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クオールホールディングスのニュース
■中長期の成長戦略と進捗状況
(2) 薬局の価値創出
クオールホールディングス<3034>では「薬局の価値創出」に向けた取り組みとして、国民から求められる質の高い薬局づくりを展開してきた。例えば、地域のかかりつけ薬局としての機能だけでなく、市販薬や介護、食事・栄養摂取など健康に関する様々な相談を受けることが可能な「健康サポート薬局」については、2022年11月時点で157店舗が認定されている。また、2021年8月から導入された機能別認定制度において、「地域連携薬局」※1は148店舗、「専門医療機関連携薬局」※2は9店舗がそれぞれ認定されている。同制度は、超高齢社会の到来に向けて課題となっている在宅医療への対応として、医療や介護を含めた「地域包括ケアシステム」構想を確立していくための施策の1つで、患者自身が適した薬局を選択できるようにすることを狙いとしたものだ。
※1 入退院時や在宅医療に他医療提供施設と連携して対応できる薬局。
※2 がん等の専門的な薬学管理に他医療提供施設と連携して対応できる薬局。
同制度の導入によって現状は直接的な収益への影響はないものの、2年後の調剤報酬改定において調剤技術料の算定に影響する可能性があると弊社では見ている。このため同社では今後も認定取得を推進し、将来的にはすべての薬局で「地域連携薬局」あるいは「専門医療機関連携薬局」の認定を目指す方針となっている。
また、2022年度も重点施策として「在宅調剤事業の強化」と「DXの推進」に取り組んでいる。厚生労働省の資料によれば、現在の在宅調剤の市場規模は約3,100億円、利用者数で29万人と推計されている。調剤市場全体に占める比率は約4%とまだ低いが、団塊の世代が75歳を迎える2025年以降は在宅での医療・介護サービスの需要が一段と拡大し、在宅調剤の市場も高成長が続くと予想される。今後は施設向けと個人宅向け両面に注力していく方針だ。
在宅調剤における差別化戦略としては、最新の調剤機器の導入・活用、誤薬防止対策としてのバーコード管理の導入、感染対策支援、栄養管理士による栄養サポートなど質の向上に取り組むことに加えて、在宅調剤特化型店舗の展開による介護施設への効率的なサービス提供、ローソンとの提携による移動販売サービスなど独自サービスを展開していくことで成長を目指していく。在宅調剤の売上目標として2024年3月期に100億円を掲げており、契約介護施設数については2021年4月時点から25%の増加を見込んでいる。
一方、もう1つの重点施策として取り組んでいる「DXの推進」では、薬局内でのIT活用による業務効率化だけでなく、LINEの公式アカウントを活用して利用客の待ち時間短縮や利便性向上につながるサービスの提供も拡充している。具体的には、2022年4月からLINEの公式アカウントを活用した処方箋予約受付サービスを開始したほか、即日配送機能やオンライン服薬指導、お薬手帳自動連携機能などのサービスも順次拡大し、ユーザーの利便性向上を図ることで顧客を囲い込み、処方箋応需枚数の増加につなげている。現在もLINEで送信されてきた処方箋の自動読み取り機能を開発中だ。オンラインによる処方箋応需枚数は2021年9月時点から1年後の2022年9月には2倍に増加しており、今後もサービス機能を拡充しながら顧客の囲い込みを行い、売上を拡大していく戦略だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<NS>
(2) 薬局の価値創出
クオールホールディングス<3034>では「薬局の価値創出」に向けた取り組みとして、国民から求められる質の高い薬局づくりを展開してきた。例えば、地域のかかりつけ薬局としての機能だけでなく、市販薬や介護、食事・栄養摂取など健康に関する様々な相談を受けることが可能な「健康サポート薬局」については、2022年11月時点で157店舗が認定されている。また、2021年8月から導入された機能別認定制度において、「地域連携薬局」※1は148店舗、「専門医療機関連携薬局」※2は9店舗がそれぞれ認定されている。同制度は、超高齢社会の到来に向けて課題となっている在宅医療への対応として、医療や介護を含めた「地域包括ケアシステム」構想を確立していくための施策の1つで、患者自身が適した薬局を選択できるようにすることを狙いとしたものだ。
※1 入退院時や在宅医療に他医療提供施設と連携して対応できる薬局。
※2 がん等の専門的な薬学管理に他医療提供施設と連携して対応できる薬局。
同制度の導入によって現状は直接的な収益への影響はないものの、2年後の調剤報酬改定において調剤技術料の算定に影響する可能性があると弊社では見ている。このため同社では今後も認定取得を推進し、将来的にはすべての薬局で「地域連携薬局」あるいは「専門医療機関連携薬局」の認定を目指す方針となっている。
また、2022年度も重点施策として「在宅調剤事業の強化」と「DXの推進」に取り組んでいる。厚生労働省の資料によれば、現在の在宅調剤の市場規模は約3,100億円、利用者数で29万人と推計されている。調剤市場全体に占める比率は約4%とまだ低いが、団塊の世代が75歳を迎える2025年以降は在宅での医療・介護サービスの需要が一段と拡大し、在宅調剤の市場も高成長が続くと予想される。今後は施設向けと個人宅向け両面に注力していく方針だ。
在宅調剤における差別化戦略としては、最新の調剤機器の導入・活用、誤薬防止対策としてのバーコード管理の導入、感染対策支援、栄養管理士による栄養サポートなど質の向上に取り組むことに加えて、在宅調剤特化型店舗の展開による介護施設への効率的なサービス提供、ローソンとの提携による移動販売サービスなど独自サービスを展開していくことで成長を目指していく。在宅調剤の売上目標として2024年3月期に100億円を掲げており、契約介護施設数については2021年4月時点から25%の増加を見込んでいる。
一方、もう1つの重点施策として取り組んでいる「DXの推進」では、薬局内でのIT活用による業務効率化だけでなく、LINEの公式アカウントを活用して利用客の待ち時間短縮や利便性向上につながるサービスの提供も拡充している。具体的には、2022年4月からLINEの公式アカウントを活用した処方箋予約受付サービスを開始したほか、即日配送機能やオンライン服薬指導、お薬手帳自動連携機能などのサービスも順次拡大し、ユーザーの利便性向上を図ることで顧客を囲い込み、処方箋応需枚数の増加につなげている。現在もLINEで送信されてきた処方箋の自動読み取り機能を開発中だ。オンラインによる処方箋応需枚数は2021年9月時点から1年後の2022年9月には2倍に増加しており、今後もサービス機能を拡充しながら顧客の囲い込みを行い、売上を拡大していく戦略だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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