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全般こう着のなか、インバウンド関連が買われる

配信元:フィスコ
投稿:2023/08/09 22:06
*22:06JST 全般こう着のなか、インバウンド関連が買われる 日経平均は4営業日ぶりに反落。172.96円安の32204.33円(出来高概算15億9000万株)で取引を終えた。格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスによる米主要銀行の格付け見直しや中小銀の格下げを受け、金融不安への懸念が再燃したことから、リスク回避の動きが広がった。また、日本時間の正午ごろに発表された中国の7月の消費者物価指数(CPI)が0.3%の低下となり、景気先行きへの警戒感から上海や香港市場が下落したことも響き、日経平均は後場中盤には32175.64円まで水準を切り下げる場面もあった。ただ、米国では10日に7月のCPIの発表を控えているだけに、全体としては32200円前後での推移が続いた。

東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄が1000を超え、全体の6割近くを占めた。セクター別では、空運、その他製品、医薬品、鉄鋼など12業種が上昇。一方、鉱業、ゴム製品、機械、銀行など21業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、アドバンテス<6857>、バンナムHD<7832>第一三共<4568>信越化<4063>が堅調だった半面、ダイキン<6367>、ソフトバンクG<9984>、NTTデータ<9613>トレンド<4704>が軟調だった。

前日の米国市場の流れから金融セクターに値を消す銘柄が目立ったほか、決算の結果を受けた明暗がくっきり分かれていた。そのほか、中国政府が「週内にも中国人の日本への団体旅行を解禁する可能性があるとして、中国の旅行会社が準備を進めていることが明らかになった」と民報各社が報じたことから、インバウンド関連にも資金が向かい、相場全般を下支えしていた。ただ、米CPIの発表を控えているほか、翌11日は東京市場が休場となるだけに、一足早く持ち高調整の動きも見られた。

今月に入り日経平均は3%超下落しているが、32000円台などの節目を割り込んでくると、目先の投げが膨らむ可能性がありそうだ。もっとも、SQを控えているほか、本日が決算発表のピークとなることから、全体としては様子見姿勢が強かったとみられる。そのため、米CPIなどの結果や決算ピークが通過した後は、過度な反応を見せていた銘柄を見直す動きなども意識されてきそうだ。

<FA>
配信元: フィスコ
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