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トヨクモのニュース
*16:24JST トヨクモ Research Memo(4):法人向けクラウドサービス事業の単一セグメント
■事業概要
1. 事業内容
トヨクモ<4058>の事業は「法人向けクラウドサービス事業」の単一セグメントである。主なサービスとして「安否確認サービス」「kintone連携サービス」「トヨクモ スケジューラー」を展開している。
(1) 安否確認サービス
企業には自然災害や異常気象等による災害が発生した際に混乱を最小限にとどめ、顧客サービスを継続的に提供するための対応策が求められている。同社の提供する安否確認サービスは、災害時に従業員等の安否確認を携帯電話、スマートフォンやパソコンで行うクラウドサービスである。災害発生時の被害状況を正確に把握し、従業員等への指示を迅速に行うための機能を備えている。また、パンデミックをはじめとした非常時の情報共有ツールとしての利用や、社内ネットワークの障害時の緊急連絡用としても活用できるサービスとなっている。
同社の安否確認サービスはクラウド型のシステムであり、サーバーを柔軟に拡張することが可能で、災害時のアクセス増加に自動で対応する機能を備えている。具体的には、気象庁から発表される地震情報等により、ユーザーへのアクセスが始まる前に自動的に拡張させる機能である。これにより災害時に同社システムへのアクセスが急増しても、安定的にシステムが稼働する仕組みとなっている。安否確認サービスの性質上、平時は利用される機会が少ないことから、そのアクセス状況に応じたサーバー契約をしている。そのため同社は常に適切な費用負担のみで運営することができ、競争力のある価格でサービス提供が可能になっている。
同社は2022年の9月1日防災の日に、安否確認サービスを契約中の顧客のうち1,248社・44万1,292ユーザーに向けて全国一斉訓練を実施した。これにより災害時のようなアクセス負荷状況であっても、システムが稼働することを確認した。安否確認サービスにおいて他社へ乗り換える理由としてよく挙げられるのが「現在使用中のシステムは自社での訓練では稼働するが、実際の災害時にはアクセスが集中しすぎてサービスが停止してしまった」というものが多いと言う。そのため、同社が行った大規模な安否確認の訓練を実施する意義は大きいだろう。同社の安否確認サービスへの注目度は今後高まっていくと思われ、他社からの乗り換えを含め、今後も需要は底堅く推移すると弊社では考える。
(2) kintone連携サービス
サイボウズが提供する「kintone」は、売上管理や顧客管理等、業務に必要なアプリケーションを作成できるクラウドサービスである。利用者にとっては、アプリケーションの設計や各種運用設定にプログラミングを自ら行う必要はなく、マウス操作のみで利用できる。様々な用途で利用できる「kintone」だが、基本機能のみでは実現できないこともあり、同社は「kintone」に連携するサービス(いわゆる拡張機能)を提供することで「kintone」をより便利に活用できるよう顧客支援をしている。
同社が提供するkintone連携サービスは、「kintone」に登録されたデータを利用して見積書、請求書等の帳票出力をするためのサービス「プリントクリエイター」、アンケートフォーム・申し込みフォーム等を作成し、「kintone」に直接データ登録ができるwebフォーム作成サービス「フォームブリッジ」のほか、「kintone」に登録されたデータの保全や外部公開、収集・計算できるサービスがある。なおkintone連携サービスを利用する顧客は、同社を通じて「kintone」のライセンスを購入することにより、通常2ヶ所となる支払先を同社に一本化することができる。
同社は、kintone連携サービスのうち「フォームブリッジ」と「kViewer(ケイビューワー)」に新しいユーザー管理機能「Toyokumo kintoneApp認証」を2022年2月1日より追加した。「Toyokumo kintoneApp認証」とは、kintone連携サービスを横断して設定できる認証システムである。従来必要となっていたkintone連携サービスごとの簡易認証が不要となり、メールアドレスで一度ログインすれば複数のフォームや複数のビューを行き来することが可能となる。情報共有範囲を拡大するToyokumo kintoneAppユーザーは30万ユーザーを超えており、Toyokumo kintoneApp認証に対応したフォームブリッジとkViewerの契約数も急増している。
従来「kintone」は、アカウントを持っている従業員がkintoneユーザーとして業務を行い、それに取引先や協業先を含めたゲストユーザーで利用するのが、「kintone」で行うユーザー管理であった。「Toyokumo kintoneApp認証」を利用すると、今までオンライン上でコミュニケーションが取れなかった相手との手軽な情報共有が実現する。例えば、アパレルショップやファンクラブ、メルマガの会員システムの構築を可能にするほか、塾と生徒、工務店と施主、学校と保護者といった間柄において、情報共有・コミュニケーションが取れるようなシステムを安価で構築することができる。「Toyokumo kintoneApp認証」によって、「kintone」は社外に向けた情報共有基盤へと進化し、同社が提供するkintone連携サービスも今後拡大することが期待される。
(3) 「トヨクモ スケジューラー」
「トヨクモ スケジューラー」は、同社が2021年11月にリリースしたサービスである。従来のグループスケジューラーが持つ社内の日程調整に加えて、社外の人との日程調整もできる新しいコンセプトのスケジューラーである。予定を作成する際、サイボウズが提供する「kintone」や「cybozu.com」と連携することで手入力の手間を省き、WebミーティングのURLをワンクリックで発行することが可能である。同サービスは日程調整を目的としたサービスであるため業種や規模を問わず利用できるものであり、利用者のすそ野は広い。また、同社にとっては海外展開をねらったサービスという位置付けとなっており、今後の展開が注目される。同社では他社クラウドサービスとの連携強化も進めており、社外の人が利用する「Googleカレンダー」、「Microsoft Outlook」との連携、「Google Workspace」と連携し、ユーザー情報の同期も可能になるなど、利便性の向上も進んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
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1. 事業内容
トヨクモ<4058>の事業は「法人向けクラウドサービス事業」の単一セグメントである。主なサービスとして「安否確認サービス」「kintone連携サービス」「トヨクモ スケジューラー」を展開している。
(1) 安否確認サービス
企業には自然災害や異常気象等による災害が発生した際に混乱を最小限にとどめ、顧客サービスを継続的に提供するための対応策が求められている。同社の提供する安否確認サービスは、災害時に従業員等の安否確認を携帯電話、スマートフォンやパソコンで行うクラウドサービスである。災害発生時の被害状況を正確に把握し、従業員等への指示を迅速に行うための機能を備えている。また、パンデミックをはじめとした非常時の情報共有ツールとしての利用や、社内ネットワークの障害時の緊急連絡用としても活用できるサービスとなっている。
同社の安否確認サービスはクラウド型のシステムであり、サーバーを柔軟に拡張することが可能で、災害時のアクセス増加に自動で対応する機能を備えている。具体的には、気象庁から発表される地震情報等により、ユーザーへのアクセスが始まる前に自動的に拡張させる機能である。これにより災害時に同社システムへのアクセスが急増しても、安定的にシステムが稼働する仕組みとなっている。安否確認サービスの性質上、平時は利用される機会が少ないことから、そのアクセス状況に応じたサーバー契約をしている。そのため同社は常に適切な費用負担のみで運営することができ、競争力のある価格でサービス提供が可能になっている。
同社は2022年の9月1日防災の日に、安否確認サービスを契約中の顧客のうち1,248社・44万1,292ユーザーに向けて全国一斉訓練を実施した。これにより災害時のようなアクセス負荷状況であっても、システムが稼働することを確認した。安否確認サービスにおいて他社へ乗り換える理由としてよく挙げられるのが「現在使用中のシステムは自社での訓練では稼働するが、実際の災害時にはアクセスが集中しすぎてサービスが停止してしまった」というものが多いと言う。そのため、同社が行った大規模な安否確認の訓練を実施する意義は大きいだろう。同社の安否確認サービスへの注目度は今後高まっていくと思われ、他社からの乗り換えを含め、今後も需要は底堅く推移すると弊社では考える。
(2) kintone連携サービス
サイボウズが提供する「kintone」は、売上管理や顧客管理等、業務に必要なアプリケーションを作成できるクラウドサービスである。利用者にとっては、アプリケーションの設計や各種運用設定にプログラミングを自ら行う必要はなく、マウス操作のみで利用できる。様々な用途で利用できる「kintone」だが、基本機能のみでは実現できないこともあり、同社は「kintone」に連携するサービス(いわゆる拡張機能)を提供することで「kintone」をより便利に活用できるよう顧客支援をしている。
同社が提供するkintone連携サービスは、「kintone」に登録されたデータを利用して見積書、請求書等の帳票出力をするためのサービス「プリントクリエイター」、アンケートフォーム・申し込みフォーム等を作成し、「kintone」に直接データ登録ができるwebフォーム作成サービス「フォームブリッジ」のほか、「kintone」に登録されたデータの保全や外部公開、収集・計算できるサービスがある。なおkintone連携サービスを利用する顧客は、同社を通じて「kintone」のライセンスを購入することにより、通常2ヶ所となる支払先を同社に一本化することができる。
同社は、kintone連携サービスのうち「フォームブリッジ」と「kViewer(ケイビューワー)」に新しいユーザー管理機能「Toyokumo kintoneApp認証」を2022年2月1日より追加した。「Toyokumo kintoneApp認証」とは、kintone連携サービスを横断して設定できる認証システムである。従来必要となっていたkintone連携サービスごとの簡易認証が不要となり、メールアドレスで一度ログインすれば複数のフォームや複数のビューを行き来することが可能となる。情報共有範囲を拡大するToyokumo kintoneAppユーザーは30万ユーザーを超えており、Toyokumo kintoneApp認証に対応したフォームブリッジとkViewerの契約数も急増している。
従来「kintone」は、アカウントを持っている従業員がkintoneユーザーとして業務を行い、それに取引先や協業先を含めたゲストユーザーで利用するのが、「kintone」で行うユーザー管理であった。「Toyokumo kintoneApp認証」を利用すると、今までオンライン上でコミュニケーションが取れなかった相手との手軽な情報共有が実現する。例えば、アパレルショップやファンクラブ、メルマガの会員システムの構築を可能にするほか、塾と生徒、工務店と施主、学校と保護者といった間柄において、情報共有・コミュニケーションが取れるようなシステムを安価で構築することができる。「Toyokumo kintoneApp認証」によって、「kintone」は社外に向けた情報共有基盤へと進化し、同社が提供するkintone連携サービスも今後拡大することが期待される。
(3) 「トヨクモ スケジューラー」
「トヨクモ スケジューラー」は、同社が2021年11月にリリースしたサービスである。従来のグループスケジューラーが持つ社内の日程調整に加えて、社外の人との日程調整もできる新しいコンセプトのスケジューラーである。予定を作成する際、サイボウズが提供する「kintone」や「cybozu.com」と連携することで手入力の手間を省き、WebミーティングのURLをワンクリックで発行することが可能である。同サービスは日程調整を目的としたサービスであるため業種や規模を問わず利用できるものであり、利用者のすそ野は広い。また、同社にとっては海外展開をねらったサービスという位置付けとなっており、今後の展開が注目される。同社では他社クラウドサービスとの連携強化も進めており、社外の人が利用する「Googleカレンダー」、「Microsoft Outlook」との連携、「Google Workspace」と連携し、ユーザー情報の同期も可能になるなど、利便性の向上も進んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
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