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Jストリームのニュース
■Jストリーム<4308>の業績動向
2. 業種別・利用用途別の売上動向
2022年3月期第2四半期の業種別(個別業績、旧基準ベース)動向において、ライブ配信などDXを強化している「医薬医療製造・卸」の売上が32.6%伸び、売上構成比は4.3ポイント上昇して49.1%となった。東京オリンピック・パラリンピックが開催された2021年7月~8月にWeb講演会などの一部イベントが手控えられたが、第1四半期を中心に大きく伸長したため、上期を通じて引き続き増加傾向となった。なお、先に手控えられたイベントについては合計100百万円弱で、第1四半期への前倒しの形で期ズレしたもようである。「放送」は5.9%増収と相対的に弱かったが、定例の運用系のほか、東京オリンピック・パラリンピック周辺の案件やリニューアル関連の開発案件などが堅調に推移した。「郵便・電気通信」は、運営体制の移行に伴いエンタメ系案件が計上されたこともあって、売上が2.1倍と大きく伸びた。「金融・保険業系」は2021年6月を中心に株主総会のライブ配信が増加、18.5%増収となった。「教育・学習塾」は21.1%減収となったが、2020年のコロナ禍において急増した学習塾などでのオンデマンド配信利用が一巡したためと考えられる。
利用用途別(個別業績、旧基準ベース)では、「販促・ブランディング」が25.5%増収となったが、7割超を占める医薬系企業が全体を押し上げた。「J-Stream Equipmedia」を利用した商品発表や販促向けのライブ配信/疑似ライブ配信、配信会員制サイト集客用動画などが伸長した。「情報共有」は22.9%増収となったが、これも5割弱を占める医薬系企業がけん引した。テレワークの推進を背景に、社内向けウェビナーや社員総会/表彰式、部店長会議、社内イベント、官公庁協議会など用途が広がったほか、学会関連も急増した。8割が放送局の「事業用インフラ/サポート」は1.6%減と微減収となった。放送局関連案件(構築・運用・配信)は、音楽/eスポーツなどに関連するシステム構築・配信、不動産や生保などBtoC事業者の顧客・代理店向けサイトの構築案件が増加した。「教育・トレーニング」は、学習塾や学校法人の講義、金融・医薬系企業の社内/パートナー向けトレーニングなどが中心となるが、塾などの利用は一巡したものの金融・保険業系が回復傾向にある。「IR・広報・採用」は、金融・保険業系を窓口として2021年6月を中心にバーチャル株主総会が増加し、69.8%増収と大きく伸びた。
大きく増加するキャッシュの使い道が今後の課題
3. キャッシュの動き
前述のとおり、2020年3月期あたりから5GやIoTの時代へ向けた動きとコロナ禍による環境変化によって、動画配信の需要拡大は一層拡大の足を速めたが、同社のキャッシュ(EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費)にもその影響が表れている。5GやIoTの時代へ向けた動きが見え始めた2020年3月期に、EBITDAはそれまでの水準を切り上げた。2021年3月期はコロナ禍による好調もあって、異常値とも言える高い水準となった。コロナ禍の好調も一巡してくる2022年3月期には、上期時点で2020年3月期通期水準を上回って2021年3月期の半分ほどに迫っており、依然として高水準にあると言える。これは、2021年3月期に増加した動画配信需要のうち、2022年3月期には一巡したコロナ禍での需要と同等以上に5GやIoTの時代をにらんだ需要に火が付きつつあるという理解ができる。従って、今後もEBITDAは少なくとも高水準を維持することができると考えられる。ところで、同社のキャッシュの使い道は、投資、借入返済、株主還元、内部留保の4つに大別される。同社は借入がほとんどない。さらに自己資本比率が80%を超えるうえ、2021年に資金調達をしたこともあって現預金の水準は高水準にあり、これ以上内部留保を増やす必要性もないと思われる。同社は従来、M&Aを含めて投資には前向きである。また、後述するように、おおむね30%程度の配当性向を続けるなかで業績に連動した配当を実施してきたが、2021年3月期は好業績のため配当を2倍に増やした。しかし、配当性向は10%にとどまっており、今後の中長期成長へ向けた投資とともに株主還元が課題になってくると思われる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<EY>
2. 業種別・利用用途別の売上動向
2022年3月期第2四半期の業種別(個別業績、旧基準ベース)動向において、ライブ配信などDXを強化している「医薬医療製造・卸」の売上が32.6%伸び、売上構成比は4.3ポイント上昇して49.1%となった。東京オリンピック・パラリンピックが開催された2021年7月~8月にWeb講演会などの一部イベントが手控えられたが、第1四半期を中心に大きく伸長したため、上期を通じて引き続き増加傾向となった。なお、先に手控えられたイベントについては合計100百万円弱で、第1四半期への前倒しの形で期ズレしたもようである。「放送」は5.9%増収と相対的に弱かったが、定例の運用系のほか、東京オリンピック・パラリンピック周辺の案件やリニューアル関連の開発案件などが堅調に推移した。「郵便・電気通信」は、運営体制の移行に伴いエンタメ系案件が計上されたこともあって、売上が2.1倍と大きく伸びた。「金融・保険業系」は2021年6月を中心に株主総会のライブ配信が増加、18.5%増収となった。「教育・学習塾」は21.1%減収となったが、2020年のコロナ禍において急増した学習塾などでのオンデマンド配信利用が一巡したためと考えられる。
利用用途別(個別業績、旧基準ベース)では、「販促・ブランディング」が25.5%増収となったが、7割超を占める医薬系企業が全体を押し上げた。「J-Stream Equipmedia」を利用した商品発表や販促向けのライブ配信/疑似ライブ配信、配信会員制サイト集客用動画などが伸長した。「情報共有」は22.9%増収となったが、これも5割弱を占める医薬系企業がけん引した。テレワークの推進を背景に、社内向けウェビナーや社員総会/表彰式、部店長会議、社内イベント、官公庁協議会など用途が広がったほか、学会関連も急増した。8割が放送局の「事業用インフラ/サポート」は1.6%減と微減収となった。放送局関連案件(構築・運用・配信)は、音楽/eスポーツなどに関連するシステム構築・配信、不動産や生保などBtoC事業者の顧客・代理店向けサイトの構築案件が増加した。「教育・トレーニング」は、学習塾や学校法人の講義、金融・医薬系企業の社内/パートナー向けトレーニングなどが中心となるが、塾などの利用は一巡したものの金融・保険業系が回復傾向にある。「IR・広報・採用」は、金融・保険業系を窓口として2021年6月を中心にバーチャル株主総会が増加し、69.8%増収と大きく伸びた。
大きく増加するキャッシュの使い道が今後の課題
3. キャッシュの動き
前述のとおり、2020年3月期あたりから5GやIoTの時代へ向けた動きとコロナ禍による環境変化によって、動画配信の需要拡大は一層拡大の足を速めたが、同社のキャッシュ(EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費)にもその影響が表れている。5GやIoTの時代へ向けた動きが見え始めた2020年3月期に、EBITDAはそれまでの水準を切り上げた。2021年3月期はコロナ禍による好調もあって、異常値とも言える高い水準となった。コロナ禍の好調も一巡してくる2022年3月期には、上期時点で2020年3月期通期水準を上回って2021年3月期の半分ほどに迫っており、依然として高水準にあると言える。これは、2021年3月期に増加した動画配信需要のうち、2022年3月期には一巡したコロナ禍での需要と同等以上に5GやIoTの時代をにらんだ需要に火が付きつつあるという理解ができる。従って、今後もEBITDAは少なくとも高水準を維持することができると考えられる。ところで、同社のキャッシュの使い道は、投資、借入返済、株主還元、内部留保の4つに大別される。同社は借入がほとんどない。さらに自己資本比率が80%を超えるうえ、2021年に資金調達をしたこともあって現預金の水準は高水準にあり、これ以上内部留保を増やす必要性もないと思われる。同社は従来、M&Aを含めて投資には前向きである。また、後述するように、おおむね30%程度の配当性向を続けるなかで業績に連動した配当を実施してきたが、2021年3月期は好業績のため配当を2倍に増やした。しかし、配当性向は10%にとどまっており、今後の中長期成長へ向けた投資とともに株主還元が課題になってくると思われる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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