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リゾートトラストのニュース
―中間決算発表シーズン入りを前に、業績修正データを活用して上方修正有望株をリストアップ―
23年3月期の中間決算発表が今月下旬から本格化する。決算発表シーズン入りを前に、業績予想を修正する企業が増えており、決算や業績修正へのマーケットの関心が高まりつつある。10月中旬からの1カ月は1年で最も業績修正を発表する企業が集中する期間となる。中間決算発表の本格化を前に、高進捗銘柄をチェックしておきたいところだ。そこで今回は3月期決算企業の中から、第1四半期(4-6月)の実績値が通期計画の何%まで進んだかを表す対通期進捗率が高水準で、業績上方修正が期待できる銘柄を探った。
●先行き不透明感が強く業績見通しは保守的
上場企業の23年3月期第1四半期(4-6月)業績は、原材料価格の高騰など逆風材料が多かったものの、全体としては底堅い決算を示す企業が目立った。急速な円安進行が輸出関連企業の業績に追い風となったほか、新型コロナウイルス感染拡大に伴う行動制限が解除されたことで鉄道や空運の業績が回復するなど、半数以上が経常利益段階で前年実績を上回る結果となった。ただ、世界的なインフレ高進や景気後退への懸念から、足もとの業績が好調でも慎重な姿勢を崩さない企業は多く、第1四半期の好決算を受けて通期予想を上方修正した企業の数は昨年の同時期と比べて半減した。
●業績修正履歴を用いて上振れ候補を抽出
上場企業が算出する業績予想はそれぞれに特徴を持ち、毎年のように保守的な見通しを立てるものがあれば、強気な計画を出し続ける企業もある。業績修正についても、期中に複数回にわたって軌道修正する企業がある一方、期初予想から大きく外れても修正せずにそのまま期末を迎える企業も多くみられる。こうした点を踏まえて業績修正の過去データを分析すると、企業ごとにパターンが浮かび上がってくる。
以下では、業績予想を上方修正する傾向のある企業に注目し、3月期決算企業を対象に、(1)昨年の10月から11月にかけて上方修正した実績がある、(2)22年4-6月期(第1四半期)経常利益の通期計画に対する進捗率が25%以上、(3)同進捗率が過去5年の平均値を上回る、(4)4-6月期の経常利益が前年同期比10%以上増加、といった条件を満たす銘柄をピックアップ。このうち6銘柄を上方修正候補として紹介していく。
●ニチコンはコンデンサー絶好調、上方修正の公算大
ニチコン <6996> [東証P]は世界有数のコンデンサーメーカー。電気自動車(EV)用急速充電器や蓄電システムなど環境関連ビジネスにも注力姿勢をみせる。22年4-6月期業績は産業機器向けを中心に主力とするアルミ電解コンデンサーの増勢が続いたほか、フィルムコンデンサーでは世界で普及が加速するEV向けの旺盛な需要を捉えた。また、脱炭素社会に向けて急速に市場が拡大している家庭用蓄電システムの販売も大きく伸びた。更に、円安を受けて為替差益が大幅に増加し、経常利益は40億4400万円(前年同期の3.8倍)と四半期ベースの過去最高益を達成した。第1四半期実績だけで通期計画に対する進捗率が47%と高水準なうえ、想定為替レートを1ドル=115円と実勢より約30円も円高に設定しており、業績上振れは有力とみられる。
●リゾートトラは収益環境良好、3年連続上方修正なるか
リゾートトラスト <4681> [東証P]は会員制リゾートホテルの国内最大手で、会員権販売やホテル・レストランの運営を手掛けるほか、メディカル事業としてがん検診などの会員制医療サービスや介護付き有料老人ホームも展開している。4-6月期業績は経済活動の再開を受けて、リゾート宿泊需要が新型コロナ感染拡大前を超える水準に高まり、ホテルの稼働率が急回復した。また、健康志向の高まりを背景に、メディカル会員権の販売が好調だったことも収益を押し上げた。政府が今月から全国を対象とした旅行支援策を開始するなど収益環境は良好なうえ、ここ2年連続で11月上旬に通期計画を増額した経緯もあり、上方修正の有力候補としてマークしたい。
●ヨネックスは1Q時に上方修正も一段の上振れ余地
ヨネックス <7906> [東証S]は中国でバドミントン用品の販売が絶好調だ。バドミントン代表チームの活躍などで競技の盛り上がりが継続したことに加え、懸念された主要都市のロックダウンによる影響も限定的にとどまり、高成長トレンドを維持した。また、国内や欧米でスポーツ需要が本格的に回復したことで、4-6月期は売上高236億9400万円(前年同期比46.5%増)、経常利益38億5900万円(同2.8倍)といずれも四半期ベースの過去最高を更新した。好調な業績を踏まえ、早くも23年3月期の通期予想を上方修正したが、第1四半期実績と比べて増額幅が保守的とみられ、一段の上振れが視野に入る。なお、前期は期中に3回にわたって上方修正し、経常利益は期初予想の3.3倍に拡大して着地している。
●太平電は原発関連の好業績株としても注目
太平電業 <1968> [東証P]は火力発電所や原子力発電所をはじめとする プラント建設会社。設備点検などのメンテナンスをもう一方の柱としている。4-6月期業績は、補修工事部門で事業用火力発電や原子力発電の設備工事が増加し、経常利益は39億4300万円(前年同期比12.4%増)に伸びて着地。第1四半期実績だけで通期計画(82億円)に対する進捗率は5割近くに達しており、業績上振れが期待される。同社は原発建設のパイオニアとして、国内で約7割の建設実績を持つ。政府が原発の再稼働や新増設、次世代原発の開発を後押しする姿勢をみせるなか、8月の月間株価は前月末から17%も上昇した。9月は利益確定売りに押されたが、原発活用方針を巡る議論が活発化するなか、今後も折に触れて脚光を浴びることがありそうだ。
●稀元素は円安が追い風、グローバルニッチの強み発揮へ
第一稀元素化学工業 <4082> [東証P]は自動車の排ガス浄化触媒材料などに使われるジルコニウム化合物で世界シェア約40%を握るグローバルニッチトップ企業。4-6月期業績は、長引くサプライチェーンの混乱や自動車減産の影響を受けたものの、為替の急速な円安進行が強力な追い風となり、経常利益29億5700万円(前年同期比70.5%増)と四半期ベースの過去最高を大幅に塗り替えた。原料価格高騰に伴う販売価格の上昇などで売上高がコロナ前を上回る水準を維持するなか、為替差益が急増したことが利益を押し上げた。経常利益は既に中間期計画(27億円)を上回り、対通期計画(48億円)でも進捗率が6割を超える。一方、指標面では予想PER7倍台と割安感が強く、株価の水準訂正余地は大きいとみられる。
●イワキポンプは半導体関連の需要旺盛、指標面には割安感も
イワキ <6237> [東証P]は化学薬品を移送するケミカルポンプメーカーで世界トップクラスのマーケットシェアを誇る。多品種少量生産を強みとし、水処理や半導体関連、医療機器、化学プラント、自動車、食品など幅広い分野で事業展開している。4-6月期は欧米を中心に半導体市場や水処理市場などからの引き合いが強かったほか、持ち分法投資利益や為替差益の増加も寄与し、経常利益は11億5800万円と前年同期の2倍に膨らんだ。第1四半期経常利益の対通期進捗率は33.9%と高い水準に位置しており、上方修正期待は大きい。株価は9月9日に2018年10月以来の高値圏をつけたあと調整局面にあるが、指標面では割安感も出てきており、押し目買い候補として注目したい。
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