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Hamee Research Memo(4):先行投資費用を加味した収益で見ると増益基調を継続

配信元:フィスコ
投稿:2019/01/18 15:04
■業績動向

1. 2019年4月期第2四半期累計業績の概要
Hamee<3134>の2019年4月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比10.2%増の4,639百万円、営業利益が同15.2%減の466百万円、経常利益が同0.2%減の469百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同8.5%増の337百万円となり、売上高と親会社株主に帰属する四半期純利益はそれぞれ半期ベースで過去最高を更新した。

事業セグメント別売上高は、コマース事業で前年同期比5.1%増、プラットフォーム事業で同41.0%増となった。2018年4月に子会社化したHameeコンサルティングを除いた既存事業の増収率は約6%となっている。売上総利益率は前年同期比0.4ポイント低下の50.1%となった。このうち、コマース事業は海外卸販売比率が上昇したことにより同1.0ポイント低下の49.4%となり、プラットフォーム事業についても機能開発やサポート人員の増員、インフラ投資を継続したことにより同1.3ポイント低下の52.8%となった。売上総利益率は低下したものの、増収効果により売上総利益は同9.3%増の2,323百万円と増益を維持した。

販管費率は前年同期比2.5ポイント上昇の40.0%となった。主要項目別で見ると、物流費率は前年同期比0.7ポイント低下したものの、人件費率が同0.5ポイント、支払手数料率が同0.4ポイント、研究開発費率が同0.9ポイント上昇したことに加え、のれん償却額34百万円を計上(売上比率で0.7%)したことが販管費率の上昇要因となっている。支払手数料の増加はコマース事業におけるAmazon経由の販売増によりFBAサービス※に関連する支払手数料が増加したことが主因となっており、FBAサービスのコストも含めると、物流費率はほとんど変らない水準だったと見られる。また、研究開発費の増加は主に「ネクストエンジン」の機能開発や、IoT製品「Hamic BEAR」の開発投資によるものとなっている。

※FBA(フルフィルメント by Amazon)サービスとは、商品の保管から注文処理・配送・返品までの物流工程を一括してAmazonが引き受けるフルフィルメントサービスのこと。


この結果、2019年4月期第2四半期累計の営業利益率は前年同期比3.0ポイント低下の10.1%となり、営業利益も減益に転じた。ただ、減益要因は将来の成長を見据えた先行投資を積極的に行ったことが主因であり、こうした先行投資を加味した収益(EBITDA(税引前利益+支払利息+償却費)+研究開発費)は前年同期比13.7%増の687百万円と増益となっており、対売上比率も同0.4ポイント増の14.8%と上昇傾向が続いている。

営業外収支は前年同期比で82百万円の改善となった。持分法による投資損失が前年同期の70百万円から5百万円に縮小したほか、為替差損益が14百万円改善したことによる。持分法による投資損失については、前年同期がシッピーノ(株)(出資比率36.7%)※に関するのれん未償却部分の一括償却を実施した影響で悪化していたが、第2四半期累計ではそうした特殊要因がなくなったことが改善要因となっている。なお、シッピーノについては単月ベースで黒字が見える水準まで収益力が向上している。営業外収支の改善により、経常利益は前年同期比0.2%の減益とほぼ横ばい水準となり、また、実効税率が低下したことで親会社株主に帰属する四半期純利益は同8.5%の増益となった。

※シッピーノ…EC事業者の出荷業務を自動化するツール「シッピーノ」の運営開発会社。2017年に業務資本提携を締結。ネクストエンジンのFBAマルチチャネルサービスと「シッピーノ」を連携し、EC事業者の出荷作業の完全自動化を実現するサービスの提供を開始している。出資額は1億円だが、2018年4月期第2四半期の単独決算において関係会社株式評価損として80百万円を計上した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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配信元: フィスコ
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