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―ビジネスモデルの高度化で活躍の場拡大、市場規模は年平均3割成長の見方も―
新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけにしたリモートワークや非対面営業の利用拡大により、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)が加速している。今後もこの動きは強まることはあっても止まることはないとみられていることから、企業の競争優位を維持する上でDXは経営上の必須課題になったが、一方で必要性は理解しているものの、何から手をつければいいのかわからないといった声や、社内に対応できる人材がいないといった声も中小・中堅企業を中心に聞かれるようになった。こうした企業に対して、ITの知見を基軸にして事業や業務の変革を提案し実行を支援するITコンサルティングへの注目が高まっている。
●ITコンサルティングは高成長市場
ITコンサルティングに明確な定義はないものの、システムやソフトウェア開発でよく用いられる開発手法であるウォーターフォール型開発の「要件定義」「設計」「実装」「テスト」「リリース」の流れのうち、「要件定義」をする上流の「企画・戦略立案」を主に行うのがITコンサルティングとされる。また、ウォーターフォール型に比べて開発期間が短いアジャイル開発においても、最初の工程である企画・戦略立案は重要な工程であり、ここでもITコンサルティングが活躍している。
IT専門調査会社のIDC Japan(東京都千代田区)では、IoTやコグニティブ/AIシステム、サイバーセキュリティーなどの導入・活用に関わる支援サービスをデジタル関連ビジネスコンサルティングと位置づけているが、その市場規模は2020年に前年比29.3%増の1337億円になったと推測。また、25年には4986億円に達すると予測しており、20年から25年の年間平均成長率は30.1%と国内コンサルティングサービス市場全体の同7.8%を大きく上回ると予想している。
●DXに舵を切る大手SIer
企業がDXを推進する場合、主に「日常業務の変革」と「ビジネスモデルの高度化」の2つの段階があるとされるが、日常業務の変革の際には、業務の洗い出しやフローの変革に内部の見方だけではなく、外部の見方が重要となるほか、ビジネスモデルの高度化でも、より専門的な知見を持った意見が必要であり、これらの場面でITコンサルティングが活躍することになる。このようなトップマネジメントを戦略的に支援でき、複数の業務領域のDXを横断的に支援するのが、外部のITコンサルティングや、コンサルティング能力を持つ大手のSIerとされる。
こうした状況を踏まえ、大手SIerもDXへ大きく舵を切り始めており、富士通 <6702> は、DX実現のためのコンサルティングからシステムの開発・運用までを一気通貫で支援する新会社Ridgelinez(リッジラインズ)を20年1月に設立した。また、野村総合研究所 <4307> も国内最大規模のDXコンサルティング部門を背景に企業のDX支援を強めているところだ。
●裾野が広いITコンサルティング関連銘柄
大手SIer以外にも、ITコンサルティングに強みを持つ企業は多い。
フューチャー <4722> は、子会社フューチャーアーキテクトを中心にITコンサルティング事業を展開しており、営業利益の9割以上をITコンサルティング&サービス事業で稼ぐ。09年にSGホールディングス <9143> と資本・業務提携したことをきっかけに物流向けDX案件に強みを持つほか、足もとではさまざまな業界からのグランドデザイン案件や基幹刷新の受注が増加し、プロジェクトの規模も拡大しているという。
マネジメントソリューションズ <7033> は、プロジェクトマネジメントの実行支援コンサルティングを主力としている。企業のさまざまなDXプロジェクトに関して、内部の人材だけではプロジェクト全体の管理やプロジェクト間の調整を図ることは難しく、同社のPMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)への需要が高まっている。
ベイカレント・コンサルティング <6532> は、戦略・ビジネスコンサルティング、ITコンサルティング、システムインテグレーションを手掛ける日本最大級の総合コンサルティングファームで、「DX」がバズワードになる前からデジタル変革の必要性を提案している。足もとでDXに関連するプロジェクトを順調に受注していることに加えて、26年2月期に売上高1000億円(21年2月期428億7300万円)を目指す中期経営計画でも主な取り組みとしてDXコンサルティングの進化を掲げ、DXに関するアライアンスや産学連携の拡充を行うとしている。
エル・ティー・エス <6560> のITコンサルティングは、戦略・業務設計、デジタル活用・エンジニアリングの総合チームによる実行支援が強み。足もとでは既存・新規顧客からDX支援の引き合いが多数発生しており、24年12月期に売上高120億円(20年12月期55億5500万円)、営業利益18億円(同4億7800万円)を目指している。
WACUL <4173> [東証M]は、デジタルを活用した戦略立案からオペレーション構築に至るまで、マーケティングのDXをワンストップで実現するための「DXコンサルティング」を展開している。第1四半期(3-5月)単独営業利益は6800万円(前年同期比26.6倍)と四半期として過去最高を達成したが、DXコンサルティング事業の好調が牽引したという。
みらいワークス <6563> [東証M]は、ビジネスコンサルティングとITコンサルティングの両領域を対象に、プロフェッショナル人材向けサービスを展開している。DXの推進にはDXに精通した人材が必要不可欠だが、同社ではそうしたプロフェッショナル人材を業務委託・派遣・紹介という形で供給。順調に案件数を積み上げ、業績を牽引している。
このほか、自治体向けのITコンサルティングに強みを持つITbookホールディングス <1447> [東証M]、金融や公共向けを中心にITコンサルティング事業を手掛けるサインポスト <3996> 、29日にマザーズ市場に新規上場したデリバリーコンサルティング <9240> [東証M]なども注目したい。
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