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クロス・マーケティンググループのニュース
■要約
クロス・マーケティンググループ<3675>は、リサーチ事業、ITソリューション事業、その他の事業と3つの事業で構成されている。主力のリサーチ事業では、ネットリサーチを核に様々な調査においてワンストップのサービスを提供している。ITソリューション事業では、モバイル向けシステムの企画・開発・運用やエンジニアの派遣などを行っている。その他の事業では、マーケティング支援に関わるプロモーション事業を行っている。設立はマーケティングリサーチ業界でも最後発だったが、2013年には創業10周年を迎え「第2創業期」として持株会社化しM&Aや海外展開を積極化するなど、今や業界大手の一角を占めるようになった。
同社主力のリサーチ事業の特徴は、機能が比較的分離している他社に比べて、セールス、リサーチャー、ディレクターなどすべての担当者が一丸となって顧客に接し課題解決に当たるサポート体制にある。提案・設計・調査に加え、グループ内のITソリューションの機能を利用したワンストップソリューションも差別化要素である。回答負荷軽減を意識したアンケート画面作り、的確なターゲット選定、国内最大規模の登録モニター数などにも定評がある。同社は、2006年のVOYAGE GROUP<3688>(当時(株)ECナビ)との業務資本提携や2008年の東証マザーズ上場といったターニングポイントをテコに、業界を上回る成長を続けてきた。そして現在、2013年の持株会社化を第3のターニングポイントに、「アジアNo.1マーケティンググループ」を目指している。
2018年12月期第2四半期の業績は、売上高8,608百万円(前年同期比5.7%増)、営業利益459百万円(同11.6%増)となった。主力のリサーチ事業において外注費が増加し売上総利益を圧迫したが、ITソリューション事業の好調と前年同期に計上したのれん償却費がなくなったことにより、営業利益は2ケタ増益となった。また、持分法による投資損失の縮小や前年同期に発生した減損損失がなくなったことなどにより、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益ともに営業利益を上回る大幅な増益となった。なお、期初の業績予想と比べると、営業利益で30百万円の超過達成となっている。これは、外注費の増加などにより売上総利益が想定に届かなかったものの、人員数や経費などをコントロールして販管費を抑制したことが要因と考えられる。
国内リサーチ事業において、大手顧客への直接販売が増加する一方で間接販売が減少、顧客ポートフォリオが変化してきているようだ。直接販売は企画や提案からレポート作成までのフルラインに近い作業が求められることが多い上、案件が大型化すれば同社がカバーする以上のエリアを調査する必要が生じる。このため、従来のリサーチデータを直接または加工して提供するだけの間接販売と異なり、直接販売では調査内容・サービス提供範囲が広がるため外注が増え、原価を押し上げる形になった。2018年12月期第2四半期については、グローバルの大型案件等が増加したため外注費も増加、原価率が上昇してリサーチ事業の営業利益が減益になったと推測できる。
こうした顧客ポートフォリオの変化に対して、下期以降、原価をどうコントロールするかが大きな課題になったため、顧客ポートフォリオ変化の大きさ次第では中長期的な影響も懸念される。このため、同社は慎重に対策を検討しているところであり、2018年夏頃を予定していた中期経営計画の発表をいったん延期した。弊社では、遠からず、しっかりとした対策が織り込まれた中期経営計画が提示されることを期待している。
■Key Points
・リサーチ業界大手で「アジアNo.1マーケティンググループ」を目指す
・2018年12月期第2四半期は外注費増も増収増益を達成
・環境変化への対応を織り込んだ中期経営計画を策定中
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<MH>
クロス・マーケティンググループ<3675>は、リサーチ事業、ITソリューション事業、その他の事業と3つの事業で構成されている。主力のリサーチ事業では、ネットリサーチを核に様々な調査においてワンストップのサービスを提供している。ITソリューション事業では、モバイル向けシステムの企画・開発・運用やエンジニアの派遣などを行っている。その他の事業では、マーケティング支援に関わるプロモーション事業を行っている。設立はマーケティングリサーチ業界でも最後発だったが、2013年には創業10周年を迎え「第2創業期」として持株会社化しM&Aや海外展開を積極化するなど、今や業界大手の一角を占めるようになった。
同社主力のリサーチ事業の特徴は、機能が比較的分離している他社に比べて、セールス、リサーチャー、ディレクターなどすべての担当者が一丸となって顧客に接し課題解決に当たるサポート体制にある。提案・設計・調査に加え、グループ内のITソリューションの機能を利用したワンストップソリューションも差別化要素である。回答負荷軽減を意識したアンケート画面作り、的確なターゲット選定、国内最大規模の登録モニター数などにも定評がある。同社は、2006年のVOYAGE GROUP<3688>(当時(株)ECナビ)との業務資本提携や2008年の東証マザーズ上場といったターニングポイントをテコに、業界を上回る成長を続けてきた。そして現在、2013年の持株会社化を第3のターニングポイントに、「アジアNo.1マーケティンググループ」を目指している。
2018年12月期第2四半期の業績は、売上高8,608百万円(前年同期比5.7%増)、営業利益459百万円(同11.6%増)となった。主力のリサーチ事業において外注費が増加し売上総利益を圧迫したが、ITソリューション事業の好調と前年同期に計上したのれん償却費がなくなったことにより、営業利益は2ケタ増益となった。また、持分法による投資損失の縮小や前年同期に発生した減損損失がなくなったことなどにより、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益ともに営業利益を上回る大幅な増益となった。なお、期初の業績予想と比べると、営業利益で30百万円の超過達成となっている。これは、外注費の増加などにより売上総利益が想定に届かなかったものの、人員数や経費などをコントロールして販管費を抑制したことが要因と考えられる。
国内リサーチ事業において、大手顧客への直接販売が増加する一方で間接販売が減少、顧客ポートフォリオが変化してきているようだ。直接販売は企画や提案からレポート作成までのフルラインに近い作業が求められることが多い上、案件が大型化すれば同社がカバーする以上のエリアを調査する必要が生じる。このため、従来のリサーチデータを直接または加工して提供するだけの間接販売と異なり、直接販売では調査内容・サービス提供範囲が広がるため外注が増え、原価を押し上げる形になった。2018年12月期第2四半期については、グローバルの大型案件等が増加したため外注費も増加、原価率が上昇してリサーチ事業の営業利益が減益になったと推測できる。
こうした顧客ポートフォリオの変化に対して、下期以降、原価をどうコントロールするかが大きな課題になったため、顧客ポートフォリオ変化の大きさ次第では中長期的な影響も懸念される。このため、同社は慎重に対策を検討しているところであり、2018年夏頃を予定していた中期経営計画の発表をいったん延期した。弊社では、遠からず、しっかりとした対策が織り込まれた中期経営計画が提示されることを期待している。
■Key Points
・リサーチ業界大手で「アジアNo.1マーケティンググループ」を目指す
・2018年12月期第2四半期は外注費増も増収増益を達成
・環境変化への対応を織り込んだ中期経営計画を策定中
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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