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日経平均は3日続落。121.93円安の22183.55円(出来高概算5億4050万株)で前場の取引を終えている。
前週末12日の米国株式相場は反発。ダウ平均は477.37ドル高の25605.54ドル、ナスダックは96.08ポイント高の9588.81ポイントで取引を終了した。6月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値や5月の輸入物価指数が予想を上回ったため景気見通しの改善を好感して大きく上昇して寄り付いた。しかし、アメリカ疾病管理予防センター(CDC)
が、今後ウイルス感染者数が劇的に増加した場合、厳しい予防措置が再び必要になると警告したことが嫌気され、一時下落に転じる局面もあった。引けにかけては押し目買いなどに下値が支えられ再び上昇する値動きの荒い展開となった。
ダウ平均は上昇して取引を終えたが警戒感は完全には払しょくできず、これを受けた東京株式市場は売り先行で始まった。東京都の新規感染者が14日に47人確認され5月5日以来の高水準となったことも株価の重しとなった。
外為市場では朝方は107円50銭台と、先週末12日の午後の水準から20銭ほど円安に振れたが、その後、1ドル=107円10銭台まで円高・ドル安に傾き、株価の上値抑制要因となった。16日と17日に予定されているパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言で、国債の利回りに誘導目標を設ける「イールドカーブ・コントロール(YCC)」採用を示唆するのではないかとの思惑が働いたとの指摘もあった。ただ、今日は企業の決済が集中しやすい「5・10日(ごとおび)」に当たり、輸入企業による円売り・ドル買いも観測され、円の上値は抑えられた。
今日の日経平均は外為市場での円相場を横目で見ながらマイナス圏で一進一退の動きとなった。今日は中国の主要経済統計発表の集中日。午前に発表された5月工業生産高、5月小売売上高、1-5月固定資産投資などは市場予想をやや下回ったが、上海株式市場の反応は限定的だったこともあり、東京市場でも売り材料とはならなかった。
個別では、20年2-4月期連結営業利益が前年同期比2倍の0.48億円となったと発表したSKIYAKI<3995>がストップ高買い気配。また、第3四半期営業益が通期計画を超過したウエスコHD<6091>がストップ高。
その他では、非開示だった21年3月通期連結営業利益が前期比3.3倍の107億円予想と発表した新光電工<6967>、20年2-4月期の連結営業利益は2.82億円で通期予想に対する進捗率が52.2%となったネオジャパン<3921>、20年6月中間期連結営業利益予想を9.4億円から12.04億円予想に上方修正したベース<4481>、19年8月-20年4月期連結営業利益が前年同期比2.5倍の4.83億円となった明豊エンター<8927>、20年5月の売上高が前年同月比19.7%増と4月の同1.8%減から改善したスクロール<8005>などが大幅高となった。19年8月-20年4月期連結営業利益が前年同期比32.3%増と発表したJMホールディングス<3539>、黒鉛電極の価格見通し上方修正などで米系証券が格上げした東海カーボン<5301>も堅調だった。
一方、今期の大幅減益・減配計画が嫌気されたアゼアス<3161>が大幅安。テーマパーク休園の影響などで前期業績が下振れしたサンリオ<8136>、今期の大幅減益見通しに失望売りが先行したHEROZ<4382>なども軟調となった。
セクターでは、鉄鋼、石油石炭製品、倉庫運輸関連、鉱業、水産・農林業などが上昇率上位。一方、空運業、その他金融業、不動産業、サービス業、機械などが下落率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の45%、対して値下がり銘柄は50%となっている。
本日の日経平均は警戒感が残る米国株式相場の市場心理を引き継ぎ安く始まったが、リスクオフモードに大きく傾くことはなくマイナス圏でもみ合いとなった。米国株式市場の値動きが荒くなっているが、金融政策と財政政策が市場の下支え要因となる構図に変化はない。10日のFOMCでは2022年末まで現状のゼロ金利政策を続ける方針が示され、パウエル議長の会見では、国債利回りに一定の上限を設ける「イールドカーブ・コントロール(YCC)」の導入も示唆された。一方、財政出動の効果は、今後、実体経済に反映される公算であることに加え、秋の大統領選挙に向け、さらなる経済対策が打ち出される可能性もあるだろう。
東京市場も、金融政策と財政政策が株価を支える構図は米国と同じだ。金融政策では、15-16日の日銀金融政策決定会合で金融政策の維持を決める公算が大きいとの見方が多いようだ。財政政策では、先週末12日に第2次補正予算が成立した。一般会計の歳出総額は補正予算として過去最大の31兆9114億円。新型コロナウイルス感染再拡大に備え、予備費に10兆円の巨費も積み増した。ワクチン・治療薬の開発支援などにも2055億円を計上した。「最大の経済対策はワクチンの開発だ」という主張をよく耳にする。第2次補正予算成立を受け実際に財政出動となり、ワクチン開発が加速すれば、株式市場にとっては予想を上回る強力な下支え要因となる可能性もありそうだ。株価乱高下に惑わされることなく、市場を取り巻く環境を冷静に判断したい。
さて、後場の東京市場。前場の地合いを引き継ぎ、もみ合いが続きそうだ。米国株がここからさらに大きく下落すると見る向きは多くない。ただ、乱高下が激しい。6月5日以降のダウ平均の前日比当落幅を見ても500ドルを超える日が多い。連日、これだけ大きく振れると、東京市場でも積極的に売り買いがしづらいところ。米国では今晩、6月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数、明日は5月米小売売上高、5月の米鉱工業生産指数・設備稼働率、4月の米企業在庫などが発表される。また明日はパウエルFRB議長の議会証言も予定されている。前場の出来高概算は5億4050万株と低調。この先もしばらくは積極的な売買は仕掛けにくい局面が続くだろう。
<AK>
前週末12日の米国株式相場は反発。ダウ平均は477.37ドル高の25605.54ドル、ナスダックは96.08ポイント高の9588.81ポイントで取引を終了した。6月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値や5月の輸入物価指数が予想を上回ったため景気見通しの改善を好感して大きく上昇して寄り付いた。しかし、アメリカ疾病管理予防センター(CDC)
が、今後ウイルス感染者数が劇的に増加した場合、厳しい予防措置が再び必要になると警告したことが嫌気され、一時下落に転じる局面もあった。引けにかけては押し目買いなどに下値が支えられ再び上昇する値動きの荒い展開となった。
ダウ平均は上昇して取引を終えたが警戒感は完全には払しょくできず、これを受けた東京株式市場は売り先行で始まった。東京都の新規感染者が14日に47人確認され5月5日以来の高水準となったことも株価の重しとなった。
外為市場では朝方は107円50銭台と、先週末12日の午後の水準から20銭ほど円安に振れたが、その後、1ドル=107円10銭台まで円高・ドル安に傾き、株価の上値抑制要因となった。16日と17日に予定されているパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言で、国債の利回りに誘導目標を設ける「イールドカーブ・コントロール(YCC)」採用を示唆するのではないかとの思惑が働いたとの指摘もあった。ただ、今日は企業の決済が集中しやすい「5・10日(ごとおび)」に当たり、輸入企業による円売り・ドル買いも観測され、円の上値は抑えられた。
今日の日経平均は外為市場での円相場を横目で見ながらマイナス圏で一進一退の動きとなった。今日は中国の主要経済統計発表の集中日。午前に発表された5月工業生産高、5月小売売上高、1-5月固定資産投資などは市場予想をやや下回ったが、上海株式市場の反応は限定的だったこともあり、東京市場でも売り材料とはならなかった。
個別では、20年2-4月期連結営業利益が前年同期比2倍の0.48億円となったと発表したSKIYAKI<3995>がストップ高買い気配。また、第3四半期営業益が通期計画を超過したウエスコHD<6091>がストップ高。
その他では、非開示だった21年3月通期連結営業利益が前期比3.3倍の107億円予想と発表した新光電工<6967>、20年2-4月期の連結営業利益は2.82億円で通期予想に対する進捗率が52.2%となったネオジャパン<3921>、20年6月中間期連結営業利益予想を9.4億円から12.04億円予想に上方修正したベース<4481>、19年8月-20年4月期連結営業利益が前年同期比2.5倍の4.83億円となった明豊エンター<8927>、20年5月の売上高が前年同月比19.7%増と4月の同1.8%減から改善したスクロール<8005>などが大幅高となった。19年8月-20年4月期連結営業利益が前年同期比32.3%増と発表したJMホールディングス<3539>、黒鉛電極の価格見通し上方修正などで米系証券が格上げした東海カーボン<5301>も堅調だった。
一方、今期の大幅減益・減配計画が嫌気されたアゼアス<3161>が大幅安。テーマパーク休園の影響などで前期業績が下振れしたサンリオ<8136>、今期の大幅減益見通しに失望売りが先行したHEROZ<4382>なども軟調となった。
セクターでは、鉄鋼、石油石炭製品、倉庫運輸関連、鉱業、水産・農林業などが上昇率上位。一方、空運業、その他金融業、不動産業、サービス業、機械などが下落率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の45%、対して値下がり銘柄は50%となっている。
本日の日経平均は警戒感が残る米国株式相場の市場心理を引き継ぎ安く始まったが、リスクオフモードに大きく傾くことはなくマイナス圏でもみ合いとなった。米国株式市場の値動きが荒くなっているが、金融政策と財政政策が市場の下支え要因となる構図に変化はない。10日のFOMCでは2022年末まで現状のゼロ金利政策を続ける方針が示され、パウエル議長の会見では、国債利回りに一定の上限を設ける「イールドカーブ・コントロール(YCC)」の導入も示唆された。一方、財政出動の効果は、今後、実体経済に反映される公算であることに加え、秋の大統領選挙に向け、さらなる経済対策が打ち出される可能性もあるだろう。
東京市場も、金融政策と財政政策が株価を支える構図は米国と同じだ。金融政策では、15-16日の日銀金融政策決定会合で金融政策の維持を決める公算が大きいとの見方が多いようだ。財政政策では、先週末12日に第2次補正予算が成立した。一般会計の歳出総額は補正予算として過去最大の31兆9114億円。新型コロナウイルス感染再拡大に備え、予備費に10兆円の巨費も積み増した。ワクチン・治療薬の開発支援などにも2055億円を計上した。「最大の経済対策はワクチンの開発だ」という主張をよく耳にする。第2次補正予算成立を受け実際に財政出動となり、ワクチン開発が加速すれば、株式市場にとっては予想を上回る強力な下支え要因となる可能性もありそうだ。株価乱高下に惑わされることなく、市場を取り巻く環境を冷静に判断したい。
さて、後場の東京市場。前場の地合いを引き継ぎ、もみ合いが続きそうだ。米国株がここからさらに大きく下落すると見る向きは多くない。ただ、乱高下が激しい。6月5日以降のダウ平均の前日比当落幅を見ても500ドルを超える日が多い。連日、これだけ大きく振れると、東京市場でも積極的に売り買いがしづらいところ。米国では今晩、6月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数、明日は5月米小売売上高、5月の米鉱工業生産指数・設備稼働率、4月の米企業在庫などが発表される。また明日はパウエルFRB議長の議会証言も予定されている。前場の出来高概算は5億4050万株と低調。この先もしばらくは積極的な売買は仕掛けにくい局面が続くだろう。
<AK>
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