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サイオスのニュース
■今後の見通し
1. 2020年12月期の業績見通し
サイオス<3744>の2020年12月期の連結業績は、売上高で前期比4.5%増の14,300百万円、営業利益で同45.6%増の80百万円、経常利益で同3.9%増の100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同23.6%増の40百万円、EBITDAで同24.0%増の180百万円を見込む。売上高は10期連続増収、営業利益、経常利益は4期ぶりの増益に転じる見通しだ。また、ROICも前期の1.7%から2.8%と若干ながら上昇する。
売上高についてはMFP向けソフトウェア製品がサブスクリプションモデルへの移行により減収となる可能性があるものの、引き続き「LifeKeeper」や「Gluegentシリーズ」、金融機関向けシステム開発・構築案件の拡販を進めることで増収を維持する見通し。費用面では、人材投資(新卒・中途採用、人事制度改革等)を継続するものの、金融機関向けシステム開発・構築支援の不採算案件が解消することで増益に転じる見通しだ。
2020年12月期の重点戦略として、以下の4点を挙げている。
(1) 顧客満足度の向上
ステークホルダーサーベイの実施による顧客とのコミュニケーションの深化と製品・サービスの品質向上に取り組むことで、顧客満足度の向上を目指す。
(2) 既存製品・サービスの強化
急速に進むクラウドシフト、サブスクリプションモデルに対応すべく、「LifeKeeper」や「Gluegentシリーズ」など既存製品のアップデートと付加価値向上に取り組む。
(3) 販管費の最適化
グループ内リソースの最適配分によるシナジー強化と適切な外注管理を実施していく。
(4) 「人材」「研究開発」「イノベーションを生み出す企業カルチャー」への投資
「従業員一人ひとりの働きがいが向上する」ことを目的とした施策を実行していく。具体的には、2019年より導入した新人事制度(OKR※1、1on1※2など)の定着、働き方改革の更なる推進(テレワーク、時短・育児休業制度の充実)、研修制度の充実、CSR活動範囲の拡大等に取り組み、これら施策を実行していくことで社員のモチベーションと職場環境の向上を図り、採用力の強化につなげていく考えだ。
※1 Objectives and Key Resultsの略称。Objectives(目標)とKey Results(主要な成果)によって、高い目標を達成するための目標管理のフレームワーク。
※2 マネージャーが社員の成長とパフォーマンス向上等を支援するために、1対1で対話を行うこと。
BCP対策の観点から事業継続ソリューション「LifeKeeper」の売上拡大が見込まれる
2. 事業セグメント別見通し
(1) オープンシステム基盤事業
オープンシステム基盤事業においては、「LifeKeeper」やRed Hat, Inc.関連商品、OSS関連のサポートサービス等で順調な売上拡大を見込んでいる。2019年夏に国内でAWSのデータセンターがトラブル発生により一時的に稼働停止となったことは記憶に新しいが、BCP対策の観点から主力製品である「LifeKeeper」の重要性が改めて認識されるようになり、拡販を進める好機となっている。2020年以降も引き続き好調な増収が期待される。
また、2017年に国内でリリースした「SIOS AppKeeper」については、2020年1月より米国でも提供を開始しており、今後の動向が注目される。同サービスは、Amazon EC2上のアプリケーションを自動監視し、システム障害を検知し、自動復旧できることや、低コスト、他のツールとの連携が可能であることが特徴である。国内での導入企業数は徐々に増えてきており、最大市場である米国での今後の販売動向が注目される。
さらには、2019年12月より新たに開始した「コンテナ※・プラットフォーム事業」についても、今後の需要拡大が期待される事業として注目したい。クラウドサービスの拡大が進むなかで、より効率的な運用を可能とするコンテナ技術の普及が米国で進んでおり、国内でも同技術の導入が進むと見られているためだ。コンテナ・プラットフォームの構築には高い技術力が要求されるため、当面はグループ内部での人材育成や外部採用に取り組み、OSS分野のコンテナ技術でもトップランナーを目指していく方針だ。
※ホストOSのリソースを論理的に分離し、アプリケーションを動作させるのに必要なライブラリやアプリケーションなどを1つにまとめ、個別サーバーのように使用できるようにしたもの。
(2) アプリケーション事業
アプリケーション事業においては、MFP向けソフトウェア製品がサブスクリプションモデルへの移行が進むため、少なくとも上期は減収傾向が続くと予想される。一方で、期ずれとなった金融機関向け経営支援システム販売の売上が増加するほか、金融機関向けシステム開発・構築支援、クラウドサービスの「Gluegentシリーズ」なども増収が続く見通し。
利益面では、前期に発生した金融機関向けシステム開発・構築支援における不採算案件がなくなるものの、MFP向けソフトウェア製品の売上動向次第と言える。サブスクリプションモデルへの移行が急速に進むようであれば減益となるリスクもある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<YM>
1. 2020年12月期の業績見通し
サイオス<3744>の2020年12月期の連結業績は、売上高で前期比4.5%増の14,300百万円、営業利益で同45.6%増の80百万円、経常利益で同3.9%増の100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同23.6%増の40百万円、EBITDAで同24.0%増の180百万円を見込む。売上高は10期連続増収、営業利益、経常利益は4期ぶりの増益に転じる見通しだ。また、ROICも前期の1.7%から2.8%と若干ながら上昇する。
売上高についてはMFP向けソフトウェア製品がサブスクリプションモデルへの移行により減収となる可能性があるものの、引き続き「LifeKeeper」や「Gluegentシリーズ」、金融機関向けシステム開発・構築案件の拡販を進めることで増収を維持する見通し。費用面では、人材投資(新卒・中途採用、人事制度改革等)を継続するものの、金融機関向けシステム開発・構築支援の不採算案件が解消することで増益に転じる見通しだ。
2020年12月期の重点戦略として、以下の4点を挙げている。
(1) 顧客満足度の向上
ステークホルダーサーベイの実施による顧客とのコミュニケーションの深化と製品・サービスの品質向上に取り組むことで、顧客満足度の向上を目指す。
(2) 既存製品・サービスの強化
急速に進むクラウドシフト、サブスクリプションモデルに対応すべく、「LifeKeeper」や「Gluegentシリーズ」など既存製品のアップデートと付加価値向上に取り組む。
(3) 販管費の最適化
グループ内リソースの最適配分によるシナジー強化と適切な外注管理を実施していく。
(4) 「人材」「研究開発」「イノベーションを生み出す企業カルチャー」への投資
「従業員一人ひとりの働きがいが向上する」ことを目的とした施策を実行していく。具体的には、2019年より導入した新人事制度(OKR※1、1on1※2など)の定着、働き方改革の更なる推進(テレワーク、時短・育児休業制度の充実)、研修制度の充実、CSR活動範囲の拡大等に取り組み、これら施策を実行していくことで社員のモチベーションと職場環境の向上を図り、採用力の強化につなげていく考えだ。
※1 Objectives and Key Resultsの略称。Objectives(目標)とKey Results(主要な成果)によって、高い目標を達成するための目標管理のフレームワーク。
※2 マネージャーが社員の成長とパフォーマンス向上等を支援するために、1対1で対話を行うこと。
BCP対策の観点から事業継続ソリューション「LifeKeeper」の売上拡大が見込まれる
2. 事業セグメント別見通し
(1) オープンシステム基盤事業
オープンシステム基盤事業においては、「LifeKeeper」やRed Hat, Inc.関連商品、OSS関連のサポートサービス等で順調な売上拡大を見込んでいる。2019年夏に国内でAWSのデータセンターがトラブル発生により一時的に稼働停止となったことは記憶に新しいが、BCP対策の観点から主力製品である「LifeKeeper」の重要性が改めて認識されるようになり、拡販を進める好機となっている。2020年以降も引き続き好調な増収が期待される。
また、2017年に国内でリリースした「SIOS AppKeeper」については、2020年1月より米国でも提供を開始しており、今後の動向が注目される。同サービスは、Amazon EC2上のアプリケーションを自動監視し、システム障害を検知し、自動復旧できることや、低コスト、他のツールとの連携が可能であることが特徴である。国内での導入企業数は徐々に増えてきており、最大市場である米国での今後の販売動向が注目される。
さらには、2019年12月より新たに開始した「コンテナ※・プラットフォーム事業」についても、今後の需要拡大が期待される事業として注目したい。クラウドサービスの拡大が進むなかで、より効率的な運用を可能とするコンテナ技術の普及が米国で進んでおり、国内でも同技術の導入が進むと見られているためだ。コンテナ・プラットフォームの構築には高い技術力が要求されるため、当面はグループ内部での人材育成や外部採用に取り組み、OSS分野のコンテナ技術でもトップランナーを目指していく方針だ。
※ホストOSのリソースを論理的に分離し、アプリケーションを動作させるのに必要なライブラリやアプリケーションなどを1つにまとめ、個別サーバーのように使用できるようにしたもの。
(2) アプリケーション事業
アプリケーション事業においては、MFP向けソフトウェア製品がサブスクリプションモデルへの移行が進むため、少なくとも上期は減収傾向が続くと予想される。一方で、期ずれとなった金融機関向け経営支援システム販売の売上が増加するほか、金融機関向けシステム開発・構築支援、クラウドサービスの「Gluegentシリーズ」なども増収が続く見通し。
利益面では、前期に発生した金融機関向けシステム開発・構築支援における不採算案件がなくなるものの、MFP向けソフトウェア製品の売上動向次第と言える。サブスクリプションモデルへの移行が急速に進むようであれば減益となるリスクもある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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