2,891円
ラクト・ジャパンのニュース
日経平均は反落。12.43円安の23589.35円(出来高概算4億7892万株)で前場の取引を終えている。
前日の米国株式相場は反落。ダウ平均は157.71ドル安の28679.81ドル、ナスダックは12.36ポイント安の11863.90ポイントで取引を終了した。民主党のペロシ下院議長がトランプ政権が提示した1.8兆ドル規模の追加経済対策案を拒否、選挙前の合意が困難となったため下落して寄り付いた。製薬会社が開発中の新型コロナウイルスの一部ワクチンや治療薬の治験が一時中断されたとの報道を受けて、期待感が後退し下げ幅を拡大した。
米国株安を受けた今日の東京株式市場は寄り付き段階では売りが先行した。新型コロナワクチンや治療薬の開発を巡るネガティブなニュースなどが東京市場でも嫌気され市場心理がやや悪化した。一方、ダウ平均が一昨日までの4営業日で1000ドルを超す上げとなった後ということから昨日の米国株安は健全なスピード調整と見る向きもあった。また菅首相が11月にも追加経済対策の策定を指示し、20年度第3次補正予算案を21年1月召集の通常国会に提出すると日経電子版などで報じられたことなどが株価支援要因となり、前引けにかけて下げ幅を縮めた。
個別では、21年8月期連結営業利益が前期比97.5%減予想と発表したデザインワン<6048>が12%を超す大幅安となり、未定としていた21年5月期連結営業利益が前期比73.9%減予想と発表した三機サービス<6044>、未定としてた21年2月期連結営業利益は前期比88.2%減予想と発表したトレファク<3093>、第1四半期連結営業損益が0.38億円の赤字となったアウン<2459>、21年8月期連結営業利益が前期比38.4%減予想と発表したワッツ<2735>、20年11月期業績予想を下方修正したラクトJPN<3139>が下げた。
一方、21年3月期業績予想を上方修正したジェイリース<7187>がストップ高買い気配となり、また、投資有価証券売却益36.39億円が発生したと発表したサノヤスHD<7022>が一時ストップ高まで買われた。このほか、第1四半期連結営業利益が前年同期比43.5%増となったダイト<4577>、21年2月期上半期(中間期)営業利益が6.31億円と従来予想の2.50億円を上回ったPR TIMES<3922>、が17%を超す大幅高となったほか、ハワイの大規模住宅開発に参画すると発表したダントーHD<5337>、「再生エネを主力電源に」との経済産業相インタビュー報道の関連銘柄と目されたレノバ<9519>が上げた。
セクターでは、空運業、鉄鋼、鉱業、ゴム製品、銀行業などが値下がり率上位。一方、情報・通信業、小売業、精密機器、食料品、サービス業が値がり率した。東証1部の値下がり銘柄は全体の66%、対して値上がり銘柄は28%となっている。
米大統領選まで3週間。今回は新聞記事の見出しを引用しながら米大統領選を考えてみる。「トランプ氏『負けても満足』ー揺れる気持ちチラリ?」(10月23日)、「トランプ陣営、劣勢認めるー世論調査差広がる」(10月24日)、「一部世論調査で12ポイント差」(10月25日)。お気づきの方も多いと思うが、これは今年の新聞記事の見出しではない。4年前、2016年10月の日本経済新聞に掲載された記事の見出しだ。日付は4年前のもの。4年前の大統領選も投票日は11月3日だったが、投票10日前になってもトランプ氏劣勢は変わらずヒラリー・クリントン氏との支持率差は拡大傾向だった。
また、10月23日の記事には「トランプ氏は大統領選で敗北した場合、その結果を受け入れず、法的措置を辞さない立場を示した」とのくだりもある。支持率差の拡大やトランプ氏の選挙結果に対する考えなど、最近の状況と重なるところが多い。その後、どうなったか。さらに見出しを拾うと「トランプ氏猛追、1ポイント差ー米メディア支持率」(10月31日)。投票を3日後に控えた10月末日になって、ようやくトランプ氏猛追のニュースが飛び込んできた。それまでクリントン氏当選でシナリオを構築していた投資家は混乱したに違いない。
米大統領選の投票日は毎回11月3日と決まっている。今年は火曜日。東京株式市場は文化の日で休場。4年前と同様に10月末になって選挙情勢が大きく変わった場合、シナリオを修正できる日は飛び石連休の谷間となる11月2日(月)のみしかない。今回の米大統領選でトランプ氏が逆転勝利するなどと言っているのではない。大事なことは、情勢が急変しても対応できるよう備えておくということだろう。米大統領選は世界の株式市場を揺さぶる可能性もあるビッグイベントだ。何があっても慌てないよう、
「備えあれば憂いなし」で臨みたい。
さて、後場の東京株式市場で日経平均は底堅く推移しそうだ。前場は日経平均の下げ幅が拡大する局面では押し目買いも指摘され、投資家の物色意欲は後退していないとみられる。また、ダウ平均先物が底堅く推移していることも安心感となりそうだ。
さらに、前場のTOPIXは0.51%の下落となっており、日銀によるETF買いの思惑が働く可能性もある。
(小山 眞一)
<AK>
前日の米国株式相場は反落。ダウ平均は157.71ドル安の28679.81ドル、ナスダックは12.36ポイント安の11863.90ポイントで取引を終了した。民主党のペロシ下院議長がトランプ政権が提示した1.8兆ドル規模の追加経済対策案を拒否、選挙前の合意が困難となったため下落して寄り付いた。製薬会社が開発中の新型コロナウイルスの一部ワクチンや治療薬の治験が一時中断されたとの報道を受けて、期待感が後退し下げ幅を拡大した。
米国株安を受けた今日の東京株式市場は寄り付き段階では売りが先行した。新型コロナワクチンや治療薬の開発を巡るネガティブなニュースなどが東京市場でも嫌気され市場心理がやや悪化した。一方、ダウ平均が一昨日までの4営業日で1000ドルを超す上げとなった後ということから昨日の米国株安は健全なスピード調整と見る向きもあった。また菅首相が11月にも追加経済対策の策定を指示し、20年度第3次補正予算案を21年1月召集の通常国会に提出すると日経電子版などで報じられたことなどが株価支援要因となり、前引けにかけて下げ幅を縮めた。
個別では、21年8月期連結営業利益が前期比97.5%減予想と発表したデザインワン<6048>が12%を超す大幅安となり、未定としていた21年5月期連結営業利益が前期比73.9%減予想と発表した三機サービス<6044>、未定としてた21年2月期連結営業利益は前期比88.2%減予想と発表したトレファク<3093>、第1四半期連結営業損益が0.38億円の赤字となったアウン<2459>、21年8月期連結営業利益が前期比38.4%減予想と発表したワッツ<2735>、20年11月期業績予想を下方修正したラクトJPN<3139>が下げた。
一方、21年3月期業績予想を上方修正したジェイリース<7187>がストップ高買い気配となり、また、投資有価証券売却益36.39億円が発生したと発表したサノヤスHD<7022>が一時ストップ高まで買われた。このほか、第1四半期連結営業利益が前年同期比43.5%増となったダイト<4577>、21年2月期上半期(中間期)営業利益が6.31億円と従来予想の2.50億円を上回ったPR TIMES<3922>、が17%を超す大幅高となったほか、ハワイの大規模住宅開発に参画すると発表したダントーHD<5337>、「再生エネを主力電源に」との経済産業相インタビュー報道の関連銘柄と目されたレノバ<9519>が上げた。
セクターでは、空運業、鉄鋼、鉱業、ゴム製品、銀行業などが値下がり率上位。一方、情報・通信業、小売業、精密機器、食料品、サービス業が値がり率した。東証1部の値下がり銘柄は全体の66%、対して値上がり銘柄は28%となっている。
米大統領選まで3週間。今回は新聞記事の見出しを引用しながら米大統領選を考えてみる。「トランプ氏『負けても満足』ー揺れる気持ちチラリ?」(10月23日)、「トランプ陣営、劣勢認めるー世論調査差広がる」(10月24日)、「一部世論調査で12ポイント差」(10月25日)。お気づきの方も多いと思うが、これは今年の新聞記事の見出しではない。4年前、2016年10月の日本経済新聞に掲載された記事の見出しだ。日付は4年前のもの。4年前の大統領選も投票日は11月3日だったが、投票10日前になってもトランプ氏劣勢は変わらずヒラリー・クリントン氏との支持率差は拡大傾向だった。
また、10月23日の記事には「トランプ氏は大統領選で敗北した場合、その結果を受け入れず、法的措置を辞さない立場を示した」とのくだりもある。支持率差の拡大やトランプ氏の選挙結果に対する考えなど、最近の状況と重なるところが多い。その後、どうなったか。さらに見出しを拾うと「トランプ氏猛追、1ポイント差ー米メディア支持率」(10月31日)。投票を3日後に控えた10月末日になって、ようやくトランプ氏猛追のニュースが飛び込んできた。それまでクリントン氏当選でシナリオを構築していた投資家は混乱したに違いない。
米大統領選の投票日は毎回11月3日と決まっている。今年は火曜日。東京株式市場は文化の日で休場。4年前と同様に10月末になって選挙情勢が大きく変わった場合、シナリオを修正できる日は飛び石連休の谷間となる11月2日(月)のみしかない。今回の米大統領選でトランプ氏が逆転勝利するなどと言っているのではない。大事なことは、情勢が急変しても対応できるよう備えておくということだろう。米大統領選は世界の株式市場を揺さぶる可能性もあるビッグイベントだ。何があっても慌てないよう、
「備えあれば憂いなし」で臨みたい。
さて、後場の東京株式市場で日経平均は底堅く推移しそうだ。前場は日経平均の下げ幅が拡大する局面では押し目買いも指摘され、投資家の物色意欲は後退していないとみられる。また、ダウ平均先物が底堅く推移していることも安心感となりそうだ。
さらに、前場のTOPIXは0.51%の下落となっており、日銀によるETF買いの思惑が働く可能性もある。
(小山 眞一)
<AK>
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