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サスメドのニュース
■成長戦略
1. 開発パイプラインの充実やブロックチェーン技術の応用を推進
サスメド<4263>は研究開発段階にあるため数値的な目標となる経営指標を設定していないが、当面の成長戦略としてDTxプロダクト事業では長期的視点での収益最大化に向けた開発パイプラインの件数や臨床試験の進捗率、DTxプラットフォーム事業では収益の継続的かつ累積的な増加を実現するための契約件数を重要な経営指標と位置付けている。なお、2022年8月時点で特許取得数(海外特許・共同出願含む)は21件、DTx開発パイプライン数は8件、プロジェクト採択数は16件、共同研究数は14社・機関、DTxプラットフォーム事業の契約企業数は14社となっている。
こうした経営指標を高めるために、医療機関・学術研究機関・製薬企業などとの共同研究やアライアンスなども推進している。2021年12月の新規上場後の取り組み事例としては、2022年3月に(株)コラボクリエイト(スズケン<9987>の連結子会社、ヘルスケアプラットフォームの企画・提案を行う目的で2022年3月に設立)に0.8%出資した。コラボクリエイトを通じて、DTx開発支援に関するシステム及び汎用臨床試験システム等を展開する。また2022年3月には、国立大学法人九州大学と「心房細動における経皮的カテーテル心筋焼灼術のエキスパート治療を提案する人工知能モデル開発」に関する共同研究契約を締結した。同研究は、AMED令和3年度メディカルアーツ研究事業との連携による「循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策実用化研究事業」に採択された。
2022年5月には、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センターと共同で、「多様なソースから収集するデータの蓄積と利活用のための個人情報の非特定化手法の開発とデータ加工技術の確立並びにデータの質担保に関する研究開発」を開始した。同研究はAMED令和4年度障害者対策総合研究開発事業「データ利活用を推進するための臨床データの加工手法と質の担保に関する研究開発」に採択された。2023年6月期の重点施策の1つと位置付けているブロックチェーン技術の応用領域拡大(レジストリ領域など)を目指す方針だ。
2022年6月には、アキュリスファーマ(株)と、世界初のブロックチェーン技術を用いた治験の実施に関する契約を締結した。医薬品開発業務受託機関であるシミック(株)と連携し、医療機関の協力を得て実施する。今回の治験では、従来の方法と比較して医療機関におけるデータ入力などの工程が大幅に削減されるとともに、治験データ自体の信頼性を高める効果が期待されている。
2. 中長期の成長見通し
同社は研究開発段階のベンチャー企業であり、当面は多額の研究開発費用が先行して期間損益のマイナスが継続する可能性がある。ただし、製造販売承認申請中の睡眠障害治療用アプリが承認を取得すれば2024年6月期以降の収益が大幅に拡大する可能性があり、他の開発パイプラインが順調に進捗すれば第2第3の承認取得に向けた期待も高まる。さらに、国の政策として厚生労働省がプログラム医療機器の普及促進に向けて承認環境の整備を推進していることも追い風であり、開発パイプラインの拡充が加速する可能性もあるだろう。ブロックチェーン技術の応用によるDTxプラットフォーム事業の拡大や、DTxプロダクト事業とDTxプラットフォーム事業のシナジーも予想される。こうした点を勘案して中長期の成長ポテンシャルが期待できると弊社では評価している。
■株主還元策
株主還元については、株主への利益還元を重要な経営課題と認識しており、将来的には経営成績及び財政状態を勘案しつつ、剰余金の分配を検討するが、多額の先行投資を伴う研究開発活動の継続的かつ計画的な実施に備えた資金の確保を優先するため、当面は配当等による株主への還元は行わない方針としている。
■ESG経営・SDGsへの取り組み
DX支援を通じて社会課題解決に貢献
同社のESG(環境・社会・統治)経営やSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みについては、マテリアリティを公表していない。しかし、治療用アプリ開発による新しい治療法の提案、汎用臨床試験システムの提供による創薬プロセスの効率化・開発コストの適正化、機械学習自動分析システムの提供による医療データ活用・医薬産業全体のバリューチェーン効率化など、同社の事業を通じてSDGsの目標の1つである「すべての人に健康と福祉を」の実現に貢献することを目指している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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1. 開発パイプラインの充実やブロックチェーン技術の応用を推進
サスメド<4263>は研究開発段階にあるため数値的な目標となる経営指標を設定していないが、当面の成長戦略としてDTxプロダクト事業では長期的視点での収益最大化に向けた開発パイプラインの件数や臨床試験の進捗率、DTxプラットフォーム事業では収益の継続的かつ累積的な増加を実現するための契約件数を重要な経営指標と位置付けている。なお、2022年8月時点で特許取得数(海外特許・共同出願含む)は21件、DTx開発パイプライン数は8件、プロジェクト採択数は16件、共同研究数は14社・機関、DTxプラットフォーム事業の契約企業数は14社となっている。
こうした経営指標を高めるために、医療機関・学術研究機関・製薬企業などとの共同研究やアライアンスなども推進している。2021年12月の新規上場後の取り組み事例としては、2022年3月に(株)コラボクリエイト(スズケン<9987>の連結子会社、ヘルスケアプラットフォームの企画・提案を行う目的で2022年3月に設立)に0.8%出資した。コラボクリエイトを通じて、DTx開発支援に関するシステム及び汎用臨床試験システム等を展開する。また2022年3月には、国立大学法人九州大学と「心房細動における経皮的カテーテル心筋焼灼術のエキスパート治療を提案する人工知能モデル開発」に関する共同研究契約を締結した。同研究は、AMED令和3年度メディカルアーツ研究事業との連携による「循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策実用化研究事業」に採択された。
2022年5月には、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センターと共同で、「多様なソースから収集するデータの蓄積と利活用のための個人情報の非特定化手法の開発とデータ加工技術の確立並びにデータの質担保に関する研究開発」を開始した。同研究はAMED令和4年度障害者対策総合研究開発事業「データ利活用を推進するための臨床データの加工手法と質の担保に関する研究開発」に採択された。2023年6月期の重点施策の1つと位置付けているブロックチェーン技術の応用領域拡大(レジストリ領域など)を目指す方針だ。
2022年6月には、アキュリスファーマ(株)と、世界初のブロックチェーン技術を用いた治験の実施に関する契約を締結した。医薬品開発業務受託機関であるシミック(株)と連携し、医療機関の協力を得て実施する。今回の治験では、従来の方法と比較して医療機関におけるデータ入力などの工程が大幅に削減されるとともに、治験データ自体の信頼性を高める効果が期待されている。
2. 中長期の成長見通し
同社は研究開発段階のベンチャー企業であり、当面は多額の研究開発費用が先行して期間損益のマイナスが継続する可能性がある。ただし、製造販売承認申請中の睡眠障害治療用アプリが承認を取得すれば2024年6月期以降の収益が大幅に拡大する可能性があり、他の開発パイプラインが順調に進捗すれば第2第3の承認取得に向けた期待も高まる。さらに、国の政策として厚生労働省がプログラム医療機器の普及促進に向けて承認環境の整備を推進していることも追い風であり、開発パイプラインの拡充が加速する可能性もあるだろう。ブロックチェーン技術の応用によるDTxプラットフォーム事業の拡大や、DTxプロダクト事業とDTxプラットフォーム事業のシナジーも予想される。こうした点を勘案して中長期の成長ポテンシャルが期待できると弊社では評価している。
■株主還元策
株主還元については、株主への利益還元を重要な経営課題と認識しており、将来的には経営成績及び財政状態を勘案しつつ、剰余金の分配を検討するが、多額の先行投資を伴う研究開発活動の継続的かつ計画的な実施に備えた資金の確保を優先するため、当面は配当等による株主への還元は行わない方針としている。
■ESG経営・SDGsへの取り組み
DX支援を通じて社会課題解決に貢献
同社のESG(環境・社会・統治)経営やSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みについては、マテリアリティを公表していない。しかし、治療用アプリ開発による新しい治療法の提案、汎用臨床試験システムの提供による創薬プロセスの効率化・開発コストの適正化、機械学習自動分析システムの提供による医療データ活用・医薬産業全体のバリューチェーン効率化など、同社の事業を通じてSDGsの目標の1つである「すべての人に健康と福祉を」の実現に貢献することを目指している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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