNGE<4475>が週末に急伸した。また、ハイアス・アンド・カンパニー<6192>インティメート・マージャー<7072>が週間のマザーズ上昇率上位に、グローバルウェイ<3936>やBirdman<7063>が下落率上位にそれぞれ顔を出した。インテMは相次ぐリリースが買い材料視され、グローバルWとBirdmanは信用取引の規制措置が強化された。ジャスダック主力は東映アニメーション<4816>が同2.5%安、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同5.8%安と全般軟調だったが、ワークマン<7564>は同1.6%高となった。日本エマージェンシーアシスタンス<6063>は受託事業の契約金額増加で週間のジャスダック上昇率トップ。フェローテックHD<6890>やウエストHD<1407>は利益確定売り優勢だった。IPOでは、東証1部上場のシンプレクス・HD<4373>が公開価格をやや上回る初値を付け、初日はストップ高水準で取引を終えた。マザーズ上場の3社は堅調な初値で、コアコンセプト・テクノロジー<4371>は公開価格のおよそ2倍となった。

来週の新興市場では、今週までの過度な警戒感こそ和らいだものの、引き続き中国恒大問題がくすぶるほか、米長期金利の上昇傾向なども上値の重しとなる可能性がある。もっとも国内外投資家の買い需要は根強く、再度上値を試す場面に向けての仕込み時との位置付けになりそうだ。短期の値幅取り目的の投資家は小型の材料株、あるいはIPOの多い週となるため、それら新規上場銘柄の取引が中心となるだろう。

HENNGEは海外機関投資家の買い観測と戻り歩調が続く。BASE<4477>も上値こそ重いが、個人・機関投資家双方の買いが下値を支えているようだ。なお、来週は9月30日に識学<7049>フィードフォースグループ<7068>などが決算発表を予定している。29日には自民党総裁選の投開票が予定されているが、混戦が意識されているだけに、新総裁決定とともにその主張に沿った物色が活発となりそうだ。

IPO関連では、9月28日に4社、29日に2社、30日に1社の計7社が新規上場する。29日のセーフィー<4375>は監視カメラシステムの有力スタートアップ企業として知られ、公開規模こそ大きいが、ブックビルディングでは海外投資家の旺盛な需要が観測された。全般に「初値トレード」が活発化しているものの、投資資金の足の速さには注意する必要があるだろう。なお、今週はCINC<4378>(10月26日、マザーズ)の新規上場が発表されている。


<FA>
配信元: フィスコ
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