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ソフト99コーポレーションのニュース
■業績動向
1. 2020年3月期の業績概要
ソフト99コーポレーション<4464>の2020年3月期の連結業績は売上高で前期比0.5%減の24,434百万円、営業利益で同3.8%減の2,421百万円、経常利益で同3.7%減の2,585百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同2.0%減の1,824百万円と若干ながら減収減益決算となった。売上高は5期ぶりの減収となり、各利益は2期連続の減益決算となった。
事業セグメントで見ると、売上高はファインケミカル事業を除く3つの事業で減収となり、営業利益はサービス事業、不動産関連事業が減益となった。特にサービス事業の落ち込みが大きく、ファインケミカル事業やポーラスマテリアル事業の増益でカバーしきれなかった。売上総利益率はプロダクトミックスの変化によって前期比0.1ポイント上昇したものの、販管費率は同0.4ポイント上昇し、金額ベースでも前期比73百万円増加した。主な増加項目を見ると、広告宣伝費(+44百万)、人件費(+27百万円)となっている。
なお、会社計画比でも売上高、利益ともに若干の未達となったが、要因としては自動車整備・鈑金事業の低迷に加えて、ファインケミカル事業において記録的暖冬による冬物商品(タイヤチェーン)の販売が不振だったこと、ポーラスマテリアル事業の米国向けコンシューマ製品が落ち込んだこと、また、国内の温浴事業についても3月の売上が落ち込んだことなどが挙げられる。
2020年3月期のファインケミカル事業とポーラスマテリアル事業は2期ぶりに増益に転じる
2. 事業セグメント別動向
(1)ファインケミカル事業
ファインケミカル事業の業績は、売上高が前期比1.0%増の12,108百万円、営業利益が同3.8%増の1,316百万円と5期連続の増収、2期ぶりの増益となった。売上高は業務用製品が減収となったほか、冬用タイヤチェーンの販売不振による返品の影響があったものの、一般用製品がボディケア、ガラスケア製品を中心に増収となり、前期に落ち込んだ海外市場も回復に転じたことが増収要因となった。利益面では、売上総利益率が46.4%と前期と変わらなかったものの、販促費等の販管費を抑制したことにより、営業利益率は前期比0.3ポイント上昇の10.9%となった。
売上高の内訳を見ると、国内の一般消費者向け販売(自動車分野)については、新車の販売台数が落ち込む中で堅調に推移した。ボディケア製品については、洗車の時短化をコンセプトに開発し、2019年3月より販売を開始した「レインドロップ」が好調で前期比5.1%増となった。ガラスケア製品は、主力の「ガラコワイパー」の販売が冬季用ワイパーの展開店舗の拡大もあって好調に推移したほか、「窓フクピカ」などのクリーナー製品も美化意識の高まりを背景に順調に推移し同6.4%増となった。一方、リペアグッズに関しては主要取引先での取扱量が減少したことで、同0.4%減となった。
業務用製品販売(自動車・産業分野)は前期比6.0%減と5期ぶりに減収となった。自社ブランドの業務用コーティング剤は中古車販売の好調を受けて増収となったものの、OEM製品が新車販売の減少に伴い落ち込んだほか、前期に撥水ワイパーの大口発注があった輸入車ディーラー向けも、今期は在庫補充分の発注にとどまったことで減収となったことが響いた。
家庭用製品販売(生活分野)については、主力の「メガネのシャンプー」「メガネのくもり止め」が、新型コロナウイルス感染症対策に伴うマスク需要の増加を受け、当第4四半期に販売が急増したこと、また、メガネ用OEM製品の販売も好調だったことから前期比16.6%増と大きく伸長した。
海外市場向け販売(自動車分野)は前期比8.1%増と2期ぶりに増収に転じた。前期はワックス製品が欧州の化学物質規制の対象となり一時的に販売をストップしていた影響で減収となったが、規制対応製品の販売を開始したことで欧州向けが復調した。最大販売国となるロシア向けも前期に販売を開始した高付加価値タイプのガラスコーティング製品や、潤滑油及び不凍液の販売が順調だったこと、他の東欧諸国への出荷も増加したことから、前期比2ケタ増と好調に推移した。また、中国向けは新型コロナウイルス感染症の影響が当第4四半期にあったものの増収を確保し、韓国、台湾向けも増収となった。東南アジアエリアについてはフィリピン、マレーシアを除いて低調に推移した。
TPMS(自動車分野)の売上高は前期比15.6%増と2ケタ増収が続いた。長距離トラックやバス運送会社向けの導入が進んでいるほか、乗用車向けOEM製品の販売を開始したことも増収要因となっている。また、新たな用途として埼玉新都市交通(株)で運行するモノレールの一部車種にも採用されるなど、用途の広がりも進み始めている。
電子機器・ソフトウェア開発は前期比7.2%増となった。携帯電話の3Gサービス終了の方針を受け、旧製品ユーザーからの機器の更新需要が発生したことが増収要因となっている。なお、その他売上が192百万円のマイナス計上となっているが、これは冬用タイヤチェーンが記録的暖冬に伴い出荷した1割強程度しか売れず返品されたことが要因となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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1. 2020年3月期の業績概要
ソフト99コーポレーション<4464>の2020年3月期の連結業績は売上高で前期比0.5%減の24,434百万円、営業利益で同3.8%減の2,421百万円、経常利益で同3.7%減の2,585百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同2.0%減の1,824百万円と若干ながら減収減益決算となった。売上高は5期ぶりの減収となり、各利益は2期連続の減益決算となった。
事業セグメントで見ると、売上高はファインケミカル事業を除く3つの事業で減収となり、営業利益はサービス事業、不動産関連事業が減益となった。特にサービス事業の落ち込みが大きく、ファインケミカル事業やポーラスマテリアル事業の増益でカバーしきれなかった。売上総利益率はプロダクトミックスの変化によって前期比0.1ポイント上昇したものの、販管費率は同0.4ポイント上昇し、金額ベースでも前期比73百万円増加した。主な増加項目を見ると、広告宣伝費(+44百万)、人件費(+27百万円)となっている。
なお、会社計画比でも売上高、利益ともに若干の未達となったが、要因としては自動車整備・鈑金事業の低迷に加えて、ファインケミカル事業において記録的暖冬による冬物商品(タイヤチェーン)の販売が不振だったこと、ポーラスマテリアル事業の米国向けコンシューマ製品が落ち込んだこと、また、国内の温浴事業についても3月の売上が落ち込んだことなどが挙げられる。
2020年3月期のファインケミカル事業とポーラスマテリアル事業は2期ぶりに増益に転じる
2. 事業セグメント別動向
(1)ファインケミカル事業
ファインケミカル事業の業績は、売上高が前期比1.0%増の12,108百万円、営業利益が同3.8%増の1,316百万円と5期連続の増収、2期ぶりの増益となった。売上高は業務用製品が減収となったほか、冬用タイヤチェーンの販売不振による返品の影響があったものの、一般用製品がボディケア、ガラスケア製品を中心に増収となり、前期に落ち込んだ海外市場も回復に転じたことが増収要因となった。利益面では、売上総利益率が46.4%と前期と変わらなかったものの、販促費等の販管費を抑制したことにより、営業利益率は前期比0.3ポイント上昇の10.9%となった。
売上高の内訳を見ると、国内の一般消費者向け販売(自動車分野)については、新車の販売台数が落ち込む中で堅調に推移した。ボディケア製品については、洗車の時短化をコンセプトに開発し、2019年3月より販売を開始した「レインドロップ」が好調で前期比5.1%増となった。ガラスケア製品は、主力の「ガラコワイパー」の販売が冬季用ワイパーの展開店舗の拡大もあって好調に推移したほか、「窓フクピカ」などのクリーナー製品も美化意識の高まりを背景に順調に推移し同6.4%増となった。一方、リペアグッズに関しては主要取引先での取扱量が減少したことで、同0.4%減となった。
業務用製品販売(自動車・産業分野)は前期比6.0%減と5期ぶりに減収となった。自社ブランドの業務用コーティング剤は中古車販売の好調を受けて増収となったものの、OEM製品が新車販売の減少に伴い落ち込んだほか、前期に撥水ワイパーの大口発注があった輸入車ディーラー向けも、今期は在庫補充分の発注にとどまったことで減収となったことが響いた。
家庭用製品販売(生活分野)については、主力の「メガネのシャンプー」「メガネのくもり止め」が、新型コロナウイルス感染症対策に伴うマスク需要の増加を受け、当第4四半期に販売が急増したこと、また、メガネ用OEM製品の販売も好調だったことから前期比16.6%増と大きく伸長した。
海外市場向け販売(自動車分野)は前期比8.1%増と2期ぶりに増収に転じた。前期はワックス製品が欧州の化学物質規制の対象となり一時的に販売をストップしていた影響で減収となったが、規制対応製品の販売を開始したことで欧州向けが復調した。最大販売国となるロシア向けも前期に販売を開始した高付加価値タイプのガラスコーティング製品や、潤滑油及び不凍液の販売が順調だったこと、他の東欧諸国への出荷も増加したことから、前期比2ケタ増と好調に推移した。また、中国向けは新型コロナウイルス感染症の影響が当第4四半期にあったものの増収を確保し、韓国、台湾向けも増収となった。東南アジアエリアについてはフィリピン、マレーシアを除いて低調に推移した。
TPMS(自動車分野)の売上高は前期比15.6%増と2ケタ増収が続いた。長距離トラックやバス運送会社向けの導入が進んでいるほか、乗用車向けOEM製品の販売を開始したことも増収要因となっている。また、新たな用途として埼玉新都市交通(株)で運行するモノレールの一部車種にも採用されるなど、用途の広がりも進み始めている。
電子機器・ソフトウェア開発は前期比7.2%増となった。携帯電話の3Gサービス終了の方針を受け、旧製品ユーザーからの機器の更新需要が発生したことが増収要因となっている。なお、その他売上が192百万円のマイナス計上となっているが、これは冬用タイヤチェーンが記録的暖冬に伴い出荷した1割強程度しか売れず返品されたことが要因となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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