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フィスコのニュース
■業績動向
3. 2020年10月期第2四半期累計期間の取り組み
クシム<2345>はグループ全体の最適化を狙った「戦略立案」「グループ横断的なリソース分配」「グループ全体の利益を考えた事業領域の展開」を図るといったグループ経営体制へシフトしている。自社による自律成長に加えて、産業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を使命とする一企業集団として、あらゆるサービスのデジタル化が進む時代に備え、連結子会社及び積極的なM&Aによる効率的資源配分による相互シナジーを創出させる計画である。M&Aだが、2020年10月期までのターゲット企業規模は「売上が数億円規模」、そのための資金も自己資本にて充当する方針を掲げているが、2021年10月期以降は、ターゲット企業規模は「数億〜数十億円規模」、そのための資金も他人資本によるLBOなど、大型ファイナンスによるM&Aを検討する方針であり、非連続な成長をいっそうに加速させる、野心的な方針を打ち出している。
2020年10月期第2四半期累計期間における取り組みにおいては、2020年3月1日にクシムインサイトを子会社化している。クシムインサイトが有するUI/UX設計、グラフィックデザインへの知見を利用し、同社の安定成長事業である「eラーニング事業」のコンテンツ制作能力の向上、並びに高度ITエンジニアの創出・紹介事業である「アカデミー事業」において、UI/UXのコンサルティング及びUI/UX設計を要するシステムエンジニアリング案件の獲得を進めている。
また、2020年5月1日に子会社であるエイム・ソフトが介護システムや介護ロボット事業を展開する(株)ケア・ダイナミクスを完全子会社化している。ケア・ダイナミクスの持つ介護事業者向けASP(インターネットを介したサービス)システムの開発・保守を行いながら未進出であった介護事業領域に進出。さらに、2020年5月15日に(株)イーフロンティアの株式を取得し、連結子会社化している。イーフロンティアの持つ、3Dグラフィック、AI×ゲームソフト開発、AI×画像処理等の専門性の高いナレッジとのシナジーを用い、同社のLMSをはじめとしたeラーニング事業のプロダクトの発展と拡張を推進し、社会的ニーズに応えるべく付加価値の高いサービスを提供している。
その他、ITエンジニア派遣や受託開発サービスを提供する子会社の(株)クシムテクノロジーズ(旧(株)東京テック)では、Web系システムの開発実績の積み重ねとコスト面での最適化が持続的に行われており単体での黒字化を図ることと、グループシナジーを生かした営業利益の拡大が図れている。
こうした実績から読み取れるのは、同社には、M&A後のPMIを着実に遂行し、グループ入りした各社の業績好転・業態転換を力強く進めつつ、シナジーを生み出す経営手腕があるということだ。事実、現マネジメント陣はM&Aを成功に導く経験・ノウハウ・確かな実績を有しており、これらは「アイスタディ」から「クシム」へと大胆に自己変革を推進している軌跡からも明らかである。同社の成長戦略において、十二分に手腕を発揮できる手法であると考える。
学校教育機関向けの教育支援ツールなど、社会システムの変化への迅速な対応が成長性を加速させる可能性
同社は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、働き方改革・企業のテレワーク移行・学校教育機関に授業オンラインの導入といった社会システムの変化にいち早く対応を示しており、多くの学校教育機関が臨時休校を余儀なくされる状況下において、2020年2月25日には対法人企業向けオンライン学習システム「SLAP(スラップ)」を臨時休校の恐れがある学校教育機関向けの教育支援ツールとして無償提供を開始した。すでに、2,000名規模の中高一貫校にて導入がされたことを同社は発表している。7月13日には私学振興・私学支援を専門に行っている(株)ブレインアカデミーと協業し、全国の私学100校にオンデマンド授業配信プラットフォームとして無償提供することを発表した。初年度は利用IDによる課金収入は期待できないが、2021年10月期以降は利用IDの一定数が課金対象になり、業績に寄与する取組みと評価できる。同じく、学校教育機関関連では、文部科学省が推進する「GIGAスクール構想」を受けて、PCキッティングから通信用USBデバイスの確保、同社のSLAPをプリインストールの上で出荷する独自の対応サービスを準備している。
2月27日には映像配信技術を活用したイベントやセミナー、研修等の実績を生かし、フィスコ<3807>とIR動画分野で提携を強化し、株主総会やIR説明会のオンライン配信の開始で遠隔(リモート)開催を支援した。2月28日にはブロックチェーンの開発には定評があるStake Technologies(株)と業務提携を強化し、新型コロナウイルスの感染懸念にて顕在化した社会課題にブロックチェーンをもって解決できないかを図るPoC(概念実証)注力分野を拡大している。3月2日には企業における入社式、新人研修、学生向けの採用イベントなどへも多大なる影響が生じている状況を受け、新人向けの集団研修や各種イベントのWeb配信、学生の就職活動に対するWeb説明会の支援を決定した。
さらに、2020年3月30日には新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、高等教育機関を対象に遠隔授業支援の一環としてeラーニング講座の無償提供を開始したほか、4月6日にはブレインアカデミーと協業し、高等教育機関の授業オンライン化支援を発表した。4月8日には子会社エイム・ソフトを通じて現役エンジニアによる出張IT講座のオンライン化を決定したほか、4月21日にはシンガポールでEラーニングビジネスを展開するAEDNO Consultingと資本業務提携を発表し、ブイキューブ<3681>及びCAICA<2315>と協業の上、人口増加と成長が見込まれる東南アジア・インドにおけるオンライン教育を加速させるとしている。5月28日にはエイム・ソフトのカスタマーサポート機能を拡大し、IT総務サービス「aim-smart」を開始しており、テレワーク推進強化及び東京都感染拡大防止ガイドライン(ロードマップ)に基づく事業者のIT化やシステム開発のトータル的なサポートを担うことが可能となる。6月9日にはフィスコとCAICAテクノロジーズと協業し、上場会社が新型コロナウイルスの感染予防対策として経済産業省が推進しているハイブリッド型バーチャル株主総会(参加型)の導入に向けたサービスを展開するなど、社会ニーズに迅速に対応できる経営スタイルは同社の強みでもあり、成長性を加速させることにつながるだろう。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<NB>
3. 2020年10月期第2四半期累計期間の取り組み
クシム<2345>はグループ全体の最適化を狙った「戦略立案」「グループ横断的なリソース分配」「グループ全体の利益を考えた事業領域の展開」を図るといったグループ経営体制へシフトしている。自社による自律成長に加えて、産業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を使命とする一企業集団として、あらゆるサービスのデジタル化が進む時代に備え、連結子会社及び積極的なM&Aによる効率的資源配分による相互シナジーを創出させる計画である。M&Aだが、2020年10月期までのターゲット企業規模は「売上が数億円規模」、そのための資金も自己資本にて充当する方針を掲げているが、2021年10月期以降は、ターゲット企業規模は「数億〜数十億円規模」、そのための資金も他人資本によるLBOなど、大型ファイナンスによるM&Aを検討する方針であり、非連続な成長をいっそうに加速させる、野心的な方針を打ち出している。
2020年10月期第2四半期累計期間における取り組みにおいては、2020年3月1日にクシムインサイトを子会社化している。クシムインサイトが有するUI/UX設計、グラフィックデザインへの知見を利用し、同社の安定成長事業である「eラーニング事業」のコンテンツ制作能力の向上、並びに高度ITエンジニアの創出・紹介事業である「アカデミー事業」において、UI/UXのコンサルティング及びUI/UX設計を要するシステムエンジニアリング案件の獲得を進めている。
また、2020年5月1日に子会社であるエイム・ソフトが介護システムや介護ロボット事業を展開する(株)ケア・ダイナミクスを完全子会社化している。ケア・ダイナミクスの持つ介護事業者向けASP(インターネットを介したサービス)システムの開発・保守を行いながら未進出であった介護事業領域に進出。さらに、2020年5月15日に(株)イーフロンティアの株式を取得し、連結子会社化している。イーフロンティアの持つ、3Dグラフィック、AI×ゲームソフト開発、AI×画像処理等の専門性の高いナレッジとのシナジーを用い、同社のLMSをはじめとしたeラーニング事業のプロダクトの発展と拡張を推進し、社会的ニーズに応えるべく付加価値の高いサービスを提供している。
その他、ITエンジニア派遣や受託開発サービスを提供する子会社の(株)クシムテクノロジーズ(旧(株)東京テック)では、Web系システムの開発実績の積み重ねとコスト面での最適化が持続的に行われており単体での黒字化を図ることと、グループシナジーを生かした営業利益の拡大が図れている。
こうした実績から読み取れるのは、同社には、M&A後のPMIを着実に遂行し、グループ入りした各社の業績好転・業態転換を力強く進めつつ、シナジーを生み出す経営手腕があるということだ。事実、現マネジメント陣はM&Aを成功に導く経験・ノウハウ・確かな実績を有しており、これらは「アイスタディ」から「クシム」へと大胆に自己変革を推進している軌跡からも明らかである。同社の成長戦略において、十二分に手腕を発揮できる手法であると考える。
学校教育機関向けの教育支援ツールなど、社会システムの変化への迅速な対応が成長性を加速させる可能性
同社は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、働き方改革・企業のテレワーク移行・学校教育機関に授業オンラインの導入といった社会システムの変化にいち早く対応を示しており、多くの学校教育機関が臨時休校を余儀なくされる状況下において、2020年2月25日には対法人企業向けオンライン学習システム「SLAP(スラップ)」を臨時休校の恐れがある学校教育機関向けの教育支援ツールとして無償提供を開始した。すでに、2,000名規模の中高一貫校にて導入がされたことを同社は発表している。7月13日には私学振興・私学支援を専門に行っている(株)ブレインアカデミーと協業し、全国の私学100校にオンデマンド授業配信プラットフォームとして無償提供することを発表した。初年度は利用IDによる課金収入は期待できないが、2021年10月期以降は利用IDの一定数が課金対象になり、業績に寄与する取組みと評価できる。同じく、学校教育機関関連では、文部科学省が推進する「GIGAスクール構想」を受けて、PCキッティングから通信用USBデバイスの確保、同社のSLAPをプリインストールの上で出荷する独自の対応サービスを準備している。
2月27日には映像配信技術を活用したイベントやセミナー、研修等の実績を生かし、フィスコ<3807>とIR動画分野で提携を強化し、株主総会やIR説明会のオンライン配信の開始で遠隔(リモート)開催を支援した。2月28日にはブロックチェーンの開発には定評があるStake Technologies(株)と業務提携を強化し、新型コロナウイルスの感染懸念にて顕在化した社会課題にブロックチェーンをもって解決できないかを図るPoC(概念実証)注力分野を拡大している。3月2日には企業における入社式、新人研修、学生向けの採用イベントなどへも多大なる影響が生じている状況を受け、新人向けの集団研修や各種イベントのWeb配信、学生の就職活動に対するWeb説明会の支援を決定した。
さらに、2020年3月30日には新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、高等教育機関を対象に遠隔授業支援の一環としてeラーニング講座の無償提供を開始したほか、4月6日にはブレインアカデミーと協業し、高等教育機関の授業オンライン化支援を発表した。4月8日には子会社エイム・ソフトを通じて現役エンジニアによる出張IT講座のオンライン化を決定したほか、4月21日にはシンガポールでEラーニングビジネスを展開するAEDNO Consultingと資本業務提携を発表し、ブイキューブ<3681>及びCAICA<2315>と協業の上、人口増加と成長が見込まれる東南アジア・インドにおけるオンライン教育を加速させるとしている。5月28日にはエイム・ソフトのカスタマーサポート機能を拡大し、IT総務サービス「aim-smart」を開始しており、テレワーク推進強化及び東京都感染拡大防止ガイドライン(ロードマップ)に基づく事業者のIT化やシステム開発のトータル的なサポートを担うことが可能となる。6月9日にはフィスコとCAICAテクノロジーズと協業し、上場会社が新型コロナウイルスの感染予防対策として経済産業省が推進しているハイブリッド型バーチャル株主総会(参加型)の導入に向けたサービスを展開するなど、社会ニーズに迅速に対応できる経営スタイルは同社の強みでもあり、成長性を加速させることにつながるだろう。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<NB>
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