4,430円
野村総合研究所のニュース
■日経平均3年4か月ぶり16000円台
前週の日経平均は3年4カ月ぶりとなる16000円台に下落し、6週連続安となった。米連邦準備制度理事会(FRB)は米国時間15日の日曜日、2015年12月に解除して以来4年3カ月ぶりとなる事実上のゼロ金利政策に踏み切ることを決定、緊急追加利下げで量的緩和を再開することを発表した。日本銀行も16日に金融政策決定会合を前倒してETF(上場投資信託)買入額を増やすことなどを決め、週初16日の日経平均は上げ幅を広げる場面があった。しかし、想定内だった対策への失望感などから日経平均は一時17000円台を割り込み、大引けでは前日比429.01円安の17002.04円となった。16日の米国市場はFRBの大規模緩和が逆に投資家の恐怖感に繋がり寄り付きでサーキットブレーカーが発動するなどし、NYダウは急落。下落率は12.93%と、1987年10月19日のブラックマンデー(22.61%安)以来の記録を更新した。しかし、17日の日経平均は一段安の後に下げ渋り前日比9.49円高と5日ぶりに下げ止まった。この日流入した日銀の1日あたりETF買い入れ額が3月以降の1002億円から1204億円に増加し、東証1部の値上がり銘柄は全体の87%だった。17日のNYダウも、米国政府が1兆ドル規模の追加支援策を検討しているとの報道を受けて大幅反発した。この流れから18日の東京市場も買い先行でスタートしたものの、NYダウ先物が時間外取引で急落したことを受けて日経平均もマイナスに転じた。大引けの日経平均は前日比284.98円安の16726.55円、終値で17000円を下回るのは2016年11月9日以来となった。個別では、中国政府が新型コロナウイルス治療で富士フイルム<4901>が開発・製造する「アビガン」が有効と発表したことを好感してストップ高となった。19日の日経平均は、欧州中央銀行(ECB)による資産買い入れ計画の発表や為替の円安進行、時間外取引でのNYダウ先物の上昇を受けて反発スタートとなったものの、3連休を控えて買いが続かず173.72円安の16552.83円と続落した。ただ、TOPIX(東証株価指数)とJPX日経400指数はともに3日続伸となった。
■NY市場睨みの不安定相場が継続
今週の日経平均は、NY市場をにらんで不安定な動きとなりそうだが7週ぶりに戻りを試す場面もありそうだ。新型コロナウイルスの感染拡大は中国大陸から欧州・北米大陸に中心地が移り、景気・経済悪化懸念が増大するなかリスク回避の売りが広がっている。前週末にNYダウは20000ドルの大台を割り込み、米大統領にトランプ氏就任以来の上昇幅を消失することになった。NYダウは3月9日から18日までの8営業日連続で、前日比で1000ドル幅以上の乱高下を繰り返すなか、足元の日経平均はNYダウ先物の時間外取引の動向に左右される傾向が強まっており、AIアルゴリズム売買などによる先物主導での機械的な取引に振らされやすい展開が継続しよう。国内景況感への影響が大きい東京オリンピック開催問題のニュースフローも注目されやすい。コロナショックとなった世界の株式市場は「新型ウイルスの感染拡大」から「実体経済の悪化」懸念に視点が移っている段階だが、ここからは日米欧各国の景気対策の具体化が一段と期待される。こうしたなか、手元資金をドルで持っておきたいという投資家心理やECBの金融緩和政策を受けたリスク回避後退の動きから円安傾向に為替相場が転換していることは、東京市場にとって下支え要因として働く。週末27日は3月末権利付き最終売買日であることから、配当などの権利確保で需給が一時的に締まり、下値不安を抱えつつも、日経平均は一時的に戻りを試す場面もみられそうだ。
■非225銘柄と半導体、5Gに注目
また、物色展開にも変化が表れ始めている。乱高下を繰り返す日経平均の一方で、TOPIX(東証株価指数)は19日にかけて3日続伸した。日銀は16日にETF買い入れ目標額の上限を従来の年間約6兆円から約12兆円に引き上げることを決定した。これを受けて、日銀の1日あたりETF買い入れ額は3月に入り1002億円から1204億円に、19日は2004億円に急増した。19日の東証1部では、野村総研<4307>、マツモトキヨシ<3088>など裁定解消売りの影響を受けにくい「非225種」の優良株に逆行高が目立ったことは、今後の物色の上でのヒントとなろう。物色人気は医療・薬品系、ドラッグストアなどでも継続しそうだ。このほか、25日にはかつて経営破綻したエルピーダメモリを買収したことで知られる米半導体製造大手のマイクロン・テクノロジーの決算発表が予定されており、その動向も物色動向に影響を与えそうだ。このほか、NTTドコモ<9437>が25日、ソフトバンク<9434>が27日に5G(第5世代移動通信システム)サービスを開始することで、5G関連物色を刺激してくる可能性がある。
■3月権利付き最終日や米2月個人所得など
主な国内経済関連スケジュールは、24日に2月全国百貨店売上高、25日に3月16日開催の日銀金融政策決定会合議事録、26日に2月企業向けサービス価格指数、27日は3月末権利付き最終売買日がそれぞれ予定されている。一方、米国など海外主要スケジュールでは、23日に米2月シカゴ連銀全米活動指数、25日に米2月耐久財受注、米1月FHFA住宅価格指数、26日に英国金融政策発表、米10-12月期GDP確報値、27日に米2月個人所得・個人支出が予定されている。
<FA>
前週の日経平均は3年4カ月ぶりとなる16000円台に下落し、6週連続安となった。米連邦準備制度理事会(FRB)は米国時間15日の日曜日、2015年12月に解除して以来4年3カ月ぶりとなる事実上のゼロ金利政策に踏み切ることを決定、緊急追加利下げで量的緩和を再開することを発表した。日本銀行も16日に金融政策決定会合を前倒してETF(上場投資信託)買入額を増やすことなどを決め、週初16日の日経平均は上げ幅を広げる場面があった。しかし、想定内だった対策への失望感などから日経平均は一時17000円台を割り込み、大引けでは前日比429.01円安の17002.04円となった。16日の米国市場はFRBの大規模緩和が逆に投資家の恐怖感に繋がり寄り付きでサーキットブレーカーが発動するなどし、NYダウは急落。下落率は12.93%と、1987年10月19日のブラックマンデー(22.61%安)以来の記録を更新した。しかし、17日の日経平均は一段安の後に下げ渋り前日比9.49円高と5日ぶりに下げ止まった。この日流入した日銀の1日あたりETF買い入れ額が3月以降の1002億円から1204億円に増加し、東証1部の値上がり銘柄は全体の87%だった。17日のNYダウも、米国政府が1兆ドル規模の追加支援策を検討しているとの報道を受けて大幅反発した。この流れから18日の東京市場も買い先行でスタートしたものの、NYダウ先物が時間外取引で急落したことを受けて日経平均もマイナスに転じた。大引けの日経平均は前日比284.98円安の16726.55円、終値で17000円を下回るのは2016年11月9日以来となった。個別では、中国政府が新型コロナウイルス治療で富士フイルム<4901>が開発・製造する「アビガン」が有効と発表したことを好感してストップ高となった。19日の日経平均は、欧州中央銀行(ECB)による資産買い入れ計画の発表や為替の円安進行、時間外取引でのNYダウ先物の上昇を受けて反発スタートとなったものの、3連休を控えて買いが続かず173.72円安の16552.83円と続落した。ただ、TOPIX(東証株価指数)とJPX日経400指数はともに3日続伸となった。
■NY市場睨みの不安定相場が継続
今週の日経平均は、NY市場をにらんで不安定な動きとなりそうだが7週ぶりに戻りを試す場面もありそうだ。新型コロナウイルスの感染拡大は中国大陸から欧州・北米大陸に中心地が移り、景気・経済悪化懸念が増大するなかリスク回避の売りが広がっている。前週末にNYダウは20000ドルの大台を割り込み、米大統領にトランプ氏就任以来の上昇幅を消失することになった。NYダウは3月9日から18日までの8営業日連続で、前日比で1000ドル幅以上の乱高下を繰り返すなか、足元の日経平均はNYダウ先物の時間外取引の動向に左右される傾向が強まっており、AIアルゴリズム売買などによる先物主導での機械的な取引に振らされやすい展開が継続しよう。国内景況感への影響が大きい東京オリンピック開催問題のニュースフローも注目されやすい。コロナショックとなった世界の株式市場は「新型ウイルスの感染拡大」から「実体経済の悪化」懸念に視点が移っている段階だが、ここからは日米欧各国の景気対策の具体化が一段と期待される。こうしたなか、手元資金をドルで持っておきたいという投資家心理やECBの金融緩和政策を受けたリスク回避後退の動きから円安傾向に為替相場が転換していることは、東京市場にとって下支え要因として働く。週末27日は3月末権利付き最終売買日であることから、配当などの権利確保で需給が一時的に締まり、下値不安を抱えつつも、日経平均は一時的に戻りを試す場面もみられそうだ。
■非225銘柄と半導体、5Gに注目
また、物色展開にも変化が表れ始めている。乱高下を繰り返す日経平均の一方で、TOPIX(東証株価指数)は19日にかけて3日続伸した。日銀は16日にETF買い入れ目標額の上限を従来の年間約6兆円から約12兆円に引き上げることを決定した。これを受けて、日銀の1日あたりETF買い入れ額は3月に入り1002億円から1204億円に、19日は2004億円に急増した。19日の東証1部では、野村総研<4307>、マツモトキヨシ<3088>など裁定解消売りの影響を受けにくい「非225種」の優良株に逆行高が目立ったことは、今後の物色の上でのヒントとなろう。物色人気は医療・薬品系、ドラッグストアなどでも継続しそうだ。このほか、25日にはかつて経営破綻したエルピーダメモリを買収したことで知られる米半導体製造大手のマイクロン・テクノロジーの決算発表が予定されており、その動向も物色動向に影響を与えそうだ。このほか、NTTドコモ<9437>が25日、ソフトバンク<9434>が27日に5G(第5世代移動通信システム)サービスを開始することで、5G関連物色を刺激してくる可能性がある。
■3月権利付き最終日や米2月個人所得など
主な国内経済関連スケジュールは、24日に2月全国百貨店売上高、25日に3月16日開催の日銀金融政策決定会合議事録、26日に2月企業向けサービス価格指数、27日は3月末権利付き最終売買日がそれぞれ予定されている。一方、米国など海外主要スケジュールでは、23日に米2月シカゴ連銀全米活動指数、25日に米2月耐久財受注、米1月FHFA住宅価格指数、26日に英国金融政策発表、米10-12月期GDP確報値、27日に米2月個人所得・個人支出が予定されている。
<FA>
この銘柄の最新ニュース
野村総研のニュース一覧- PBシステムズ Research Memo(2):「ハイブリッドクラウド」のプロフェッショナル集団へ 今日 12:02
- 日経平均寄与度ランキング(大引け)~日経平均は続伸、東エレクやソニーGが2銘柄で約104円分押し上げ 2024/12/10
- 日経平均寄与度ランキング(前引け)~日経平均は小幅続伸、東エレクが1銘柄で約50円分押し上げ 2024/12/10
- 日経平均寄与度ランキング(大引け)~日経平均は小幅反発、ファーストリテとソフトバンクGの2銘柄で約123円押し上げ 2024/12/09
- 日経平均寄与度ランキング(前引け)~日経平均は反発、ファーストリテとソフトバンクGの2銘柄で約83円押し上げ 2024/12/09
マーケットニュース
- 「推し活」関連はスターロード快走へ、インフレ下でも消費熱は上昇中 <株探トップ特集> (12/12)
- 明日の株式相場に向けて=東京市場を牽引する米「サンタラリー」は続くか (12/12)
- スイス中銀 経済見通しの不確実性はここ数カ月で高まっている (12/12)
- 12日香港・ハンセン指数=終値20397.05(+242.00) (12/12)
おすすめ条件でスクリーニングされた銘柄を見る
野村総合研究所の取引履歴を振り返りませんか?
野村総合研究所の株を取引したことがありますか?みんかぶアセットプランナーに取引口座を連携すると売買履歴をチャート上にプロットし、自分の取引を視覚的に確認することができます。
アセットプランナーの取引履歴機能とは※アセプラを初めてご利用の場合は会員登録からお手続き下さい。