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Sansanのニュース
*17:20JST 来週の相場で注目すべき3つのポイント:、米物価指標、国内小売決算、米銀決算
■株式相場見通し
予想レンジ:上限27900円-下限26500円
来週の東京株式市場は弱含みか。重要イベントが多く、神経質な展開が続きそうだ。12日に米3月消費者物価指数(CPI)、13日には米3月卸売物価指数(PPI)が発表される。今週末に発表された米3月雇用統計は概ね市場予想に一致する結果だったが、20万人を超える非農業部門雇用者数の増加、平均時給の前月比でのプラス傾向、失業率の低下などから、労働市場の逼迫解消のペースが緩慢であることが示唆された。前回の米連邦公開市場委員会(FOMC)(3月21-22日開催)で示された政策金利見通し(ドットチャート)から、利上げは残すところあと1回と予測されるが、米CPIとPPIがこうした見方を裏付ける内容となるかに注目だ。
一方、米クリーブランド連銀のメスター総裁や米セントルイス連銀のブラード総裁らは、金融システム不安が後退していることなどを理由に追加の利上げと、その後の高水準の金利据え置きを相次いで主張した。他方、金利先物市場は依然として2023年末までに0.25ポイントの利下げを2回以上予想している。こうした中、米物価指標が大きく上振れてしまうと、市場の織り込みが米連邦準備制度理事会(FRB)の予想に引っ張られる可能性がある。その場合、金融システム不安がくすぶる中での金融引き締め長期化による経済のハードランディング・リスクが高まり、FRBの政策ミスへの思惑が強まりやすくなりそうだ。
12日には前回FOMCの議事要旨も公表される。前回FOMCはハト派ともタカ派ともどちらにも捉えられる内容だったため、今回の議事要旨で追加のヒントを得ようと考える向きは少なくないだろう。FRBは銀行経営不安には規制政策で対応、インフレには金融政策で対応という形で割り切り姿勢がわりと明確な印象もあるため、利下げ転換ハードルは市場予想ほどには低くないとの見方が強まれば、株価にはマイナスと考えられる。
週末14日には米3月の小売売上高と鉱工業生産、米4月ミシガン大学消費者信頼感指数が発表される。株式市場は直近の米経済指標の弱さに神経質に反応しているため、これらの指標結果次第ではさらに景気悪化を織り込む動きが加速する可能性があり、週末まで警戒感がくすぶる。
また、週末にはJPモルガン・チェースやシティ・グループなどの米国銀行の決算が発表される。貸倒引当金がどれほど積み上げられるのか、各社経営陣の経済先行きに対するコメントなどに注目だ。ネガティブな色合いが強いと、その後に本格化していく日米主力企業の1―3月期決算に対する警戒感が高まり、リスクオフの展開になる恐れがある。
国内では12-2月期決算が本格化する。イオンモール<8905>、J.フロント リテイリング<3086>、ABCマート<2670>、ファーストリテイリング<9983>などの小売企業のほか、ローツェ<6323>、SHIFT<3697>、Sansan<4443>など注目のハイテク・グロース(成長)株の決算も発表予定だ。4月5日から、中国からの渡航者に対する新型コロナ水際対策がさらに緩和され、インバウンド需要の本格回復が期待される中、百貨店などをはじめとしたリオープン関連は数少ない株価上昇トレンドを示すテーマ銘柄だ。半導体関連は年央からの市況底入れに対する期待、グロース株は米長期金利の先高観後退などが支援要因になるとみられ、全体的にポジティブな反応が先行するかどうかに注目だ。
一方、東京証券取引所が公表する裁定取引に係る現物ポジションによると、3月31日時点のネットベースでの裁定買い残高は1兆261.42億円と依然として高水準にある。米国株が崩れれば、海外投資家による先物売りが裁定売りを誘発する余地は大きいとみられ、需給面ではやや警戒しておきたい。
■為替市場見通し
来週のドル・円は伸び悩みか。米国経済に先行き不透明感が広がり始め、連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締め方針の後退を見込んだドル売りが見込まれる。5月の連邦公開市場委員会(FOMC)に向け、利上げ停止の観測は根強い。3月米雇用統計で失業率は低下したが、2月JOLTS求人件数は1000万件の大台を割り込んだ。3月ISM景況感指数で雇用の伸びが鈍化するなど、労働市場の収縮が警戒されている。FRBはこれまで、強い雇用情勢を背景に引き締め政策を進めてきたが、その土台が揺らぐ。
FRB当局者のなかでもタカ派寄りとして知られるクリーブランド連銀メスター総裁は、直近の講演で「金利はもう少し上昇してから維持すると見込む」と述べた。その一方で、5月2-3日開催のFOMCで利上げを決定するかどうか「まだ言及できない」と慎重な姿勢を示している。欧米金融システムへの過度な懸念は和らぎ、FRBはインフレ抑止に前向きなスタンスを示している。ただ、4月12日に公表されるFOMC議事要旨で利上げ休止に関する議論の詳細が判明すれば、米金利安・ドル安に振れやすい。
3月米雇用統計で失業率は低下したことから、5月2-3日開催の次回FOMCで0.25ポイントの利上げ確率はやや上昇した。ただ、来週発表される3月の消費者物価指数(CPI)や小売売上高が市場予想を下回った場合、5月利上げを想定したドル買い・円売りは大幅に縮小する可能性がある。
■来週の注目スケジュール
4月10日(月):日・消費者態度指数(3月)、日・景気ウォッチャー調査(3月)、米・国際通貨基金(IMF)・世界銀行2023年春季会合(16日まで)、米・ニューヨーク連銀総裁が討論会に参加、欧・株式市場は祝日のため休場(イースターマンデー)、香港・株式市場は祝日のため休場(イースターマンデー)、など
4月11日(火):日・工作機械受注(3月)、中・消費者物価指数(3月)、欧・ユーロ圏小売売上高(2月)、IMFが世界経済見通し(WEO)公表、米・シカゴ連銀総裁が講演、米・フィラデルフィア連銀総裁が講演、米・ミネアポリス連銀総裁がタウンホール討論会に参加、など
4月12日(水):日・コア機械受注(2月)、国内企業物価指数(3月)、ispaceが東証グロースに新規上場(公開価格:254円)、米・消費者物価コア指数(3月)、米・連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(3月21-22日会合分)、米・G20財務相・中央銀行総裁会議(13日まで)、米・リッチモンド連銀総裁が投資関連会議で挨拶、など
4月13日(木):日・決算発表→東宝、ファストリ、欧・ユーロ圏鉱工業生産指数(2月)、米・卸売物価コア指数(3月)、中・貿易収支(3月)、など
4月14日(金):日・日本システムバンクが名証メインに新規上場、日・決算発表→ベイカレント・コンサルティング、米・小売売上高(3月)、米・鉱工業生産指数(3月)、米・ミシガン大学消費者信頼感指数速報(4月)、など
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予想レンジ:上限27900円-下限26500円
来週の東京株式市場は弱含みか。重要イベントが多く、神経質な展開が続きそうだ。12日に米3月消費者物価指数(CPI)、13日には米3月卸売物価指数(PPI)が発表される。今週末に発表された米3月雇用統計は概ね市場予想に一致する結果だったが、20万人を超える非農業部門雇用者数の増加、平均時給の前月比でのプラス傾向、失業率の低下などから、労働市場の逼迫解消のペースが緩慢であることが示唆された。前回の米連邦公開市場委員会(FOMC)(3月21-22日開催)で示された政策金利見通し(ドットチャート)から、利上げは残すところあと1回と予測されるが、米CPIとPPIがこうした見方を裏付ける内容となるかに注目だ。
一方、米クリーブランド連銀のメスター総裁や米セントルイス連銀のブラード総裁らは、金融システム不安が後退していることなどを理由に追加の利上げと、その後の高水準の金利据え置きを相次いで主張した。他方、金利先物市場は依然として2023年末までに0.25ポイントの利下げを2回以上予想している。こうした中、米物価指標が大きく上振れてしまうと、市場の織り込みが米連邦準備制度理事会(FRB)の予想に引っ張られる可能性がある。その場合、金融システム不安がくすぶる中での金融引き締め長期化による経済のハードランディング・リスクが高まり、FRBの政策ミスへの思惑が強まりやすくなりそうだ。
12日には前回FOMCの議事要旨も公表される。前回FOMCはハト派ともタカ派ともどちらにも捉えられる内容だったため、今回の議事要旨で追加のヒントを得ようと考える向きは少なくないだろう。FRBは銀行経営不安には規制政策で対応、インフレには金融政策で対応という形で割り切り姿勢がわりと明確な印象もあるため、利下げ転換ハードルは市場予想ほどには低くないとの見方が強まれば、株価にはマイナスと考えられる。
週末14日には米3月の小売売上高と鉱工業生産、米4月ミシガン大学消費者信頼感指数が発表される。株式市場は直近の米経済指標の弱さに神経質に反応しているため、これらの指標結果次第ではさらに景気悪化を織り込む動きが加速する可能性があり、週末まで警戒感がくすぶる。
また、週末にはJPモルガン・チェースやシティ・グループなどの米国銀行の決算が発表される。貸倒引当金がどれほど積み上げられるのか、各社経営陣の経済先行きに対するコメントなどに注目だ。ネガティブな色合いが強いと、その後に本格化していく日米主力企業の1―3月期決算に対する警戒感が高まり、リスクオフの展開になる恐れがある。
国内では12-2月期決算が本格化する。イオンモール<8905>、J.フロント リテイリング<3086>、ABCマート<2670>、ファーストリテイリング<9983>などの小売企業のほか、ローツェ<6323>、SHIFT<3697>、Sansan<4443>など注目のハイテク・グロース(成長)株の決算も発表予定だ。4月5日から、中国からの渡航者に対する新型コロナ水際対策がさらに緩和され、インバウンド需要の本格回復が期待される中、百貨店などをはじめとしたリオープン関連は数少ない株価上昇トレンドを示すテーマ銘柄だ。半導体関連は年央からの市況底入れに対する期待、グロース株は米長期金利の先高観後退などが支援要因になるとみられ、全体的にポジティブな反応が先行するかどうかに注目だ。
一方、東京証券取引所が公表する裁定取引に係る現物ポジションによると、3月31日時点のネットベースでの裁定買い残高は1兆261.42億円と依然として高水準にある。米国株が崩れれば、海外投資家による先物売りが裁定売りを誘発する余地は大きいとみられ、需給面ではやや警戒しておきたい。
■為替市場見通し
来週のドル・円は伸び悩みか。米国経済に先行き不透明感が広がり始め、連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締め方針の後退を見込んだドル売りが見込まれる。5月の連邦公開市場委員会(FOMC)に向け、利上げ停止の観測は根強い。3月米雇用統計で失業率は低下したが、2月JOLTS求人件数は1000万件の大台を割り込んだ。3月ISM景況感指数で雇用の伸びが鈍化するなど、労働市場の収縮が警戒されている。FRBはこれまで、強い雇用情勢を背景に引き締め政策を進めてきたが、その土台が揺らぐ。
FRB当局者のなかでもタカ派寄りとして知られるクリーブランド連銀メスター総裁は、直近の講演で「金利はもう少し上昇してから維持すると見込む」と述べた。その一方で、5月2-3日開催のFOMCで利上げを決定するかどうか「まだ言及できない」と慎重な姿勢を示している。欧米金融システムへの過度な懸念は和らぎ、FRBはインフレ抑止に前向きなスタンスを示している。ただ、4月12日に公表されるFOMC議事要旨で利上げ休止に関する議論の詳細が判明すれば、米金利安・ドル安に振れやすい。
3月米雇用統計で失業率は低下したことから、5月2-3日開催の次回FOMCで0.25ポイントの利上げ確率はやや上昇した。ただ、来週発表される3月の消費者物価指数(CPI)や小売売上高が市場予想を下回った場合、5月利上げを想定したドル買い・円売りは大幅に縮小する可能性がある。
■来週の注目スケジュール
4月10日(月):日・消費者態度指数(3月)、日・景気ウォッチャー調査(3月)、米・国際通貨基金(IMF)・世界銀行2023年春季会合(16日まで)、米・ニューヨーク連銀総裁が討論会に参加、欧・株式市場は祝日のため休場(イースターマンデー)、香港・株式市場は祝日のため休場(イースターマンデー)、など
4月11日(火):日・工作機械受注(3月)、中・消費者物価指数(3月)、欧・ユーロ圏小売売上高(2月)、IMFが世界経済見通し(WEO)公表、米・シカゴ連銀総裁が講演、米・フィラデルフィア連銀総裁が講演、米・ミネアポリス連銀総裁がタウンホール討論会に参加、など
4月12日(水):日・コア機械受注(2月)、国内企業物価指数(3月)、ispaceが東証グロースに新規上場(公開価格:254円)、米・消費者物価コア指数(3月)、米・連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(3月21-22日会合分)、米・G20財務相・中央銀行総裁会議(13日まで)、米・リッチモンド連銀総裁が投資関連会議で挨拶、など
4月13日(木):日・決算発表→東宝、ファストリ、欧・ユーロ圏鉱工業生産指数(2月)、米・卸売物価コア指数(3月)、中・貿易収支(3月)、など
4月14日(金):日・日本システムバンクが名証メインに新規上場、日・決算発表→ベイカレント・コンサルティング、米・小売売上高(3月)、米・鉱工業生産指数(3月)、米・ミシガン大学消費者信頼感指数速報(4月)、など
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