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ランドコンピュータのニュース
*14:43JST ランドコンピュ Research Memo(3):パッケージベースSI・サービスが計画以上の成長(1)
■会社概要と事業内容
2. 事業内容
ランドコンピュータ<3924>の事業はシステムインテグレーション・サービス、インフラソリューション・サービス、パッケージベースSI・サービスの3つのサービスラインで構成されており、ビジネスの課題解決に向けたシステムをトータルに提供する体制を構築している。
2023年3月期のサービスライン別連結売上高構成比は、システムインテグレーション・サービス54.8%、インフラソリューション・サービス11.7%、パッケージベースSI・サービス33.5%であった。システムインテグレーション・サービスの売上高構成比の業種別内訳は、金融向けが23.5%(銀行13.0%、保険・証券1.9%、クレジットカード8.7%)、産業・流通が23.0%、公共が3.5%、医療が4.7%となった。システムインテグレーション・サービスとインフラソリューション・サービスは安定成長事業とし、パッケージベースSI・サービスを高成長事業と位置付けている。
2023年3月期までの3期間における売上高の年平均成長率は、全体が9.3%、システムインテグレーション・サービスが4.7%、インフラソリューション・サービスが-0.5%、パッケージベースSI・サービスが25.2%であった。インフラソリューション・サービスは、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の悪影響を最も受けた。パッケージベースSI・サービスは、市場の拡大と同社の重点的な成長戦略が奏功し、極めて高い成長を実現し、全体の収益性向上に寄与した。
(1) システムインテグレーション・サービス
主力のシステムインテグレーション・サービスは、金融分野、産業・流通分野、公共分野、医療分野等の幅広い分野において、顧客であるエンドユーザや国内メーカー、大手システムインテグレータからの受託開発を中心に行う。企画立案、システム構築、システム運用の工程をすべて手掛けており、トータルサービスを提供できる体制を整えている。銀行は、省力・省人化のためIT投資を進めており、中長期的に高水準な需要が期待される。また、ネットバンクや流通系の金融子会社の案件も多い。
金融機関は、ITサービス業界にとって最大の顧客となる。富士通や日立製作所<6501>などがプライムコントラクタとなり、同社は協力会社の位置付けとなる。富士通を筆頭に、日立製作所や(株)日立ソリューションズを中心とする日立グループ、(株)NTTデータ関西を中心とするNTTデータグループ、日鉄ソリューションズ<2327>などのメーカー系を中心とした大手システムインテグレータと長年にわたり良好な取引関係を維持している。最大の顧客基盤であるメーカー系SIerとの取引では、一括請負の拡大と品質の追求を成長戦略とする。
富士通グループとは設立直後の取引関係から親密で、富士通のコアパートナーとなっている。2023年3月期の富士通への売上高依存度は27.0%であった。富士通の2021年度PQI(パートナー品質改善活動)のスキルレベル認定において、1stステップ(品質記録)、2ndステップ(品質評価)及び3rdステップ(品質計画)の全3ステップにてスキルレベル「ゴールド」認定を6年連続で取得した。2021年度に多数の技術者の育成に尽力した企業を表彰した「Fujitsu Software Master Award 2022」で、同社は高度技術者の育成により「Top Technology Company賞」の第1位を受賞した。富士通はDXビジネスを推進しており、同社も積極的にDX人財の育成に取り組んでいる。
直ユーザ取引は、システムインテグレーション・サービスの中でも高成長分野と位置付けている。顧客基盤を活かしたリピートオーダーの獲得とパッケージベースSI・サービスを武器に新規顧客開拓を行う。ノウハウを保有する分野と新規戦略分野に注力し、生産性の高い開発を推進している。主要取引先は三菱総研DCS(株)、三井住友トラスト・システム&サービス(株)、出光興産<5019>、(株)オプテージ、野村ホールディングス<8604>などとなる。同社の技術力と金融、流通などの業務知識、品質面での実績が顧客から評価されている。
(2) インフラソリューション・サービス
インフラソリューション・サービスは、顧客のITシステム基盤となるサーバ等ハードウェアの導入やネットワークの構築、データベース、アプリケーション基盤等のシステムインフラを構築するとともに、その後の運用や保守までの一連のサービスをカバーしている。また直近ではクラウドビジネス室を新設し、クラウド関連に注力している。一般企業、大学等の教育機関、病院、官公庁など様々な顧客のITシステムインフラ環境を調査・分析したうえで、顧客のニーズに適したインフラソリューション・サービスを提供する。具体的には、ネットワーク構築等のインフラソリューション・サービスに加えて、システムインテグレーション・サービスを組み合わせたトータルサービスをワンストップで提供する。
2021年3月期以降は外部環境の悪化の影響を受けた。コロナ禍が対面営業及び顧客先対応業務を制限し、基盤構築案件の売上が大きく減少した。また、2020年3月期のWindows10更新関連ビジネスに伴う特需の反動減もあった。半導体不足によりサーバの供給が滞ったうえ、メーカーが製品価格を大幅に上げたことでプロジェクトの延伸が発生した。
(3) パッケージベースSI・サービス
成長分野の柱としてシステム・パッケージベンダとアライアンスを組み、場合によってはパッケージの提供を受け、顧客へソフトウェアパッケージ製品(Salesforce、SAP、SuperStream、COMPANY等)の導入支援、カスタマイズ、アドオン開発、保守、運用までを行い、トータルサービスを提供する。2023年3月期のパッケージベースSI・サービスの売上高は3,879百万円。業種別売上高構成比はSalesforceが47%、SAPが17%、会計パッケージが22%、人事給与パッケージが11%、その他が3%であった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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2. 事業内容
ランドコンピュータ<3924>の事業はシステムインテグレーション・サービス、インフラソリューション・サービス、パッケージベースSI・サービスの3つのサービスラインで構成されており、ビジネスの課題解決に向けたシステムをトータルに提供する体制を構築している。
2023年3月期のサービスライン別連結売上高構成比は、システムインテグレーション・サービス54.8%、インフラソリューション・サービス11.7%、パッケージベースSI・サービス33.5%であった。システムインテグレーション・サービスの売上高構成比の業種別内訳は、金融向けが23.5%(銀行13.0%、保険・証券1.9%、クレジットカード8.7%)、産業・流通が23.0%、公共が3.5%、医療が4.7%となった。システムインテグレーション・サービスとインフラソリューション・サービスは安定成長事業とし、パッケージベースSI・サービスを高成長事業と位置付けている。
2023年3月期までの3期間における売上高の年平均成長率は、全体が9.3%、システムインテグレーション・サービスが4.7%、インフラソリューション・サービスが-0.5%、パッケージベースSI・サービスが25.2%であった。インフラソリューション・サービスは、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の悪影響を最も受けた。パッケージベースSI・サービスは、市場の拡大と同社の重点的な成長戦略が奏功し、極めて高い成長を実現し、全体の収益性向上に寄与した。
(1) システムインテグレーション・サービス
主力のシステムインテグレーション・サービスは、金融分野、産業・流通分野、公共分野、医療分野等の幅広い分野において、顧客であるエンドユーザや国内メーカー、大手システムインテグレータからの受託開発を中心に行う。企画立案、システム構築、システム運用の工程をすべて手掛けており、トータルサービスを提供できる体制を整えている。銀行は、省力・省人化のためIT投資を進めており、中長期的に高水準な需要が期待される。また、ネットバンクや流通系の金融子会社の案件も多い。
金融機関は、ITサービス業界にとって最大の顧客となる。富士通や日立製作所<6501>などがプライムコントラクタとなり、同社は協力会社の位置付けとなる。富士通を筆頭に、日立製作所や(株)日立ソリューションズを中心とする日立グループ、(株)NTTデータ関西を中心とするNTTデータグループ、日鉄ソリューションズ<2327>などのメーカー系を中心とした大手システムインテグレータと長年にわたり良好な取引関係を維持している。最大の顧客基盤であるメーカー系SIerとの取引では、一括請負の拡大と品質の追求を成長戦略とする。
富士通グループとは設立直後の取引関係から親密で、富士通のコアパートナーとなっている。2023年3月期の富士通への売上高依存度は27.0%であった。富士通の2021年度PQI(パートナー品質改善活動)のスキルレベル認定において、1stステップ(品質記録)、2ndステップ(品質評価)及び3rdステップ(品質計画)の全3ステップにてスキルレベル「ゴールド」認定を6年連続で取得した。2021年度に多数の技術者の育成に尽力した企業を表彰した「Fujitsu Software Master Award 2022」で、同社は高度技術者の育成により「Top Technology Company賞」の第1位を受賞した。富士通はDXビジネスを推進しており、同社も積極的にDX人財の育成に取り組んでいる。
直ユーザ取引は、システムインテグレーション・サービスの中でも高成長分野と位置付けている。顧客基盤を活かしたリピートオーダーの獲得とパッケージベースSI・サービスを武器に新規顧客開拓を行う。ノウハウを保有する分野と新規戦略分野に注力し、生産性の高い開発を推進している。主要取引先は三菱総研DCS(株)、三井住友トラスト・システム&サービス(株)、出光興産<5019>、(株)オプテージ、野村ホールディングス<8604>などとなる。同社の技術力と金融、流通などの業務知識、品質面での実績が顧客から評価されている。
(2) インフラソリューション・サービス
インフラソリューション・サービスは、顧客のITシステム基盤となるサーバ等ハードウェアの導入やネットワークの構築、データベース、アプリケーション基盤等のシステムインフラを構築するとともに、その後の運用や保守までの一連のサービスをカバーしている。また直近ではクラウドビジネス室を新設し、クラウド関連に注力している。一般企業、大学等の教育機関、病院、官公庁など様々な顧客のITシステムインフラ環境を調査・分析したうえで、顧客のニーズに適したインフラソリューション・サービスを提供する。具体的には、ネットワーク構築等のインフラソリューション・サービスに加えて、システムインテグレーション・サービスを組み合わせたトータルサービスをワンストップで提供する。
2021年3月期以降は外部環境の悪化の影響を受けた。コロナ禍が対面営業及び顧客先対応業務を制限し、基盤構築案件の売上が大きく減少した。また、2020年3月期のWindows10更新関連ビジネスに伴う特需の反動減もあった。半導体不足によりサーバの供給が滞ったうえ、メーカーが製品価格を大幅に上げたことでプロジェクトの延伸が発生した。
(3) パッケージベースSI・サービス
成長分野の柱としてシステム・パッケージベンダとアライアンスを組み、場合によってはパッケージの提供を受け、顧客へソフトウェアパッケージ製品(Salesforce、SAP、SuperStream、COMPANY等)の導入支援、カスタマイズ、アドオン開発、保守、運用までを行い、トータルサービスを提供する。2023年3月期のパッケージベースSI・サービスの売上高は3,879百万円。業種別売上高構成比はSalesforceが47%、SAPが17%、会計パッケージが22%、人事給与パッケージが11%、その他が3%であった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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