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システム ディのニュース
■今後の見通し
3. 中期目標
システム ディ<3804>は今後の成長戦略として、次世代パッケージソフトのリリース・拡販による顧客拡大とストック収益の積み上げに注力していくことで毎期10%超の増益を継続し、早期に経常利益10億円、累計顧客数1万件の達成を目指していく方針だ。順調に進めば経常利益は2023年10月期に達成し、累計顧客数についても2~3年後の達成が視野に入ってくる。また、KPIとしては売上高営業利益率20%(2021年10月期は21.0%)、ストック収益の売上構成比50%(同51.2%)、自己資本比率60%以上(同66.0%)、累計顧客数1万件(同8,264件)、入社3年後の社員定着率90%超の維持を掲げている。
(1) すべてのソリューションでクラウドサービスを展開
同社はシェア拡大施策としてパッケージソフトの性能・品質向上による高効率ビジネスを進めてきたが、主力製品がほぼ完成域まで達してきたことから、次の10年を支える次世代製品の開発を各事業部門で進めており、2019年以降、順次投入を開始している。これら新製品の拡販に取り組むことで、さらなるシェアの拡大と売上成長を目指している。開発の方向性としては「スマート・ソリューション」の提供を共通軸とし、ユーザー・カスタマーのアクションやインプットを待って起動、機能するのではなく、ユーザー・カスタマーの業務に寄り添い主体的・能動的に働きかけるパッケージソフトの構築を進め、すべてのソリューションにおいてクラウドサービスを展開していく方針だ。現在、ソフトエンジニアリング事業における次世代製品として「スマート文書管理システム(仮称)」の開発プロジェクトを立ち上げているが、当面は既存製品のバージョンアップを優先して開発を進めていく方針としており、リリース時期は未定となっている。
なお、クラウドサービスの利用者側のメリットとしては、インターネット経由で手軽に利用できること、サーバ等の設備の保有や保守、セキュリティ対策が不要なこと、月額利用料のランニングコストを支払うだけで利用できるためイニシャルコストを節約できることなどが挙げられる。一方、サービス提供者のメリットとしては、1つのサーバ環境で多くのユーザーに対してサービス提供ができるため管理コストを大幅に削減できるほか、システムの更新・メンテナンスもサーバ内で一括して行うことができるため最新のサービスを顧客に迅速に提供できること、長期間の利用となればイニシャル一括売上よりもLTV(顧客生涯価値)が大きくなりストック収入を積み上げていくことで利益率の向上が期待できることにある。同社の経常利益はストック売上を積み上げていくことで、ここ数年10%以上の成長を実現してきた。今後もクラウドサービスの拡販によってストック売上の積み上げを図ることにより、持続的な利益成長を目指していく方針だ。
(2) 地域社会向けビジネスの進展と飛躍
同社では公共向けソリューションとして公教育、公会計分野が大きな柱として育っているが、そのほかにも学園ソリューション事業で「キャンパスプラン」が国公立大学向けに導入されているほか、ウェルネスソリューション事業における「Hello EX」「Hello Fun」、ソフトエンジニアリング事業の「規程管理システム」「契約書作成・管理システム」などの製品・サービスについても公共分野で導入が進んでいる。同社はこれらの販売をさらに拡大し顧客の裾野を広げていくだけでなく、これらの顧客基盤を生かした新たな地域創生ソリューションの開発に取り組み、地域社会の活性化に貢献していくことを目指している。
今後の候補領域としては、地域活性化や自治体の再生、健康増進・福祉の充実、文化・教養の創生、地場産業育成支援、スマートシティ化などがあり、これらの候補のなかから新サービスの開発を進めていくものと予想される。特に自治体では地域社会の活性化を目的としたIT活用サービスへの関心が高まっており、既に900超の自治体を顧客に持つ同社にとってビジネスチャンスは大きいと言える。
また、デジタル庁の創設に伴い行政のデジタル化への取り組みが活発化しており、そのなかでシステムの標準化やクラウド化などもテーマとして挙がっている。システムの標準化という点においては、現在の導入シェアも重視されるものと考えられ、公教育ソリューション事業や公会計ソリューション事業において、それぞれトップシェアを握る同社にとっては、将来的に追い風となる可能性がある。これは既存製品が継続的に利用されるだけでなく、周辺の新規サービス等の提供によるアップセルが期待できることにもつながる。このため、同社では来るべき時に備えて、現在のシェアをさらに拡大すべく積極的な顧客開拓を進めていく方針となっている。
(3) 業務効率化の結果としての働き方改革の継続
働き方改革も継続して取り組んでいく。コロナ禍の影響によりテレワークの普及が一気に進んだが、同社においてもテレワークの環境を整備しており、今後コロナ禍の影響が長期化しても対応できる体制を構築している。なお、社員の入社後3年間の定着率は直近で90%を割れたもようだ。テレワークなどコロナ禍で働く環境が大きく変化したことが一因と見られる。このため、同社は職場環境の改善等も含めて本社拡張の投資を決定しており、定着率向上に取り組んでいくことにしている。また、スキル向上のための教育研修等にも注力していく方針となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
3. 中期目標
システム ディ<3804>は今後の成長戦略として、次世代パッケージソフトのリリース・拡販による顧客拡大とストック収益の積み上げに注力していくことで毎期10%超の増益を継続し、早期に経常利益10億円、累計顧客数1万件の達成を目指していく方針だ。順調に進めば経常利益は2023年10月期に達成し、累計顧客数についても2~3年後の達成が視野に入ってくる。また、KPIとしては売上高営業利益率20%(2021年10月期は21.0%)、ストック収益の売上構成比50%(同51.2%)、自己資本比率60%以上(同66.0%)、累計顧客数1万件(同8,264件)、入社3年後の社員定着率90%超の維持を掲げている。
(1) すべてのソリューションでクラウドサービスを展開
同社はシェア拡大施策としてパッケージソフトの性能・品質向上による高効率ビジネスを進めてきたが、主力製品がほぼ完成域まで達してきたことから、次の10年を支える次世代製品の開発を各事業部門で進めており、2019年以降、順次投入を開始している。これら新製品の拡販に取り組むことで、さらなるシェアの拡大と売上成長を目指している。開発の方向性としては「スマート・ソリューション」の提供を共通軸とし、ユーザー・カスタマーのアクションやインプットを待って起動、機能するのではなく、ユーザー・カスタマーの業務に寄り添い主体的・能動的に働きかけるパッケージソフトの構築を進め、すべてのソリューションにおいてクラウドサービスを展開していく方針だ。現在、ソフトエンジニアリング事業における次世代製品として「スマート文書管理システム(仮称)」の開発プロジェクトを立ち上げているが、当面は既存製品のバージョンアップを優先して開発を進めていく方針としており、リリース時期は未定となっている。
なお、クラウドサービスの利用者側のメリットとしては、インターネット経由で手軽に利用できること、サーバ等の設備の保有や保守、セキュリティ対策が不要なこと、月額利用料のランニングコストを支払うだけで利用できるためイニシャルコストを節約できることなどが挙げられる。一方、サービス提供者のメリットとしては、1つのサーバ環境で多くのユーザーに対してサービス提供ができるため管理コストを大幅に削減できるほか、システムの更新・メンテナンスもサーバ内で一括して行うことができるため最新のサービスを顧客に迅速に提供できること、長期間の利用となればイニシャル一括売上よりもLTV(顧客生涯価値)が大きくなりストック収入を積み上げていくことで利益率の向上が期待できることにある。同社の経常利益はストック売上を積み上げていくことで、ここ数年10%以上の成長を実現してきた。今後もクラウドサービスの拡販によってストック売上の積み上げを図ることにより、持続的な利益成長を目指していく方針だ。
(2) 地域社会向けビジネスの進展と飛躍
同社では公共向けソリューションとして公教育、公会計分野が大きな柱として育っているが、そのほかにも学園ソリューション事業で「キャンパスプラン」が国公立大学向けに導入されているほか、ウェルネスソリューション事業における「Hello EX」「Hello Fun」、ソフトエンジニアリング事業の「規程管理システム」「契約書作成・管理システム」などの製品・サービスについても公共分野で導入が進んでいる。同社はこれらの販売をさらに拡大し顧客の裾野を広げていくだけでなく、これらの顧客基盤を生かした新たな地域創生ソリューションの開発に取り組み、地域社会の活性化に貢献していくことを目指している。
今後の候補領域としては、地域活性化や自治体の再生、健康増進・福祉の充実、文化・教養の創生、地場産業育成支援、スマートシティ化などがあり、これらの候補のなかから新サービスの開発を進めていくものと予想される。特に自治体では地域社会の活性化を目的としたIT活用サービスへの関心が高まっており、既に900超の自治体を顧客に持つ同社にとってビジネスチャンスは大きいと言える。
また、デジタル庁の創設に伴い行政のデジタル化への取り組みが活発化しており、そのなかでシステムの標準化やクラウド化などもテーマとして挙がっている。システムの標準化という点においては、現在の導入シェアも重視されるものと考えられ、公教育ソリューション事業や公会計ソリューション事業において、それぞれトップシェアを握る同社にとっては、将来的に追い風となる可能性がある。これは既存製品が継続的に利用されるだけでなく、周辺の新規サービス等の提供によるアップセルが期待できることにもつながる。このため、同社では来るべき時に備えて、現在のシェアをさらに拡大すべく積極的な顧客開拓を進めていく方針となっている。
(3) 業務効率化の結果としての働き方改革の継続
働き方改革も継続して取り組んでいく。コロナ禍の影響によりテレワークの普及が一気に進んだが、同社においてもテレワークの環境を整備しており、今後コロナ禍の影響が長期化しても対応できる体制を構築している。なお、社員の入社後3年間の定着率は直近で90%を割れたもようだ。テレワークなどコロナ禍で働く環境が大きく変化したことが一因と見られる。このため、同社は職場環境の改善等も含めて本社拡張の投資を決定しており、定着率向上に取り組んでいくことにしている。また、スキル向上のための教育研修等にも注力していく方針となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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