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【QAあり】GMOフィナンシャルゲート、各段階利益は通期計画に向けて前倒し進捗 来期以降のパイプライン積み上げに注力
目次
杉山憲太郎氏(以下、杉山):GMOフィナンシャルゲート代表取締役社長の杉山です。2024年9月期第3四半期の決算説明会を始めます。どうぞよろしくお願いします。
本日のアジェンダは、スライドに記載のとおりです。第3四半期の業績サマリー、KPI推移、事業ハイライト、成長戦略と取り組み状況についてご説明します。
1.1 2024年9月期 第3四半期 総括
2024年9月期第3四半期の総括です。定量面と定性面に分けてご説明します。
まずは定量面です。第3四半期累計の売上高は135億9,000万円、YoYプラス13.3パーセント、通期計画比70.8パーセントの進捗率です。営業利益は13億9,000万円、YoYプラス43.3パーセント、通期計画比99.3パーセントの進捗率です。
品目別売上は、第3四半期累計でイニシャルが86億4,000万円、YoYプラス0.7パーセント、リカーリング型が49億5,000万円、YoYプラス44.9パーセントとなっています。
それを支えるKPIは、決済処理件数が1億9,000万件、YoYプラス53.0パーセント、GMV(決済処理金額)が1兆6,000億円、YoYプラス51.7パーセントです。
なお、前回まで「稼働端末台数」としていたKPIを、今回から「アクティブID数」という名称に変更しました。こちらは、デバイスレスのトランザクションが当四半期で3,000件確認できているためです。
そのようなデバイスレスの世界でも、アクティブのトリガーを引く件数をID数として開示します。アクティブID数が36万1,000ID、YoYプラス32.2パーセント、8万8,000ID増加しています。
定性面については、事業トピックと組織トピックに分けてご説明します。事業トピックは3点です。
1点目は、Horizontal×Vertical展開により、大手企業グループのお客さまに対しエコシステムを形成できるようになったことです。これは今後のARR(*)拡大に寄与するため、後ほど詳しくご説明します。
2点目は、パイプラインの積み上げです。こちらも前回お話ししましたが、アップデートを含めて後ほどご説明します。
3点目は、モビリティ領域において、首都圏を中心とした鉄道事業者にトライアルで導入いただいていることです。加えて、実際のトランザクションも上がってきており、そのあたりをアップデートします。
組織トピックについては、ESGにおいてMSCI、Sustainalyticsのレーティング向上プロジェクトを発足しました。現在は第三者機関から助言をいただき、投資をしながら進捗している状況です。
*ARR : Annual Recurring Revenue(年間リカーリング型売上)
1.2 業績サマリー
業績サマリーです。売上高の通期進捗率は、今期ターゲットとしている192億円という数字に対して70.8パーセントです。前期がプラス50パーセント、今期が20パーセントと非常に高い成長目標を開示していますので、第4四半期も後れを取ることなくしっかりと取り組んでいきます。
売上総利益は42億600万円、前年同期比プラス45パーセント、通期進捗率82.6パーセントとなっています。
営業利益の通期進捗率は99.3パーセントです。トップラインはまだアクティビティが必要ですが、営業利益という観点では比較的余裕を持った着地を迎えている状況です。
親会社株主に帰属する四半期純利益は8億6,000万円、前年同期比プラス40.3パーセント、通期進捗率は100.2パーセントです。
KPIについては、先ほどお話ししたとおりです。
1.3 業績の変動要因
業績の変動要因についてご説明します。
まずは売上高です。イニシャルは、前期に日本郵便さまの大型案件があり発射台が高かった中、第3四半期累計でそれを上回る進捗ができたのはプラスだと思っています。リカーリング型は、シェア拡大戦略の実りが少し出てきたと感じています。アクティブID数の増加により、計画どおり拡大している状況です。
売上総利益は、売上高と同様にリカーリング型が拡大できたのがポイントだと思います。
営業利益は、売上高と売上総利益の順調な拡大で想定を上回りました。加えて、下期の状況を確認しながら、来期以降の将来投資も準備しています。スライドには、大きく3点の戦略を挙げています。
1点目は、ソリューションアセットの拡充です。こちらは大型店舗にご利用いただくプラットフォームの拡充として、Vertical戦略の中で対応しています。この中にはもちろん、人的コストなど体制面の整備も含めています。
2点目は、システムインフラ基盤の強化です。トランザクションも増えてきたため、そのようなところにも手当てしていきます。3点目は、ESGの高度化です。以上の3点について仕上げていきます。
1.4 品目別売上実績(YoY)
品目別売上実績です。イニシャルについては、冒頭にお伝えしたとおりです。
リカーリング型の内訳についてご説明します。ストック売上は12億6,500万円、前年同期比プラス44.2パーセント、フィー売上は26億7,700万円、前年同期比プラス57.2パーセント、スプレッド売上は10億700万円、前年同期比プラス20.5パーセントとなりました。
やはりスプレッドの部分が、リカーリング型の中で若干物足りなさを感じると思います。しかしスプレッドは、加盟店の事業性も含めて審査しながら進めています。攻めと守りの観点で想定内に着手できたところ、事業ポートフォリオの中でしっかりバランスを取りながら営業活動しているところを鑑みると、前年同期比プラス20.5パーセントは合格点だと考えています。
1.5 品目別売上(四半期)
四半期別の品目別売上です。イニシャル売上は25億8,600万円となりました。スライド左側の棒グラフに青色の帯で記載していますが、前期平均の27億7,800万円に対し、今期第3四半期までの累計平均は28億8,100万円です。前期平均を上回るイニシャル売上およびID数が積み上げられているところがポイントだと思います。
リカーリング型売上はベースアップができており、17億6,500万円という数字は問題ない範囲だと思います。
2.1 イニシャル売上とアクティブID数推移
KPIの推移についてご説明します。まずはイニシャル売上とアクティブID数の推移です。前のスライドでお伝えしたイニシャルの積み上げに対し、アクティブID数がプラス1万6,800IDと1万5,000 IDを上回る増加が確認できているため、ここもトレンドとして問題ないと考えています。
2.2 連結KPI推移(アクティブID数)
スライド右側には、アクティブID数の内訳を記載しています。有人端末は前年同期比プラス34.4パーセント、無人端末は前年同期比プラス28.4パーセント、他社販売端末数は記載のとおりです。
冒頭にお伝えした端末レスのトランザクションも3,000ID確認できているため、SMEを中心とした端末レスのニーズにいち早く応えるべく、今後も注力していきます。
2.3 連結KPI推移(決済処理件数・GMV/四半期毎)
決済処理件数とGMVの推移です。どちらも前年比プラス50パーセント以上のため、順調に積み上がっていると思います。
3.1 単3Q 上位30加盟店 構成割合(GMV)
事業ハイライトです。まずは単体第3四半期の上位30加盟店の動向です。前期の単体第3四半期のGMV合計1,839億円に対し、当第3四半期は2,555億円、YoYプラス38.9パーセントとなりました。
新規加盟店も3社確認できており、GMVを拡大する加盟店も非常に多く獲得できています。また、上位30加盟店の構成比が15.5パーセントに下がり、裾野も広がっています。
3.2 市場成長との比較(5月単月比較)
当社のGMVは、YoYプラス51パーセントの成長です。業界水準であるクレジットのキャッシュレスはYoYプラス11パーセントの成長のため、こちらも大きく広がってきています。
3.3 加盟店と共に成長を実現する決済プラットフォーム
既存加盟店と新規加盟店のGMV成長率です。既存加盟店のグロースは、先ほどお伝えしたYoY11パーセントを上回る22.8パーセントであり、Win-Winとなるプラットフォームの提供ができていると思います。
また、新規加盟店を含めたGMV成長率はYoY51.7パーセントと、順調に推移している状況です。
4.1 業績推移のイメージ
成長戦略のアップデートです。従前からご説明しているとおり、足元は市場シェア拡大フェーズです。リカーリング型のシェア拡大の実りが少しずつ利益水準に落ちてきていますが、市場シェアをさらに拡大する戦略を打っているところです。
一方で、後ほどご説明しますが、アクティブID数を獲得しながらARPUをしっかりと維持することがARR拡大に寄与していくため、大手とSMEを分ける戦略を立てて取り組んでいる状況です。
4.2 中長期 業績目標
上場当初からの事業戦略として、従前より大きく4点を掲げています。現在はそれらをブレークダウンし、中期戦略施策として大きく5つの項目を推進しています。
2030年の営業利益目標である50億円を、いかに前倒しで達成するかですが、まずは1年前倒しの見込みで今期をしっかりとクリアできるよう進めているところです。
4.3 ARR拡大施策
ARR(*)の拡大施策についてご説明します。ARRとは、ご認識のとおり「アクティブID数×ARPU」のことを指します。スライド左側にはトラックレコードとして、2020年9月期からのリカーリングARPU推移を示しています。棒グラフがARPU、折れ線グラフがアクティブID数です。
当初のアクティブID数は7万9,000IDで、その時のARPUは1万8,000円でしたが、シェア拡大戦略の中で、上場後に調達した部分を投資に回し成長することができました。アクティブID数の獲得を進めたことで、足元のアクティブID数は30万IDを超えてきています。
一般的には、アクティブID数が増えると希薄化するため、ARPUが下がる事業モデルが多いと思います。当社も、拡大戦略によって1万4,000円まで落ち込みました。しかし、そこから少しずつ水準を上げて、現在は1万5,000円から1万7,000円で推移しています。
今期もARPUは重要なKPIとして確認していきます。戦略テーマのため、すべてを話すことはできませんが、リカーリング収益の注力ポイントとして管理したいと考えています。
この決済プラスアルファの価値をバンドルすることで、アクティブID数を拡大しながら、ARPUを維持または向上させていく施策になると思います。スライド右側にARPU向上施策を記載しました。現在は、大手とSMEのお客さまに分けて整理しているところです。
大手のお客さまのARPUは2万円から3万円ほどですが、比較的ARPU向上の機会を得やすいです。価値をしっかりと創出しながら、加盟店とWin-Winになるサービス、プロダクトをクロスセルすることがポイントになります。Horizontal×Verticalの部分において、アクティブID数の獲得とARPUの向上を目指し、エコシステムを形成します。
SMEのお客さまは、面を取りながらARPUを維持していく戦略になります。利便性の高いサブスクリプションのパッケージをいかにご利用いただくかといったところと、稼働率の高い加盟店さまをしっかりとターゲティングしながら営業活動していくところがポイントになります。
*ARR : Annual Recurring Revenue(年間リカーリング型売上)
4.4 大手企業グループにおけるARR拡大施策
従前からお伝えしているとおり、大手企業グループのお客さまに当社の決済プラットフォームをご利用いただく案件が増えています。そこでスライドには、大手のお客さまとの取り組みをHorizontalとVerticalの戦略に分けて示しました。
スライド左側がHorizontalの拡大イメージです。大手のお客さまは、決済プラスアルファで、データ連携やPOS連動などを必要とすることが多いです。その中で、経済圏を獲得するための独自ポイントを展開しています。
我々はそれらをPhase1として提案する機会をいただき、営業により勝ち取っています。当社のアドバンテージは、共通アセットを横展開できることです。そのため、大手企業さまにご利用いただければ、小売・飲食・ホテル・駐車場といった、さまざまな業種・業態に決済システムをご利用いただくチャンスがあります。
そちらも1つのエコシステムとして形成しながら、共通アセットを他企業グループさまに展開することでプラットフォームをご活用いただき、さらにそちらでもエコシステムを形成していきます。
つまり、アクティブID数をいかに獲得するかが重要だということです。Phase1で決済プラットフォームのトリガーを引き、Phase2、Phase3に向かっていきます。
スライド右側がVerticalの拡大イメージです。「リレーションシップ」と「ソリューショニング」と記載したように、お客さまに入り込んで、お客さまの課題を解決する提案をします。お客さまとWin-WinになるDX化やデータの高度化を推進することで、VerticalなARPU向上を目指すチャンスがあると考えています。こちらも、1つのエコシステムとして考えています。
このように、HorizontalとVerticalそれぞれの戦略において、プロダクトと共通アセットを最大化しながら、お客さまとのリレーションシップとソリューショニングを提供していきます。そうすることで、より高いARPUの向上が見込めると考えてプロジェクトを推進しています。
スライド下部には、パイプライン案件のエコシステム形成状況を記載しました。実案件の中で、2024年から要件定義を始めています。お客さまとのノウハウをB社、D社といったかたちで広げることで、大手のお客さまに決済プラスアルファのプラットフォームを提供するチャンスが生まれると考えています。
現在は準備段階ですが、こちらをローンチすることでVertical案件につなげていきたいと思います。
4.5 エコシステム形成による案件パイプライン状況
エコシステムを形成することで、パイプラインが積み上がっていきます。リードタイムも含めて短いものや長いものがありますが、Phase1は短期でリリースして、Phase2やPhase3で大手のお客さまを中心としたグループ戦略に寄与する開発を行うといったケースもあります。
スライドに記載した図ですが、円のサイズは利益貢献イメージ、濃淡はパイプラインの角度、グレーの矢印はソリューションアセットの活用、ブルーの矢印は第2四半期決算からのアップデートを示しています。
現在は「Update」と記載した大手生活用品店Aが前倒しで進捗しています。そのアセットを活用しながら大手生活用品店Cに展開しつつ、案件をシームレスに獲得することがアセット活用のポイントになると思います。
一方で、スライド右側のバブルにおいては、かなり難易度の高いお客さまがローンチをすべく準備・開発している最中です。少し足の長いもの作りになる部分はありますが、2025年、2026年にこの案件を1つの活用事例としてご報告できるように仕上げていきます。またアップデートがあればご共有します。
4.6 決済プラットフォームの拡大(モビリティ領域)
モビリティ領域のアップデートについてです。冒頭にご説明したとおり、首都圏を中心に動きが出始めています。例えば、東京都の交通局さまや京急さまによるトライアルを、2024年中に開始することを発表しました。また、訪日外国人数の推移とトランザクションがリンクし、右肩上がりにトランザクション件数が増えています。
スライド左下の棒グラフのうち、オレンジ色が首都圏のトランザクションを示しています。このように、今まで多くなかった首都圏のトランザクションが確認できているところは、アップデートかと思います。
4.7 端末レス決済の推進
端末レス決済の推進についてです。導入時間を削減したいというニーズにおいて、まずはタッチオンリーのカード決済でキャッシュレスを導入したいといった、SMEを中心としたお客さまのニーズに対応します。また、導入コストを下げてスモールスタートしたいお客さまやテーブル決済、移動販売、移動体に対してキャッシュレスを提供します。
そのようなニーズに対してパイプラインを積み上げています。今はSMEのお客さまへの導入にとどまっていますが、提案中のお客さまを含めると、物流業界やレストラン、チェーン飲食店、移動販売がプロスペクトとして提案中です。
こちらは、キャッシュレスの導入のハードルを下げるかたちでスモールスタートできる領域です。そして、これまで端末を持ち歩けなかった業態のお客さまを含めてチャンスがあると思っています。
4.8 クレジットタッチ決済(非接触IC)の普及
タッチ決済の実績です。我々のセンターでお預かりしているデータのうち、約50パーセントが非接触のタッチ決済になってきています。YoYではプラス22.2ポイントと、キャッシュレス業界においてはほぼ標準的な機能になってきたと思います。
4.9 ESG対応の高度化
ESG対応の高度化についてご説明します。統合報告書作成に向けたアクティビティとして、外部コンサルの助言を受けながら精度とスピードを上げるプロジェクトを進捗しています。
質疑応答:大手企業グループとSMEのID数の構成割合について
榎本佑介氏(以下、榎本):「アクティブID数×ARPUのご開示ありがとうございます。貴社ID数における、大手企業グループとSMEの構成割合を教えてください」というご質問です。
今回新しくご紹介した大手企業グループさまとSMEという区分けですが、結論として、数字を公開するにはまだ時間がかかると考えています。
しかし、先ほどパイプラインやバブルチャートで示したように、エコシステムを形成できる大手企業さまからの受注が直近で取れるようになってきており、今後もパイプラインを積み上げていく計画です。
アクティブID数という観点で言えば、当社では現状36万IDが動いています。その中での大手企業グループさまの構成割合はまだまだ小さいですが、このID数を今後しっかり増やしていきたいと考えています。
質疑応答:今期の会社契約据置の背景と通期売上計画達成の可能性について
榎本:「第3四半期は大口案件が少なかったため、イニシャル売上が相対的に弱含みだったと思います。今期は会社計画を据え置かれましたが、今の進捗を考えると、大口案件がない場合は今期の通期売上計画の達成ハードルが高いと考えられるのですがいかがでしょうか? 今期計画を据え置いた背景を教えてください」というご質問です。
杉山:第4四半期はまだオンゴーイングであるため、そこでしっかりとプランどおりのアクティビティができれば達成するという算段はできています。しかし、そこまで余裕はないというのが今の状況かと思っています。ここをクリアすべく、アクティビティは継続していきます。
案件の積み上げは着実にできているため、お客さまのご事情も含めて、第4四半期に計上できるかどうかを見極めていきます。同時にオルタネーションプランを発動しながら、しっかりとクリアしていこうと考えています。
質疑応答:第4四半期のイニシャル売上見込みの背景について
榎本:「イニシャル売上が第3四半期は絶対額としても弱いように見えますが、第4四半期は大型案件による伸長を見込んでいるとあります。この変動の背景をもう少しご説明いただけますでしょうか? 『stera』の戦略の影響を受けているのですか?」というご質問です。
杉山:イニシャルですので、「stera」を含むデバイスの影響は受けていると言いますか、フォーキャスト的にそのような推移になっています。また、ある程度のボラティリティが生じることもご認識のとおりです。
一方で、第4四半期に仕掛けている案件ももちろんあり、そちらがしっかりとローンチできれば数字は達成できるかと思っています。「stera」だけの影響ではないということです。
質疑応答:加盟店ポートフォリオの見直し内容と目的について
榎本:「リスクの観点から加盟店ポートフォリオの見直しを実施したとありますが、新規営業の戦略を変えたということでしょうか? 既存加盟店の契約見直しを行ったということでしょうか? 目的とあわせて教えてください」というご質問です。
杉山:お客さまの事業を新規・既存に関係なく状況に応じて見極め、守りと攻めで審査しています。お客さまのご事情もあるため、すべてお話をすることはできませんが、バランスをもって対応しているとご認識いただければと思います。
質疑応答:来期の成長ドライバーについて
榎本:「スライドのバブルチャートについて、前期比で大手商業施設のBとDがやや後ろ倒しとのことでしたが、2025年9月期の成長ドライバーは何になるのでしょうか? 大型案件というよりは、SMEなどの積み上げで成長を作ることになります?」というご質問です。
杉山:何をもって「大型」と言うかという議論はあるものの、我々が「大型」と定義している案件はもちろんあります。ただし、今期同様に大型案件が多く期待できるかと言うとそうではありません。
また、我々がこだわっているのは、アクティブID数をいかに増やしてARPUとの掛け算でARRを上げるかという部分です。イニシャルだけを考えると、確かに2025年9月期の大型案件は今期同様の状況で見ていかなければいけないとは思っています。しかし、対前年成長と25パーセント回帰を確認しながら、来期・再来期に向けた中長期的なトップラインの成長の仕込みはしっかりとできていると思っています。
とはいえ若干足の長い期間があるため、来期はそこまでストレッチするのは難しいというのが今見えている状況です。
質疑応答:ID数に対する大手企業グループの構成比の見通しについて
榎本:「今後の見通しとして、アクティブID数に対する大手企業グループさまの構成比は高まると思っていいのでしょうか?」というご質問です。
アクティブIDの数という意味では、必ずしも大手企業グループさまの割合が劇的に高まることはないと思っています。SMEのID数の増加にも注力するため、構成比が劇的に変わるわけではないかもしれません。
一方で、ARPUの観点からは、SMEのARPUもしっかり維持しながら大手企業グループさまのID数を増やしていくことで、ARPUを現状維持ないしは向上させたいと考えています。
質疑応答:今期会社計画のサポート材料について
「今回、リードタイムの短い案件として新たに出てきた大手生活用品店Cが、今期の会社計画据置のサポート材料でしょうか?」というご質問です。
杉山:ご認識のとおりです。今期にしっかりと導入できれば、会社計画をサポートしていただける案件ではあるかと思います。
質疑応答:第4四半期の投資の内容と規模感について
榎本:「第4四半期に実施する投資とは、どのような内容になるのでしょうか? 規模感についてもご教示ください」というご質問です。
杉山:ソリューションアセットの中には、モノづくりだけではなく、運用のスキームを含めて提供するサービスも当然内在しています。それらも含めて耐えうる体制、またはサービスクオリティを含めた仕組みになっているかという部分について、投資をしながら準備を進めており、販管費込みで活用していきます。
榎本:加えて、今期計画の達成状況や将来状況にもよりますが、採用活動も含めた人材投資は例年どおり継続することになると思います。
質疑応答:端末レス決済のアクティブID数とGMVの成長イメージについて
「端末レス決済のアクティブID数とGMVの成長イメージを教えてください。今ぐらいの成長ペースが続くのでしょうか?」というご質問です。
新たに開示した端末レス決済のアクティブID数は現状3,000IDです。もちろんタイミングや取組先とのキャンペーン状況などによって変動しますが、今くらいのペースでしっかりと伸ばしていきたいと考えています。
質疑応答:「next stera」の新端末販売開始に伴う影響について
「『next stera』の新端末販売開始に伴う、貴社への好影響について教えてください」というご質問です。
杉山:プラスの武器ですので影響はプラスに転じるかと思いますが、まだ提案中の案件が多い状況です。お客さまの利用シーンに合わせてプロダクトをしっかりと提供することがポイントになりますので、まだ少し先の来期・再来期に向けた案件が多いかと思います。
質疑応答:イニシャルの利益率の水準について
榎本:「粗利率が比較的高い無人端末の構成比の上昇により、第3四半期はイニシャルの粗利率が高い水準にあると推察しています。この水準は出来過ぎなのでしょうか? それとも第4四半期以上も続くと見通していますか?」というご質問です。
杉山:イニシャルの利益率はプロダクトによって変りますが、プロダクトミックスの中の粗利率にボラティリティがあることはご認識のとおりだと思います。イニシャルの利益率の高さは一過性も含めながら、リカーリングの収益性の高いところも上がっているというのが平均値になると思います。
「出来過ぎ」かどうかで言えば、ある程度想定内の着地だと考えています。そこまで出来過ぎでもないため、この水準を維持する販売計画をしっかりと達成することがポイントになると思います。
榎本:全体の粗利率について補足します。イニシャルのボラティリティがやや高い影響もあって、第3四半期はリカーリングの構成比が高まり、粗利率の上昇が見られました。
先ほどご説明したとおり、第4四半期における端末とイニシャル売上も伸長しているため、第4四半期全体で見た時の粗利率は、第3四半期よりもやや低下する方向にはあると見ています。
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