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テー・オー・ダブリューのニュース
―政府は人数制限の上限取り払う、業績上方修正や好業績見通しの発表相次ぐ―
エンターテインメント市場にようやく復活の光が当たり始めた。年初から急拡大した新型コロナウイルスの感染は2月上旬をピークに収束傾向をたどり、3月22日にはまん延防止等重点措置も全面解除された。政府は感染リスク低減と経済活動の維持を両立させていく考えを示しており、イベント制限については人数上限を撤廃している。ここ株式市場では米金融政策やウクライナ情勢に振り回される状況だが、ウィズコロナの流れはこうしたものとは別次元で進んでおり、これを追い風とするリオープン銘柄の魅力は相対的に高まっている。なかでも業績の回復基調が鮮明な イベント関連株はロングランに狙えそうだ。
●イベント制限撤廃、象徴株セレスポは急騰
重点措置の解除に先立ち、政府は17日に新型コロナ対策の指針となる基本的対処方針を改定した。なかで経済社会活動に関して、これまでの「極力継続できる環境を作り、安全・安心を確保していく」から「正常化を図っていく」とし、ウィズコロナの姿勢を明確にした。重点措置区域における各種規制も緩和しており、イベント開催制限に関しては2万人とする人数上限を収容定員までとしている。
コロナ禍の影響を大きく受けてきたイベント業界にとって、今回の政府方針は強力な追い風として意識されることになりそうだ。先行き視界が一気に晴れ渡るなか、株式市場ではイベント関連株の業績上方修正や好業績見通しの発表が相次いでおり、同関連株への関心は既に高まりをみせている。例えば象徴株に位置づけられるセレスポ <9625> [JQ]は3月15日に今期業績予想の大幅上方修正を発表し、これを受けて連続ストップ高に買われる人気となった。同社は、政府のイベント制限緩和方針が伝わった10日にもストップ高に買われた経緯がある。総合プロモーション事業大手のフロンティアインターナショナル <7050> [東証M]も直近、今4月期の過去最高業績見通しの開示を受けてストップ高に買われており、今なお上値追いの展開にある。
音楽アーティストのファンサイト運営などを手掛けるSKIYAKI <3995> [東証M]も、前期決算と今期見通しの発表を受けて足もと強調展開を続けている。今23年1月期は、会計基準変更の影響を除いた実質ベースで増収増益を確保する見込みだ。これら3銘柄は直近脚光を浴びたわけだが、一連のイベント関連株のなかには同じく高いポテンシャルを秘めた銘柄がまだ数多く存在している。そうした銘柄群も早晩注目される可能性が高く、いまが買いの好機と捉えることができる。以下、業績復活ステージの最前列で輝く7銘柄をラインアップした。
●リバイバル期待高まる7銘柄
乃村工藝社 <9716> は展示・商業施設向けディスプレーの最大手。東京五輪・パラリンピック関連の案件が大きく貢献し22年2月期第3四半期までの業績は好調で、3月31日には2度目となる通期上方修正を発表。営業利益は従来の減益予想から一転、前の期比11%増となる見通しだ。あわせて、創業130周年記念配当を実施することも明らかにした。同社は3月に国内子会社の再編を実施しており、グループ体制を強化して事業領域の拡大を図る構えにある。来週4月7日に発表予定の2月期本決算が注目される。
丹青社 <9743> は展示ディスプレーの企画・施工大手。戦後に百貨店の店内装飾からスタートし、その後1970年大阪万博でのパビリオンづくりの実績を機に飛躍を遂げた経緯があり、総合ディスプレー業で乃村工芸社と双璧をなす。前22年1月期は新型コロナ感染拡大の影響により業績悪化を余儀なくされたものの、今期は12%増収、営業24%増益を見込んでいる。今後、デジタル技術を活用した空間づくりに対するニーズのほか、都市再開発や大阪・関西万博に関連した需要の増加が追い風となる見通し。
テー・オー・ダブリュー <4767> はイベント制作最大手で、主要顧客に電通・博報堂グループを持つ。21年7-12月期決算では、前年に大型案件があった反動で減収を余儀なくされたが、オンラインを活用したイベント・販促施策の引き合い増やリアルイベントの復調を追い風に営業利益は大幅増。通期の営業利益計画(9億6700万円)に対する進捗率は8割近くにのぼっている。同社は2月にゲーム分野のプロジェクトを立ち上げており、パートナー企業と連携したeスポーツ関連のソリューション提供を始めている。
KeyHolder <4712> [JQ]は芸能プロダクションや映像制作、広告代理店などを手掛ける総合エンタメ企業。2018年に作詞家の秋元康氏を特別顧問に迎えており、同氏がプロデュースするアイドルグループの運営も行っている。前21年12月期業績は、前の期に負ののれん益を計上した反動で営業減益となったものの、売上高の伸びは顕著だ。今期予想については新型コロナの影響を算定することが困難なことから非開示としているが、前期比同等以上の着地を計画しているという。
エムアップホールディングス <3661> はコンテンツ配信が主力のITベンチャーで、アーティストの有料ファンサイト運営に強みを持つ。ライブ配信サービスやグッズのEC販売に注力したことで、コロナ禍においても高成長路線を継続。加えて、足もとイベント再開を追い風にファンサイト会員数も増加に転じており、今期も大幅増収増益で過去最高業績を達成する見込み。同社はVRコンテンツやNFTマーケットプレイスなど新事業の開拓に積極的で、テーマ性は豊富だ。
レイ <4317> [JQ]はイベントやテレビCMなどの映像制作や編集を手掛ける。オンラインを中心としたイベントや展示会 、事務局業務の需要を捉え、業績は順調に回復へ向かっている。2月にはこれまで非開示としていた前22年2月期業績予想を開示し、売上高を前の期比55%増の109億円、営業損益を前の期赤字から黒字転換となる6億7000万円とした。イベントや事務局などの運営に関する大型案件を受注したことが貢献する。
博展 <2173> [JQG]はイベント展示や販促支援を手掛け、自社スタジオを活用したオンライン配信事業やオンライン展示会プラットフォームなども展開している。直近発表した21年4-12月期決算では、緊急事態宣言の解除に伴うリアルイベント分野の売り上げ増加が寄与し36%増収、営業黒字転換で着地した。通期も大幅増収、営業黒字転換の見通しで、2期ぶりの復配を見込んでいる。
株探ニュース
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