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PKSHA Technologyのニュース
以下は、2019年7月17日にYouTubeチャンネル「FiscoTV」で配信された「マザーズ市場動向2019」である。フィスコマーケットレポーターの橋本 真依氏とフィスコの株式アナリストである雲宮 祥士氏が、対談形式でマザーズ市場の投資戦略について解説している。全4回に分けて配信する。
橋本:では、今後注目しておきたいマザーズ市場の銘柄は、どういったところになりますでしょうか。
雲宮:今後の動向を注目していきたい銘柄というと、今年前半に大きく時価総額を伸ばし再びトップに躍り出たメルカリ<4385>と次いで2位のそーせいグループ<4565>、同様に時価総額上位で今期2ケタ増益見通しであるPKSHA Technology<3993>(パークシャ テクノロジー)、そして、8月決算発表企業ではありませんが6月に上場したばかりで、注目度の高いとされるSansan<4443>を挙げておきたいですね。
橋本:そうですか、それぞれの銘柄は、どういったところに注目してみていけばよろしいでしょうか。
雲宮:まず、メルカリですが、現状は赤字である新規事業メルペイと米国メルペイの赤字幅縮小の兆しが確認できるかどうかが、8月の決算では最も重要なポイントとなってきます。特に米国メルカリの動向は上場時から着目されていて、21年6月期で黒字化の兆しが確認されなかった場合は、自転車シェアリングの「メルチャリ」などと同様に事業撤退をするとの方針ですので、今回の決算で明らかになる20年6月期見通しが今後の方向性を見極める上で重要なポイントとなりそうです。
次いで、そーせいも同様に、赤字幅縮小の動向に注目が集まりそうです。同社は、積極的なコスト削減の結果がようやく出始めてきているほか、提携先のアストラゼネカやノバルティスからの開発進捗に伴うマイルストーンや海外販路拡大によるロイヤルティ収入の拡大が継続しており、現状の市場コンセンサスである20.12期(来期)黒字転換時期が早まる兆しが出てくる可能性もありそうです。
橋本:3つ目のPKSHA Technologyの注目点はいかがでしょうか。
雲宮:コールセンターの自動応答システムなどを手掛けるPKSHAですが、働き方改革や人手不足などを追い風に18.9期に黒字転換し、今期も2ケタ増収増益見通しとなっている、高成長企業の一つであります。
自動運転など幅広い分野へと導入されているAIアルゴリズムソフトウェアが順調に拡大しており、人件費などのコスト増を順調なトップライン増加で吸収する展開となりそうです。MaaS(次世代移動サービス:Mobility as a Service)領域への展開強化で買収したアイドラ社に絡んだ具体的なガイダンスが示されると、新たな収益の柱への期待感から株価にもポジティブな反応となりそうです。
橋本:注目銘柄の最後に挙げて頂いたSansanの業績面などでの注目点はいかがでしょうか。
雲宮:はい。Sansanについては、主に3つの観点から注目点をお話したいと思います。
まず、「高い増収ペースと市場開拓余地の大きさ」ですが、直近の売上高推移を見ると、2018年5月期実績73.2億円(前期比51.3%増)、2019年5月期見込み100.6億円(同37.5%増)となっています。働き方改革やデジタル・トランスフォーメーションの加速で名刺に対するクラウド管理ニーズが高まっているほか、同社は名刺管理サービス市場で8割超の高いシェアを有しているが、国内における総従業者数に占めるSansan利用者数の割合は約1%に留まっており、潤沢な開拓余地が残されています。
橋本:1%なんですね!それは開拓余地がまだまだありそうですね。2番目の売上総利益率の高さについてはいかがでしょうか。
雲宮:はい、Sansanは売上総利益率が2019年5月期第3四半期までで84.0%と高く、名刺入力ではまだ人手に頼るところも大きいですが、過去に入力したものを画像認識させるなどして自動化が進んでおり、なお改善余地があるとみられます。
最後に、計画性のある先行投資についてですが、これまでの業績の赤字推移の要因となっていた先行投資負担を見ると、1.広告宣伝費が2017年5月期15.7億円、2018年5月期44.7億円、2019年5月期第3四半期まで22.3億円、2.人件費が12.8億円、16.8億円、16.9億円と推移しています。
広告宣伝費についてはEightがマネタイズ化方針に従い縮小。対してSansanは増加傾向ですが、売上高伸び率の範囲内で増やしているものとみられます。事業拡大に伴い人件費も増えているものの、採用面での制約などがあり広告宣伝費ほどの急増は想定しづらいでしょう。
総括すると、先行投資はSansanの収益性の裏付けのもと、一定のペースで増えており、収益のビジビリティー(可視性)は比較的高いと考えられます。これらを勘案すると、既に始まった2020年5月期も高い増収ペースを維持していく可能性が高いです。現に同社の収益性に着目して、保有に動き出している機関投資家の動向も確認されています。
橋本:なるほど、現在赤字の企業でも収益の可視性に着目していくのは投資先を選定していく上で、非常に重要ですよね。ありがとうございました。ここまで、雲宮さんとマザーズ市場の動向と注目銘柄の今後のポイントについてお話を伺いました。次回はこれらを踏まえて、株価見通しと先物戦略についてお話を聞いていきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
雲宮:はい、ありがとうございました。
—「マザーズ市場の投資戦略vol.3 ~マザーズ注目銘柄の予想値動きと先物戦略~」に続く—
<HH>
橋本:では、今後注目しておきたいマザーズ市場の銘柄は、どういったところになりますでしょうか。
雲宮:今後の動向を注目していきたい銘柄というと、今年前半に大きく時価総額を伸ばし再びトップに躍り出たメルカリ<4385>と次いで2位のそーせいグループ<4565>、同様に時価総額上位で今期2ケタ増益見通しであるPKSHA Technology<3993>(パークシャ テクノロジー)、そして、8月決算発表企業ではありませんが6月に上場したばかりで、注目度の高いとされるSansan<4443>を挙げておきたいですね。
橋本:そうですか、それぞれの銘柄は、どういったところに注目してみていけばよろしいでしょうか。
雲宮:まず、メルカリですが、現状は赤字である新規事業メルペイと米国メルペイの赤字幅縮小の兆しが確認できるかどうかが、8月の決算では最も重要なポイントとなってきます。特に米国メルカリの動向は上場時から着目されていて、21年6月期で黒字化の兆しが確認されなかった場合は、自転車シェアリングの「メルチャリ」などと同様に事業撤退をするとの方針ですので、今回の決算で明らかになる20年6月期見通しが今後の方向性を見極める上で重要なポイントとなりそうです。
次いで、そーせいも同様に、赤字幅縮小の動向に注目が集まりそうです。同社は、積極的なコスト削減の結果がようやく出始めてきているほか、提携先のアストラゼネカやノバルティスからの開発進捗に伴うマイルストーンや海外販路拡大によるロイヤルティ収入の拡大が継続しており、現状の市場コンセンサスである20.12期(来期)黒字転換時期が早まる兆しが出てくる可能性もありそうです。
橋本:3つ目のPKSHA Technologyの注目点はいかがでしょうか。
雲宮:コールセンターの自動応答システムなどを手掛けるPKSHAですが、働き方改革や人手不足などを追い風に18.9期に黒字転換し、今期も2ケタ増収増益見通しとなっている、高成長企業の一つであります。
自動運転など幅広い分野へと導入されているAIアルゴリズムソフトウェアが順調に拡大しており、人件費などのコスト増を順調なトップライン増加で吸収する展開となりそうです。MaaS(次世代移動サービス:Mobility as a Service)領域への展開強化で買収したアイドラ社に絡んだ具体的なガイダンスが示されると、新たな収益の柱への期待感から株価にもポジティブな反応となりそうです。
橋本:注目銘柄の最後に挙げて頂いたSansanの業績面などでの注目点はいかがでしょうか。
雲宮:はい。Sansanについては、主に3つの観点から注目点をお話したいと思います。
まず、「高い増収ペースと市場開拓余地の大きさ」ですが、直近の売上高推移を見ると、2018年5月期実績73.2億円(前期比51.3%増)、2019年5月期見込み100.6億円(同37.5%増)となっています。働き方改革やデジタル・トランスフォーメーションの加速で名刺に対するクラウド管理ニーズが高まっているほか、同社は名刺管理サービス市場で8割超の高いシェアを有しているが、国内における総従業者数に占めるSansan利用者数の割合は約1%に留まっており、潤沢な開拓余地が残されています。
橋本:1%なんですね!それは開拓余地がまだまだありそうですね。2番目の売上総利益率の高さについてはいかがでしょうか。
雲宮:はい、Sansanは売上総利益率が2019年5月期第3四半期までで84.0%と高く、名刺入力ではまだ人手に頼るところも大きいですが、過去に入力したものを画像認識させるなどして自動化が進んでおり、なお改善余地があるとみられます。
最後に、計画性のある先行投資についてですが、これまでの業績の赤字推移の要因となっていた先行投資負担を見ると、1.広告宣伝費が2017年5月期15.7億円、2018年5月期44.7億円、2019年5月期第3四半期まで22.3億円、2.人件費が12.8億円、16.8億円、16.9億円と推移しています。
広告宣伝費についてはEightがマネタイズ化方針に従い縮小。対してSansanは増加傾向ですが、売上高伸び率の範囲内で増やしているものとみられます。事業拡大に伴い人件費も増えているものの、採用面での制約などがあり広告宣伝費ほどの急増は想定しづらいでしょう。
総括すると、先行投資はSansanの収益性の裏付けのもと、一定のペースで増えており、収益のビジビリティー(可視性)は比較的高いと考えられます。これらを勘案すると、既に始まった2020年5月期も高い増収ペースを維持していく可能性が高いです。現に同社の収益性に着目して、保有に動き出している機関投資家の動向も確認されています。
橋本:なるほど、現在赤字の企業でも収益の可視性に着目していくのは投資先を選定していく上で、非常に重要ですよね。ありがとうございました。ここまで、雲宮さんとマザーズ市場の動向と注目銘柄の今後のポイントについてお話を伺いました。次回はこれらを踏まえて、株価見通しと先物戦略についてお話を聞いていきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
雲宮:はい、ありがとうございました。
—「マザーズ市場の投資戦略vol.3 ~マザーズ注目銘柄の予想値動きと先物戦略~」に続く—
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